そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

北方領土は誰のものか?

2006-08-31 | 北方領土

根室沖で日本の漁船が拿捕されて、漁師が一人殺害された。停戦警告もなくいきなり撃ってくることは、常態であると密漁する漁師たちは一様に口にする。この問題の本質は、領土問題である。

その北方領土変換を、四島一括とする案に対抗するように先ず二島返還を要求する、二島先行返還論が時折現実的な話のように取りざたされている。二島とは歯舞、色丹であるが四島の2%程度の面積しかないが、これに伴う海洋はかなり広く、しかも根室に近いのである。旧島民は二島先行返還論にはこぞって反対するが、豊富な海洋資源を毎日のように見ている漁師は大賛成である。鈴木宗男や鳩山由紀夫などの政治家たちが唱える15610067 先行論は利権を背景にしているといえる。

ところで、これらの島々は本当はどこの国のものであるか、誰のものであるか現在の国家間の論争以外にはないよう見受けられる。ロシアのものでないことは確かであるが、日本が領土を主張する以前には、アイヌなどの先住民族がいたことがなんら考慮されていない。ヨーロッパ人が、こんな極東に領有権を主張することすらおかしいが、日本とて高々200年程度の権利主張である。先住民族は国家としての基本的な、領土、政治体制、法律、通貨などを持たない共通点があるが、彼らの権利を認めると、南北アメリカやオーストラリアさえ国家の存亡を問われることになりかねない。しかしながら、イスラエルが2000年前の国土を主張するのであれば、北方領土は先住民族に戻すことが本当でないだろうか。

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そりゃイスラエルの負けサ

2006-08-30 | 中東

An_artillery_unit_fired_a_shell_toward_s_1 イスラエルが仕掛けたかレバノンのヒズボラが仕掛けたのか、実態はわからないが約5倍ほどの死者の数に反比例して、この戦争は明らかにイスラエルが失ったものが多い。非人道的な空爆、一般人の大量殺戮など国際世論の逆風だけでなく、当初目的としていたヒズボラの戦闘能力を殺ぐことすらできなかったようである。中東最大の圧倒的戦力を背景に、数日で終わるとの目論みは見事に砕かれ、ヒズボラの思わぬ攻勢にたじたじであった。戦争が終わった後に、イスラエル兵が書面で自国の首相に、戦争を本気でやる気がないと抗議文を提出する始末である。

Smoke_billowed_from_beirut_after_an_airs_2 ヒズボラは住宅がイスラエルによって破壊された場合には、平均的な収入の2年分に相当する補償を行っている。ヒズボラの豊かな財政と豊富な兵器がイランによって担保されている事実は、レバノン政府の存在すら危うくするものである。レバノン国内での、ヒズボラの評価が高まる結果にもなっている。ナスララ師が勝利宣言するする程である。

日本の総理が全く無視されたのに比べると多少はましだとは思われるが、調停に出たアメリカのライス国務長官の無能ぶりや、国連の非力があからさまになった。このような状態では今後の中東情勢は、いっそうの混迷が進むことであろう。

こんな状況で、ヒズボラは武装解除する気など毛頭なく、どの国もいかなる団体も、自らの勝利以外の戦闘終結を考えていない。武力以外の解決方法しかないことを、彼らに教えられるのは日本のような非戦闘国家であるのだが・・・

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そりゃ靖国は安らかないサ

2006-08-28 | 閣議決定

100_0047 苦学して早稲田大学を卒業して、逓信省に勤めていた私の父は通信兵として、1943年に太平洋戦争に応召した。1945年に フィリッピンで戦死したが、出兵前には友人たちと「靖国で会おうと」酒を酌み交わしていたと、母は語っていた。それが、死ぬことを意味するのを、幼子を抱えた若い母は怖ろしい記憶として心に刻んでいた。純粋に国家を想い出兵した父の心を思うと、靖国神社の意味を戦争論とは切り離して考えたい。そうした、多分最も多い一般の兵士、国民の感情として見た場合、靖国神社を失くすにはいささかの抵抗がある。

