
アサド政権下行方失踪者の90%は殺害されていた。アサド親子で50年以上わたり独裁支配していたシリアである。昨年の政権崩壊で内部告発などで失踪していた人たちの90%以上が殺害されていたことが解った。
シリア内戦は、イラクへのアメリカ侵攻によって一気に不安定ないなったこの地域での、内戦などによる政情不安が大きく関わっている。2011年民主化を求める内戦が始まると、アサド政権は不凍港を得られるロシアによって支援されて、生き延びてきた。アサドは戦況が不利とみると、殆んどテイクもせず昨年12月そそくさとロシアに亡命してしまった。
シリア内戦による死亡者は30万人以上とされ、国外逃亡者は680万人と、国民の4分の1にも及ぶ。内戦により全土の半分の住宅が破壊されている。
アサド政権が生き延びてきたのは、ダマスカス大学など弾圧である。政権崩壊後、失踪した肉親を多くの人が探し求めたがほとんどが殺害されていた。
国連にシリア人権ネットワークを結成し、迫害の実態の調査を開始した。(上図)実体だけではなく、加害者にも起きているトラウマなどへの働き掛けも行っている。
ISに関与していたと躊躇していたアメリカの経済制裁の解除などもあり、シリアは大きく変わりつつある。その首都の真っ直中の国防省に、イスラエルのネタニアフはミサイルを放った。中東でほぼ唯一イスラエルを支持するイスラム教ドゥルーズ派の民兵と、ベドウィン住民の間で衝突 があったというのである。こんなことがミサイル攻撃をする理由になるか。
イスラエルはトランプの支援をもらい、国連がシリア領と認めるゴラン高原を占拠したりと、両国は領土問題を抱えている。そうしたことへの圧力であろうが、ネタニアフによる暴力支配、恫喝は中東問題の今や本質と言って構わないだろう。