そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

イスラム圏の民主化に苦慮する米国

2011-01-31 | アメリカ

比較的平穏だったチュニジアで革命が起きた。今後この動きは不透明な部分が多いが、近隣に火種が飛んでいる。とりわけアメリカが最も信頼を寄せていた、エジプトで民衆の動きはかなり活発である。

110131 エジプトのムバラクは、内閣改造を行った。自らが大統領になる基盤となった、副大統領を置いたのが目を引く。ムバラクとしてはせいいっぱいのことをやったつもりでいる。これで民主化の動きが止まるとは思えない。イエメンでも、されは大統領に対する反政府運動が起きている。アメリカはこれらの動きを、表向き支持せざるを得ないコメントを出している。

しかし、中東における親米国家であるエジプトはムバラクの独裁長期政権、イスラエルは極右翼政権、サウジアラビアは言わずと知れた王政である。中東で最も民主的な政権は、アメリカが最も嫌うイランである。最も民主的な選挙をやって、反米を貫いている。

アメリカが民主化を掲げて侵攻したイラクでは、混乱が続くばかりである。選挙を行っても半年経たなければ組閣すらできない。政情は安定に程遠い現状にある。

中東には長期政権が常態で存在する。軍事政権であれ王制であれ、民衆は110130 特権階級の存在を容認する風潮がある。こうしたことが政権に多くの問題を引き起こすことになっている。いずれにしても、国民に政権を選択させる制度を導入するべきである。

今回のエジプトのしても、中東で民主化が起きると例外なく反米政権になる。アメリカの民主化を評価するそぶりは真意ではない。都合が悪ければ武力介入をへいきでやり、国民が選んだ政権を潰すのである。アメリカが中東に限らず、他国に求めるのは民主的な政権などではなく、親米政権が欲しいだけなのである。

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ニワトリの飼い方をそろそろ見直すべきでは

2011-01-29 | アニマルウエルフェアー

日本各地で鳥インフルエンザが、まん延している。渡り鳥が運んでくることであるらしいが、口蹄疫と異なり鶏舎単位の淘汰を繰り返しても、何も変わらない。

農水省の対策も、いつもより倍死んだら報告するようにとは何とも頼りない。一般の人々には判り難いかもしれないが、通常の採卵鶏の鶏舎では、1万羽以上のところでは、通常でもコロコロ死ぬものなのである。10万羽もいれば、100羽単位の死亡は通常と思っても差し支えない。それが多くなったら連絡し調査せよとのことである。

もう一つの対策が、外界との徹底的な遮断である。鼠すら通れないように小さな穴や、ネットのほころびなどをなくせよというのである。野鳥との接触を断てとのことであるが、なんとも不自然に思えてならない。

現在の徹底した大規模の飼養形態そのものが、本来異常なのである。外界と遮断され、A3用紙程度の面積しか与えられず、羽根の広げることもできず、水浴びも羽根の繕いも出来ない、金網で中空に浮かんだようなケージで飼われているのである。このような飼い方で、更に外界との遮断を徹底することが対策だというのである。

卵は栄養豊富な健康食品である。この健康食品は、極めて不自然な飼養形態で、不健康なニワトリが生産しているのである。しかも、年間300も産まされるのである。100を切ると淘汰の対象になる。飢餓中枢の鈍感な品種を改良し、病気でも熱があっても食べ続けるニワトリたちの、飼養方法を見直せと、鳥インフルエンザウイルスは警告しているように思える。

安価な輸入穀物を大量に投与して、高価な卵を生産する形態を追及すると、こうした飼養方法をとらざるを得ない。家畜にも生命体としての存在を認めるべきとの考え、家畜福祉の思想がEUを中心に広がっている。卵好きの方は一度、採卵鶏舎を観察されると良い。鶏舎にいくら蓋をしても、今の対策になるだけで本質的な問題が解決するとはとても思えない。

