そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

獣医師は偏在はしているが足りなくはない、研究分野こそ広げるべきである

2017-06-04 | 獣医師
獣医師が足りているかという、疑問か質問か良く解りませんが本ブログに寄せらる。背景に加計学園の獣医学科が、安倍晋三のお友達への特段の配慮で開設されたことにあります。
獣医学部の開設に4条件が事前に提示され長年もわたって検討されてきた。候補として名乗り出ていた、加計学園と京都産業大学はどちらも、この4条件をクリアーしていなかった。これは大学の開設の直接責任者の、文部科学省の前川政務次官が述べています。
いわゆる「石破の4条件」とは以下である。
<<獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討 1、現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、 2、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになり、かつ、 3、既存の大学・学部では対応困難な場合には、 4、近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。>>
早い話が既存の大学では取り組みことができなかったことをすることが条件になっている。
獣医師不足や、地域性などどこにも記載されていない。ところが突如として、「地域性」という言葉が提案されて産業大学が撤退したという経過であった。

獣医師の国家試験に合格するのはこの50年ほど変わりない。ほぼ1000人ほどである。50年前には、小動物(愛玩動物・ペット)の診療に300人ほど、産業動物(家畜)の診療に300人ほど、そして行政と研究職に400人ほどが就職していた。ところが、畜産の衰退と規模拡大で、産業動物への就職者がかなり減ってしまう一方で、愛玩動物が雑種がうんと減り室内で飼育するようになり、しかも複数の犬猫を飼うようになり愛玩動物の診療獣医師が増えてた。佐々木倫子の、マンガ「動物のお医者さん」がベストセラーになり、獣医師希望者が増えて、入学試験の偏差値が高くなり女性が増えた。
相変わらず、1000名ほどの獣医師が新たに生まれている。つまり獣医師は不足はしていないが、偏在するようになった。大雑把な数字であるが、産業動物へは100名ほど、愛願動物には600名ほどが就職するようになった。産業動物の診療獣医師は、小動物の診療もするようになり、食つなでいる。
女性の社会進出は望ましいところであるが、産業動物では体力的なことや、何よりも汚いしきついししんどいく、女性の定着は低くなる。本当は業務を分担すれば、女性の場も広くがるとは思うのであるが、現実には行政に家庭を持った女性が就くことが少なくない。
獣医師の分野は臨床が目立つが、医療や農業や自然環境とかかわる分野も少なくはない。更に最先端技術として、分子生命学の分野も
多種の生命と関わる獣医学の分野に取り入れた方が、研究の幅が明らかに拡がることになる。獣医学科を持っていないが、進化学や公衆衛生や解剖学や細菌学を開設している大学が、京都産業大学や名古屋大学や広島大学などたくさんある。そうした意味でも加計学園など論外である。
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やっと清浄国になった韓国で口蹄疫発生

2014-07-24 | 獣医師

韓国慶尚北道の地方政府は24日、ソウル近郊の義城郡の養豚場で口蹄疫が発生したとの声明を発表した。口蹄疫の発生は約3年3か月ぶりとなる。
01 韓国では2010年から一年以上にわたって、口蹄疫が発生して国内の豚の3分の1が処分された。
韓国は国際獣疫事務局(OIE)から再指定を受けた、「ワクチン接種清浄国」の資格を僅か2カ月で失ったことになる。
日本のように、一段高いワクチン非接種国としての清浄国をめざしていたが、関係者の衝撃は大きい。
今年2月には、北朝鮮で口蹄疫が発生している。韓国のワクチンや消毒の支援は断っているが、北朝鮮の具合的な対応などは良く解っていない。今回の発生した口蹄疫と、前回との関係や北朝鮮との関連などはまだ解明されていない。

