そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

次を待つ金正日

2008-01-30 | 朝鮮半島

北朝鮮を巡る動きが停滞している。6者協議の内容が確認されないまま宙に浮いているようである。寧辺の核施Xinsrc_182090403002923408021設に対して、不可逆的処理が不十分だと、 ヒル国務次官が難色を示している。

北朝鮮は、十分やったから「テロ国家」の指名から外すように、譲らない。この間にも、日本以外の中国、韓国、ロシア、アメリカの4国が重油を5万トンずつ供与している。北朝鮮は20万トン受け取ったことになる。

使用済みのプルトニウムが30キロというのも、少なすぎると言われている。ウラン濃縮への疑義が消えないままである。しかし、これはアメリカ06113 の言い分である。

ブッシュは、イラク、イラン、北朝鮮を名指しで「悪の枢軸」といった。イラクにもイランにも核兵器がないことが解った今、北朝鮮は核兵器の存在が唯一確認されたことになる。ここでアメリカが、北朝鮮に「まだあるだろう」理論を展開したところで、信憑性があるか疑問である。

年頭の一般教書は、政策誇示のアメリカ大統領の最大の舞台であると言われている。今年は、ここでブッシュは北朝鮮について全く触れることがなかった。

韓国の次期大統領の、李明博は北に対して厳しい姿勢を示しているように見えるが、経済交流が主体になれば意外と淡白につき合うことになるだろう。North_korea_has_finally_moved_ahead

相対的な、アメリカの地位が低くになって「アメリカなしでの交渉」が、世界各国で行われるようになってきている。アメリカ抜きの世Bush_war_report_sugar_coats_bitter_界が目前に迫っている。

寧辺の各施設のダラダラした核施設廃棄作業も、テロ国家指定を外すのが先だとか、重油を先に横せなどと言う交渉に見られるように、金正日は、単なる時間稼ぎ得おやっているのではない。ブッシュの次を待っているのである。

北朝鮮は、政権交代がない。核兵器は思う存分利用できた。次は国際社会への復帰である。日本が固執する、拉致事件など何処にも存在しない。

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いびつなインフレ

2008-01-29 | 政治と金

10年ぶりの物価高で、日本は今インフレ状態とのことである。しかし、冷静に価格が上昇したものを見ると、輸入依存の高いものばかりである。

目立つ石油価格と、自給飼料を放棄しアメリカ飼料に依存した畜産製品がその典型である。エネルギーは、輸送コストを考えると発電効率が低くても自給する方が、よほど効率的なのである。

畜産製品は、乳製品一般の上昇により関連製品が高騰する。当然のことである。インフレは、経済全体を活発化する。資本主義はインフレがお好みであるが、現状は物価上昇しながらも景気は低迷する、いわゆるスタグフレーションになる様相を示している。

日本全体が、急速に活力を失いつつある。高齢化や株価の下落もその要因かも知れないが、この国が経済発展のために多くのことを犠牲にしてきた経過がその主因だと思われる。

その典型が「食料」の放棄である。どこかで買えば良い。安ければ良い。量さえ確保されれば良い。そのために、経済発展だけを国是として来た結果である。

自給率の低いものは、輸入する国家の思惑に左右される。今回は、アメリカが日本の家畜より、アメリカの車にコーンを食べさせたいと思ったからである。

海外から輸入される製品は、当然のことながらコストがかかる。経済発展だけを追求してきた日本は、ここにエネルギーが大量に使用され、地球温暖化に貢献することなど思いもつかなかったのである。

食料やエネルギーは、最大限自給しなければ他国の思惑に晒されて、健全な国家としての存在すら危うくなる。今回の、いびつな物価上昇はそのことをこの国の問いかけているのである。

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パレスチナは今

2008-01-28 | 政治と金

Photo イスラエルは、パレスチナ自治区ガザを武力で封じ込めている。報道は少ないが、毎日のように複数のパレスチナ人が殺害されている。

アメリカがワシントン郊外のアナポリスで、お気に入りの中東諸国を集めて会議を開いたが、その直後からパレスチナを支配するハマスを閉め出し孤立化を狙ったものである。これが「アナポリThe_annapolis_spirit_in_action ス精神だ」とも言われている。