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ベトナム戦争からアメリカは何を学んだか

2011-01-27 | マスコミ報道

先日BSで放送された、「ハートアンドマインド、~ベトナム戦争の真実~」を見た。幻のドキュメンタリーと見る機会がなかっただけに、とても良い機会だと思った。この映画は1975年のアカデミー賞ドキュメンタリー部門を受賞している。後のディアハンターや地獄の黙示録などの映画のもとになったと評価されている作品である。

作品は制作者のコメントがなく、淡々と登場人物に語らせている。時の将軍が、「東洋人は人の命について無関心である。人口も多いのはそうしたことである」と語っていたのは、背筋が寒くなった。アメリカはここを守らなければ共産主義が広がるとする、ドミノ理論を展開して大義を通した。それがベトナム戦争であった。

大義のためにはありもしない事件(トンキン湾事件)を引き起こし、ナパーム弾や枯葉剤など平気で使用した。国家の形や国民の意思などないに等しく、北爆を行った。いくら政権を変えても、いくら爆弾の数を増やしてもけ結局は、ベトナムを変えることができなかった。人々は自らが自らの国を治めることが、なによりも大前提なのである。経済的な困難を覚悟しながらも、独立を望むのは極めて健全な考えなのである。

アメリカはこのことを理解せず、いまだに世界各国に政治介入する。ベトナム以降多くの地域紛争に直接間接的に介入している。その典型がイラク侵攻である。一見アメリカの主張は正しいように見えるが、当事者にとってh極めて迷惑なものである。アメリカが学んだことは、戦場を自由に報道させないことくらいであった。報道管制の元にその後の紛争は置かれ、通常の人々は真実を知らされず判断するだけである。

こうした経過の結果、アメリカは9.11を暴力的に、あるいは政治力学的に理解し対処したに過ぎない。アメリカはベトナム戦争の敗北から、戦争の本質を学んでいないのであり、今日の国家間の係争や後進国の国民の心情を学んでいないのである。

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TPP反対の大義を読む

2011-01-26 | マスコミ報道

「TPP反対の大義」農文協刊を読んだ。農業や関連事業に詳しい、各界の識者の小論文を集めたものである。些か寄せ集めの感はあるいが、26名もとなるとそれなりの姿が見えてくる。山下惣一氏は、かつて国会でコメ一粒たりとも輸入させないと、3回も国会決議したことをあげているが、農家の問題ではなく、国民の問題だと指摘する。

農業強化の方針の一つに、輸出産業としての方向性を政府は打ち出している。例えば、中国の富裕層へ、日本のコメを売り込もうというのである。この方針は15年前に打ち出されたものであるが、やっと5億円になった程度である。日本が購入する穀物が1兆7千万円であるから、僅か0.05%程度しかなっていない。そもそもこうした特殊な食糧を売り込むのは、農業の在り方や食糧問題とは無縁のものでしかない。

本ブログでも何度も指摘している内容とかなり重複する。「小国のFTAから」から「帝国のFTA」への豹変と指摘するのは、田代洋一氏である。2国間協議であったシンガポールとニュージーランドのFTAにチリとブルネイが加わったのが、TPPである。これの突如としてオバマが参加表明した。

日本のGDPに占める農産物の割合は、1.5%であり98.5%が犠牲になると前原外相が発言した。同じくアメリカは1.1%でありイギリス、ドイツは0.8%である。これらの国々は、農業農産物の保護に躍起になっている。

アメリカの対アジア戦略であると、服部信司氏は指摘する。WTOの基本理念となったウルグアイランド以降、東側の社会所議国家の崩壊、人口が10億も増え62億となっている、環境問題・温暖化の深刻な進行、食料問題の深刻化・飢餓問題、そして中国の台頭、ロシアの復活、インドやブラジルの台頭など、めまぐるしい変化が起きている。しかしながら、自由貿易絶対信仰は変えようとはしないのである。

