
ロシアがウクライナ四州を越えて戦火を拡大している。北部方面では首都キーウの20キロに迫っている。先月には過去最大のドローンなど空爆があった。
ウクライナもクリミヤ橋やモスクワ近郊のイワノボ基地やシベリアのベラーヤ基地やスカンジナビア半島のオレニヤ基地に鉄道などの攻撃を、ロシア奥地まで展開している。ハチの巣作戦と称する、多角的なドローン攻撃を展開している。とくに戦闘機の攻撃は激しく、拝復不能な部分だけを破壊したり、選択的攻撃が行われている。
一体全体トランプの停戦案は何処に行った。トランプは出来もしない30日間無条件停戦案を披瀝したが、プーチンを激怒させたに過ぎない。引いて行くトランプのアメリカにほくそ笑むのはロシアである。
トランプの先ずは威嚇する外交と、出来もしないことをぶち上げて人気を取る外交で、歴史も立場も知らない無知が目立つ粗雑なトランプの外交手法は、結果的に投げ出すことになる。プーチンに軽くあしらわれたに過ぎない。
ソビエト連邦(ロシア)は、第二次世界大戦後多くの戦争をし、戦死者を産んできた。アフガニスタン(1万5千人)、チェチェン(1万2千~2万5千人)、ウクライナ(前回・6千人)、ハンガリー(669人)、シリア(265人)であるが、シリア以外はロシアが仕掛けたものであるが、戦死者の合計は5万人を下回っている。
今回のウクライナ戦争は先月で、25万人を超えたとされる。ロシア国内でこの戦争を評価することは許されていないが、明らかに失敗している戦争である。疑問視さえ許されない専制政治の中核にプーチンは居座っている。
NATOを敵国とするプーチンは、ウクライナを取り込みたかったのであろうが、スウェーデンやフィンランドのように、ロシアを指摘しないようにとためらっていた諸国を、NATOに加盟させる結果になっている。そうした意味でも大失政であるが、ロシアには修正機能がない。
トランプにはそうした知識もなく、忠告するような側近もいないのである。トランプが戦果を拡大させたといえる。