畜産はこの50年ほどで大きく変貌した。とりわけこの20年で、多くの都会の方が抱く、家畜としてのイメージが変わったのである。
近年の家畜は、主にアメリカから輸入された穀物、それも7割以上がトウモロコシを大量投与することにようになったのである。
特に、ニワトリは95%以上が輸入穀物を食べている。次に豚さらに牛へと給与量が増えてきた。ヒトと競合する食料の家畜への、大量給与は食料の価格上昇と、倫理的に問題がある。
穀物給与の理由は、大型化できるからである。安価な穀物を家畜に与えて、高価な畜産物(玉子・肉・乳)に変えてもらうためである。
こうして大型化した畜産は、鳥・豚インフルエンザや口蹄疫や豚の肺炎など、間断なく新しい病気を作り出すのであある。
原発と同じで、一見安価なように思えるが、事故による清浄化や予防に風評被害などを考えると、決して安価ではないのである。

安倍政権は攻める農業として、実態は大規模化を推進しているが、結局は高い代償を払うことになるのである。川内原発再稼働の論理と重なる、目先の利潤や大型化や安全神話が底辺にある。

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宮崎口蹄疫から1年

2011-04-21 | 獣医師

 早いもので宮崎県で口蹄疫が確認されて、今日で1年になる。終息宣言から半年近く経った。一見宮崎では、口蹄疫を克服したように見える。

 しかし、口蹄疫発症農家の8割が再開を希望していたが、現実には半 数がやっとの状態である。彼らが再開に踏み込めないのは、TPPをはじめとする農業への不安である。

 福島原発事故の当事者、東電を見ていると宮崎の畜産農家は良くやったと思う。東電が事実を小さく小さく評価しようとする、恣意的な内容110417を発表し続けているが、口蹄疫では全く逆であった。

 可能性のあるものはすべて排除して、結果を出している。リスク評価11041701の姿勢が根本的に異なる。

 お隣の韓国では、4月5日にやっと終息宣言できたが、4月17日 に慶尚北道の永川市で、ワクチン接種後の豚の発症が確認された。また振り出しの戻ったのである。

 韓国では12月の再発してから、豚332万頭、牛15万頭を殺処分している。膨大な数の処理を行ってきた。韓国の北半分が感染地域となっている。

 北朝鮮では、VOA(ボイスオブアメリカ)の発表によると、1月までに豚1万267頭、牛113頭が確認されている。FAOの調査によれば、3月には300頭近い牛、27頭の豚の発症が確認されている。そのうち4頭が死亡している。

 北朝鮮にワクチンなどの支援を、FAOは世界各国へ協力を要請したがどの国も応じていない。

 北朝鮮での、口蹄疫の発症は極めて危険である。韓国の口蹄疫も、この国が原因である可能性が高いからである。

 宮崎県では、1年目に当たる今日防疫訓練が行われている。原発とは質が異なるが、宮崎県の対応や畜産関係者の対応は見事であったと、朝鮮半島の出来事や原発事故を見て感じるものである。

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原発事故の不可解さと韓国支援

2011-03-14 | 獣医師

 どうやら死者は2万人を越えそうである。海外メディアは第2次世界大戦以後最大の惨事であると報じている。その110313海外メディアの最も大きな関心は、原発事故である。

 お人好しの日本人は、想定外の 地震であったと言い訳されて、事故を受け入れようとしている。しかし、原発反対する側に対しては、あらゆる事故を想定していると、安全性をことさら強調していた。このところ、CO2を出さない発電施設とした、クリーンをことさら強調している。

 原子力発電は、核融合で得られた熱で起こす蒸気タービンによって110311発電する、発電施設である。極めて原始的で素朴な仕組みでもある。不安なのは発生する放射性物質とその後の廃棄物の管理が、どう考えても出来ない施設でもある。

 プルサーマルや汚染物質の処理については、単なる先送り作業でしかない。次世代につけを回すだけのことである。仮に汚染物質を100年程度の安全が保たれても(せいぜい100年程度である)、稼働施設の安全性の問題は残る。

 それが今回、図らずも露呈したのである。事故対策は万全と公言していたが、柏崎原発の一部は未だに稼働していない。

 東電の発表はどこかぎこちなく、事故の全容は公表していると思えない。編集したビデオを公開したこともあったが、これまでがそうであったように、現在もそうであろう。原発事故の発表はことごとく後ほど訂正されている。