むしろこれらのより一層特化する、無関税へとするのがTPPである。将来に禍根を残す愚策である。

TPP反対の大義 (農文協ブックレット)

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スーダンとハイチを教訓とせよ

2011-01-25 | 政治と金

ハイチで200万人を超える人が亡くなった大地震から1年経過した。世界最貧国と定冠詞のようにつけられているこの国は、30年前まではGDPは高くはなかったが、決して貧しい国にではなかったのである。少なくとも、トウモロコシを主食としコメを賄う国は、飢餓などなく食糧は足りていたのである。

アメリカがこの国に対して、1990年代に関税の半減を押し付けた。時のアリステイド政権はこれを受けたのであるが、アメリカから安価なトウモロコシとコメを輸入せざるを得なくなってしまった。農村を離れた農民は、都会の周辺でスラム街を作り、森の木を切って炭を作るようになった。毎年のように洪水被害が起きるようになって、更に農地は荒れるようになった。

ハイチのマザーテレサと言われる、日本人医師の須藤昭子さん(83)は、ハイチの農村が復活することがこの国を救う唯一の道だと説いている。都会に出た農民は、泥と塩にショートニングを混ぜた、泥クッキーで胃腑を満たしている。

今回南部地域の独立投票が行われたアフリカ最大の面積を誇るスーダンも、同様に決して貧しい国ではなかったのである。金はなかったかったかもしれないが、人々が争い合いなじり合う国家ではなった。アメリカがこの国に、綿花の栽培を持ちかけた。換金作物として大規模な経営をやれば外貨を稼いで、国は豊かになると持ちかけた。時の権力者は早速これに乗りかかった。

アメリカから賄賂があったかどうかは分からないが、国家プロジェクトの農場にはアメリカの大型の耕作機械が大量に持ち込まれた。3年経って綿花が収穫される頃になると、国際価格暴落したのである。価格は回復することなく、大きな債務を抱えたプロジェクトは破綻した。大型トラクターは放置され農地は小麦すら生産できなくなってしまった。

この世界最貧国のスーダンとハイチは、アメリカの資本力で食料生産を放棄させられ、貧しくても裕だった生活を失ったのである。ほかにも理由はあり、複合的な要素はあると思われるが、少なくとも国家と国民に大きな負担となり、負のスパイラルへと転落していったのは間違いない。

食べ物を失った国家の姿がここに見て取れる。日本は今、同様にアメリカから関税の撤廃を強要され、国家として最低限の食糧の自給をら失う道を選択しようとしている。日本はそうはならないという補償などどこにもない。TPP参加は、極めて危険な選択の岐路に立つことを意味するのである。

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穀物生産と先進国と食糧の自給

2011-01-24 | 政治と金

世界で生産されれる穀物は、22億トンを超えている。これを62億人で除すると、1人当たり350キロほどになる。1日概ね1キロの穀物が消費できることになる。しかし、現実には10億の人が飢え10億の人が肥満に喘いでいる。更に1千万人の人が飢餓で死亡している。その6割が5歳以下である。

つまり食料は、均等に世界を巡っているわけではないのである。当然のことながら穀物は高いところに売り付けられる。それが経済原則と割り切る前に、この大半の穀物を販売しているのが、生産者でもなく国家でもないとしたら、それでも当然のことだと思うだろうか?世界に流通する穀物の7割強は、穀物メジャーが売り歩いているのである。

最大の穀物メジャーである、カーギルは年間8.8兆円も扱っている。ちょっとした国の国家予算程度にもなる。ADM、カビロン、ブンゲ、ルイ・ドレイファスの5社で世界の流通する穀物の殆どを扱っている。穀物メジャーはあの手この手を使って、高いところあるいは高くなるまで待って、多くの場合自社の運送手段で、販売するのである。彼らが貧者に売り込むわけがない。

