そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

非人道的な白リン弾

2009-01-31 | 政治と金

イスラエルはガザ攻撃に大量の“白リン弾”を用いた。白リンは、空気に触れると高温になるた02_2 めに、ヒトの皮膚に触れてやけどを起こさせる。非人道的な武器である。

白リン弾はそれ自体が爆発するわけではない。そのため広範囲に散らばるようにばらまかれる。つまり無差別攻撃用の武器である。国際法で使用が禁じられている、極めて非人道的な武器である。

01_2 アウシュビッツなどで、ナチに600万人ものジェノサイドを経験した民族として、彼らは何を学んだのであろうか?非戦闘要員や国連などの援助団体なども、無差別に攻撃している。戦闘そのものが非人道的でもある。

シンドラーや杉原千畝などが聞いたら、ユダヤ人を救うべきでなかったというかもしれない。彼らが身をていして救った民族が、圧倒的な武力で非人道的な空爆や地上戦を繰り返した。

03 イスラエルは白リン弾の使用を、公式には煙幕としての使用しか認めていないようであるが、現実には空爆でまかれていることははっきりしている。戦闘が終わったガザから映像が配信されている。白リン弾攻撃を受けているのはベイツラヒヤ国連学校である。場面を添付する。クリックすると大きくなる。

ダボス会議でも、イスラエルの正当防衛の主張は空虚であった。アラブ諸国から総攻撃にあっている。延々と主張を繰り広げるイスラエル大統領に一言「人殺しはあなただ」と反論して席を立ったトルコ首相を国民は歓迎した。

イスラエルのガザ攻撃は決して容認されるべきものではない。当面の間ハマスを抑え込んだところで、新たな憎悪を植え付けただけの愚かな行為である。ユダヤ人の周辺を劣等国と見下す態度は、満州の日本人が中国人を見下していたのと重ねてみることができる。

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黙って方針転換する政治家

2009-01-30 | 政治と金

今国会の麻生首相の演説はおかしい。いろいろ景気対策だの、給付金だのともめているが、おかしいと思うのはそんなことではない。麻生は、演説ではっきりと小泉改革を否定したのである。

すなわち「大きな政府より小さな政府」を目指した小泉改革に対して、「機能する政府」と主張した。オバマを意識しているのかもしれない。また「民にできることは民へ」とした小泉に対して、官の重要性を説いていた。自民党の幹事長に促されて、官僚の渡りをやっと否定してみたが、この男の本心ははっきりしている。経験豊富な官僚を登用したいのである。

自由民主党は、小泉改革を推進していたはずだが、何の断りもなく、誰の信を問うこともなく勝手に方針転換をしたのである。上げ潮派といわれる、中川秀直たちは忸怩たる思いで聞いていたことだろうと思われる。

公党が党内の論議はもとより国会の論戦もなく、あるいは国民に信を問うことなく方針を転換する。郵政選挙から4年、小泉改革が始まってから8年、時代が変わっているなら、それなりの討議を踏まえての決断ががあって然るべきである。場当たり的な発言としか思えない。

しかも、麻生が堂々と国会で方針展開をできるのも、小泉郵政選挙で得た議席があって、初めて可能な言動である。全く矛盾したことである。

自民党は、首相が問題を起こしたり失政すると、同じ党内から批判人物を担ぎ出す。頭をすげ替えることで、国民に何とか目先のごまかしで乗り越えてきたのである。党内政権交代を重ねてきている。

日本の政党の体質が、こうした論議もないまま方針転換を行うのである。私が知る限り、党内論議を経ることにない最大の方針転換は、社会党の村山内閣の自衛隊容認である。この方針転換は、社会党の支持者になにも問うことがなかった。社会党はその後、自壊の道をたどることになる。

自民党にもその兆しがあるのではないか。日本の公党はこうした論議を踏まえて方針を転換するのが、どの党も不得手のようである。なあなあで収めるのは日本的ではあるが、これでは民主主義体制とはいえない。

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クローンは安全か?

