そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ウィキリークスもやったものだ

2010-11-30 | 政治と金

ウィキリークスもやったものである。イラクでアメリカ兵士がまるで動物を撃つように、人を平然と射殺するなど、映像で厳しくアメリカの不法行為を暴いていた。あの爽やかな告発とはかなり質は落ちるものの、今回の25万点もの、アメリカ外交文書の暴露は、それなりに意味がる。

ワイドショー的であるが、所詮外交はこのようなレベルで駆け引きをしているのだと思えが良いのでPhoto ある。世界各国政府は不快感や無視などで対応しているが、これは偽物だとは誰も言っていない。私語に近い言葉で各国要人を酷評している。主だったところを書き出してみた。

北朝鮮の金正日は「肉のたるんだ老人、脳卒中の結果精神的にも肉体的にもトラウマを背負った」、イタリアのベルルスコーニーは「無能で空っぽ」、ドイツのメルケル首相は「リスクを避け、創造性に乏しい」、ロシアの首脳を「バットマンがプーチン首相、メドベージェフ大統領が相棒のロビンを演じている」、イランのアフマディネジャド大統領は「まるでヒトラーだ」、フランスのサルコジ大統領は「怒りっぽい権威主義者」、イスラエルのネタイヤフ首相を「約束を決して守らない男」、リビアのカダフィ大佐は「ウクライナの看護婦とロマンチックな関係にあり、彼女がいないと何もできない」、アフガニスタンのカルザイ大統領は「極度に弱い男、事実に目を向けずに、突飛なことに動揺する」等など。

この他欧州のアメリカの核配備計画を暴露してもいるし、イランのハメイネ師の末期がんの事実などもある。興味あるのは、6者協議の日本について「拉致問題に固執する日本は、解決する能力はないのに破壊する能力だけは持っている」という発言である。なるほど。

上記の要人に対する内容も、上手い表現だと思えることばかりである。外交を茶化すことはやるべきではないが、こうした暴露に対する当事者の不快感は理解できるが、事実であることには変わりない。アメリカはアサジン氏を指名手配するだけではなく、自らの脇の甘さと杜撰な外交を反省するべきである。

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日米合意を破棄してはどうか

2010-11-29 | 政治と金

沖縄知事選が行なわれて、現職の仲井真弘多氏(自民県連・公明党・みんな推薦)が、前宜野湾101129 市長・伊波洋一氏(共産・社民・国民・新党日本、沖縄推薦)らを破って再選を果たした。得票は33万6千に対して29万7千票とかなりの接戦だった。大票田の那覇市の票が決めた。前回は普天間基地を条件受け入れだった仲井間も県外移転を掲げた。伊波氏の敗退は、仲井間の変身にあると言える。

仲井間は雇用や地域の活性をなども掲げたが、伊波は普天間の県外移転1点張りであった。作戦的な失敗もあるだろう。こうした選挙の多くが若い方が勝っているとことを考えると、伊波の選挙戦術、見通しの甘さがあったかもしれない。

さて、これで支持者はもちろん推薦者も出せなかった政権与党の民主党は、日米合意の持って行くとろろがなくなってしまった。仲井間知事が普天間の県内移設を容認すると、伊波支持者からだけでなく自らの支持者からも突き上げを食らうことになる。仲井間知事は、何が何でもこの選挙で普天間を県外移転しなければならなくなった。菅政権はどうする。

国が何らかの代替案などを持ってきて、知事がお金の多さに驚いて、あるいは地域活性とか言いだしたりして合意することも十分あり得る。そこで、国が強制執行することになっても、公共水面埋め立ての許可を知事が出すことがほとんど不可能になった。

当選後の中井間の発言を聞いていると、日本の何処かに持って行ってくれと主張している。沖縄の軽減を訴えている。つまりどう考えても日米合意は実行される目処など立たなくなってしまったのである。菅政権の選択はただ一つである。日米合意の破棄である。他に選択肢はないと思われる。この混乱は鳩山ボッチャマの虚言が混乱の元である。政治家が虚言を反省するにはそれしかない。

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結局何も変わらに金王朝の護持である

2010-11-28 | 朝鮮半島

北朝鮮側の民家に対する砲撃は明らかな意志が働いていたと見るべきである。半島側に背を向101128 けた市街を山を超えて攻撃している。数日前には金正日が息子の金正恩を引き連れて現場に行っている。砲弾が殺りく的なものを使っている。等などである。