穀物は生産額の僅か10%程度しか貿易に向けられない。ほとんどの国が自給を前提にしているからである。コメに至っては、6.7%が他国に売られるだけである。又、かつては先進国は工業製品を販売し、後進国は農業製品を販売すると、説明されていましたが現実はこうなっていない。

農産物輸出高が多い順に並べると、アメリカ、オランダ、フランス、ドイツ、ブラジル、ベルギー、イタリア、スペイン、カナダ…結局は、先進国が売り込んでいるのである。当然のことながら、後進国など手が出ない価格となり、貧国は更に貧しくなるのである。

もう一つ別な側面がある。貧国が売り付ける農産物は、先進国で販売されるせいぜい1%程度で販売されているからである。カカオやコーヒー豆は200倍の価格になる。貧国と飢餓がなくならない理由はここにある。

TPPは先進国、しかも農産物を安価に大量に売り込む国家の都合の良い論理である。当分はお金を基軸に回転するであろうが、不均衡な貿易体制はやがて多くの人類にとって、平和に生きていくための障害になることに気が付く日が来るだろう。TPPは天下の愚策である。

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小沢を人身御供にして変質する民主党

2011-01-23 | 政治と金

小沢一郎をマスコミが「政治とカネ」の問題で、良いだけ叩きまくっている。野党は民主党を攻める格好の材料にしている。政治とカネと言うお題目に誰も反対し100125 ないからだ。それではこの問題は何だったのか、今一度検証して見る必要がある。

元はと言えば、西松建設との贈収賄をターゲットに、検察が仕立てたシナリオに沿って3年ほど調べまくったのであるが、何も出てこなかった。出てきたのは、若手育成のための寮の建設予定の土地に小沢が大金を出しただけだった。この金の出所は良く解らないままであったが、報告書への記載漏れが見つかった。しかも4カ月あとには報告されてはいたのである。年度をまたいだので、当時の秘書の石川議員ともう1人が逮捕された。かなりの微罪である。しかもこの二人は無罪になる公算が高い。

これに小沢が関与していたのかどうかが問われている。ベテランの検事が無理と判断した。検察官は法律の専門家であるが、これに半数以上が20代の素人の集まりの、検察審査会が起訴すべきと判断したのである。私は小沢一郎が好きではない。新進党などを解党した時の政党助成金などを前回の衆議院選でばら撒いたようであるが、これは違法ではないが不当な金である。こんな男が好きにはなれない。しかしこの審査会の判断はどう見てもおかしい。どの道無罪になる公算が大きい。

一方で党内選挙で勝った、菅政権は小沢がかつて掲げていた政治指針を、すっかり切ってしまった。小沢は民主党の代表時代には、財界との関係はきっぱり断っていた。面会もやらなかった。菅は企業減税をやった。マニフェストにはなかったことである。

地方出身の小沢が掲げた農民への所得補償制度は、マニフェストにすらなかったTPPの思想と明らかに反する。菅はもうすでにTPP加入は当然とまで発言している。TPPとは、アメリカが他国の法制度まで及んで、自国を守る制度を作ることである。公務員の人員削減も、アメリカとの対等な関係も、菅は反故にしてしまった。全く検討の対象外であった消費税が、ここに来てカウントダウンに入っている。

要するに、菅にとって小沢は目障りな存在でしかなくなったのである。政治とカネと言う正体不明の言葉を引き合いにして、小沢をいけにえにすることで延命を図っているとしか思えない民主党の現在の姿である。

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政党難民と化した日本

2011-01-22 | 政治と金

読売テレビの辛抱治郎という、かなり右寄りのことを平然と発言解説委員がいる。昨年退職したようであるが、結論から発言するのでメディア向けにはうってつけに人物である。自民党の右の人たちよりももっと右寄りの新自由主義者である。

この男を支持はしたくはないが、彼がが言い放った(らしい)言葉で「政党難民」という言葉がある。言い得て妙である。民主党が、なるほどと国民に思わせるような政策を次々と出して、政権を奪取した。

