そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

良識の府は何処に行ったのか

2007-06-30 | 参議院

Photo_131 国会の会期を延長しておきながら、衆議院同様に参議院でも、阿部内閣は強行採決を行った。良識の府・参議院はどこへ行ってしまったのだろうか。戦後しばらくは、参議院では政党に支配されない、緑風会などの非政党的な色合いが強かったものである。

現在のように、衆議院と同様に政党の数の論理で推し進めるなら、参議院など必要ない。衆議院の二番煎じ、リプレイをやっているようなものである。

55_9一昨年のように、衆議院を可決した郵政民営化を差し戻したりすると、党議拘束とやらで、次々と政党論理で締め付けを小泉純一郎がやったことが強く影を落としている。参議院が存在価値を急速に失ってきたのである。

衆議院から重要法案とやらを、阿部内閣は何本も強行採決の連続で乗り切った。何のために会期を延長し たのか理解できない。選挙対策なのだと言われている。時間が経てば、アホな国民は与党に不利なことなど忘れると思っているらしい。

祖父の岸信介は強行採決で、内閣総理大臣の辞職に追い込まれた。時代が違うといえばそれまだけであるが、野党にも活力がないのも事実である。

数の論理は政治的手法ではあるが、民主的手法ではない。解散のない参議院こそ、じっくりと討論してしかるべきなのに、これでは単なる衆議院、あるいは与党の認可機関でしかない。

国民に法律としてやがて押し付けられることになるものである。殆んど論議なしに、決められることに対する切実感を、国民とりわけ若年層にないことも情けないことである。

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バイオ燃料こそエコバランスを

2007-06-28 | 再生可能エネルギー

バイオ燃料をその言葉だけで、環境保護の側に立つきれいな燃料と思ってはならない。石油が、戦略物資としての様相が高まる中、アメリカのようにほとんど強制的とも思える、飼料用穀物からの転換などはその良い例である。

現在アメリカ中西部の穀倉地帯では、政府の補助を受けて数年で建設中の蒸留施設が完成すると半数以上の州が、飼料用コーンの輸出ができなくなると予測している。燃料生産効率がコーンは1.3倍であるのに対してブラジルが主に生産しているサトウキビは9.0程度である。

Fao_food_price_indiced

アメリカの強引な「バイオ」政策が際だって見える。アメリカの飼料用穀物に大きく依存している日本の畜が大きな転換を迫られることになる。とりわけ、酪農乳製品の高騰をFAOが予測している。

表のグラフの一番上が乳製品で、2番目が穀物である。肉の価格は余り変動しないと予測している。コーンに依存している、もう一つの畜産製品卵もかなり高騰が予測される。

ところで、日本の酪農乳製品はだぶつき気味である。テレビなので盛んにCMを流しているが売れない。酪農家には、この2年間生産調整の枠がはめられている。Bird_flu_hits_one_more_vietnamese_locali

酪農家は、こうしたことを受けて穀物の多給を控えるようになっている。この2年で乳牛の生産病と言われる病気が急減している。

そのことは良いことであるが、酪農家の方は穀物価格の高騰と乳価の下落と生産調整で、青息吐息である。

急激な、バイオ燃料へのシフトに対して世界各国では、法の整備が盛んである。そもそもが、燃料生産の作付け産品が、農産物かどうかの規定すら曖昧である。我が国では、農業の一分野として扱うようであるが、そのこととすら検討されていない。

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そりゃ指導者資質の欠如だろ

2007-06-27 | 安倍晋三

米下院の「慰安婦」決議案が26日(現地時間)、外交委員会で可決された。当初の提案Photo_130 者は6名だったが結局は148名にもなっていた。

決議案は法的効力を持たないが、日本は対外的なイメージや、第2次世界大戦に絡む補償問題などで少なからぬ打撃を受けることになると、メディアの論調である。

阿倍首相は、日本とアメリカが戦っていた時期のことだという認識がないのでないか。日本はアメリカとも中国とも韓国とも戦っていた。戦争下にあって、不都合な書類など消えて20070409j001なくなることは至極当然のことである。集団自決を軍が強制していないとする、言い訳も慰安婦問題と同質のものである。

人権問題の大局を掴めずに、些細な軍部の書類のあるなしに拘泥する姿は、指導者としてのPhoto_129 裁量の欠如を露わにしている。本人は、慰安婦の存在そのものすら認めたくないのははっきりしている。首相になったおかげで、立場上渋々河野談話を認めているに過ぎない。

阿倍ボンの、民族主義的発言は就任前から際だっていた。この復古的国粋主義者は、この国を何処にもって行こうとしているのだろうか?何が美しいと思っているのであろうか?