中国は韓国が先に砲撃したとか、北朝鮮の方が被害が大きいと報道している。中国は、北朝鮮の政治体制や行動に不満を持ちがらも支援をしていくものと思われる。中国に北朝鮮非難を期待するのは無理な話である。

後継が多少世界を見ているから、改革開放政策に行くかと思いきや、結局金正日の後継スタイNorth_korea_has_finally_moved_aheadルを継承することになったのが、今回の砲撃事件から見えてくることである。金体制を堅持する 以外の政治的選択は危険であると判断したのではないかと思われる。砲撃事件は瀬戸際外交と見て良いが、これまでの実績から周辺諸国から信用を失うばかりである。

更に、哨戒艦銃撃事件の時には韓国内でも、事実関係の確認や北に対する擁護もかなりあったが今回はそれもない。民間人を犠牲にしたことが大きい。北朝鮮は、韓国内の支援者も失うことになったのである。

かつて金日成や金正日がそうであったように、生誕からの事実を塗り替えてまで後継者を神格化する動きが始まっている。金正恩は軍事の天才であるという報道がなされている。軍事の天才は3歳の時に拳銃で100発100中の腕があったというのである。まるで漫画のようなことで、実績を作れないかと思ったのかもしれない。軽水炉の完成と民間家屋への砲撃は、天才的な息子が見せた実績と言うのだろうか。

かつて核を持つぞと脅すことで、大量の重油や食料を貰って経験が、今回も瀬戸際外交に導かせたのであろう。当時もアメリカは民主党政権だった。軽水炉の完成と述坪島砲撃は一連のお貰い戦略であると思われる。北朝鮮が終局に向かっている見るべきであろうが、金正恩体制への移行はどれほどの持続力を持つかがこの国の国民の、幸不幸を決定することになる。

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田舎で就活してみたら

2010-11-26 | 政治と金

一昨日の本ブログにコメントくださった、現在就活中の「やまだ」さんのご意見が、失礼ながら新鮮である。70社受けたけど内定はまだないもないという意見で始まる。どうぞ目を通していただきたいものである。

我々の世代は、就職活動など全くなかった。私の場合でも3社受けて全て採用された。面接のために出向いた北海道からの旅費も支給された。往復である。確か9月以前には、就職活動はできなかった。夏休み明けの私の懐は潤った。卒業するまでバイトもせずに過ごせた。「やまだ」君にはすまんが、2社を蹴とばして就職したが、2年でそこも辞めた。

先日小学校の同窓会に55年ぶりに出席した。50名を少し切るクラスで大学に行ったのは、僅か3名だった。国立は私一人だった。確か大学進学率は13%程度だったと思われる。私のクラスは7%と言うところか。「やまだ」君の指摘通りに、その後大学が粗製乱造された。私学助成金と公立大学の授業料値上がりで、私学との学費差が小さくなった。当時は20倍ほどあったと思われる。大学の特徴も薄くなってきた。

無試験進学は当時もあったが、体育系大学だけでなかったかと思われる。海外遠征した選手が、自分の名前も大学名もアルファベット表現できなかった類の話は無数にあった。彼らも就職に苦労することもなかった。「やまだ」君の言われるように、大学の増設を助成した国のつけが、現在の学生に回っていることも事実であろう。

「やまだ」君たち就活に苦しむ人たちとって田舎は選択肢にないのだろうか?農業はもちろんのこと、田舎の町でちんたら安月給で暮らすのも悪くはないはずである。札幌は東京に給与の8割ほどと言われている。北海道の田舎の給与は、札幌辺りの7割程度とも言われている。しかし、年収400万程度でも200坪の土地に1000万ほどの住宅を若者たちが建てている。土地と人件費が安いのである。都会では考えられないだろう。

食いものは美味いし空気は澄んでいる。水道の水を息子たちは直接しゃぶりつて飲んでいた。「やまだ」君たちの世代が、都会志向それも大企業志向なのは解らなくもない。田舎には不安要素がいっぱいあるからだ。田舎には大きな企業はない。求人率も相当低い。しかし、それこそ自分を発揮できるチャンスなのだと思うこともできる。従うものがないのである。

都会からこの地に来られている方は少なくはない。農業に従事している方もいれば、山ばかり登っている人もいる。酪農ヘルパーをしながら絵を描いている人も写真を撮り続けている人も知っている。10年ほど前に、1人で小さな会社を作った後輩は、10人程度の社員を今は抱えている。都会は人の個性や人間関係まで呑み込んでしまう。自らの経験を踏まえて、田舎は自分を発揮するいい場所だと思うのである。誰かに依りかかるばかりの就活から脱却することも感がてみてはどうか。

