昨日参議院で、野田首相への問責決議案が可決した。これだけなら、野党のイタチの最後っ屁のようなもので珍しくはない。これまで何度も見てきた。
今回はちょっと様子が異なる。民自公の三党合意に反発していた、野党7会派が20日も前に出したものである。野党7会派による問責理由は、三党が密室で合意しそれを国会に出したので、民主主義の根幹にかかわるというものである。
更には、民主党のマニフェストにも反する、国民を裏切る行為であって、問責に値するというのがその理由である。
おかしくはないか? 自民党も公明党も批判されているのである。さすがに公明党は退席したが、自民党は賛成した。国内外の状況に対応できず、政権能力を失ったとする、自らが提出した理由を引っ込めてまで、野党7会派の問責決議に同調したのである。
自民党は節操をなくした。もともとあったかどうかは解らないが、問責決議案というお題目に同調し、そのための理由は何でもよかったのである。内容はあれほどもめた三党合意の自己否定である。
自民党は総裁選を控えて、早期解散への布石が欲しかったのであるが、ここは民
主党にうまくやられた。特例法案などが、参議院を通らないのは自民党のせいだと、騒ぎ立てる理由が見つかった。
結果解散に追い込めなかった谷垣は、党内から総スカンを食らうことになる。来月は民主党も党首選があるが、ドジョウ以外にごみを拾う人物がいない。
自民党は、数人の乱立が予想される。谷垣が打った三党合意も問責決議案も、野田を追い込むまでに至らなかった。近い将来の解散などどこ吹く風である。お腹が痛くて政権を投げ出した安倍ボンまで、立候補するようである。
総選挙をすれば、民主党は負けるに決まっている。自民党も、維新の会などとの連携が不透明である。選挙結果で動くことになる。
今回の問責決議は、マニフェストを無視した民主と、自己否定した自民の政党としての理念の欠如を露呈した茶番劇である。政治不信は大きくなるばかりである。