ガザの住民がエジプト側の壁の一部を、1月23日に爆破した。兵糧作戦に苦しんでいた人たちはこぞって、エジプトに買い物に出かけた。誰が爆破したかは解らないが、カマスかその支持者であることには違いない。壁は、十数カ所ほとんど同時に破壊されたようである。

エジプトは、武器を持っていないことを条件に黙認するようである。ここには、 以前からあった、密輸のためのトンネルが掘られていたが、今は堂々と車すら通っている。

昨年6月にハマスが実効支配するようになって風さにかかったイスラエルは、今回人道支援や生活物資まで止めてしまった。イスラエルは国連などの非難を無視しながら、兵糧作戦を行っていたが力の作戦は力の抵抗Photo_2を産むだけである。

中東問題の最も大きな問題は、イスラエル問題である。2000年前のことに対する判断能力は私にないが、戦後国際連盟がイスラエルを大国の多数決で強行し、建国を認めたことにある。

パレスチナ人は、ここに西欧祖国の文化と技術と資金を投入した。以来起きた、中東戦争の死者数はイスラエル人1人に対し、パレスチナなどどのイスラム圏の人は270人死亡している。

常に、イスラエルは戦闘では勝利してきているのである。武器の能力や資金力の差は歴然としている。残念ながらイスラエルにその裁量はないようである。

今更パレスチナを無くすわけにいかないが、強者は引き下がることで和平は実現する。

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こりゃオバマで決まりだ

2008-01-27 | 政治と金

Obama_wins_in_south_carolina05  今年行われるアメリカ大統選挙は、ブッシュの共和党はすっかりイラクなどを巡って国民の信頼を失ってしまった。ブッシュは史上最悪の大統領の烙印が、後日されることになるであろう。

つまり、次期アメリカ大統領は民主党の候補がなることになる。クリントンとオバマがその指名争いを巡ってかつてない、熾烈な戦いを行っている。女性初と黒人初の大統領の争い、選択となっている。先行したクリントンは、ここに来て苦しんでる。

2月5日の、スーパーチューズデーに向けて、今回のサウスカロObama_wins_in_south_carolina03ライナの戦いが注目されたが、オバマが圧勝した。オバマが黒人層を確実にまとめて55%、クリントンが僅か27%しか獲得できなかった。

Obama_wins_in_south_carolina04オバマ候補は勢いづいて、「この戦いは宗教や性別でもなく、黒人か白人かで もない。過去か未来かの選択だ」と、勝利演説をした。ヒラリー・クリントンは、涙で少し持ち直したようであったが、中傷合戦がマイナスに働いたようである。この勢いはこのまま続くものでないかと思われる。

つまり、次期大統領はオバマ氏で決まりと言うことだろう。彼が大統領になれObama_errs_on_way_to_fight_terrorisば、多少の曲折はあると思われるがイラクから任期内に、アメリカ兵を撤退することになるであろう。

クリントン元大統領が、パレスチナ 和平に熱心なだったことを考えると、多少中東情勢も変化するであろう。今大きな問題を抱えている、アフリカ諸国にも黒人大統領に多少の変化が起きるかも知れない。北朝鮮問題は、新しい韓国大統領とでプラスマイナスゼロと言うところかも知れない。

しかしながら、アメリカは基本的には変わることはないものと思われる。

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セレブなる犬猫たち

2008-01-25 | 政治と金

この国の格差社会は、人に限ったことでないようである。愛玩動物の待遇は格段に高くなった。最近は、猫の「おせち料理」があったり、犬のバレンタイン用のチョコレートまで出現する始末である。

セレブな愛玩動物は高級な食材をいただいて、成人病や代謝器病に老人病まだやるようになった。運動もすることないお犬様たちは肥満体になるし、猫だって平気で骨折する。

可愛いのは解らなくもないが、獣医師の存在に偏重が起きている。誰もが、小動物、犬猫病院へとなびくのである。大動物(産業動物・牛・豚など)指向の55 、若い獣医師たちが少なくなってきている。