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金正恩のデビューセレモニーである

2010-11-25 | 朝鮮半島

北朝鮮による延坪島爆撃は許されざる蛮行である。とりわけ休戦協定以来民間住宅を無差別攻撃す101125_specialる。これはいかなる理由があっても許されるべきことではない。米韓の挑発行為があったとしても理由にならない。北はなぜこの時期にこのような蛮行をやったのだろうか。

多くのメディアは北朝鮮が、アメリカを交渉の場に引き出したいためとする論調が目立つ。しかし、直前にあった、アメリカの核専門家に軽水炉と2000基の遠心分離機のウラン濃縮施設を、わざわざ見せつけたことと関連している。慢性食糧不足の国で腹を突き出した将軍様が、二重あごの若き3男の肥満後継者への権力移譲を演出したと見るべきである。

83年にラングーンで全斗カン大統領暗殺未遂事件、といっても閣僚など21名が死亡した事件を想起する。金正日がこの事件をデビューにしたのであるが、飽き足らずに大韓航空機爆破までやってのけた。実績がないまま権力の座に就くには、軍事的手がらが手っ取り早い。穏健な経済発展などに取り組む間などないからである。北では、金正恩は軍事の天才だと報道している??何のことか良く解らない。

北朝鮮は、この事件で米韓の制裁を測ろうとしている。国内向けには主体思想を普及させ、我慢を強いている。多少の制裁には計算ずくであろう。中国は、アメリカにとって厄介な北朝鮮の存在は貴重である。口では困ったふりをしているが、国連の制裁行動はとることがないだろう。このところ親密になったロシアも同様の行動に出ることになるだろう。

北朝鮮の今回の爆撃は、人道的な問題はともかくとして、大国の動きを推し量るのに格好の指標となった。誰もが今以上の制裁などできないことが解ったからである。

北朝鮮は2012年に向けて、強盛大国を目指している。この年はアメリカ、韓国、ロシアの大統領選挙がおこなわれる。中国の国家主席が交代する年でもある。北朝鮮は、この年に顔ぶれがそろうまで、内容のある会議が出来ると思っていないため、6者協議など真剣に考えるわけがない。

北朝鮮への経済制裁も、中国が後ろ盾になったりロシアが支援している以上、限界がある。経済制裁以外の道も険しい。金体制の崩壊もどうやら当分はないようである。今回の北朝鮮のやりたい放題の蛮行は彼らの思惑通りになったと見るべきである。困ったものである。

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就活おかしいぞ

2010-11-24 | 政治と金

札幌の大学生がネットで呼び掛けて、就活(就職活動)の在り方や企業に苦情を訴えた。全国で1011234か所でこれに応じたデモがあったようである。たった4か所でも、表現方法を知らない現代の学生にとってはこれがせいぜいの表現であろう。

今年の新卒者の内ほぼ10万人ほどが、定職についていない。来年は17万人になるようである。現在の就職内定率は、57.6%である。殆ど信じられない数字である。今は、就活は3年生の後半から取り組んでいるようである。100社を受験したが未定というのも、珍しくないようである。失業率が5%を越える状況と相まって深刻な問題と言える。

デモなどの学生たちの言い分から内容がうかがわれる。曰く、「就活おかしいぞ」「面接ばかりさせるな」「こんな就活もういやだ」「くたばれ就活」「就活早すぎないか」「勉強する時間がない」「卒論書101125 く間がない」等など。悲鳴とも取れる声が聞こえてくる。

大学時代は勉学をつみ人生の礎となる時期である。その最も大切な、4年生の時期を就職活動に当 てなければならない、学生たちも哀れである。勉学できない学生の存在は、社会にとっても大きな損失である。

企業側はリーマンショック以降の立ち直りが未だ十分ではないようであるが、受験する学生の側にも問題がないわけではない。大企業の競争率が2.5倍程度に対して、中小企業では求人数以下である。学生側に大企業志向が大きいというのである。いっそのこと農業に目を向けてもらいたいものであるが、汚くきつい仕事もお好みでないようである。いずれにしても社会進出出来ない学生の存在は、社会にとっても大きな損失である。