ところが、一年半を過ぎてみるとこれらの公約のほとんどが、絵に描いた餅のようになってしまっている。それだけならまだしも、平気で公約(マニフェスト)を保護にしてしまっている。公約が実行できないのなら、それは構わない。何らかの理由があるからである。その理由すら提示しないで、平気で反故にしてしまっている。

これでは自民党と同じである。自民党政治に飽き飽きした人たちが、民主党に託したのである。その自民党と同じになって、財政再建法案を自民党に提出させようとする姿は、政党としての違いなどなくなってしまった感がある。

日本国民は選ぶ政党がなくなってしまったと言える。この現状を、辛抱は「政党難民」と呼んだのである。国民は行き場をなくしてしまった。無所属などが増えるならまだしも、これの受け皿になっているのがみんなの党である。こうした時には、一昔前なら社会党や共産党が受け皿になったのであるが、今はそれもない。

与謝野を取り込んだり廃案になった自民党案を提出させたりと、もうすでに大連合になってしまった感すらある。政治に関心のある人たちが行き場をなくした様は正しく、政党難民と言える。

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中国に何も言えないアメリカ

2011-01-20 | アメリカ

China_us_meeting110121_2 世界が注目する中、米中のトップ会談が始まった。アメリカは、様々な問題がある中、胡錦濤を国家主席を国賓として最高の礼を尽くす中で迎えた。この日に合わせて昨年の経済成長が10.3%と発表し、世界第2位の経済大国になった中国の主席の自尊心をくすぐるには、十分の歓迎だった。

オバマは国に内外から多くの注文を中国に向けて出すように注文を受けていた。人権問題、人民元の引き下げと北朝鮮への圧力などである。少なくともこ の3点は全く動くことがなかった。聞いておきましょうという程度の、胡錦濤の回答である。

しかしながら、オバマは大きな経済的な成果を得られたことに間違いがない。アメリカから200機もの航空機の購入など、3兆千億円の商談を決めたからChina_us_meeting110121001_4 である。昨年インドに数100人のビジネスマンを引き連れて出向いた時と同じように、オバマはセールスマンに徹した感がある

今やアメリカは中国に大きく経済的に依存している。かつての米ソのように経済的に依存することのなかった関係とは大きく異なる。アメリカは、高い経済成長を維持する中国にあやからなければならない。

アメリカの民主党は人権政党として自負していたものである。チベット問題も劉曉波もウイグル問題も何も言えなくなってしまた。何よりも経済なのである。今回の商取引で、23万人の雇用が生まれると、国内に向けた発言も忘れない。

同様に人民元が安すぎるとか、朝鮮半島の非核化への協力などのオバマの発言も、アリバイ的な内容に終わってしまった。胡錦濤に上手くやられただけの会談に終わってしまった。これで晴れて中国は、今まで以上に大手を振って国内外で好きなことが出来るようになった。これが対等な国家関係だと言える。菅直人に聞かせてやりたい。

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経済効率と農業効率は異なる

2011-01-19 | 政治と金

政府はTPP導入にあたって、農業をもっと強い体質にしなければならないと盛んに言いだした。日本の農産物が高いのは人件費の問題であって、決して生産性が低いからではない。コメなどの伝統農産物に限ると、1000年以上も持続して作られている。効率が悪ければこんなにも続くはずがない。ここで云う効率とは、農業生産効率である。

政府が唱える効率は経済効率である。農業の生産効率とは本来同一であるべきだが、現実には全く異なったないようになってしまう。畜産を例にとるなら、大規模な施設で可能な限り人的労力を減らし、可能な限り多くの家畜を飼うことが最も効率が良い。しかも安価な飼料を与えて、最大生産量を上げることが最も経済的メリットが高くなる。