わがままで、愛玩動物も野生動物のひとまとめに「ベロベロバー」とやっていた、”ムツゴロウ”氏が中標津に舞い戻ってくるようである。

大都会の近郊では、思うようなことができなかったのか、フジテレビに見放されたためか知らないが、やってゆけなくなり新しいことをこの地で取り組むようである。

中標津の素材を使って”セレブ”なドッグフードを作るそうである。チーズ工房を経営している酪農家の友人のところに来て、ドッグフードに入れるチーズを売ってくれと言うのである。

人に食べてもらうために作っているのだからと断ると、倍の値段でも買いたいと言ってきたそうである。友人のチーズは通常でも、大手の乳業会社の倍以上の価格であるが、その倍の値段を付けたのである。

ムツゴロウさんも、何か儲け仕事をしたいようである。ムツゴロウブランドにした、犬猫用のペットフードが販売される日も近いかも知れない。

人より高い餌食わす余裕を持った人種が、この国に沢山出現したようである。それに伴って、愛玩動物にも格差社会が出現したのだろうか。

10億人が飢える一方で、愛玩動物に高級素材を食わす。自給率が40%を切りながら、ペットは肥満になる。嫌な世の中である。

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よく解らない「経済効果」

2008-01-23 | 政治と金

経済効果」と言う言葉がよく解らない。例えば、北海道日本ハムファイターズが優勝すると、経済効果20億円などと言うことをよくいわれる。みんなでお祝いをしたり、セールスや関連グッズが売れて、それで経済効果が20億円になるそうである。

では優勝しなかったときには、その20億円は何処に行くのだろう。単純に考えて、20億円は一般人の懐に収まったままなのであろうか?

否、その20億円の相当量の金額が、どこかで必ず使われることになるだろう。一時的に預貯金に回るとしても、必ずどこかで使われる。早いか遅いかだけだろう。

そうだとすると、経済効果とは、単に一時的に特定されたものが使われるだけのことではないか。経済とは、一時に沢山使われる方が効果が高いのかも知れない。

今問題になっている、ガソリンの暫定税率をなくすと経済効果が上がると民主党などは言うが、これも信じがたい。ガソリンの使用量が増えたり、諸物価が安くなり売れ行きが伸びると試算されお金が沢山使われるとのことである。

この場合も、使われないお金も消えてなくなるわけではないだろう。あるいは、必要なものなら、高くなった分の量は減らしても消費される。金額は結局同じでないか。

先日(1月4日)、ガソリンは安くないと書いて、何人かの友人に好意的な反応をもらった。私は、牛乳が200円なら経済を支えるガソリンは150円くらいなら、安いと見るべきと思っている。ただし、暫定税率に賛成するのではなく、土建屋に儲けさせるのではなく、環境税などに変えるべきとの主張である。

世の中、経済効果ばかりではない。どんな商品でも、それに見合った対価があって当然である。安ければいいものではない。

これがなければ、あるいはこれが起きると、経済効果が××億円と説明されても、それは一時のものでしかない。今の時代、持続的のものが最も重要なことでないか。そのための、当然の対価があってしかるべきである。

酪農家が草を作り、乳牛にこれを与え、分娩させ、衛生管理し搾った牛乳が栄養満点であるにも関わらず、どこかの山から集めたただの水より安いことは真っ当な対価を酪農家に与えているとは思えない。

持続的であるためには、相当の対価を酪農家に払うべきである。こうしたことが本当の経済効果なのでないか。でないと、酪農家がこの国からいなくなる。イタリアのような防疫に杜撰な国や、アメリカのようにと場管理がメチャメチャな国から乳製品を輸入するようなことになってしまう。

それで良いのか?この国はやっていけるのか?

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どこかおかしなブルセラ病報道

2008-01-22 | 政治と金

ブルセラ病は、ブルセラ菌で発症する牛や豚の流産などを引き起こす、人にも感染する病気である。感染力はそれほど強くはないが、チーズなどを介したり直接接触して感染する。知人の獣医師も感染して、睾丸が大きく腫れ上がった。日本では隔年で全頭検査を実施している。

Brucella_italy001が国では、当地で40年ほど前にニュージーランドから輸入した牛が持ち込んで、感染が広まった経緯がある。感染が確認されると、強制淘汰される。補償金はでる。