これに、櫻井よしこや平沼赳夫などの、国粋主義者たちがアメリカの新聞に広告を出したことが油に火をかけたようである。こんなにも古い話に、なぜアメリカが固執するのか彼らには理解できないのであろう。  それにしても、情けない阿倍首相である。

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そりゃどんどんでるわ

2007-06-26 | 市場経済

01_9 苫小牧の食品加工会社「ミートホープ」が、色んなことをやってくれたようである。コロッケは物まねかと思っていたが、偽装していたとは食肉業界の品性のなさを露呈した感がある。ばれそうになった時には、事故として保険金すら受けていたようである。

肉を混ぜ合わせる機械で「創意工夫賞」を、受けていたことに対して、ブラックユーモア賞を厚生労働省にやりたい気分でもある。

今回の事件を受けて、全国一斉の検査をすることになったが、結果が見物である。相当55_7 数の商品の偽装が発覚することになるだろう。

湯沸かし器で、一社が責められていたが結局は、相当数の商品が同じような状態であったのが、発覚した。保険事業でも同じような広がりを見た。今回も類似のような結果が予想される。

市場経済最優先の現在のような体制では、こうした企業は後を断つことがないと思われる。何でも良いからとりあえず、安価なものを作り上げて外側だけの商品を作り出すのである。

農産物でも同じことが言われる。とりわけ、大量の穀物を給与されて生産される、我が国の畜産製品の卵、肉、乳製品は家畜の命を引き替えにした代償として得られたものである。本来の畜産製品の姿とは思えない。22日の朝日新聞で、こうした矛盾を取り上げ記事にしてもらった。

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こりゃ親の七光りだろ

2007-06-25 | 消費増税

G8_summit02_1ドイツで行われたハイリンゲンサミットで気がついたことがある。議長国のドイツのメリケル首相は、東ドイツ出身である。 彼女は、旧ソビエトに留学経験を持つ物理学者である。

サミット直前の選挙を制して、フランス大統領になったサルコジ氏は旧東欧ハンG8_heads_02 ガリーの難民の子である。この二人とも、日本の政治土壌なら決して選出されることはなかったものと思われる。

EUの中心的メンバーであるフランスとドイツの指導者が、いわば異端の側から選出されたことに注目したい。二人とも、直接投票の接戦を制して指導者の地位を得たことも注目G8_summit_in_heiligendamm_june_8_2007_01したい。

イギリスのブレア氏は弁護士からの転身であり、後継になるブラウン氏は歴史学者であった。同じくイタリアのプロディー氏は経済学者、カナダのハーバー氏はカナダ保守党の鍛え上げである。ロシアのプーチンは言わずと知れた悪名高いKGB出身である。いずれもが、それぞれの分野で築き上げてきた地位を得た人たちである。

後の残りの二人は、日本の阿倍晋三とアメリカのブッシュ大統領である。 この二人は、父親たちの政治的財産Mm20070428013439929l0_1の上に政界にでてきた、何の苦労もないお坊っちゃまである。特に親の七光りどころか、祖父と大叔父と父親の21光で輝いている、阿倍ボンは見事なものである。阿倍ボンもブッシュも、苦労知らず世間知らずの単細胞政策が目につくのも、もっともな背景である。

この二人に、北朝鮮の金王朝とも言える世襲制の政治体制を、非難する資格がそもそもあるのだろうか。

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美空ひばりがが嫌いだった

2007-06-24 | NHK

中学生の頃、京都の東映撮影所に来るときにのための美空ひばりの住宅が、中学校のグランドの道を隔てたところにあった。「ひばりちゃんが帰って来た!」と、授業中でも走って見に行ったHibari04ものである。そのころにひばりは、20才前の一番生意気な時だったと、今では思う。

生徒たちがいくら騒いでも、ツンとしていて返事もしなければ、笑いもしなかった。特に女の子たちは、キャーキャー騒いだものであるが、彼女が反応した記憶がない。私たちはそんなひばりを見て「美空イバリ」だ、なんて言ったものである。大嫌いではなかったが、好きにはなれなかった。