国家の要請に応じて、無為に亡くなった人たちを「それは意味がないことであった」あるいは「お前らは侵略者だった」と、後の人間として非難し結論付けたくはない。戦死した人たちの、国を想い憂う心情を否定したくはないし、消したくはない。しかしながら、戦後の靖国神社の存在は日中戦争からの16年に及ぶ侵略戦争を正当化するだけでなく、賛美するものとなってしまっている。靖国神社は、A級戦犯をこそっと合祀したり(1978年)、遊就館を再開(1978年)したり「英霊にこたえる会」を結成(1976年)するなどして、徐々にではあるが大100_0048 きく変質したのである。

靖国神社の本質は併設の遊就館にある。ゼロ戦や回天など特攻兵器をを陳列する、ここは設立の趣旨通り、「国防思想の普及」であり、散華の賛美である。日本の行った戦争は正しく、止むを得なかったものであり、日本は欧米から開放するために大東亜共栄圏を作ろうとしたのだと、戦争を国家論や国防論でいかに正当化しようとも人殺しに変わりない。正しい戦争などというものは存在しないのである。

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そりゃ安けりゃ買うサ

2006-08-27 | ゲノム編集

Photo_16 吉野家の牛丼が再開した。アメリカでは捨てられている、胸底(胸の辺り、人の鳩尾の少し前に当たる)の僅かな肉を集めるためには、かなりの頭数が必要になる。こうした集めた肉に、たっぷりと日本流の味を滲み込ませて、牛丼を作っている。アメリカから牛肉がこなくなると、マスコミを煽って「牛丼がなくなる」と操作された大騒ぎは、記憶に新しい。牛丼などなくなるはずなどない。安くて、安全を保証されていないアメリカの捨て肉を使った牛丼がなくなるだけのことであった。国内の牛肉を使えばそんなものいくらでも作れたはずである。この業者が牛丼の再開をマスコミにアピールしていた。

アメリカと実質的に、物流が支障ないカナダで8頭めのBSEが見つかった。しかも、今年になって5例目である。7、8月で3頭目である。しかも、感染経路はまったく不明であるばかりか、究明しようとする考え方も体制もない。検査技術が高いから発見されたと居直りもしている。

吉野家のギュウドンを食べる連中に聞いてみると、安いから買うだけのことである。美味いといっている若者もいたけれど、結局安ければ若者や収入の少ない連中は買うサ。安全なんて、国内の農家のことなど考える連中は少数派となる。

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そんなものあるわけないサ

2006-08-26 | ゲノム編集

Sisido北海道牛乳」には必ずこのような放牧風景が、かならず添付されている。とりわけ本州方面の人たちは、北海道の酪農にこのようなイメージを強く持っている方が多い。確かに、一昔前までは、いやもう二昔前になるかもしれないが、このような風景は一般的でした。特に私の住む、根室地方では原風景となっていました。

時代jは変わり、農業にも効率が求められ、農家が経済的にも自立するべきだと、誰かが言い始めたのか経済原則を優先する波の中へ放り込まれるようになりました。関税のかからない、安価な穀物を大量に投与して搾って、高価な牛乳や肉それに玉子に変える方が儲かるのです。BSE発生もこのような背景から生まれたものです。

最近気になるコマーシャルがあります。「牧場のおいしさを詰め込みました」などと、牛乳を宣伝している。そんな牛乳などほとんどない。僅かに、私たちの地方でいくらかは行われているが、それも個別化できずそれぞれの牛乳は混入される。草だけで搾られた牛乳を消費者が手に入れることはできない。牛乳成分の多くは輸入穀物に依存している現状で、牧場のおいしさは求めるべくもない。

草を主体に飼われた牛乳や牛肉が、人の健康にも良いことが最近にになってわかってきました。さらに、草地管理など環境にも、農家の労働にも、家畜福祉(家畜に負担をかけない)健康にも、家畜ごとの収入も良いことがわかってきました。しかしながら、穀物輸入・販売業者が巾を利かす日本では、当分穀物他給畜産が続くことでしょう。

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そりゃ国境がないからサ

2006-08-24 | 北方領土

20060824「根室の漁船、第31吉進丸の銃撃・拿捕事件を受け、根室管内の漁協組合長たちと根室市長が北海道知事に、ロシア側に拘束されている乗組員の早期解放と安全操業に向けた協力を要望した」と報道されるが、これはいかにもおかしなことである。安全に違法操業ができるように、陳情したのだろうか?