我が国では長年発症していない、ブルセラ病がイタリアで発祥した。なんと、モッツアレラチーズを作るために飼養されていた、バッファローに発生したようである。

場所は、イタリア南部のナポリ近辺である。ナポリは現在ゴミ騒動の真っ最中Brucella_italy002 である。ナポリにはゴミ処理場はなく、周辺の自治体に頼っていたが断られて、その後の対策がなく町中がゴミの山になって異臭を放って暴動も起きている。

イタリアタイムスは、ゴミ騒動のためにモッツアレラチーズの売れ行きが、40%も落ち込んだ。今度は、ブルセラ病でもっとダメージを受ける。けれどチーズは大丈夫だとも報道している。ピザの売れ行きは好Brucella_italy003 調だそうである。

チーズ用に飼育されているバッファローの、30%も感染しているそうである。そうなるとかなり時間的な経過があるはずである。モッツアレラチーズが安全だとは、とても信じられない。

そこで、3万~5万頭のバファローを淘汰することに決まったようである。ところが、牛や豚たちの偶蹄目の感染状況は報道されていない。我が国の、防疫体制に比べると、何とも貧相な内容である。

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世界は多極化に

2008-01-21 | アフリカ

日本が高度成長を遂げたのは、60年安保条約改訂後である。60年は、いわゆる55体制が始まって5年後、社会党が分裂して民社党がちょっと勢力を持った時期であり、三井三池党争と安保反対闘争で革命前夜のような日本であった。

岸内閣を受け継いだ、池田勇人は全く政治には興味を示さず、ひたすら経済活動の発展に力を注いだ。所得倍増政策を推し進めた。60年は、まさしく日本の大きな転換点であった。

その後の評価はともかく、この時期から本当の意味で日本はアメリカの傘下に入り、アメリカはソビエト・中国の社会主義国家からの防波堤として日本を利用したのである。戦後15年目のこの時が日本のその後の繁栄を築いた。

その後、ソビエトなどの東欧の社会主義国家が崩壊し、冷戦が終結した。レーガン・サッチャーが新自由主義を掲げ、社会主義に対する勝利を土台にして26_op_bush_middle_east_4 、世界は急速にアメリカ一極化へと突き進んだ。

今、イラクやアフガンへの報復攻撃に見られるように、アメリカは世界が流動的多極化へ移行しつつある現状を分析できないでいる。ひたすら、自国の利益につながる、グローバリズムを世界中に押しつけ暴力的支配を見せつけようとするだけである。

アメリカの顔色を伺うことが、即ち国際活動であり外交であった日本には、こ1190944211 の冷戦崩壊の15年後の変化に戸惑っている。今日本は、外交面で大きな転換点に立っているが、有効な決断が保守陣営が示せない状況にある。ひたすら、洋上給油にこだわる姿勢が如実に示している。

それでも世界通貨のドルが君臨している状況がある限り、アメリカは民主政権になっても大きな変化を示すことができないであろう。

こんなことを背景に分析しながら、洋上給油に問題を投げかけたら、多くの評価や批判をいただいています。http://www.ohmynews.co.jp/news/20080118/19868

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kindlyな日本人

2008-01-18 | 政治と金

阪神淡路大震災から、昨日で13年経った。亡くなった母は、燃え上がる神戸の街を見て「まるで空襲のようだと、戦争を思い出し訝しげに口にしたことを思い出す。

もうひとつ最近になって思い出すことがある。世界のメディアが、この震災の大混乱の中でも盗難や強盗や暴動の類が起きなかったことへの、驚嘆の声である。日本人は秩序正しく、温和な人種であると結んでいた。

日本に来た、欧米人に日本人の印象を聞くと例外なく、「kindly」(優しい・思いやりがある)と答えてくれる。このことの表現として、震災後の悲惨な状況にあっても、これをいったん受け入れて行動するのであろう。55

これとおなじフレイズを最近聞いた記憶がある。社会保険庁の消えた年金問題の、「詐欺」「窃盗」に類する行為が発覚した時である。海外なら、暴動が生きるレベルの事件であるが、日本人は全く寛容であると、海外ジャーナリストが述べていた。