ところが、ひばりが死んでからは時たま、彼女の歌を耳にするようになって、気がついたことがある。ほとんどの彼女の歌を、そらんじて歌えるのである。少なくとも、一番は大概は黙っていても歌えてしまう。しばし、この奇妙な現象に驚いたものである。

戦後の暗い時代の日本を、彼女の天才的な歌声が救ったのであろう。これこそ、真の意味での戦後レジュームである。少なくとも彼女の存在は、ある時代の象徴であったし、人々の中にしったりと根づいていた。

今日は美空ひばりの命日である。平成の始まった年に彼女は亡くなり、私の友人の奥さんがその60日後に死んだことと併せて、昭和の終わり平成の始まりから20年も経とうとしている。

時代は大きく変わったが、決して前進したとは思えない。それどころか、戦後レジュームをネタに更にその前の時代に憧れている、復古的国粋主義者の為政者がなにやら不穏なことを企んでいるように思えてならない。

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こりゃ慰安婦問題と同じだろ

2007-06-23 | 平和

先の戦争で唯一国内の地上戦が行われた、沖縄戦では多数の一般国民が、軍部の強制、あるいは指示で集団自決をした。このことは、明確に教科書に記載して後世に継がPh2007030101668_2 れてきた。

ところがここに来て、何人かのかつての軍人が強制はしていないと言い出した。これを受けて教科書が一斉に「軍部の関与がなかった」と、削除した。これは、従軍慰安婦の存在に軍部は関与していないとする考え方と同じである。

戦争という、異常な状況下にあって、将来不都合と思われることなどに関わる証憑書類など、簡単になくなってしまうものである。不都合な事実は、戦争を正当行為とする為政者にとってない方が都合がいいのである。

戦争を正当化したい為政者とは「阿倍晋三」である。教育の現場に、直接政府の意向が反映されるように、教育3法を成立させもしたし、国民党投票法も可決した。防衛庁を防衛省にしたし、イラクにも兵隊を送れるようにしたし、教科書の不都合な記述も変えたと言Photo_128った具合である。

今回、沖縄の41市町村中の36の議会が、この教科書検定による集団自決の強制がなかったとする記述に、全会一致で反対の意見書を国に提出した。

沖縄県議会も、教科書検定意見の撤回の意見書を政府に提出した。無数の体験者の証言を否定するものだと、と強く反発している。文部科学大臣は、これらの現地の声を無視するとコメントしている。

沖縄は、62年経て2度殺されることになる。

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原子力はエコであるか?

2007-06-22 | 再生可能エネルギー

温暖化対策として、急速に原子力発電が「エコ」エネルギーとして強調されているようである。確かに、原子力は温暖効果ガスを排出することがない。一方ではスリーマイル島やチェルノヴイリのような悲惨な事故と、放射能の恐怖を解決できないでいる。

原子力発電の経済性には大きな疑問がある。電力会社は、コストの低さを強調するが、建設に関わる費用、廃棄物処理、廃炉や事故に関わる費用の多くは、税金の負担にな55_6っている。

しかし、原子力事故はどんな対策をやろうとも予防はできない、とする現場の声もある。原子力発電所に関わる作 業員は、長期的に働くことを禁じられている。場所によって異なるが、最も危険な部署は3年ほどで交代することになっている。早い話が、原発の作業員にベテランはいないのである。発生する事故のほとんどが初歩的な手違いであるのはそのためである。

原子力発電の最大の問題は廃棄物処理である。最終処分場を巡って、新聞紙上を何度も賑わすが、結局は日本では決まっていない。お金は欲しいが危険は欲しくない僻地の苦悩につけ込むような政策も、胡散臭い。テロリストにとっては格好のターゲットでもある。

資源の少ない国家にとっては、原子力は発電量の多さや安定性から極めて魅力的なものである。我が国の電力の30%程は原子力である。

風力や太陽光など再生可能発電を、アイドル歌手に喩えることがある。可愛くて見ている分に良いが、実力がない。それでも、我々の未来はこのアイドルに託すしかないのである。

電力を特定の会社に独占させてきたことの弊害も大きいのではないか。地方で小さくても発電できないような状況を作ったり、消費者が電力を選択できない電力会社を養護してきた政策にある。

放射性廃棄物の最終処分が、地球上では不可能な原子力発電は、とてもエコとは思えない。

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そりゃ何の説明もないだろ

2007-06-21 | イラク

Photo_126 19日の参院外交防衛委員会で、自衛隊のイラク派遣を2年間延長するイラク特措法改正案を、自民、公明両党の賛成多数で可決し、20日の参院本会議で可決、成立した。