2009-01-29 | 政治と金

1月21日に、内閣府の食品安全委員会の専門家ワーキンググループが「体細胞クローン牛と豚は安全である」と結論を出した。多くの国民やメディアは全面的な支持をしていないように見える。

クローンとは体の一部の細胞を取り出して、試験管内で細胞分裂を起こさせてそれを、メスの子宮のなかに戻して分娩させる方法である。採取した体細胞は、元の個体と全く同じ遺伝子を持っている。氷河などで凍結死したマンモスの再生や、絶滅種の保護などに有効であると言われている。

家畜に応用して牛や豚への生産効率を高めたり、高品種の肉をとろうとするのがクローン技術である。今回これに、国がゴーサインを出したことになる。

しかしながら、クローン牛はまず受胎率が極めて低い。さらに出産時の死亡率が極めた高く、その後の成長にも問題があり、出生後3か月以内に死亡する牛が多いのである。

今回の発表も、「6カ月を超えると、他の牛と変わりない生存率で健康で問題がないと」ワーキンググループは発表している。これ自体がなんか怪しげであるが、とにかくゴーサインである。

これに似たのが、遺伝子組換え種子(GM)である。アメリカでは多くの品種が食卓に出されるようになっている。GM食品を与え続けたマウスの寿命が極端に低い。原因は特定できないが、さまざまな理由によるために、かえって不安感が増す。

GM食品をいくら分析しても、異常物質が見つかるわけではない。肉を現在の科学で詳細に中身を取り出したところで、将来とも安全と言われる保障などない。DDTなど、当時は全く問題がないと言われたものも、時代を経ると環境ホルモンのレッテルを貼られている。

クローン牛の生存率に関しても、理由がはっきりしないままである。それが食品となるとなおさら不安である。問題がなかったのではなく、現在の技術では問題点が見いだせなかっただけの話である。

アメリカやアルゼンチンや中国などではすでに容認されている。日本では、生存率や受胎率が低いことで、相当高価な肉になることなどを考えると、当分は市場に出回ることはないと思われるが、家畜の生理や農業や畜産の基本を無視した技術開発は、いつかは行き詰まるものと思われる。

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小選挙区制と党議拘束がだめにする

2009-01-27 | 政治と金

日本の国会は、議員内閣制である。首相を出している政党が与党と呼ばれている。与党が法案を提出すると(ほとんどが官僚の製作である)、野党がこれを審議する。これを事前審査と呼ぶ。

国会の事前審査で、それぞれの党が自らの主張として決めたことは、所属の議員たちは反対できないことになっている。これを党議拘束という。党議拘束を犯すと、その議員は何らかに処分を受けることになる。

我々国民は議員個人を記名投票する。我々が議員個人を信頼して投票するのである。ところが、小選挙区制になって、比例区などというものができて、何らかの党に投票することにもなったが、原則は変わることはない。55

しかしながら、国会では議員さんたちは個人の資格で、国会議員として行動する。選挙の時に所属していた党を平気で離党しても、議員としては居座っている。議員はあくまで個人としての資格なのである。

例えば、本国会で審議されている定額給付金などは、国民の70%以上の人が反対をしている。これに与党の議員全員が、賛同の意思をもっているとは到底信じがたいことである。

党議拘束がある限り、少しばかり理性的な議員さんがいても、反対投票ができないのである。これに反対しようものなら、公認が得られない。小選挙区制の中で、公認が得られないことは、刺客を送られて落選することになる。即ち議員生命が終わることを意味する。

渡部喜美議員のように親父から引き継いだ盤石の選挙基盤があって、民主党も公認候補を決めていない選挙区なら、その心配はいらない。党議拘束を無視できるのである。党内での出世はなくなっても、議員ではいられる。彼は例外的な存在である。

アメリカのように、大統領制の国家は行政府と立法府が、ほぼ完全に独立していれば、党議拘束はほとんどなく、議員は個人の資格で十分行動できるのである。議員内閣制で多少の党として方針はあっても仕方ないが、日本の政党は除名までする。異常に党議拘束が強いのである。僅かに、社民党が原則として党議拘束を設けていない程度である。