しかし、飼料は大量のエネルギーを使って海外から輸入する人と競合する製品である。輸入穀物が安価でなくてはならず、販売製品の肉や卵は高くなければならない。家畜は生産効率の良い若い時だけ飼われることになり、少し生産が落ちると廃棄される。廃棄される家畜は効率が良い生産体系である農場の方が圧倒的に多い。

畜産の生産効率はどう見ても無駄が多い。穀物から得られるカロリーを、卵では5分の1、牛乳では8分の1、牛肉では30分の1に落とすことになる。これを可能にするためには、安価な穀物と高い畜産物製品があるからとなる。されに設備投資も相当にかかる。周辺産業は潤うことになる。環境汚染はつきものである。

これに比べて農的な効率では、人が利用することのできない廃棄品や草などを利用した飼料を与え、人が利用できる畜産製品に換えることが基本である。無駄なエネルギーもなければ移動もない。当然生産量は少なくなり、飼養頭数は制限される。家畜たちは健康で、生産製品は誰もが口にできる安全なものとなる。設備投資もなければか環境汚染もない。

米作りや野菜作りや果樹でも基本的には同じである。決して大量には作ることもできないし、農薬や化学肥料の手助けはいらない。しかしこうした形態は、経済効率が悪いとTPPを期に、切り捨てられようとしているのである。

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食糧価格に鈍感な日本人

2011-01-18 | 政治と金

最近になってようやく日本のメディアは食糧価格の高騰を報じはじめるようになった。しかし、それは製品価格であって穀物などの高騰の問題点を報じているの19852010 ではない。2008年にオイルマネーが穀物を買い漁って上昇させて大騒ぎになった時より、報道の質も量も格段に低い。ここには、日本はTPPを受け入れるために、すでに暗黙の了解があるかに思えてならない。

2008年に最も高騰したのはコメである。とりわけ、工業化へと政策転換の途に就いたばかりのフィリッピンでは、悲惨であった。コメ騒動があちこちで起きている。日本の報道はほとんどなかったように記憶している。この時の国際取引価格は、4倍にもなったのである。日本が騒がなかったのは、曲がりなりにも日本ではコメは自給しているからである。

今回の日本の報道が鈍いのも、円高が40%も上がった穀物価格(先日FAOが発表した表を参照ください。クリックすると大きくなります)を帳消しにしているからである。ここに日本人が、穀物の取引価格に鈍感になる理由がある。何とかうまく逃げているように見えるが、危機感が起きない不幸な状況と言える。

日本は穀物を1000万トン生産している。イギリスは3000万トンである。ドイツは5000万トン生産している。イギリスは日本の面積も人口も半分、ドイツは日本の3分の2である。先進国とはなにかをこの数字は物語っている。国家は頑として、食料を自賄いする姿勢を崩さないのである。

TPPのように無関税取引は、ガードなしの殴られっぱなしのボクシングのようなものである。打たれ強い方が生き残るのである。究極の新自由主義と言える。食べ物をそのように粗末に扱うことを、我々は親から強く窘められて育ってきた。日本は伝統の食文化を放棄し、一時の経済評価に食べ物を委ねてしまうシステムを導入しようとしている。

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トキが生き残れる田んぼを

2011-01-17 | 政治と金

佐渡のトキの放鳥は、岩沢信夫さんの指導もあって農家が自らが農法を変えてきた。無農薬、非耕起農法を、福岡正信さんから引き継ぎ発展させた、岩沢さんの頑張りに負うところが大きい。16日に放送されたETV特集『田んぼにト080925 キが舞いおりる』は、そうした農民の苦悩を表していた。

10年前佐渡で7人の農家が、無農薬に踏み切った。中国から日本では絶滅したトキが来ることが決まったが、えさ場となる水田に農薬を入れないようにできないかと、行政からの打診があったからである。冬でも灌水するなどして、これまでやってこなかったことをしなければならない。何よりも雑草対策が最も大きな課題である。この7戸の農家は減農薬から初めて、ほとんど無農薬の水田を作り上げている。