 時間が経ってみな刈れば全容は解らないが、少なくとも福島第一原発の、3機は炉心溶融は起きているらしい。冷却が成功したと言いながらも、次々と水蒸気爆発(?)を繰り返している。核施設の決定的な事故が起きているかもしれない。発表時期のタイミングを見計らっているのではないか。

 今回の震災についてもう一つ。韓国からの人的な協力や援助、物資の援助を断るべきである。この国は口蹄疫が現在も発生している。ニュージーランドが断ったように、日本の家畜防疫の観点から、丁重にお断りするべきである。

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恐れていたことが現実になった

2011-02-12 | 獣医師

北朝鮮で口蹄疫の発生があった。北朝鮮中央通信が公式に発表した。この国がこうした発表をするのは、余程のことではないかと思われる。アメリカのラジオ自由アジア(RFA)によれば、FAOに正式に、緊急救護要請をしたらしく、食料問題で何度もコケにされたFAOはこれを歓迎している。来週にも獣医師や疫学Photo の専門家を派遣するそうである。

RFAによれば、北朝鮮では2007年に牛豚が3000頭、2008年には100戸の口蹄疫が確認されたとのことである。FAOは2007~2009年にかけて43万ドル提供している。今回はほぼ全土にわたって広がり、1万頭感染しているとのことである。相当数が死亡しまた殺処分しているとのことである。

上記は昨日(11日)韓国のメディアが報道した内容である。本当かと思うことと、やっぱりと思うことが交錯する。北朝鮮で殺処分が可能かということである。口蹄疫は感染力は相当強力であるが、死ぬことはそれほどない。それに、この国の飼養形態がつかめない。かなりの役牛がいるであろうし、肉用に豚でも牛でも使用が可能であるのだろうかと言うことである。見方によっては、北朝鮮のクレクレ外交とも見えなくもない。いずれにしても全土に広がっていることと、政府が要請したことは深刻な事態とも思える。

しかし、最も危惧されるのは口蹄疫の初発は、北朝鮮ではなかったかという疑念である。事実韓国よりの方に発生頭数が多いようであり、韓国側も北と接する地域から発生が絶え間ない。北朝鮮の防疫対策など、信じるに足らないものであろう。病状の特定も対策も十分であるとは思えない。だとすれば、2007年の発生は、すでに広がりを見せた後ではないだろうか。韓国への伝搬が北朝鮮からだとすれば、あらゆる対策はざるで水をすくうようなものである。

北朝鮮が正常な国際社会への感覚と責任を持っていれば、何も案ずることはない。資金援助でも防疫援助でもすればいいが、金正恩のためなら更なる挑発をやると平然と南北会談で宣言する国家には、ざるに水を注ぐようなものである。口蹄疫に関しては、最悪の事態と言える。

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韓国口蹄疫の拡大と鳥インフルエンザの発生

2011-01-08 | 獣医師

韓国の口蹄疫の拡大が止まらない。7日現在で。殺処分された家畜が100万Photo 頭を超えた。韓国では昨年6月に終息宣言をしたばかりで、11月に再発が起きて40日を越えたが、拡大が止まることをしらない。慶尚北道に始まり、韓国の中 央部から、北朝鮮との境界まで広がっている。

11月28日以降で、発生農家が99事例となって、殺処分農家が3096戸で対象家畜は、107万5015頭になった。獣医師不足や初期対応などに問題があった言われている。12月25日からワクチ02ン接種を行っているが、対象家畜の6割にも満たない現状である。

ところがここに来て、7日に口蹄疫の清浄地域の南部から、鳥インフルエンザの発生が全羅南道の鴨農場で発生があり、半径500メートルの農場の鳥が8万4000羽が処分された。発生農家で異常があったのは12月28日であったから、10日間も放置されたことになり、初動対策が不十分であったことになる。この他渡り鳥でも高病原性の鳥インフルエンザが確認されている。周辺は養鶏地帯であり、今後の発生が憂慮される。