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菅内閣あと半年持たないのでないか

2010-11-23 | 内閣支持率

菅内閣の支持率が急落した。党首選で小沢に勝った時には50%ほどあったが、次第に落ちてきたのは通常の動きであるとしても、各社の数字は類似していて半分に落ちて25%前後である。あまりにも急である。更に深刻なのは、自民党支持が15%程度から20%半ばまで復活し101120たことである。新聞社によっては、民主党の支持率を上回っているところも出ている。

もっと深刻なのは、内閣不支持率が各社とも支持率の倍程度に上がっていることである。今回の内閣支持率が出た頃には、柳田法務大臣の失言はなかったのである。つまり失言ではなく、外交などの対応が不支持率を上げているのである。こうした傾向で生じた不支持率は容易に回復することがない。菅内閣は要するに稚拙な失政を繰り返すことで、支持率を下げ不支持率が上がっているのである。この内閣は半年も持つとは考えられない。

北朝鮮が又おかしな動きをしてきた。後継の過肥の3男に手柄を立てさせたかったのであろう が、国内を引き締めアメリカに要求を突き付ける瀬戸際外交の、常とう手段である。こうした事態に、菅首相は「情報を収集する」とだけ発言する、無力さを表現するだけの言葉である。

柳田の辞任の後は小沢を証人喚問すると息巻く自民党が元気になるだけである。小沢は、菅を窮地に追い込むためにも、国会招致には応じるわけがない。身内の多くに冷や飯をくらわし101123 た現政権になにも協力することはないだろう。まじめな岡田幹事長は、政党間を手玉に取る手練手管を持ち合わせない、まじめ一徹な男である。民主党の国会運営はすっかり行き詰った。

せっかくAPECの議長と言う華を貰ったのに、何の成果も上げることが出来なかった。これまでの内閣は国際会議の開催で、支持率の回復などを行ってきたものである。今回全く逆の現象を、菅直人は引き出してしまった。半年も持たないのではないか。

花形であった事業仕分けにも矛盾が露呈し始めてきた。例えば法令によって執り行われている事業を勝手に、30%減らすと言っても法令を変えなければ出来るはずがない。こうしたことが余りにも大すぎたのである。菅の肝いりの事業コンテストはパフォーマンスばかりが目立つ。事業の素人が喜ぶばかりが評価されるのはどう見てもおかしなことである。

仙石官房長官ばかりが目立ち、菅首相は野党時代の面影などなくオロオロ姿ばかりが目を引く。もし菅政権があと半年も持たなければ、一年毎にあるいはそれ以下のスパンで交代する国家をどの国が信用してくれることになるのだろう。

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政党としての未熟さが目立つ民主党

2010-11-22 | 政治と金

沖縄県の知事選挙が注目されている。来週の日曜日、11月28日が投票日である。立候補は現101122職の仲井真弘多氏(71)=自民党県連、公明、みんなの党推薦=、と新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)=社民、共産、社大、国民新推薦、そうぞう支持、の二人の争いが熾烈である。

ここでおかしなことがある。現在与党の民主党が誰も推薦していないのである。候補者を立てるどころか、遠くから見ているしかできない体たらくである。先の参議院選挙にも候補者を擁立できなかった。ジシュトウヒョウだそうだ。

どうして政権与党が、この国の75%ものアメリカ基地を抱えるところで、候補者を立てることが出来ないのだろう?簡単なことである。鳩山由紀夫が沖縄県民に嘘をついたからである。政権交代、平成維新と言ってはばからなかった鳩山が、普天間を海外に持って行くなどと言ったのである。県民は期待しないはずがない。嘘をついた民主党は、当分の間は沖縄には足を向けて寝られないだろう。

ところで、現職の仲井真氏も伊波氏も当然のことながら、普天間基地の県外移転を訴えている。そうも言いながらも仲井真氏は、条件容認に代わることは目に見えている。伊波氏が当選した場合には、普天間基地問題は一層問題解決が困難になるだろう。順当ならば伊波氏の勝利となるところである。民主党はさらに追い詰められることになる。

それでは現職が勝った場合はどうなるであろう。自民党が大騒ぎするので、この場合も民主党は追いつめられることになるだろう。要するに、これほど重要な選挙に何らの態度も見せることが出来ない民主党は、責任政党としての体をなしていないのである。追い詰められて当然である。

今回の法務大臣の辞任についても、情勢を見ることが出来なかった未熟さを露呈させたのである。この程度の冗談混じりの発言で辞任などするものではないが、情勢判断が甘く時期が悪かった。傍目には引きずっただけと見える。