日本の国会議員さんたちは、所属政党が決めたことなら、問題だと思っても反対することなく、執行部の動向を批判すらできずに、ゾロゾロと無気力について歩くだけである。

日本の民主主義は、党議拘束の不自然さと、小選挙区制によって国民の声が届きにくい体制になって、極めて危うい状況にあると思われる。総選挙をやってもこれは変わることがない。

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おかしくなってきた朝鮮半島

2009-01-26 | マスコミ報道

North_korea_has_finally_moved_ahe_2 このところ北朝鮮が韓国に対して、極めて高姿勢である。ほとんど絶縁状態である。この20年ほどで、南北関係は最悪の状況であ。

金正日は李明博大統領が嫌いである。韓国政府は戦闘的ではないが、原則を貫くと今までの北朝鮮のわがままを容認しない姿勢が気に食わないのであろう。開城の工業団地から大量の労働者を追い出した。これだけで200億円ほどの損失と思われる。

1月16日には、人民軍総参謀本部長が自ら、西海(黄海)での国境線について妥協をしないと、テレ部報道を行った。異例のことだそうである。

Photo韓国政府これまで、風船ビラを北に向けて飛ばしていたが、北を刺激しないようにと中止した。ところが、民間の脱北者を中心とした団体が、もっと性能アップした風船ビラを飛ばし始めたのである。これが結構効果がある。

風船ビラには、韓国の現状や金正日のスキャンダルなどを報じたものである。中にはドル札まで入れたものまである。時間をおいてビラが間断にまかれるように配慮されている、極めて高性能のものである。

ところで、北朝鮮に関する最大の問題は、核や拉致やミサイルなどではなく、北朝鮮国民の人権である。F2009012410281700254 食うものもなく、発言もできず、情報公開もない国家体制が一番の問題である。北の住人たちにこのようなことを促すのは、極めて正しい行為でると言える。北の国民が目覚めるのが、最も原則的な解決方法である。

金正日は相変わらずの、みっともない工作を行っている。オバマ大統領の就任に合わせて、自らの健在ぶりをアピールしてきた。その一方で、世襲する息子のがさネタを垂れ流して、見事のその存在感を誇示している。世襲が社会主義体制か?

北朝鮮の最大の問題は、金正日体制にある。このことは衆目の一致するところである。ブッシュのように攻め入るところまで考えるに値しない貧困国家であることが、皮肉にも金正日にとって救いである。

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ロシアでまた暗殺事件

2009-01-25 | シリア

ロシアでまた暗殺が行われた。06年アンナ・ポリツフスカヤが、プーチンの誕生日に暗殺されPhoto た。彼女の係わったチェチェン紛争を封じ込めるための暗殺事件である。アンナのあとチェチェンの動きを追っていた、弁護士のスタニスラフ・マルケーロフ氏とアナスタシア・バブローフ女史が、1月19日にモスクワの路上で暗殺された。

これには一つの事件が関わっていた。チェチェンに攻め入ったロシア軍のブターノフ大佐がかねてお気に入りの娘を誘拐し、自宅で強姦し殺害した。ロシア軍は彼をかばったが肉親たちの粘り強い法廷闘争で、この男は有罪となった。この男は20011年までは収監されるはずだったが、1月15日に恩赦で釈放されていた。

このことを抗議する記者会見を、マルケーロフ氏が行ったのが、1月19日であった。この記者Anna_politkovskaya_silent_demostrat会見のほんの数分後、彼は路上で銃殺された。彼をかばって、一緒にいたバブローフ女史も殺害された。二人とも、後頭部から撃たれていたとのことである。プロの仕事と推察される。

マルケーロフ氏は、アンナ・ポリトフスカヤの後を受けて、チェチェンのロシア軍の行動を批判していた。ナスタシア・バブローフ女史は、暗殺されたアンナの後を受けて、ノーヴァヤ・ガセーダ紙の契約記者として活躍していた。

国家によって屈辱を加えられたり、殺害されたりするような事件を弁護するのが、スタニスラフ弁護士だった。彼はまたアンナ・ポリトコフスカヤの記事の執筆にまつわる訴訟事件でも、代理人になっていた。