地元では、日本の漁船の多くが違法操業をやっているのは公然の秘密である。目の前にる海産物を採りたくなるのは、漁師なら当然とも言える。ロシア関係者などによると、最も多く密漁をやっているのは実は、ロシアの漁船である。それを無条件で高額に買い取る日本の業者がいる限り、この実体はなくならないし取り締まれないと頭を抱えている実情にある。さらに韓国漁船がこれに加わるから、話は複雑である。資源の枯渇が憂慮される。

北方領土を固有の領土としている以上、ここには国境などなく中間ラインなる不思議な言葉があるだけである。申し合わせを逸脱した漁は、建前国内であっても密漁と報道するべきである。今回の要請に密漁や違法操業などは当然触れられてはおらず、本心は鉄砲では撃たないでくれという要請かもしれない。

四島返還ではなく、歯舞、色丹の二島を先に返してくれという分離論がある。島の大きさからすると、2%程度の歯舞、色丹島面積でもそれに伴う、海の面積は遜色がないものとなる。近くの二島を分離してでもというのは、漁師たちの言い分である。ソ連、ロシアの老獪な外交に甘い汁だけ吸われる哀れな日本外交の狭間に位置する北方領土は、時間の経過とともにロシア領土の公然たる事実だけが積み重なっていくことになる。

日本は国土に関する歴史を教育の場でもしっかりと教えてはこなかった。北方領土がロシア領でないのは事実であるが、日本領になったのはいつなのか、先住民族の権利はどこにもないのか惰性で今日に来ているだけである。

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何が強いか

2006-08-23 | トランプ

弱肉強食という言葉が乱用されています。弱いものが強いものに食べられるとする、基本的な考え方が間違っています。小泉内閣が格差社会を作り出した市場原理は大いに批判されてしかるべきですが、ここに強いものが勝ち弱いものが負ける、こうれは生物が地球上で長年培ってきた真理として、市場原理の正当性の保管論理として当然のように引用しています。これは真理でもなく、進化論を誤って使ったものです。

弱肉強食は、同種で行われることはまずありません。ライオンがレイヨウを食べるのは異種間の戦いです。これは人が魚を食べることと大差ありません。ライオンやレイヨウが同種間内で戦うのは、より強い遺伝子を残すための戦いでありお互に殺しあうものでもありません。強いとされるライオンやヒョウなどは、食を得るための手段としての武器を備えているに過ぎません。彼らは食物連鎖の上位に位置しているだけです。環境などの急激な変化などがあると、レイヨウなどは個体数を減らして対応できますが、食物連鎖の頂点に立つものはすぐに危うくなります。絶滅危惧種の多くが、トラやシマフクロウなど食物連鎖の頂点に立つものであることを見ると良くわかります。

人間社会での競争原理は勝つか負けるかの二つに一つのように言われますが、勝つのが一人に対して、負けるのは数千あるいは数十万になるかもしれない。勝つものが極めて少数なのは、食物連鎖の頂点に立つものと同じことです。弱いのはいつも地位を案じている不安を抱く支配者なのです。

産業でも同様の構造になっています。少数の2、3次産業に比べて、社会的に下に置かれ弱者に見られがちな1次産業は本当の意味でなくてはならない強い産業です。拙書参照ください。