ブッシュが「戦争(ブッシュはゲームと言った)は終わった」と高らかに勝利宣言してから、この戦争は混迷を深めるばかりである。右肩上がりに死者は増え、今ではイラクの凄惨な現状は、多少のことではニュースに取り上げられないほど日常化している。

政府は「バグダッド空港は非戦闘地である」などと、信じられない答弁をしている。イラクAbebon_henntou_1戦争を支援した国家は、44カ国あったが現在では26カ国に過ぎない。しかも、アメリカを除く全ての国が、規模を縮小しているか縮小計画にある。

国際世論を受けて、イラクに自衛隊を出した自民党が、国際世論がすっかりそっぽを向いた状態になっているイラクに、自衛隊を派遣を継続しようとする論理は、結局はアメリカの支援 する本音しか残らない。

だったら「何が何でも、ブッシュ政権がなくなるまで理屈抜きで支援します」と言えばいいのに、それもできない。対米追従を、国際世論を受けてなどとまやかし発言の繰り返しである。

イラク戦争は。今では誰が見ても間違いであったことは、明白である。何事でも今まででPhoto_127通り継続するよりも、見直すことの方がエネルギーがいるし勇気がいる。ダラダラと小泉政権の、腐敗臭漂う政策を見直す方がよっぽど支持されるであろうが、阿倍ボンにはその勇気すらない。

参院文教科学委員会でも、与党は教育関連3法案の採決を強行し、20日参院本会議で賛成多数で可決した。 政府の意向を教育の場にも反映させようとする、極端な右傾化政府のツケを払うのは国民である。

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今こそ本当の畜産の姿を示すとき

2007-06-19 | 市場経済

001_8 飼料用の穀物(コーン・トウモロコシ)が高騰している。飼料用の穀物が高くなることは、これまでも何度もあったことである。しかしながら、今度は事情が全く異なる。

今までは、買い付けや干ばつなどで異常な高値になったりしたものである。こうしたことの対策として、畜産農家は農協などを通じて「安定基金」を積んでいる。激変緩和のためである。それも、あと2年ほどで底を尽きそうである。

今回の、コーンの高騰はアメリカのバイオ燃料への急激な移行によるものである。現在エタノール蒸留所が100少々稼働しているが、計画も含めて60近くのもの蒸留所が2,3年で稼働することになっている。政府の補助がこの背景にある。

昨年まで、エタノールが400万ガロン生産していたがこれらが稼働するようになると、1900万ガロン生産体制になる。それらが達成されると、アメリカ中西部のアイオワ、イリノイ、ミネソタ、ミズーリー州などでは、輸出用のコーンはなくなると報告している。(Staying Home:Institute forAgriculture and Trade Policy 2006.12.)

アメリカのコーン由来の、エタノールのエネルギー効率は1.3倍しかない。計算によるとマイナス(0以下)とする学者もいる。ブラジルのサトウウキビ由来のエタノールのエネルギ_sippo ー効率が8.0倍であるのに比較すると、これが政策的な動きであることが解る。

家畜用のコーンは今年になって、20%程度上がっている。昨年から見ると、30%も高騰している。前述のように、これは不作や騰貴的要素のものでない。当分は、待てば下がるものでもない。

日本をはじめとする、先進国では消費穀物の半分以上を家畜が食べている。こうした異常な形態が緩和されるなら歓迎されることではあるが、飢餓にある人間を傍目に家畜に穀物を与えることが倫理的に問題であろうが、家畜どころか車に食わせることは、更に問題であると思われる。

今こそ、畜産加工業から本当の姿の畜産に戻るチャンスである。

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バイオ燃料に正しい評価を

2007-06-18 | 再生可能エネルギー

バイオ燃料が無条件で、環境に優しいわけでもなく、無害でもない。バイオ燃料についての評価を1)食料との競合2)生産工程全般の評価3)エネルギーとしての質、の側面から評価しなければならない。

1)アメリカのように、家畜用の飼料(コーン・トウモロコシ)からの蒸留を、石油の高騰に対応するような政策的な意味合いで急速にWq_cows_2押し進めると、結局は家畜の飼料ひいては畜産物の生産に大きく影響する。

廃物や、材木などの廃材から生産することで人との競合をなくすることができる。が、これまでにも、家畜に大量の穀物を与えてでも、高生産を先進国が行ってきた経過もあり、金になるなら、人との競合など先進国は考えもしないだろ55_5う。セルロースからの生産技術が待たれる。

