
現実を知らない、自らの手で切り拓くことがなかった、持ち上げられることで過ごしてきた、江藤拓は典型的な二世議員である。自らが獲得するのではなく、何の努力もなく持ち上げられて当選し、小選挙区で国会議員を22年(8期連続)も続けている。
江藤拓農林水産相が、18日に佐賀市内で行った講演で、「コメは買ったことがない。支援者の方から沢山コメをくださるので、売るほどあります」と発言した。コメ高と不足で国民が浮足立っている中、不用意な発言とする報道もあるが、これは全く無神経な発言といえる。しかも江藤はコメ問題の最高責任者である。
御坊ちゃま議員の江藤拓にはリアリティーがない。現実を肌で受ける実感を体感しないのである。
江藤は「全面的に撤回して皆さまにおわび申し上げたい」と陳謝した。その上で、「 コメは売るほどもはな。コメは買っている」と言う訂正をした。
何も江藤は解っていない。事実関係を問われているのではなく、軽々な発言は、「俺はコメに困っていない。支援者はコメを持ってきてくれる」と、まるで小学生同士の自慢話を披瀝しただけである。
彼が全面的に撤回したところで、この男の本音は明確に人々に伝わっている。
国会議員の世襲制は、無能な議員を産むだけではない。無能な議員は、有能な候補者をポピュリズムと金によって、葬ってしまう不幸にある。
日本の選挙制度は政策を選ぶのではなく、人間を選ぶ制度になっているが、そうした制度が世襲議員は親から継承として、知名度と選挙資金を継承するのである。
情けないことに、2世議員の江藤拓を引き継ぐのは4世議員の小泉進次郎である。米問題を引き受けたのは、アメリカ問題と勘違いしたのではあるまいが、この国は無能な世襲で固められる。石破は2世議員であるが、