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そりゃ、ロシアは勝手にやるサ

2006-08-21 | 北方領土

Photo_15 根室の漁船員がロシアの警備艇に銃撃され人一人が亡くなった。悲しむ出来事である。ところがこの漁船の船長は、地元漁協の組合長でもある。しかもこれは明らかに、違法操業である。違法操業は、建前日本の国内である以上違法ではなく、ロシアに入漁料を支払って国内の漁業者たちが申し合わせの形で漁をしている。その申し合わせの責任者の密猟である。

今回の組合長が行っていた漁は明らかに違法操業であったが、このことは余り報道されてはいない。なぜだろう?都合が悪いのか、ロシアとの協定は本来あってはならない建前が優先されているのであろうか。よくわからない。

それに、地元で密漁をする漁師の話では、ロシア人はいきなり撃ってくるというのである。4段階あるとされる、停船命令などやられたことがないということである。今回もゴムボートからいきなり撃ってきたと、組合長自身が携帯で連絡してきている。日本の漁船が有能でロシア船は、逃げられると追いつけないという事実は抜きにしても、妙な報道姿勢である。

大体が、韓国や中国それにロシアは領土問題のついては、教育の現場からして日本との取り組みが大違いである。それに、小泉政権の5年間はこの3国とは音信不通に近い状態であった。その間、経済発展を遂げてきた中国やロシアはここに来て、鼻息が荒い。今まで散々北方領土に発電所やムミネオハウスなど作らせておいて、その後の無策の5年間に大きく後退した現実はどうして語られないのだろう。

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そりゃ、市場経済に合わんだロ

2006-08-19 | ゲノム編集

アメリカなどを除いて、農業は先進国では厄介者扱いになっています。商工業の発達は、幾何級数的に伸びることが可能ですが、農業はせいぜい平年作を2~5%上回る程度でしょう。しかも気候の変動を直接受けます。それでいて農業すなわち食料を必要としない国家など存在しません。先進国は、途上国の安い労働力に支えられた農産物を輸入するか、国内の農業者の賃金を抑制するか不健全な工業的な農業を奨励するしかないのです。

一方、アメリカやオーストラリアなどが農業国として世界の農産物の市場価格をリードしています。これらの国々は、ヨーロッパである程度産業革命などを経て機械依存の農業が可能になってから、先住民を殺戮し土地の収奪が行われた「新大陸」に侵略した背景があります。日本でも、規模は小さいのですが北海道がこの傾向にあります。北海道が大型農業が定着した背景に、アイヌ人などの先住民族がいたて駆逐(同化)したことを忘れてはなりません。大型農業は、価格を抑えることも見た目にきれいにすることも、規格通りのものを作ることができます。まさしく市場原理に合った農産物を生産することが可能です。ここでは農産物の内容は問われることはないのです。

農業者は少数になりながら、日本の僻地を支えています。高齢化は均等に進行しない。農村は少子高齢化が最も早く進行するところです。民主主義が、多数決を基本とするなら、農業はその論理にはそぐわない。人間の健康と環境保全を考え、自給率を高めることが独立国家の使命です。つまり、農業は民主主義も市場原理からもはずして取り組まなければならない産業なのです。そうした健全な思想を持った政治家がこの国にはいません。拙書「そりゃないよ獣医さん」参照ください。

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そりゃ、やさしいか判らんだろ

2006-08-18 | 環境保護と循環

アメリカが、地域の活性と石油依存エネルギー打開のために、コーンによるエタノール生産を真面目に検討している。当面車のガソリンの3%ほどを、無公害のエタノールにしようというのである。環境問題とアメリカ中部の過疎対策のためとされているが、この一見進んだように思える、対策はおかしなことだらけである。

コーンからエタノールを生産するのは非常に効率が悪く、サトウキビやビート(甜菜)に比べるとかなり落ちる。サトウキビやビートはアメリカが主産国ではない。発展途上国の農産物である。これらを生産する国では、サトウキビやビートの残滓でのエタノール生産、セルロースからの生産を試みている。これは極めて健全な発想である。人が利用できなくなったものから、人が利用できるものを生産することは、農業の基本である。多少のコストがかかっても国家なりの援助で行うべきであろう。