かつてはそんなことがなかったように思われる。例えば、ヴェトナム戦争という不条理な戦争に、学生や労働者が街に繰り出し反戦行動をしものである。ところが、現在はイラクなどでいかに不条理な戦争が起きても、ほとんど何もない。kindlyなのである。

ロックは、反権力・反体制の音楽であった。自由な表現と行動の象徴としてあったのであるが、今はだれもが同じように手を振りシンクロナイズする。kindlyな国民は、反体制側に立たなくなったようでもある。

「同盟国」アメリカに対しては更に、kindlyなようである。洋上給油でも、日本駐留の米軍に対しても「おもいやり」はたっぷりで、内容がない。とにかく言われるままである。

「kaindlyな日本人」とは結局、家庭的で反論しない言われるがままの状態のことを意味するように思われる。これでいいのか、kindlyな日本人たち!

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名作は不朽である

2008-01-16 | 平和

別海九条の会で、新春映画会と称して「二十四の瞳」を上映した。昭和29年Photo (1954年)の木下恵介監督・制作、高峰秀子主演の50年以上前の、白黒映画である。画面の痛みもあり、音響効果も最悪である。

当地のような田舎で映画会をやっても、せいぜい30名ほどの出席を予測していたが、70名も集まった。何より驚いたのは、10名少々いた小学生とそれ以下の子供たちの誰も退席しなかったことである。映画は、162分と24004 いう長編にもかかわらずである。ぐずる子もいなかった。

映写室から、観客のう様子を覗っていると、悲しい場面になると場内が見事に静寂になることである。それまでは、動いていた観客の頭の揺れが止まり、だれ24002もがスクリーンに見入っているのである。モノクロの痛みの激しい、音の良くない画面を、見入ってくれているのである。

私自信は、小学校時代に見た記憶があり、2年前にBS放送で見て胸を撃たれた作品である。声高な反戦映画ではなく、静かに瀬戸内の島の子供たちの成長と、出兵、戦死、不条理な教え子たちの死亡を淡々と伝える、監督の意思が伝わってくる。

何度も観客の涙を誘うこの作品は、50年の歳月を経ても人々を感動させて余りあるものがあったように思う。名作は不朽なのである。24003

若い世代が、知らず知らずに戦争に引き込まれて行く子供たちの姿を、どのように感じたのか機会を見つけて、聞く機会を持つつもりである。

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接近する中国、インドか意味すること

2008-01-15 | 教育勅語

China_india_outline_measures_to_imp インドのシン首相が中国を訪問し、温家宝首相と14日会談した。5年ぶりのことである。かつては、国境紛争で険悪な関係にあった、両国の急接近である。

両国は、エネルギー・環境問題、相互の貿易交流の緊密化、反テロで一致し た。お互いが、隣人であり協力パートナーであると宣言した。

この2国は、全世界の人口の半数を占める。環境面でも、CO2排泄で半量になるのは時間の問題である。

両国とも、発展途上国と自らを位置づけて、現在の経済成長の勢いを環境対策に優先させている。

世界では、自らの利益を求めてきわめて多くの国家が、無数と思える相互利China_india_outline_measures_to_i_2益と利害関係の要因で成り立っている。しかもそれは流動的であり、常に破綻と裏表である。世界は、確実に多極化への道を歩んでいる。

日本はこの半世紀の間、アメリカ一国の利益追従あるいは傘の下で、経済発展を遂げてきた。そうした意味で、日米安保条約の果たした意味は大きい。実は、この国の転換点は敗戦時(1945年)にあるのではなく、1960年の安保改定時にある。

そして、社会主義国家の崩壊、冷戦の終焉後十数年、日本は大きな転換点に立っている。が、アメリカ一極への妄想から抜け出せない日本は、転換点に立っていることすら意識せず、アメリカ艦船への給油に固執してご機嫌をうかがうばかりである。

真の国際化とは、多数の国家が利益を追従する関係を理解したした上での、日本の行動でなくてはならない。さらにここに、環境問題が加わってさらに複雑になってきた。

先日のCOP13で、最も後ろ向きである国家として日本は「化石賞」の評価を受けた。アメリカのご機嫌をうかがう日本の象徴的な出来事である。

世界は、確実に多極化への道を歩んでいる。日本外交の独自性は、技術力や平和憲法を活用することにある。しかし、この国の2大政党は政争に明け暮れ、選挙対策の短期的な視点しか持ち合わせていない。