消費税にしてもTPP参入にしても内部討論や下準備などがなく、唐突な発表は未熟そのものである。ただ菅直人は、消費税もTPP参入も与野党ともに賛否半ばとみての軽率な行動かもしれないが、”民主”党の名に恥じる国民をばかにした態度と言える。

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TPP参入を前提の論議に代わった

2010-11-21 | 政治と金

鹿野農水大臣がNHKの番組に出て、TPP対策に農業の規模拡大に取り組むと発言している。戸別補償も一律ではなく。規模拡大農家に対して厚くするなど、日本農業の競争力を高めるための方針としいるようである。これはすでにTPP参加を既成事実としての発言とれる。

全中などは反対の意思表示はしているもののどうも動きが鈍く、お金をいくら引き出せるかというような方向にあると思われる。農協関係の報道でも、TPPに徹底抗戦という姿は見ることが出来ない。民主党内も、小沢グループを中心に「慎重に検討する」という表現で、山田前農水大臣が中心になった反対行動も、今一つである。自民党内も賛否ほぼ半分に割れている。仙石官房長官も、与野党内に賛成者と反対者を抱えるため、徹底的な反対は起きないと呼んでいる節がある。

小沢グループ、あるいは小沢一年生ガール達などの多くは、地方出身者である。政権中枢から外された中堅と、経験が浅く先輩の顔色を見ながら行動する一年生たちが、仙石官房長官の手練手管に動きが取れない。結局はTPP参加は進められることになるのだろう。こうした認識から、

農業の規模拡大が競争力を付けるのは幻想でしかない。ある程度のコストダウンは、コメなどでは起きるかもしれないが、タイ米などに比べると実質的に20倍ほどの価格差がある。規模拡大によるコストダウンはせいぜい数十%である。価格差を縮めることなど不可能なことである。

競争力は価格だけに現れるものではない。安全や味覚それに環境保全の役割りなど消費者評価に耐えることも重要である。持続可能な農業であることも大切な要因である。自国の農民に、タイなどと同じ人件費を対価とするならそれも良かろうが、生産者は国内の消費者でもある。特に地方の疲弊が進むのははっきりしている。農産物評価を価格だけに限定する無関税度の導入は余りにも危険である。

規模拡大は、相当な資金援助がなければやってい行けない。天候不順や景気の上下で大きなダメージを受けるからである。農業形態も天候に左右されるような形になるだろし、被雇用者が主体になるのであれば景気の動向を受けやすくなる。なによりも、農業としての生産能力が落ちることになる。こうしたことを総合的に考えて、食料の自給率を高めるべきと、これまで論議されていたはずである。

農水大臣は安倍内閣から、僅か4年で13名も代わっている。全くの素人を何度も据え付けてきた。農政通もいたが多くは素人である。こんな国が農業政策に一貫した政策を採れるはずがない。農業支援は金を出すことで、方針は規模拡大などという、EUではとっくに否定されて様な方針しか持ち合わせないこの国の農政の貧相な発想には、ただただあきれるばかりである。

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不健康はそれぞれである

2010-11-20 | 政治と金

070702_7 私が勤めていたところで8年前に書いた記事である。いま読み返しても興味深いので転載してみます。

▼最近は本を読む人々、読書人口が急速に減少していることである。多感な心情にゆれていた頃には、夜が明けるまで長編を読んだものであるが、メディアの多様な時代になって特に文芸書は見向きもされないようである。それは、表面上のことに思えてならない。誰もが、一定の幸福感を享受できる時代が、感受性を育まなくなったと思うのは穿った見方なのだろうか

▼ロシアの文豪トルストイの長編「アンナ・カレーニナ」の冒頭に有名な一文がある。「幸福な家庭は皆一様であるが、不幸な家庭はさまざまである」と。これはそっくり酪農に当てはまるような気がしてならない。すなわち「健康な牛群は皆一様であるが、不健康な牛群はさまざまである」と。牛が健康である分にはどこでも変わることがないが、問題のある牛群のトラブルは実に多様である。どんな牛でも健康であるよう、生理学的な修復機能と願望を持っている

▼それを叶わなくしているのは、人の不条理がなせるのであろうか。経済動物は、経済性を蔑ろにしては存在し得ないのは自明の理である。酪農家なら何の疑いを持たない命題でも、外から眺めると後ろ指を差されかねないことも少なくない。文句言われる筋合いでないと、こちらで主張したところで、彼らは圧倒的多数の消費者である。健全な消費者は善良で一様であるが、不健全な消費者は何を取り上げ、どこで何を言い出すか分からないものである