アメリカが国内事情からここに参入するのは、環境全般から見て途上国の健全な行為を潰すことになりかねない。工業生産のための穀物生産は、食料になるものと違って、農薬や遺伝子組み換え種子の利用など今まで以上に効率一辺倒になり、生産方法に歯止めが利かなくなることが考えられる。水を大量に消費するアメリカのコーン生産は、現在の生産方式でも大きな環境破壊を起こしている。

しかしよく考えてみると、このような残滓は牛の大好物である。工場を作ってエタノールにするよりも、牛の食わせて肉や牛肉に変えたほうが、より地球にやさしいと獣医師なら考えるのではあるが・・・どうだろう。

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カズとヒデ

2006-08-17 | TPP

01_2 サッカーの三浦カズヨシと中田ヒデトシは極めて対照的である。誰が見てもすでに、往年の動きがなく3流選手以下になっている、カズはボロボロになりながらも、F2で球を蹴っている。決して活躍しているなどといおうなお世辞は通用しない。海外にもあちこちっても、すぐにお払い箱になる。 彼がいくつのチームを亘ったか、わからないほどである。それでも彼は、希望するところがあれば行くという。今はモデルや奥さんの収入の方が上回っているようである。これもプロの一つのあり方かもしれないが、惨めと思うのは失礼なことか。

翻って、ヒデは余りのもあっけない引退である。見事としか言いようがない。藤原正彦氏がPhoto_14言う「武士道」精神が、垣間見える。そういえば、昔は大相撲でも、大関から陥落はすなわち引退であったが、今は元大関が何人いるか判らない。栃錦の引退もヒデと重なる。よく言えば信念を貫いているのかもしれないが、自らの可能性を閉ざしているように思えてならない。昨日の、オシムジャパンを見ていると、ヒデはどうしてもこの中には居場所を見つけられないであろう。そう考えると、彼は敏感に時代を察知したのかもしれない。自らの描くものが得られなければ身を引く潔さに、カズの泥臭さが引き立つようではある。

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靖国は安らがず

2006-08-15 | 国際・政治

Photo_12 靖国神社は国家に殉じた人の鎮魂の社である。私の父の魂もこの社のどこかにいるらしいが、参拝するつもりは毛頭ない。それは、靖国神社が国家主導の戦争礼賛を本質とする神社に他ならないからである。遊就館は終戦直後は、ピンポンをするような場所にするとしていたが、現在は誰もが眉を顰める戦争礼賛博物館になっている。

靖国神社の本質は遊就館にある。戦前の、帝国日本が行った戦争は正しかったとし、ついては戦争そのものを賛美することの問題である。戦争で亡くなった人々の犠牲は、戦争賛美という形でナショナリストたちに利用されているのである。

国民全てが氏子である。いったん合祀したら外せない。現在の国籍など関係ない。靖国神社が傲慢な発言を繰り返すのは、国体護持の歴史がもたらす高慢な思想を持つからである。

昭和天皇の感覚は正当である。が、靖国神社の本質は、A級戦犯の問題は末節のことである。靖国神社の本質は、建設の歴史とその思想にあり、遊就館がその全てを物語っている。

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そりゃ、人殺し論理だろ

2006-08-14 | テロ

Brazilian_muslim_children_light_candles_ ブラジルのイスラム教寺院で、子どもたちがレバノンで亡くなった人たちへの鎮魂のキャンドルに火を点けている。過去の歴史の中で、ユダヤ人たちは世界各国からこのような、鎮魂を受けていたはずである。幼い頃に、アウシュビッツなどのユダヤ人収容所の写真や報告書などを沢山見At_least_34_children_killed_by_raid_on_h A_wounded_boy_lies_in_a_hospital_after_i てきた。そのユダ多人たちが”テロ”を理由に、不特定の人たちを殺害する矛盾を解説する論理を私は持てない。自らの国を建国することは、この ような犠牲を当然とするなら、シオニズムそのものに問題があるのではないか。人を殺す宗教など本来存在あるべきもないが、自分たちの歴史から何を学んできたのであろうか。