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酪農は転換地点に立っている

2008-01-13 | 政治と金

日本などの先進国の畜産は、穀物を多給することで高生産と大型化を成し遂げてきた。これを「近代酪農」とか「先進的畜産」と自尊心をくすぐられて、高い生産性を誇っていた。

こうした技術は、穀物を大量に消化できる品種の改良と、畜舎の改良や餌管理技術を、畜産農家に提供することで成し遂げられた。が、最も重要な要因は、Sippo 安価な穀物が安定的に供給されてはじめて可能な技術でもある。

そのためには、穀物輸出国と"良好な関係”を保っておかなければならない。穀物輸出国とは、アメリカである。家畜に与える穀物とは、8割がトウモロコシ(コーン)である。コーンは、アメリカ中西部が生産地帯(コーンベルト)である。

日本で家畜に与えるコーンの量は、年間2千数百万トンである。これは、人間が食べているお米の、丁度3倍の量である。

この、コーンがバイオエタノールへと大きく転換し始めたのである。アメリカが政策的転換を図ったのである。いくら良好な関係といっても(実態は日本のアメリカ追従でしかないが)、結局は自国の事情が優先されるのである。当然のことである。

今、人の食料自給率は40%を切ってしまった。家畜の、飼料自給率はニワトリ(採卵、ブローラー)は5%足らず、豚が10%程度、肉牛が20%程度、乳牛は30%はほめすぎかもしれない状況になっている。

食料自給率(飼料自給率を含め)は、国の独立権の放棄に直結する。地球温暖化、異常気象は食料生産の不安定をも、もたらす。これからは、安定的に安価に穀物を供給してくれる国などなくなる。

牛乳の生産量の多い県は数年前より北海道の次に、栃木県、次に群馬県になっている。かつては、千葉県と兵庫県が2、3位を競っていたが、千葉カ4位であるが、3位群馬5位熊本県となっている。

これらは、穀物多給の大型酪農家が集中しているためである。また、消費地に近いことも関係している。飼料時給が高い地域ではないのである。

穀物の消費を、自国の事情を優先するアメリカは、すでに頼りにならない。「近代化」を目指して、高生産と大型化をしてきた日本の畜産は、大きな転換点に立っている。

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洋上給油でテロだ減るか!

2008-01-11 | イスラエル

、インド洋上でアメリカ艦船に給油すれば、テロが減り「国際貢献」になる。こんな子供だましの、論理でいつまでこの国会を引っ張るのであろうか。落語の三題話にもならない。事実アフガニスタンでは、タリバンが復活し全土の45%を占めている。給油はテロを増やしたのか?

確かに、アメリカは喜ぶであろう。どんなに少なくても、国としてかかわってくれれば「連合軍」と名乗れる。イラクなど98%がアメリカ兵であるが、平気で「連合軍側」と発表する。洋上給油も、日本が参画している事Canadiansafghanistan 実の確認以上の質的に高いものはない。

これが憲法に抵触しないとは、私の頭では考えられないが、自民党が主張する「非戦闘行為」であることには違いない。民主党の小沢一郎の主張する、国連軍下での活動よりはましかもしれない。

国連は、結局は各国の利害が如実に露わているところである。決して中道でもなく、平和的行為を最優先に行っているとは限らない。国連軍下に組まれると、平然と武器を持ち戦闘行為すら否定されないのである。

そう考えると、自民党の洋上給油は武器を持たない分だけ、まだましであるかもしれない。民主党案は、アフガニスタンの産業活動の支援を視野に入れているが、これは評価すべきである。誰もテロ行為をやりたいわけではない。結果的に、テロ行為に見える武力闘争でも、それなりの背景なり原因があってのことである。

テロ行為をなくすには、蝿を一匹づつ殺しても意味がない。蝿の発生する原因をなくGaza_fighting_signals_end_of_makkah さなければ、蝿たたきを売るものだけが儲けることになる。しかも、この蝿は一匹づつ人格や家庭を持った人間なのである。