▼時あたかも「読書週間」である。秋の夜長、先人の知恵と経験、識者の洞察と忠告に耳を傾けてはいかがでしょう。

今消費者は不健康になっている。その一つが、価格で評価することである。安ければいいと思ってしまうことである。農産物が、食料として消費者に届く結果しか見ていないからである。乳牛はけな気に懸命に餌を食べながら、牛乳を生産してくれている。たとえそれが不味くて栄養が足らなくても、体を削って泌乳してくれるのである。

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開発を止めた抗生物質

2010-11-18 | 政治と金

9月にさいたま病院で、渡航歴のない老人からNDM-1(New Delhi metallo-β-lactamase-1の略)産生菌が見つかった。究極の多剤耐性菌であるが、名前通りインドが発生源といわれ、国内初発例はインド帰りの人物であった。インドはかなり自由に抗生物質が購入できる。処方箋などなくても自由に購入できる。NDM-1産生菌はこうしたことが背景にあると言われている。インド政府は否定している。

かつての耐性菌は、抗生物質を投与されてこれに耐えて生き残った少数の菌が、子孫を増やして耐性菌となると言われていた。結核菌などのごく少数の例を除いて、耐性の情報は細胞内の情報物質のプラスミドが、あちこちの菌に教え込むことが分かってきた。耐性菌は投与され たことがなくても、細菌同士の情報交換で増殖することになるのである。

特に我々畜産関係では、家畜に投与した抗生物質情報が人へと伝わることを最も警戒しなければならない。日本の畜産製品への抗生物質規制は残留ゼロでなければならないとされている。最低限量を多くの国が決めている中で、日本の基準は極めて厳しいと言える。

抗生物質は人類に最も貢献した医薬品といわれている。このことに異論をはさむ学者はいなImg_1851い。ところがこの抗生物質の開発がほとんだなされていないのである。一つは開発費が膨大にかかり、採算が合わないのである。抗生物質を開発しても残るのは数千に一つといわれる。開発後もゾロゾロ薬品がすぐに開発される。

近年になってMRSAや多剤耐性の緑膿菌やアシネドバクターなどが次々と現れてきている。抗生物質と細菌の競争といわれるように、どの道いたちごっこなのである。更に最近になって耐性菌は抗生物質によってだけ生産されるのではないことも、解ってきた。海洋などの自然界に既に存在していて、機会を見つけて伝搬される例もあるようなのである。すでに日本国内の6割の製薬会社が開発を止めた。

現在先進的な総合病院などでは、何でも効く広域抗生物質を最初に選ぶのではなく、古い抗生物質を使える可能性を探ってから投与するようにしている。目前の患者を救うことばかりにとらわれることがないようにしているのである。患者にとっては、何でも良いから効いてくれる薬を望むのであろうが、臨床に現場では厳しい選択になる。

こうした抗生物質などの医薬品開発は、経済的リスクを背負いながら企業が手掛けてきたのであるが、国などの公共機関や研究所がこれを引き継ぐ必要があると思われる。

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何処かに行った温暖化対策と食糧自給率

2010-11-16 | 政治と金

民主党は政権交代を、平成維新と時の党首・鳩山由紀夫は公言した。企業献金はなくすとも言った。普天間基地を海外に持っていくとも言った。食料自給率を現在の40%から50%に引き上げるとも言った。温暖化対策で2015年までに25%減らすとも言ったではないか。もうお忘れか。

オバマが中間選挙対策で急遽、TPPに参入をすると発言するや否や、菅首相はTPPに日本も参加の方針を表明した。急遽である。選挙公約などにもなかったし、首相の表明以前の内部検討も何もなく、いかにも唐突な感は否めない。それだけならまだ政権を担うものとして責任を持つ立場なら許されるかもしれない。

Photo_2 しかし、民主党が公然と掲げた旗を否定するのであれば大いに問題があることである。TPP参加は、地球温暖化を促進させる。海外から安価を理由に多くの農産物が入ってくる。とりわけアメリカの穀物は量も多く距離も遠い。CO2排出に貢献するシステムである。こうした食物に対する評価は、フードマイレージと呼ばれている。距離に重量を掛けた物のである。日本は断トツに高い。

更にこうした穀物を作るのには大量の水が必要となる。結局は水不足を引き起こすことになるPhotoと警告しているのが、バーチャルウオーター(仮想水)と呼ばれるものである。例えば日本で生産される牛肉でであっても、輸入穀物に依って生産される多くのスタイルは、大量の水の消費を伴うことになる。こうして計算された1キロの牛肉生産の仮想水は2トンになる。