アンナとリトビネンコの暗殺の後、メドベージェフ体制になっても、ロシアの言論の弾圧は続いている。彼らの体制に不都合な意見を、国家権力が容認しない。今回の、マルケーロフ氏とバブローフ氏の暗殺も、ロシア政府が強くかかわった形跡がありありである。

それにしても日本のマスコミは、オバマ一色である。どうしてこうした、人権や言論にかかわることの報道を差し控えているのであろう。

チェチェンニュース購読ください。 http://chechennews.org/index.htm

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まいど1号を讃えたい

2009-01-24 | 政治と金

この不況のさなかに、その本体と言われているような日本の製造業の誇りを載せて、小型観測人工衛星、H2A(いぶき)が23日打ち上げに成功した。

Photo従来から日本の衛星の主要な部分は、かまがた製造業者たちの高い技術力によって支えられ てきた。われわもそうしたことを、深くは知らずにいたがこのことだけでも大きな誇りである。人工衛星はいわば官製のものと決まっていたが、これに異議を唱えるような形になっていることも評価した。

日本の人工衛星打ち上げのレベルは決して低くはない。とりわけH2Aになってからは、14勝1敗だそうである。この人工衛星の主要な部分を、日本のかまがた製造業者が支えている。

そうした中、東大阪市の町工場の中小業者が集まって、5年前に東大阪小型人工衛星開発計画をたて、補助をもらいながら、相乗りではあるが自ら開発した衛星を打ち上げに成功した。僅か50センチ立法の小さな衛星であるが、宇宙から雷の予測をやるとのことである。

彼らの言い分は「苦しい時こそ夢をもたなアカン」として打ち上げた野であるが、言い分が「夢を打ち上げるんやない。夢で打ち上げるんや」は何とも頼もしい。日本中のモノ作り業者の励ましになる。彼らにあっぱれをやりたい。

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体力テストに思う

2009-01-22 | 政治と金

かつて、北海道は相撲王国であった。古くは千代の山や赤鬼の名寄岩、美男の吉葉山に土俵の鬼先代若乃花に、大横綱の大鵬、北の湖、最多勝の千代の富士に都会的な北の富士などなど数え切れない名力士を産出していた。

今でも北海道新聞の相撲欄には、かなり小さくなったが北海道出身力士の欄が特別設けられている。関取は幕下を行ったり来たりしている若天狼しかいない。さびしい限りである。

北海道から力士が少なくなった理由ははっきりしている。成長期に、力士に必要な下半身を鍛える機会55 が極端に少なくなったためである。小学時代に通学に平気で1里、2里(4~8キロ)を毎日歩いていたものである。夏ならまだしも、冬の雪にもめげずに子供たちは歩いていた。

私の住む別海町はとにかく広い。さらに人口の減少で学校が統廃合されて、子供たちはスクールバスが用意された。学校まで歩くことはない。家の前からすぐにバスに乗れて、黙っていても学校に着く。おまけに家では、大人たちは農作業に忙しくかまってもられないため、スナック菓子などを食べてばかりいる。子供の肥満率が全道で一番になっているようである。

待遇が良くなったのは喜ばなければならないかもしれないが、身体を鍛える機会がなくなった。さらに、広いため何処に行くのも車ばかりである。体格は大きくなったかもしれないが、体力がなくなってしまった。

昨日発表された、子供の体力検査で北海道はほとんど全国最下位になってしまった。苦労しなくて良くなったのだから、良いことなのかもしれないが、日本を支える次世代を大いに憂うるものである。

体力テストも良いが、体力とは力や速さや瞬発力だけではないはずである。本来体力とはそうしたものに加えて、抗病力や忍耐力や集中力も加わったものが、体力と呼ばれるものであるはずである。こちらの方はもっと落ちているかもしれない。

乳牛も同じである。牛を冬寒いところで飼ったり、草しか与えられなかったりすると、牛は見た目には大きくなれない。しかし、こうして飼われた牛はとにかく強い。見た目に可哀そうだとか、いじめられていると思われるであるが、牛はかえって丈夫に育つものである。