大陸との交流が格段に日本より多い国である。口蹄疫にはほとんど無策の中国やモンゴルからの、人的な持ち込みが懸念されている。大型経営や家畜の移動などが更に閣下させる原因になっているのではないか。韓国の畜産の基盤が大きく揺らいでいる。

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鳥インフルエンザと口蹄疫の功罪

2010-07-21 | 獣医師

もうすでに大方の方は記憶から遠のいているであろうが、ひとしきり大騒ぎした“鳥インフルエンザ”があった。無機質で巨大な鶏舎には、何万羽も飼育されているニワトリがいることを初めて知った、一般の人が多かっただろうと思われる。毎日食べる卵がこんなところで生産されているので、さぞかし驚いたことであろう。

Photo 人にも感染するなど変異株の恐怖や、パンデミックが起きるかもしれない、渡り鳥が運んでくるかもしれないなど、本来このウイルスによる怖ろしさの警鐘よりも、身近に見る卵の生産様式を知る機会となったことの方が大きかったように思える。ニワトリは地面を歩き何かを突きながらコッコと鳴いて卵を産むことなどない。ニワトリは日本が輸入する穀物の、3分の1も食べているのである。

今年宮崎で起きた口蹄疫は、人には感染はしないものの畜産業界では最も恐れられている伝染病である。口蹄疫報道で、宮崎県が畜産王国であったことを知った人もいたであろう。殺処分される牛や豚が可哀そうだと、情緒的に感じた方もいたであろう。

いずれにしても、一般の人が畜産の現状を外見的とはいえ見る機会を持ったのは、畜産の元王と今後を考えるには、良い機会を与えたと言える。法定伝染病に感染した家畜は、殺処分されることを知る機会にもなったであろう。

日本の畜産は、輸入穀物を大量に給与することで畜産価格を下げてきた。人と競合する穀物を、先進国は大量に家畜に与える飼養方式を導入したのである。世界の穀物価格を上昇させ、貧国の人間が飢える一方で先進国の家畜たちは、多頭数飼育方式で、常にあらゆる病気の危険に曝されるようになった。

鳥インフルエンザも口蹄疫もの発生も決してあってはならないことであろうが、このことで自らの食について、畜産の在り方について日本人はもっと考えて欲しい機会を国民に与えたのではないか。

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特別扱いは疑問

2010-07-08 | 獣医師

宮崎の口蹄疫h問題で、宮崎県のそのまんま知事は、殺処分命令の下っている、種牛6頭を何とか助ける方向で考えたいと動いている。陽性牛でもないが、殺処分を前提にワクチン接種するべき地域の牛であった。ワクチン接種も受けてはいない。

畜主の感情的なことも理解できるし、今後の宮崎の復興に役立つという意見も理解できなくはない。しかし、同じような感情を持っていた多くの畜産業者は、健康でありながら100610も多くの自らの農場の家畜の殺処分に応じていたのである。圧倒的多数の畜産農家はこれを、防疫のためと割り切って(すっかり割り切ったかどうかは解らないが)、殺処分を行ったのである。

種牛であるからなどとの理由で、感情的なことからこの6頭を特別扱いするのは、むしろ殺処分に応じた多くの畜産農家の感情を逆なですることになりかねない。感情論で考えるべきではない。

家畜は人間が自らの生きるため、生業として飼育しているものである。愛玩動物とは決定的に異なる。愛情は持っていても彼らを手放すことを、畜産農家は生業としているのである。牛個体として見た場合は極めて、心情的なものが残る。いくら人工授精で大量生産され共同飼育ていても、牛にも豚にも個性があるし、それぞれが感情を持っている。

家畜を飼育する上で、感情を前面に出すようであると、畜産農家としてやって行けない。家畜とりわけ肉豚、肉牛では、殺されることで商品となる。そうした前提の家畜をわれられは徒に感情移入するべきではない。この6頭の種牛も例外扱いしてはならないと思うのである。