2)蒸留工場を造ったり、遠隔地から運搬したり、肥料を大量に使うことで大量のエネルギ ーを消費することで、結局はエネルギーとしてのバランスがマイナスになりかねない。

農業者と呼ばれるか解らないが、食料でないために、何よりも生産を優先させるために、大量の化学肥料や農薬それに遺伝子組み替え品種が、無制限に使用されることが危惧される。環境問題を考慮しなければならない。

補助金のある間は何とかやっているような状況では、少なくとも地球温暖化防止には貢献することにならない。

3)エネルギーの質については、未だ不明のことが多く、ガソリンの20倍になる排出物質のアセトアルデヒドの発ガン性の問題や、エンジンの開発技術の向上などは、最後まで残る課題と思われる。

バイオ燃料は、広範囲のエコバランスの評価をやらなければならない。

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試練を迎える、日本酪農

2007-06-16 | 農業と食

070614 日本の酪農が、危機に直面している。危機は大きく3点ある。

1つは、高齢化である。本州方面では、平均就農者年齢が65才を越える集落が、3000とも4000とも言われている。程なく消滅し、日本の農業そのものの存続が危うい状況にある。日本農業の中で、担い手の年齢が一番若いとされる、酪農業でも高齢化が目立つ。

2番目は、穀物の高騰である。日本の畜産は大きく海外の穀物に飼料を依存している。家畜の食料(飼料)自給率は極めて低い。最も自給飼料の高い、根室地方でも50%程度001_7 がやっとである。写真のように、夏に外で牧草を食べる姿が急速に減少して、牛を閉じこめたまま穀物多給形態が増加している。

アメリカのコーンは、国の強力な援助を受けて、中西部で大きくエタノール生産に変わりつつある。すでに蒸留所が、100ヶ所以上稼働していて、58ヶ所が計画から建設に向かっている。アメリカの穀物の高騰は干ばつや買い付けなどの一時的なものでない。

因みに、北海道の酪農家が購入する穀物は、1年半前の30%高になっている。経営努力では乗り切れる限界になっている。

3番目は、乳価の急落である。酪農家の牛乳の販売価格がこの2年で7%も下落している。飲用乳の減少は、高齢化によるものかも知れないが、チーズなどの加工商品への移行は乳価を下げる結果になっている。

こうした世界的な動きの中で、日本の農業政策は出来もしない大型化をうたい文句に、健全な農業を蔑ろにしている。この国の住人は、日本に農業がいらなくても良いと思っているのだろうか。

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混迷する中東、

2007-06-15 | イスラム

Xin_0620604140933781244692 パレスチナでは急進的なハマスと穏健派のファタファの武力抗争が激しさを増している。アッバス議長は、ハマスのハニヤ首相を解任して、連立政権は崩壊した。

パレスチナの和平はすっかり遠のいた。パレスチナ内では支持の高いハマスの台頭に対して、イスラエルもアメリカも快くは思っていない。元々戦闘集団であるハマスが、そうした策略に乗ったのだと思われるが、アラファト亡き後このような事態は当然予測はされてはいた。

Iraq_bombers_topple_samarra_minarets0706_1ヨルダンでは、シリアの介入を如実に語るハリハリ元首相の暗殺以来、同国を巡って内部抗争が絶え間なく起きている。昨日も反シリア支持の議員が暗殺された。

イラクでは、アメリカの治安のための増派でさらに、シーア派とスンニーIraq_bombers_topple_samarra_minarets0706_2派の抗争が激しさを増している。アIraq_bombers_topple_samarra_minarets0706 メリカ兵士の死亡が先月は開戦以来最も多かった。

最も神聖であるモスクが攻撃破壊された。かつては相互に決して手を出さなかった神聖域にまで攻撃をする、憎悪はすでに末期状態といえる。日本は、ここにさらなる軍事支援をするという不見識は理解しがたい。

Irans_nuclear_crisis_1イ ランの核開発にも、アメリカも国連も結局は歯止めをかけることもできずに、いたずらに勢力の拡大と石油の高騰を許すことになっている。イラクの失政で身動きとれないアメリカは、イラン攻撃を具体化できずにやきもきするだけである。