今の子供たちは、甘やかされ過ぎているのではないだろうか。

左の野生生物の死アップしました。

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オバマの就任演説

2009-01-21 | アメリカ

2 バラク・フセイン・オバマアメリカ大統領の就任セレモニーを深夜まで見た。アメリカは陽気な国である。200万人もの人が集まった。自分たちで選び出した大統領であるし、何よりも黒人であることが今までにない共感を得たのであろう。

就任演説は19分であったが、選挙戦で用いたフレーズ「chenge」や「we can」はさすがにほとんど出てこなかった。明るい未来を提示するよりも、直面する課題を多く並べた。アメリカが置かれている問題の深刻さがかえって強調された感がある。責任の時代になったとの認識は正10 しいと思う。環境問題にも時間を割いていた。

力では解決できない問題を訴えながらも、就任前の協調ということはあまりなく、それぞれが責任を持つ時代になったと強調していた。リンカーンを敬い、ケネディーを意識した内容だった。

バルコニーの演奏も様々な人種によるものであったし、集まった人々のなかに有色人の姿が多く見られた。大きな理想と課題を上げた内容だったが、少なくともブッシュのようなアジテーション的な面は少なく、アメリカが盛り上がった割には地味な内容の演説であった。新しい時代の幕開けには違いない。

オバマ大統領の評価はこれからであるが、就任前に掲げていた、協調や低炭素化社会への移行や何よりも金融危機や中東問題への取り組みをどのような形で実行するかが問題である。大統領選を戦うための総論としては評価できても、現実どのように動けるか今後を注目したい。

左の「野生生物の死」をアップしました。ご覧ください。

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英国外相がテロ失敗を表明

2009-01-20 | アメリカ

Davidmillind_090120 イギリスのデビッド・ミルバンド外相が、1月17日に「テロとの戦争は間違いだった」と、イギリスガーディアン紙のインタビューに答えた。

イギリスは、アメリカにとって最も強力な理解者だった。イラク侵攻のブッシュを真っ先に理解を示し支援したのはブレア首相だった。イギリスが加わることで、多国籍軍の言ってはばからなかったし、イラクのミサイルの射程の範囲にロンドンが入ることも、自衛のための攻撃と口実を設けられた。そのイギリスの外相がこの戦争に異議をとなえたのである。

ミルバンド外相は、世界の紛争地のテロをすべてひと括りにして、過激派と位置付けることで、無関心であった人たちまでテロ化させて巨大化させる結果になったと分析した。外相の分析は全く正しい。

ミルバンド氏は、イギリス労働党の若き指導者である。現在43才でブラウンの後を引き継ぐと衆目の一致する人物である。彼は、世界から核兵器をなくすようにと、昨年夏に論文を発表している。

又、多くの人の意見を聞くことで意思決定を持つべきとか、環境問題に積極的な取り組みを見せていたり、低炭素社会への志向を掲げている。オバマに共通する、若さと未来を見つめる目を感じる。

翻って、ブッシュのイラク侵攻を小泉首相がち早く支持したは日本政府は、いまだに当初のアメリカ支持を曲げていない。ブッシュは支持を表明してもらい、兵士を減らすことのなかったハワードオーストラリア前首相を、今月叙勲している。ブレアも小泉もいい面の皮である。

誤りを素直に認めることで、新たな対策が取れるというものである。オバマはこの点をどのように取り組むのか注目したい。

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自衛隊の派遣は問題である

2009-01-19 | 政治と金

200901167517571n政府はソマリア沖の海賊対策として、海上自衛隊を派遣する意向を固めた模様である。首相の意向に沿った検討委員会は、しぶる公明党を説得し、派遣を決断したようだ。

確かに人道的には、ソマリアの海賊(物取り行為・船ごと誘拐して金を巻き上げる行為など)はあってはならにことである。ソマリアは90年に内戦が起き、その後の干ばつなど200万人も死亡している。その後ソマリアは内政不安状態にある。こうしたことSomali7_pirates_090117を背景に、海賊行為はビジネスとして定着した感がある。30億ドルも稼いでいるとの報道もあ る。儲けのいい仕事である。