仏教国日本は、死者・ご先祖様を迎え入れるお盆の季節である。なぜかしら、この時期が終戦記念日に符合する矛盾と、靖国の神道思想が取りざたされることへの報道に憤りを感じる。靖国神社は、太平洋戦争を正当な戦いとし美化する併設の「ユウシュウ」館にこそ、その本質がある。私の父も祭られる靖国神社は、戦争賛美、礼賛する神社である。そこには被害者の存在はなく、軍属以外の「ミタマ」も存在しない。A級戦犯の問題は二の次である。靖国神社は存在そのものが戦争礼賛であるからである。

首相の靖国神社への参拝は、違法性という法治国家の根幹の問題と、戦争への礼賛を併せ持つ意味で決して行ってはならないことである。心の問題は戦争礼賛を意味するものである。戦争とは、人殺しのことである。

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そりゃ、家畜より大食いだろ

2006-08-13 | 環境保護と循環

石油価格の高騰でバイオ燃料がにわかに注目を受けている。ガソリンに添加するあるいはエタノールで走る車のためのエタノールを作り出す、コーン(トウモロコシ)などの生産ががかなり具体的に動き出しているようである。石油の相対的な力の低下を目論んでいるようであはあるが、アメリカは真剣な見通しも立てているようである。エタノール大国の、ブラジルを追いつくことが当面の目標だと考えられる。

コーンが、燃料に回ることで家畜の頭数の削減や畜産品の高騰なども、計算済みのようである。家畜に大量の穀物を与えるばかりか、今度はそれを燃料にしようというのである。そのような目的で、穀物を生産するとなるとただでさえ、大型大量生産の弊害が言われる生産スタイルに、曲がりなりにも動物に与えているときに考慮されていたようなことは、工業製品にするとは思えない。エタノール生産のために作付けされた穀物による環境汚染が当然のように発生するが、当然工業製品への国民の反応は弱くなる。

環境に配慮されたバイオ燃料。クリーンなイメージばかりが先行するが、よく考えるとこの地球上に10億の飢える人間がいる。車が穀物を食べる結果になるが、ここにはどうして倫理的な作用が働かないのであろうか。私は、獣医師として日本などの先進国の家畜が、大量の穀物を消費している状況を案じている。一般家庭の乗用車一台で、年間20名の消費量に匹敵する穀物を消費するという試算もある。排気ガスがなくて一見、クリーンに思えるエタノールエンジンには大きな問題があると思える。

拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照

そりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問うそりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問う
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そりゃ、テロの再生産だろ

2006-08-12 | 国際・政治

動物の身体は、バランスの中に生命を維持し、種を継続している。つまり。動物の身体がある突出した使命を受けると必ず、そのアンチが抗するようになっている。例えば、血糖値が上がるような働きが作用すると、必ずそれを下げる反作用が起動するようになっている。動物の身体は、優れたひとつの作用が継続して保たれているのではなく、こうのよなバランスの中に成り立っている。

これは人の社会にも擬えることができる。社会がある一定の方向に強く動き出すと、これの歯止めとなる何らかのものが機能する。例えば、戦争への動きが活発になるとその反作用が必ず起き、そしてその反作用の反作用が必ず起きる。そうして、一般社会は保たれている。それが健全な社会であり、真の意味での民主主義だと、生体が教えてくれている。

テロリストを、次々と殺してしまえば、テロはこの地上から根絶されるとアメリカ大統領や、イスラエルは信じているのであろうか。テロリストを殺せば、新たなテロの土壌をはぐくむだけである。力に対して強い力で押さえ込むことは、テロの拡大再生産につながる。

大体が、テロとは何か規定がないばかりか、原因すら考えることのないままで、テロという言葉だけが先行している。とりわけ世界最強の軍事力経済力の突出した国家が発言する。そのこと自体が、バランスが崩れる結果になってはいないだろうか。

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羅臼港

春誓い羅臼港