21世紀でもっとも深刻になる資源は水であると言われている。安価な食料を遠くから輸入するということは、世界的な環境問題を引き起こすことにつながる。こうしたことはほんの少し前まで、真剣に民主党内で検討されていたはずである。就任早々の国連での鳩山ボッチャマの演説がそれを如実に示している。

目前にある価格だけで商品を評価するTPPは、世界を取り返しのつかない問題をより深刻化させることいなる。ニュージーランドとシンガポールは産業構造の凸と凹がうまくかみ合う関係にある。この二国が提案したことに、経済成長を望む世界各国の為政者が人気取り、財界におべっかを使っただけである。長く広く大きな視点で、地球と交易を捉えて頂きたいものである。

普天間は自民党案以下になったし、企業献金撤廃も何処かへやってしまった。そういえば八ッ場ダムも復活しそうだ。暫定税率はなくすはずだったけど、ガソリン価格は政権交代以前と同じだ。およそ公約・マニフェストなど殆ど守る気などなかったのが民主党である。TPPへの前のめりの姿勢は、そうした民主党の内情をあからさまにしただけである。

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価格以外に隠されたもの

2010-11-14 | 緊急事態法

菅内閣はAPECで盛んにTPP参加を言っていた。参加の検討と国民や、反対勢力に配慮した国内向けの発言とは異なっている。菅内閣は、国内の検討などたな晒しにしたままで、関税撤廃へと突き進むようである。都合の良いことに、TPP参加を巡っては民主党だけでなく、野党も意見が割れている。積極的に反対する政党がいないのである。そうした意味でチャンスである。

TPPなどの自由貿易は法制度が同じ国内の動きとは全く異なる。賞品を価格だけで評価すると、その裏に隠れている、あるいは商品生産について支えていることが見えなくなってします。

私は、乳牛専門の獣医師である。産業動物の獣医師といっても良い。他のことは詳しくは解らにが、畜産に係わることなら詳細を知っている。下記のpdfは農水省のサイトから引き出した。中国やモンゴルなどで発生している。口蹄疫に関する記事である。

日本で宮崎で発生した時には、多くの畜産農家が涙を流しながら、心を引き裂かれながらも家畜を殺処分したものである。処分に関して、それなりのお金ばかりか、細かい消毒や検査それに処分地の確保などなされたものである。http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/20101109asiafmd.pdf

このpdfをご覧になれば、大陸での汚染の広がりが解るというものである。韓国を除きこれらの国で日本厳密に口蹄疫対策をやっている国はない。とりわけモンゴルは、広大な土地である。家畜の接触頻度も低く、狭いところにひしめくように飼育されている、宮崎のように急速に伝搬するわけではない。検査体制も十分ではない。

中国奥地での発生が少ないのは、本当に少ないのか検査がなされていないのかは定かではない。発生地にあっても、全頭検査と保菌畜の処分など大々的にやられているわけでもない。周辺の検査も十分ではない。検査よりもワクチン投与で凌いでいる現状である。ワクチンが多様な株のウイルスに十分対応してくれる保証もない。

宮崎の口蹄疫は大陸旅行者が持ち込んだ可能性も否定されてはいない。つまり大陸では、口蹄疫の対策などに湯水のごとくカネをつぎ込むことなどなく、口蹄疫ウイルスの常在財地帯となっているのである。もちろんのこうした汚染国からは、日本に牛肉などは入ってはこない。それは、ほかの体制についてもあまり変わることがない。

農薬の使用方法や許認可それに残留濃度なども国によってかなり異なる。農家をサポートする機関や法律なども、それぞれの国が長い歴史の中で決めてきたことである。農産物が安価なのはそれなりに理由があるのである。食糧を価格だけで評価して自由貿易を望むのは、商工業それに金融で稼いでいる連中の戯言でしかない。

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先住民族と農業、そして生物の多様性

2010-11-12 | 政治と金

今回の菅内閣のTPP協議参加で、食料の安全や自給率それに地産地消など農業の基本が、どこかに飛んでしまって、全く論議すら起きない。地球温暖化対策を口にする閣僚も国会議員もいない。先日まで書いたように、農業は本来風土に育まれた地域のものである。伝統や文化と呼ばれるまで時間はかかるが、育まれた多様な農業形態にはそれなりの理由がある。