日本が海上自衛隊を軽微に派遣したいようであるが、どう見ても法律的に無理がある。自衛隊は国内あるいは、国家に対する警備、自衛のものである。公海上での警備行動は自ずと制限されるべきで存在ある。政府は、自衛隊法82条の通常の海上警備行動をを考えているようだが、公海上での警備行動は海上保安庁の仕事である。今回は海賊が軍隊ならまだしも、民間の犯罪者である。

Somali_pirates 海上保安庁でも公海上の警察権の行使は、これほど離れたところまで及ぶのかは疑問である。ちょっとばかり無理だと思ったのか、政府は自衛隊に、日本特別警備隊と名称をつけて、派遣するようである。

支持基盤の弱い麻生内閣は、特別法を作って対応する力がなく、例によって解釈改憲の方法を用いての派遣である。法律を設けることなくなし崩しのままで、日本船の護衛ならまだしも、不特定の国籍の船舶をどのように保護するのであろうか。

日本は軍隊のない国家として知られている。それを最大限利用する形で、ソマリアそのものへの援助や治安対策への貢献を、日本は考えるべきである。このままでは、知らず知らずの間にこの国は、世界中どこにでも軍隊を派遣できる国になってしまう。

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ユダヤ人のホロコースト

2009-01-18 | 政治と金

Gaza_detail ガザ地域は、東京23区の6割程度(363平方メートル)、縦46キロ幅約10キロほどの狭い地域である。ここに150万人のパレスチナ人が住んでいる。

ここに、世界屈指の装備を持つイスラエル軍が攻撃を始めて、32週間を過ぎた。死者は1000名を越した。負傷者は5000名ほどと言われている。

イスラエルの総選挙の直前であり、アメリカ大統領の引き継ぎ時期である。これに、ハマスとの6か月停戦協議の切れるのを見越して、イスラエルは攻撃を加えた。

攻撃は空爆から始まり地上軍を投入した。学校や国連避難所や病院やモスクそれに市街地の攻撃は、結果をみる限りイスラエルのホロコースト状態いといえる。

現地からの写真を添付します。

Gaza_victim_090117_005Gaza_victim_090117_001_2 Gaza_victim_090117_002_2 Gaza_victim_090117_007_2      

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ブッシュのごたく

2009-01-17 | アメリカ

ブッシュが最後の演説を行った。史上まれに見る低支持率のまま辞めるためではないだろう0115bush_100x100__1232068528_9195が、声に張りがなく表情も力なく精彩を欠いたように見受けらrた。

しかし、内容的には強気のままであった。就任直後の、9.11に始まるテロとの戦いは成功した。7年間アメリカはテロにさらされなかったと強調した。アメリカ国内では、テロにあわなかったけれども、アメリカを支援した国やアメリカ兵たちは結構やられている。

それに、テロと規定した内容を見ると、ブッシュのやってきたことがテロそのものではなかったか。

悪と善がこの世にあり、その二つは相いれないものであると言った。悪も善も同じ人間が主張するものである。第一、なにが悪で何が善なのか、誰が決めるのだろう。ブッシュは自分が決めたのであるが、決められた方はいい迷惑である。

Bush_good_by_090116ブッシュを悪と思っている人たちが、中東にはたくさんいるととは、靴を投げられて解ったはずだろう。ブッシュの言う、自由と民主主義もあやふやなものである。単なるお題目にすぎなかった感がある。

ブッシュの擁護する、中東で唯一の民主国家とか言われているイスラエルでは、パレスチナ人の被選挙権は大幅に制限されている。あれほどの大量虐殺を止めない国家が、民主主義国家だろうか。

何よりもっブッシュは大きな二つの課題を残したままである。テロ対策と経済対策である。やり残したのではなく、自らが大きくして耐えきれずに、オバマに引き継ぐことになっただけである。

更には、温暖化対策や北朝鮮問題やイラン問題など、ほとんども問題も同様に大きくしてより困難な状況にして残した感がある。いずれにせよ史上最低の大統領であったことには間違いない。

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多喜二とゲバラ

2009-01-16 | 政治と金

小林多喜二の「蟹工船」を読んだのは、中学時代だった。蟹工船の意味も良く解らなかった。た200pxtakiji_kobayashi だ、多喜二がわずか30歳で惨殺された写真をみて、熱いものを感じていた。