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口蹄疫が節目を迎えたが

2010-06-26 | 獣医師

宮崎の口蹄疫が、新たな発生もなく19万9246頭の殺処分を終えた。これは大きなヤマを一つ越えたことになる。新たな発生も、18日を最後に見られていない。

これから新たな発生がなければ、ワクチン投与した3万頭余りの処分が残っているだけになる。今月中にこれらを終える見込みであるということである。このままだと、9月頃には終息を迎えることになる。何はともあれやっとここまで来たかという感じである。

今回の、宮崎の口蹄疫事件は余りにも多くの教訓を残している。今後の関係者の総括を対応が注目されるところである。

農水省の疫学チーム(チーム長:津田知幸動物衛生研究所企画管理部長)は、抗体検査から抗体の変化から、初発の発生の前1~2週間前に数10例の感染があったと報告している。更に、家畜車による移動によるものと思われる事例の、感染の拡大が指摘されている。作業員の行き来から感染拡大した例も報告されている。

これらは、人的なものによる感染拡大が進行したものと言わざるを得ない。現地での家畜保健所の対応は、大きな事件の時には何時も対応が緩慢である。対応後の責任の振りかかり方をまず考えているのではないかと思われる。

畜産の在り方も検討されるべきである。極めて集約的地域に経営が集中するのは、効率としては意味のあるものであるかもしれない。飼料の購入や個体販売や情報の交換など、共有するものが少なくはない。しかしそれは同時に危険も共有することでもある。

飼養形態も検討するべきである。とりわけ、豚の飼養管理は近年ニワトリと変わらない、畜産加工業となったいる。とても農業といえる代物ではない。地域の環境や風土とはかかわりなく、大量の豚を飼って、大量の輸入穀物を給与し、その価格差で収益を上げているのである。感染発病そして伝搬が簡単に起き広がり、危険と背中合わせであり、豚の健康を犠牲に成り立っている。埋却場所などこうした経営にあるわけない。

役人に危機意識を喚起するばかりではなく、飼養形態や地域全般の在り方を検討、教訓化するべきである。

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更に拡大する口蹄疫

2010-06-11 | 獣医師

宮崎県の口蹄疫が昨日(10日)早朝都城に飛び火したと言われ、口蹄疫封じ込めに懸命になっていた関係者たちを失望させた。しかし午後になってこれはさらに追い打ちをかけられること100610 になった。

ワクチン非接種の地域からの発生が相次いだのである。都城に続いて、西都市、日向市に続いて宮崎市でも発生がかくにんされた。終息に向かうと思われていた矢先の出来事である。ワクチン接種はしていたが、新しい町がこれに加わった。木城町である。川南町に接しているので、新たな地域にはならなかった。しかし拡大の傾向は収まらない。

その一方で未だ殺処分できていない家畜(多くは豚)ろが引き続き飼養されている。発病と殺処分が命じられてから、10日以上放棄され未処理の牛群が沢山ある。1万頭を超えているかもしれない。とりわけ感染拡大の元凶といわれている、豚の感染群の未処理が目につく。

殺処分頭数は、19万頭にもなった。これからは非感染や無症状の家畜が処分されてくるに違いない。有畜農家との軋轢が最少になればいいのだが、イギリスでは治まるのにほぼ1年を要している。

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終わらない口蹄疫

2010-06-10 | 獣医師

宮崎の川南町周辺の口蹄疫がようやく終息へと向かっている時に、都城で真症01100610 が確認され208頭が処分された。ここで何とか食い止めるかは初動の対処にかかっている。現地に張り付けになった、篠原孝新副大臣が新しい法案をどこまで生かすかが見どころである。

ここで食い止められると今後の対策に大いに役立つ。川南町周辺の発しは27件を超えているが、見方によっては封じ込めていると言えなくもない。初期対応は遅れてたとは言えるが、終息を迎えるのも近いと思ってはいた100610が、新たな地域での発生は極めて残念である。