アフガニスタンは、タリバンが勢力を盛り返し反転攻勢をかけている。ビン・ラディンは健 Bin_laden_2在だと先頃、声明がでたのもこうした自信からであろう。

他方、なんとしてもEUの加盟したいトルコは、EU諸国におべっかを使う一方でクルド問題でイラク、アメリカに対峙したままである。

中東問題は、他国が一切手を引いて、武力抗争の発生地点だけに、国連などの利害関係のない国々が必要に応じて、介入するべきである。大国が利権とメンツで行う暴力行為は、徒に混乱を引き起こすだけである。

平和憲法を持つ日本は、そうした調停に最もそれに相応しい位置にいるべきだったのにと、今の日本を見て嘆くばかりである。

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こりゃトルコがやってくるわ

2007-06-13 | イラク

Carbombing2 イラクではスンニー派とシーア派の宗教間の構想が激しく報じられているが、それは主に中部から南の出来事である。バグダッド周辺と言っても良い。2、30人の死者なら記事にならないほど、凄惨な抗争である。しかしここにもうひとつ、大きな抗争が存在するのである。

中東の歴史に勇猛果敢な部族として何度も登場するクルド族は、平地の砂漠の民ベドウィン族とは 対照的に、山岳に暮らしていた。20世紀のはじめGo_slow_on_a_federal_iraq_3に、ヨーロッパ諸国が国境線を引いた結果、クルド族は国境線で分断されることになったのである。

クルド族は、イラン、シリア、トルコそれにイラクに大きく分断されたのである。クルドは100年ほど前から、独立国家「クルディスタン」建国への道を模索している。中東で抗争がある度に、時には味方に状況によっては敵にと、クルドは良いように利用され続けてきた。

イラク憲法の作成にも「キルクーク条項」を設けて、アラブ化に抵抗をしている。これに大いに不満なのがトルコである。

Will_turkey_crush_kurdish_plans

1920年のセーブル条約で、クルドの建国を一旦容認した経緯があるが、トルコのアタチュルク政権が武力でこれを壊した。今又、国内に多くのクルド族を抱えるトルコは、国家防衛の名目で北イラクに侵攻しそうな勢いである。クルド族の拠点である北イラク地域は、反トルコクルド勢力(PKK)の逃げ場所になっているからである。

トルコは、政敵フセイン政権を倒すためにアメリカに協力したが、クルドが復活することは極めて都合が悪いのである。単純なアメリカは、ここでもPKKを使って、イラン侵攻を模索している。

中東は、西欧列国が国境を定めた不幸と、民族間の歴史的な衝突を抱える複雑な構図を持っている。更に、大量の富を産む石油が産出することが輪をかけている。ブッシュはノーテンキに、反テロ一本でここに侵攻したが、そのツケは数百年かかっても精算できないと思われる。

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こりゃ恐ろしいツボカビ病

2007-06-11 | 武器輸出三原則

ついに恐れていた「ツボカビ病」が、野生種に発見された。これは、この専門家である麻 布大学獣医学科の宇根有美准教授の発表によるものである。来るべきものがついに来Flog01_2 た、という感じである。

ツボカビ病は、両生類(カエルやサンショウウオなど)に特異的に発生する、ツボカビ菌という真菌(カビ)による皮膚に発生する病気である。伝染力が極めて強く、致死率も90%以上とされている。

世界の両生類、5743種のうち120種が1980年以降に絶滅したと思われ、更に1856種(全体の32%)が絶滅の危機にあるとされるが、これにツボカビ菌が大きく関わってい るものと思われる。

ツボカビ菌は、これまでアメリカ大陸、アフリカ、オセアニア、ヨーロッパに広く分布しておFlog02_1 り、アジアは非汚染地域であった。日本では、カエルなどの愛好家が、輸入したカエルで確認され、野生種の感染が危惧されていたところである。

人に感染することはないので、安心してもらっては困る。

例えば我々が長年かかって13羽から1000羽まで回復した、天然記念物のタンチョウの、子育ての真っ最中の主食は大量のエゾアカガエルである。このカエルが感染するとなると、タンチョウの種の保全に直接関わることになる。

カエルは、大食漢である。子虫を大量に食べてくれるカエルは、色んな意味で人類に貢献してくれている。カエルなどの両生類の死滅は、人類社会にとっても、予測不可能な事態を招くことが考えられる。ツボカビ病は人類への警告でもある。

興味のある方は、http://www.asahi-net.or.jp/~zb4h-kskr/alien-s/tsubokabi.htm から検索下さい。

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羅臼港

春誓い羅臼港