北海道に来て解ったことの一つに、多喜二は単なるプロレタリア作家ではなく、北海道の風景を丹念に正確に、思いを入れて描写している優れた作家であることを知った。

2年ほど前から「蟹工船」がベストセラーになっている。若者に読まれているとのことである。ただ、蟹工船だけだというのが気になる。多喜二の他の作品にも目を通して欲しいものである。このブームで多喜二のドラマが放映されたし、蟹工船が映画化されるらしい。

キューバ革命の英雄の、チェ・ゲバラが映画化されている。キューバの大蔵大臣でありながら、南米の革命を目指してボリビアで捕捉され殺害された。60年代の英雄である。

ゲバラの熱い生き方に多くの若者が感動した。彼を銃殺した軍人は出世してスペイン大使館とEa1298273658b3b0860d84b0ae8b9f0c_2なったが、暗殺されている。ゲバラに関する伝説は数え切れない。ゲバラ日記はぼろぼろになって、今はどこに行ったのかわからない。

小林多喜二にしてもゲバラにしても、なぜこの時代に復活したのであろうか。復活とまで行かな くても、若者たちから共感を得られるのは今の格差・貧困を生む時代背景が共通するのかもしれない。

しかし、大きく異なるのは二人とも活動家だったことである。多喜二は、明確に何が敵になるのかを見据えて戦ってきた。ゲバラの場合はもっと具体的である。武器を持ち、ゲリラ活動を続けた。私利私欲を捨てて戦った英雄たちである。

彼らの作品や生き方を、今の若者たちは「鑑賞」しているだけなら、それは意味のないことである。当時と時代背景が異なるが、天文学的な収入を得る人たちと、明日をも知れない日々を送る人たちが生まれている事実に差はない。だから手段こそ別であろうかやるべきことに変わりはないのである。

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再度雇用を考える

2009-01-15 | 市場経済

終身雇用と年功序列による給与体系が問題視されることは、とりわけ公務員(官僚)批判のターゲットにされることは、少なからず理由があった。護送船団方式も多くの問題があり、日本のお役所と大企業の強力な結びつきの、根源になっていた。さらにこれに政治家が加わることで、ゴールデントライアングルと言われている。

この延長として、雇用関係の見直しと年功序列がやり玉にあがる背景の中で、派遣社員の必要性が「柔軟な雇用関係」として登場した。雇用関係については下記のサイトから、ほとんで無断で引用したので参考にしていただきたい。

ここで問われるのは、雇用者の社会的責任(CSR)である。直接・常時雇用できない理由のある場合に限り、パートや臨時雇用するべきなのである。

工事現場に医師が必要な場合であったり、企業内で養成できないような極めて特殊な技術者を必要とする場合に限る、派遣労働の枠を、好きな時に働ける雇用の柔軟性とか市場原理といううたい文句で外してしまったのである。規制改革とやらである。

今急浮上する「ワークシェアリング」は、給与を減らして雇用を確保しようとするものとされているが、現実には賃金を抑えるための雇用者側の論理でしかない。

身障者や主婦などが、生活スタイルの中で働ける時間だけ働く、正規雇用関係を引き合いに出しているが、ワークシェアリングとは似て非なるものである。それでも構わないというほどの現実があることは認めなければならないが、労働者は追い詰められる一方である。

「五十嵐仁著「労働再規制-反転の構図を読みとく」(ちくま新書)より引用

雇用の基本は、直接・常時雇用である。基本的には、使用者が雇用責任を取ることができる直接雇用で、働きたいだけ働ける期間の定めのない雇用でなければならない。しかし、仕事の繁閑や専門性の関係で、一時的臨時的に雇用者を増やさなければならない場合や専門の技術者などを雇用する必要性が出てくる。こうして、一時的で部分的な業務を担当するパート労働者や派遣社員が登場する。しかし、それはあくまでも例外的なものであり、決して典型とされてはならない。これが、パートや派遣労働者の問題を考える基本的視点である。」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/

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羅臼港

春誓い羅臼港