口蹄疫ウイルスは空気伝搬すると言われてはいるが、封じ込めが失敗したのは 間違いない。畜産関係者以外の移動によるものでないかと推測されるものの、不明である。口蹄疫ウイルスの伝搬力の強さをあらためて感じ入っている。

都城では、真症確定の前に牛群と周辺の殺処分を行っているようであるが、いきなり5キロ以内の全頭を処分することになるのかどうかと、豚への感染の状況を確認してみたい。いずれにしても、新法の適用を含めた、今後の対応への大きな教訓になると思われる。

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えびの市口蹄疫解除

2010-06-05 | 獣医師

えびの市の口蹄疫が解除された。えびの市は宮崎県と鹿児島熊本の県境の地域にある。ここは飛び地のように感染牛が発生したところである。えびの市が早期に口蹄疫に伴う家畜の移動が解除されたのはそれなりに理由がある。

6月3日の時点で発生戸数は、269戸である。牛が193戸、豚が78戸、緬山羊が720100512_b_minka 戸となっているが、飛び地のえびの市の発生は4戸である。誰かが患畜を運んだとの話もあるし、状況として否定しがたいところもある。しかし、えびの市の発生に対する早期の対策が功を奏していることも確かである。

圧倒的に排菌量の多い豚の感染を極めて早期に対応できたことが何よりも大きい。真症判断を受ける間に、処分しているのである。これは推測であるが、こうした知識を持つ政治的な立場にある人が、いたのではないかと思われる。自民党時代には、保守王国の宮崎には沢山いたのであるが、現状に対する情報は持ち合わせていない。

口蹄疫発生当初に、早々と宮崎県の自民党が民主党を非難している。えらく気が早いなと思ったが、その後の民主党政権内のもたつきを見ていると、うなずける面が少なからずある。政治主導を掲げるあまり、官僚が持つ経験と知識に蓋をしたのではないかと思われる。

川南町などの発生は依然と続いているが、気になるところがある。5月26日以降に59戸発生しているが、3戸を除き全てがワクチン接種済みの農場で発生している。その3戸も26日の発生である。もうそろそろ収まって良いと思われるが、ワクチン接種による発生でないのか気になるところである。豚の発生が極端に少なくなっているのは、既に発生していることなのかは判断できない。

しかし、ワクチン効果の確認はどうするのだろうか。抗体が上がっていないようだと、予防のための接種には意味がなかったことになる。いずれにしろ、今回の口蹄疫拡大は、初動対応の遅れが原因であることは、えびの市の移動解除が教えてくれるところである。

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自民党王国の築いた畜産地域の出来事

2010-05-26 | 獣医師

鹿児島県と宮崎県は畜産王国である。肉牛と肉豚の生産基地である。鹿児島には山中貞則、宮崎には江藤隆美という、まさに自民党の大物が辣腕をふるった地域である。二人とも畜産のプロである。特に山中貞則は家畜商としての誇りが高く、国会議員になっても家畜市場に出掛けて値踏みまでやっていた。

彼らが築いた畜産王国は、当然のように手厚い国からの対策が数多くなされてい001 る。牛肉価格が暴落した時などに、様々な補助金が出ていたが、その多くはこの二人がねん出したものが多い。

現在北海道の畜産農家が購入する配合飼料(輸入穀物を主体に配合したものである)は、概ねキロ当たり40~55円程度であるが、30年前から南九州では30円台の値段で買い付けている。穀物メジャーの基地を誘致したり、流通を簡素にすることで、一大畜産基地を築き上げたのである。

鹿児島、宮崎の畜産は自民党王国の象徴的存在でもある。今回の口蹄疫発生についても、いち早く情報を入手する立場いににある自民党が、民主党の無策を非難している。初期対応の鈍さは、基盤を持たない民主党には非難されても仕方ない面が少なからずある。

しかし、中山たちの築いた畜産王国は、輸入穀物に大きく依存する飼養形態である。餌の購入ではいかに安価なアメリカ穀物を輸入するかに腐心し、販売では政治力に任せてブランド化を目指し高価で販売したのである。結果的には土地を持たない、畜産”農家”が牛豚を飼う飼養形態となったのである。

