一川、山岡両大臣の問責決議案を、参議院が可決した。それを受けて、内心は何を考えているかわからないが、とにかく腰の低い野田は、国会を閉じてしまった。
与野党協議の必要な案件を先送りしたのである。国会は法案を審議し作る、立法府である。国会の機能は、二人の大臣のモンセキで消えてしまった。
そもそも、大臣はこんな程度である。能力や経験や得意分野に応じて、任命されるわけではない。一川などは、農水畑のはずである。本人が言うように「素人」である。元々素人に、大臣にあるまじき発言を問い詰めても、ないも変わるわけではない。小沢に媚売った人事である。
山岡も小沢の側近中の側近である。野田は、この二人の首を切ることなく野ざらしにして、小沢の影響力の低下を見ているのである。
これまで、民主党は数人の問責を受けたが、ほとぼりが冷める頃を狙って、変えさせている。民主党の常套手段である。
野党も、政局のほうがよっぽど大切なことと考えている。何はともあれ、足を引っ張る。
民主党は、マニフェストに掲げた公務員給与削減や、議員定数の問題を放棄してしまったことになる。それもモンセキケツギされたためである。国会の本来の目的ではない。それを理由に、今後の交渉に応じないのである。
野田は、国会を延長することなく閉じてしまった。政府の提案する増税を、一方的に国民に押し付けるためである。
増税にはその根拠があるはずである。体質や体制を残しておいたまま、増税しても、負債はいつかは増えてしまう。参議院の、モンセキケツギアンなど、出したほうも受けたほうも、党利党略のレベルでの認識しかない。