蝿たたき屋に、燃料を補給する行為で、てテロ(蝿)が減るのだろうか。蝿たたき屋さんに要請されているだけのことではないか。

自民党は、劇場的、扇動的に行なわれた郵政民営化選挙で得た議席を背景に、衆議院で「洋上給油をするとテロが減る」法律を可決する。時限立法であることをみると、多少の躊躇いがあるのだろうか。

世界は、急速に多極化への道を歩んでいる。アメリカ一極世界の妄想に取りつかれている日本を、世界は信用しなくなる日が間近に迫っている。

日本はアメリカを追従するのでなく、武力を否定しながら平和憲法を前面に打ち出した平和外交をやっていれば、それこそどの国とも異なる、国際貢献が可能になってはずである。

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コソボはどうなる

2008-01-10 | 政治と金

ユーゴスラビアは、チトーというカリスマ的存在が6カ国を取りまとめて、国家の体裁を繕っていた。チトーの死後、東欧の歴史的変化もあって様相は一変し、内戦状態が続いていた。

Photo 中でも独立機運の強いアルバニア系が90%を占めるコソボ自治州は、99年より国連の暫定統治下に置かれて、戦火は収まった状態で今日なっていた。昨年11月の議会選挙で、第一党になった急進派の民主党のサチ党首が首相に就任した。

セルディ大統領率いる野党第一党の民主同盟との連合で、政権を安定させ今年度中に、セルビアから独立すると宣言した。ここまで10年近くなんとか治めてきた、国連も来るものが来たという感じだろうか。

コソボの独立をセルビアは認めていない。EUはコソボの独立を支援しているが、ロシアはセルビアを支援している。

旧ユーゴスラビアから、からは、すでにスロベニアが独立しEUに加盟している。冷戦後の世界は、アメリカの一極化の弊害から、今世紀になり多極化が急速に進行している。

ロシアのチェチェンや中国のウイグルやチベットなどやクルドなど民族色が強く、歴史的背景をもつ民族に権利を与えるべきでないか。

あるいは、国境のような高い壁を低く低くして、EUのような通貨統合に始まる、今までの国家観を捨て去ることが紛争解決にもなるのではないだろうか。大国が、利権とメンツを求めることより、少数民族の権利を認める時代になっているといえる。

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こりゃ大統領選一色だ

2008-01-09 | 政治と金

アメリカのブッシュ大統領は、中東10カ国を歴訪中である。訪れる国の数は、現職大統領として最も多いとのことである。昨年暮れ、ワシントン郊外で中東Bush_israels_security_as_jewish_sta 諸国会議をやったが、肝心のイランは欠席するし、ハマスをボイコットする会議で実効あるはずがない。

アメリカは現在 、大統領予備選一色である。特に、今回勝利すると思われる民主党の、クリントンとオバマの接戦に全米が沸き立っている。どの新聞も、ニュCampaign27600_3ーハンプシャーの選挙結果で大騒ぎである。

ブッシュは格好の時期を選んで、中東歴訪したものである。中東では新たな同盟国を探しに来たと、皮肉たっぷりの表面上の歓迎ぶりを各国が繕っている。

お祭り騒ぎのアメリカ大統領選挙は、一つの事件で一気に変わる。当初、楽The_obama_phenomenon 勝と思われていたクリントンに対し、オバマの急追を彼女の涙が救った形になっている。ヒラリーのは笑顔が似合うらしい。

それでも、お願いしますしか言わない日本の選挙よりはましかもしれない。彼らは、ネガティブキャンペーンを含めて、相互の攻撃し合っている。

余談であるが、昨年世界各国のジャーナリストが「民主主義」という、括りで各国の政治体制を一本づつ作った番組があった。日本は自民党の若い候補者が、街頭で自分の名前とお願いしますを繰り返すさまを一時間放映していた。政策らしきものは何もなかった。それよりはましという意味である。

こうして、僅かのイメージの狂いと成功で当落が決まり、世界を席巻する地上最大の権力者が決定される。多極化が進行しつつあるとはいえ、アメリカはいまだに世界を自由に動かせる国家である。恐ろしいことである。ブッシュのように、アメリカの威厳と利権だけを追い続ける人物でも、誰も止めることができないのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港