森大臣が29日に法務省の幹部らに、「自らの身の律し方考えて」とオンラインで訓示をした。黒川弘務検事長の賭け麻雀についてであるが、耳を疑った。以下はようやくである。
『「今回の検事長の行為は、法務・検察への信頼に大きな打撃を与えるもので、極めて不適切で誠に遺憾だ。国民からの信頼を揺るがすものと言わざるをえず厳しい非難を免れない。私自身、強い憤りと責任を感じている」と述べ、コンプライアンスの重要性などを改めて考えるよう呼びかけ、そして、「このような苦境の中でも、皆さんが国民からの信頼回復に向けて歩みを進めてくれると信じている。法務大臣として、職員全員が誇りを持って与えられた責務を果たせるよう全力を尽くす」と述べ、組織をあげて信頼回復に努める考えを伝えた。』
正常な神経の人間なら恥ずかしくて言えないだろう。こんなこと。森雅子は、黒川検事長の処分を戒告に決めていたが、官邸から訓示にするように指示されたと、前言を翻している。
かつての自民党には、総理に逆らっても筋を通す大臣が沢山いた。総理に指示に従わなかった大臣は枚挙にいとまがない。良く知られたところでは、60年安保闘争の時に安倍晋三の敬愛する祖父で昭和の妖怪の岸信介総理の、自衛隊出動要請を赤木防衛庁長官が断った。国民に銃を向けるために自衛隊はあるのではないとの理由である。
森雅子が法務省が国民の信頼にこたえるために最も簡単な解り易いことは、黒川弘務を紹介免職にすることである。総理、官邸に訓告処分を命じられて、従うようでは信頼回復もあったものではない。
そもそも黒川の定年延長を総理に指示されて、一般公務員の定年を適用したことにすべてが始まる。法務省を頭越しに決められたことであるが、法的疑義を唱えず従ったから虚偽発言の連発なった。ついには口頭で決めた。決定文書はない。官邸から知らされた経過も時系列に矛盾が生じても、それで通した。誰が見ても解りきった自自とを否定して、嘘を通し人物が、訓示とは何事であろうか。しかも、黒川個人の行為に強い憤りを感じていると矮小化するのであれば、慣例を無視して数段落とした処分などありえない。
法務省の信頼回復、コンプライアンス遵守を示すためには、黒川弘務の懲戒免職か森雅子大臣の辞職、あるいはどちらもする以外ない。