今回被害が大きくなった背景には、牛の1000倍以上排菌する豚の処理が滞っていることにあると、山田副大臣も認めている。口蹄疫陽性と診断されても、殺処分して埋める土地がないのである。

209戸となった25日の時点で、発生戸数と頭数は、牛農家144戸で約2万頭に対して、豚農家は65戸で約12万8千頭である。いかに豚の飼養頭数が多いかが解る。25日時点で、13日から放置されている豚群は、28戸で処分予定の頭数が5万頭である。実に陽性豚群の40%が、いまだ豚舎ででウイルスを撒き散らし続けているのである。(上記のデーターは、農水省のサイトから算出した)

頭数の多い養豚農家は埋却する土地もなく、殺処分を待つ数千頭の豚を飼い続けているのである。もちろん大量のウイルスを撒き散らしながらである。ワクチンでどれほど抑えられるかが未知数である。自民党が築いた畜産王国のスタイルが感染を広げているといえる。

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口蹄疫の事実関係の確認を

2010-05-23 | 獣医師

100515trim_2 左の記事は、日本全国で肉牛牧場を様々な形で展開する、安愚楽(アグラ)牧場の、今回の宮崎での対応について展開している、地元宮崎の旬刊誌の記事である。2つ注目したいことがある。

先ずは、この記事が書かれたのが、5月15日であるということである。がさネタにしては、かなり口蹄疫が広がりを見せ始めた、とても重要な時期に書かれているということである。相当数の情報が飛び交う時期の記事であることを考えると、信ぴょう性が高いといえる。様々な内容が、具体的な展開を見せていると思われることである。

もう一つが、飛び地として発生している、えびの市についての記事である。えびの市だけは奇妙な出方をしている。後、2週間ほどで新たな発生がなければ、この地の発生は終息宣言を受けることになる。

患畜と思われる死亡牛を勝手に移動させて、えびの市の安愚楽牧場の預託農家から陽性牛を発生させたようである。状況から見てこれは関係者を納得させるには十分な、状況であるといえる。

記事は口蹄疫を隠して処分したとしているが、従来から安愚楽牧場では、同じく法定伝染病であるヨーネ病は、発病以前に内部検査で感染が疑われれば、自家淘汰していた経緯がある。ヨーネ病は人には感染しないとされている、腸管に発生する結核菌の仲間による病気である。

こうした経緯を見ると、旬刊宮崎の記事は否定できないことが余りに多い気がしてならない。

現在宮崎の口蹄疫は、周辺の農家の家畜を処分することで、終息に向かうのではないかと思われる。消息が宣言された後には、初発の処理の不対応と、安愚楽牧場の行ったいたと思われることの事実関係を確認する必要がある。

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畜産のスタイルが被害を拡大させた

2010-05-20 | 獣医師

今回政府が出した10キロ圏内の全頭処分は評価しなければならない。9年前の英国の例を参考にするべきだと思われる。殺処分する牛に限って、ワクチンを投与するのも仕方ないと思われる。

Vip20ch135971b添付の資料を見て頂きたいが、安愚楽(アグラ)牧場が発生を隠ぺいしていたとする内容の地元新聞の記事である。俄かに信用し難いところもあるが、えびの市に移動していたという記事は気になる。クリックすると大きくなります。

えびの市だけが飛び地なのである。ここにアグラは移動させたという記事である。現状から判断すると、アグラである確信はともかく、ここに口蹄疫の陽性牛を誰かが移動させたことだけは、確かのようである。100518

それにしても、土地を持たない単なる畜産加工業である、肉牛業者のスタイルがここ に来て被害の拡大を大きくしているようである。基本的に、自分の土地に埋却することになるようだが、その土地がない。

埋却する土地がないことが、被害の拡大に直接かかわっている。土地から離れた農業の問題がこうしたところに噴出したのかと思うと、今一度日本の農業のスタイルを考え直すべき時だと思われる。

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羅臼港

春誓い羅臼港