イトミミズが田んぼを耕し排せつ物が肥料になり、タガメやカエルなど多くの動物が増えた。トンボ等の昆虫も増えた。村では田んぼにどれほどの動物がいるかを調査するようになった。生きものと共生するコメ作りである。

いくら無農薬のコメを作っても売れなければ何にもならない。しかも付加価値を付けることで高く売らなければならない。無農薬は大きな面積を耕すことが出来ない。彼らを応援する消費者たちが、最も厄介な雑草抜きにやってきてくれた。

トキヒカリと命名して販売するようになったが、格段に高くなるわけではない。ある農民が「わしらいくら安全・安心のものをつくっても、コメの値段がどんどん安くなる。これではやってゆけない」というのである。今の米価では大規模化して、農薬も化学肥料も投入することでしかやって行けない。政府の試算も、大規模化を推進するために多くの補助金を出している。

食糧に安全や安心、無農薬を求めるなら応分の対価を農民に支払うべきである。消費動向は価格で大きく動く。一部の産地直送などがあっても、景気動向などに左右されて結局は安価なものから売れることになる。TPPは農産物を価格でしか評価しない。トキなど絶滅に追い込む農法でなければ生き残れない制度である。

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短命内閣の予兆がある

2011-01-16 | 政治と金

菅改造内閣が発足した。困ったことにこれで支持率が上がったようである。なるほどそういうことだったのか。小沢外しで人気挽回を図ったのであろうが、そPhoto の通りになっているが、日本人はよっぽどお人好しなのだろう。今回の改造内閣で最も目を引くのが、与謝野馨の入閣である。民主党が日本を壊すと言ってはばからなった人物である。

与謝野馨は、財政再建至上主義者である。この不景気に財政再建のためとして、増税に踏み切ると景気の後退が加速される。橋本内閣で見られたことである。橋本退陣のきっかけにもなった。党内に理解に苦しむ党員も少なからず抱えている。

与謝野たちが立ち上げた『たちがれ日本』は、自民と民主の大連合を画策していた、読売の渡邊恒雄の発想であり、石原慎太郎が名付けたのである。結党の理念とは裏腹に、平沼の国粋主義者たちの思惑と与謝野が異なる所詮烏合の二世の老人団体でしかなかった。与謝野の離党で何も変わらない。除名すらできない。

もう一つこの内閣で目を引くのが、この5年余りの財務大臣が全て入閣したことである。与謝野馨、藤井裕久、菅直人、野田佳彦である。藤井裕久は副官房長官であるが、若造の官房長官を補佐するのであろうが、もうすでに官房長官を超えた発言をしているようである。この内閣が財務官僚に牛耳られるのは見え見えであると言える。

こうした結果、小沢グループが外されてどうやら、民主党の消費税導入が加速されることになると思われる。小沢の大衆不人気を巧みに利用した菅の戦術が功を奏したことになる。この内閣は、アメリカにすり寄ることで、国防費を吊り上げ食糧自給を低下させ、景気の後退を加速させることになり、党内の小沢グループからの反発もあり短命内閣になるであろう。

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食のグローバル化

2011-01-15 | 政治と金

NHKの世界のBSドキュメンタリーは良く見る番組である。今週は、「シリーズ、グローバル化する食」として5回放送された。いずれもイギリスBBC制作番組で110110_a_02_2ある。1、2回はイギリスの放牧養豚農家が、アメリカとオーストラリアをルポす る。アメリカでは、世界のトマト製品の40%をここで生産しているという工場とそれを生産する農場を訪問し、同じ企業養豚を訪問した後には、限られた乳牛を地力保全のために多様な動物を飼う農家である。アメリカは多様であるが、特にトマト生産農家に実態には恐怖すら感じた。

最も興味のあったのは、3、4回である。ファーストフードを好む20歳前後の若者が、生産地を訪問して作業をするのである。3回目はタイのツナ缶製造作業、4回目はインドネシアのエビ養殖の現場作業である。自分たちの食べているものを作る現場を見るということで、若者たちは喜んでいた。

