アメリカ大統領選挙が佳境に入っている。4年前ヒラリー・クリントは得票数ではトランプを上回ってはいたが、議席配分数によって民主党が敗北してた。勝利したトランプは、オバマの時の半数以下の閑散とした就任の席聴衆の前で、史上最大の動員数だと嘘をつき勝利宣言している。
民主主義は数ではないが、数は民主主義の外形をなす大きな要素である。このところ日本の国政選挙の投票率は50%そこそこである。これほど少ない国は世界にない。地方選挙ではこれほど低くはなく、町村長選挙や町村議会選挙ではどこでも80%を切ることはまずない。
小選挙区制が導入されて死に票g膨大な数に上る。選挙に負けた人たちの支持者は国政に送れない。このために設けられた惜敗した候補の救済があるが、小人口区の惜敗者が、大人口区の半数でも議席を得ることも珍しくはない。逆に落選議員が当選者を大きく上回っていることは珍しくない。三位以下の存在を消し去る小選挙区制に大きな問題はある。小選挙区性は民主主義の根幹を揺るがす。少数意見、弱者の声を拾うことができない。
それともう一つ大きな問題が投票率である。報道は総務省のお願いを聞いているだけで、投票率の下落の歯止めにはなっていない。
日本は先進国ではない。途上国で採用されているように、投票の義務化を検討する時期に差し掛かっているといえる。例えば、理由なく投票を棄権すればペナルティーをかけると良い。3回棄権するとパスポートが取得できないとか運転免許を登録できないなど、それ以上になると住民サービスから外すなどなんでも考えられる。
国民の義務である納税には罰則があるのに、投票権の放棄(棄権)に罰則がない。
投票率の低さを巧みに取り入れているのが自由民主党である。麻生以来の有権者に対する得票率は17%程度から変わっていないのである。野党の票が分散したともいえるし、棄権者を歓迎しているともいえる。与党の自民党が自党に有利な現状を変える勇気があるなどとは到底思えない。
棄権者に与党支持者が少ないことは、このところの調査で見られる傾向である。国民皆投票権をいいたいた国民は支持政党をしっかりもっていた、戦後しばらくの間は、75%を越えたりと投票率が高かったのである。身近な選挙は現在でも投票率が高く、都市化なども低投票率に大きく貢献していると思われる。
政治参加への意識も薄い。芸能人などは政治的発言をしないのが原則になていると思える。