農産物=食料が世界的な交易産品あるいは戦略物資となったのは、それまで風土が育んできた農業形態を大きく変えたからである。特にヨーロッパ人たちが、新天地に入り産業革命で成し遂げた圧倒的な機械で、広大な土地で大型農業を始めたことがないよりも大きい。世界の穀物の価格を先導するのは、アメリカやオーストラリアであり、時としてブラジルなどである。日本の農業を先導するのが、北海道であるのも同じ理由からである。

それまで住んでいた民族は今では少数民族となって、文化や文字や言葉や宗教それに土地までが奪われ、経済活動から外され細々と生きているだけである。ヨーロッパ人たちが近代になり国家を規定したが、国土や法律を持つことが条件とされた。そして国境や宗教や言葉や民族がそれらを形あるものにするとした。土地を私有化したり、成文化した法律や権力体制を持たないことが、多くの先住民の伝統であったがヨーロッパ文化は認めることがなかった。イスラム社会も、近代国家の定義から外れるものがかなりあり、これが彼らがキリスト文化を忌み嫌うことにもつながっている。101110

広大な土地を収奪し、資本投下をして重機で開墾した新興国家が、世界に食糧を売り込み始めた。この場合、貯蔵が可能な穀物が主な物資となる。

先ごろ閉会した、生物多様性条約第10回締約国会議でも、生物多様性の利益配分についても、先住民族への配慮がなされている。先住民族も持つ知識や伝統も利益を受ける権利があると決議されたのである。生物の多様性を認めるということは、少数民族への配慮も同じ目線でなされるものである。

この決議には、現在の問題が直接かかわるものではない。農業についても同様に多様性など、世界各国の持つ理由を容認するべきなのであるが、現在の経済活動に直接大きく係わるために、それを認めようとしない。関税撤廃のオンパレードである。農業を育んだ風土の多様性を認めないことは、食料を他国に委ねることになるのである。農民は自分たちのためだけに怒っているのではない。消費者たちはそのことを解ってもらいたいのである。

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農業の多様性こそ活力

2010-11-11 | 政治と金

名古屋でCOP10の開催が終了した。生物資源の所有権が先進国と途上国間で大きな論争として争われた。その根幹をなすのが「生物の多様性」である。世界各地で、様々な動物や生物がその生息域を懸命に確保し、種を保っている。世界各地の気候風土は均一ではなく、様々な形態をで成り立っている。砂漠もあれば湿地帯もあり、酷暑の森林もあれば極寒の平原もある。

それらの地形や気候が様々な生命を育んで来たのである。一概に、生産性や効率などで推し量ることのできない形態を、かなり幅のある言葉で言い表したのが生物の「多様性」である。多様であるのは理由があり意味がある。

人類は、7万5千年ほど前にアフリカを出て世界各地に広がり、多くの人種を各地に定着させた。言葉も顔つきも異なり、当然食べ物も異なる。それは時には文化と呼ばれたりもするが、多様な人種や文化、歴史や制度を地域で育ててきたのである。

農業も同じである。世界各地で異なる文化と風土が多様な農業形態、多様な食体系を育んできた。日本人に乳糖耐性因子が多く牛乳の飲めない人がいることや、オーストラリアのアボリジニは紫外線に強い遺伝子を繋いでいることなど好例である。

Tpp101110東南アジアのコメは、高温多湿の風土によって改良を重ねながらも、モーンスーン地域の人類の胃腑を満たしてきた。天に祈り地に感謝しながら、特有の文化としてコメが人類を育んできたと言える。生産効率や価格が育んだものではない。

工業製品は、労働力と土地と資本さえあれば世界各地で展開できる。それこそ価格だけを求めて、生産拠点を探せばいいのである。工業製品は、農産物と異なり必要不可欠なものではない。なくても過ごせるものである。

ところが農産物=食料は人が生きていくのに欠かすことが出来ないものである。かといって商工業製品のように、数倍消費できるものでもない。食糧は、必要量の倍も食べることが出来ないが、30%も減らすこともできないものである。

均一の価値観で評価するTPPの理念は、農産物はそぐわない。農業こそ「多様性」が必要であり、世界各地で風土に即した形態をお互いに認めなければならない。戸々の農家も経営形態が様々であり、同じ物を作っているようでも、極めて多様に富んでいるものである。こうしたことを認めないTPP交渉からは、日本は一早く撤退するべきである。

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羅臼港

春誓い羅臼港