先ず作業は若者たちにとって苦しいものであった。ツナ缶工場では、マグロの腹を割き内臓を出すことが出来ない。宿泊施設の環境の悪さに戸惑うばかりである。自分達が食べているものである。やっと作業が出来るようになって、貰った賃金の安さにただただ驚いている若者たちである。

死ぬ思いで働いて得た賃金は、イギリスの時給に満たないものである。現地の人たちは、ほとんど一日中立ったまま黙々と私語もたしなめられて働いていた。イギリスの若者たちは、生涯で最も過酷な作業にもかかわらず、夕食の僅かなファーストフード代に消えたその日に賃金に失望するばかりであった。

エビの養殖場では、泥まみれになって働くのであるが、現地の臨時雇用の労110113_a_02 働者に遠く及ばない程度しかできない。彼らは、自分たちが食べているエビには、太陽が燦々と降り注ぐ太陽と緑の絵が描かれたあった。しかし、目の前にあるエビの養殖場は、泥だらけで区切られた淀んだ池が広がるばかりである。

食のグローバル化は、結局は賃金の平準化にいずれ行きつくであろう。イギリスの若者たちが安価なエビやツナ缶を食べることが出来るのは、生産現場の労働力が安価であるからに他ならない。これらの国が、いずれ賃金を上げてくると海外で生産されたものは、当然高価になってくる。現に世界の生産工場と言われていた中国から、徐々に企業離れが起きている。

工業製品ならいざ知らず、人の生存を担保する食べ物となると、そうそう早急に自国生産に切り替えたりも出来ない。安価な食品には理由がある。食のグロ-バル化は、賃金格差によって進行していることを番組は教えてくれていた。

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主要新聞5紙が一斉にTPPで足並みをそろえる

2011-01-13 | 政治と金

やっぱりそうかという記事があった。ネットしんぶん赤旗の記事を見て納得した。Tpp 4日の菅首相の年頭改憲を受けて、8日出した新聞5紙の社説が一斉にTPP参入を賛成の姿勢を示したのである。5紙とは「朝日」「読売」「日経」「毎日」「産経」である。一部は目を通してはいたが、やはりそうだったかと知らされた次第である。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-01-09/2011010901_01_1.html

消費税もそうであるが、TPP参入は当然のスケジュールとした上での論説である。今こそ首相は有言実行をやるべきと持ち上げている。これではまるで大政翼賛会である。新聞は本来「あらゆる権力から独立したメディア」と自認する、メディアであったはずである。ところが、今こそ実行の時とばかり現政権を持ち上げているのである。

新聞は、それ自体が反権力と言われた時代は何処に行ったのであろうか?社会のチェック機能を果たす機関であったはずである。新聞が権力におもねるのは、あらゆるものが都市化しているせいではないだろうか。この2日間書いた本ブログの世界的な食糧の動向すら、彼らは実感していないのではないか?

この裏には、経団連などの輸出企業が主体となって、日本経済を支えてきた自信が突き動かしている実態がある。経済的に困難な時代になって、経済界の意向に沿うべきと考えているのかもしれないが、短期的な経済的メリットを求めるべきではない。様々な統計を見ても、国民の多くは食料の自給率を高めることを望んでいるし、何よりも安全性を第一に考えている。

日本は世界でも、最も農産物の関税が低い国家である。米やこPhoto_3んにゃくの500%以上を入れても僅か13%しかないのである。日本の農産物は十分開国状態にあるのである。このことが農村を疲弊させ、食料自給率を下げている のである。菅政権はさらにこれをゼロにしようというのである。TPP参入は、現状の不認識であり世界の食糧動向を無視したものであり、輸出産業ばかりに目を向けた短絡的判断による、新自由主義の究極を求めた愚策である。

コメント
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