
トランプは就任初の外遊に一期目同様に中東を選んだ。今回は膨大な数の経済人を引き連れて歴訪である。
中国の習近平がサウジアラビアとイランの仲介をしたことを意識してのものであるが、凄い。ジャーナリスト殺害の首謀であるムハンマド皇太子を、国際手配したことを解除、無罪放免したのである。
サウジアラビアのデータセンター企業、DataVoltと200億ドル(約2兆9000億円)規模の提携に合意するなど、サウジアラビアはアメリカに、合計で6000億ドル(約87兆800億円)を投資することに合意したということである。
トランプはカタールでタミム首長と会談し、アメリカのメーカーの旅客機の購入など、総額で2000億ドルを超える取り引きで合意した。カタールの航空会社が、アメリカのボーイング社から最大で210機の旅客機を購入することなど、カタールとの間で総額で2435億ドル(およそ35兆円)規模の取り引きで合意した。
トランプは中国抜き、あるいは中国への圧力を高めるための経済交渉のための、中東歴訪に見える。
しかし、あれだけ親密に支援しているイスラエルには寄らないどころか、全く触れることもない。サウジやカタールそれにイランへの配慮ともいえる。
黙したままのイスラエルは、ここぞとばかりにすでには廃墟となったガザへの攻撃を高めている。廃墟となって怯える子どもや女性たちに、爆撃を加える必要が何処にあるのであろうか。ハマスはアメリカ国籍の人質の返還をしたが、トランプの歴訪を睨んでのことといえる。
それに対して、トランプの歴訪の間、ネタニアフはガザに連日空爆と地上攻撃を繰り返し、100人単位の死者の処理すらできていない。イスラエルは避難所も空爆し、人道的な食料の給与も止めている。
トランプはガザ住民の100万人の移設先の検討に入った。
トランプはリヤドとカタールにトランプタワーの建設をも今回取り付けている。利益相反は明らかであるが、トランプはどこ吹く風である。ガザからパレスチナ人をすべて追い出し、ここにトランプタワーを建設を画策しているのではないかと思われる。
トランプの中東歴訪のバカ騒ぎは、ガザを消滅させるための隠れ蓑になっている。
