
「イランの核合意」はイランの核開発制限と引き換えに欧米の対イランへの制裁措置を解除するという内容で、中国、フランス、ドイツ、EU、ロシア、イギリス、イランそれにアメリカの8カ者によるもので2015年7月に最終合意を見た。
オバマが決めたことは最悪だと、全閣僚が反対する中離脱決定したのが就任早々のトランプである。トランプはイランが欧米と接近し経済的に立て直してくるのを嫌う、イスラエルの意向を汲んだのである。
トランプはこの時と全く変わっていない。むしろさらに悪化しているかに見える。それでいてノーベル平和賞は欲しいらしい。ウクライナ停戦やイスラエルのガザ攻撃も止めさせる。俺様がちょっと脅せば簡単だ。それであの大嫌いなオバマさえ貰った、ノーベル平和賞を頂こう。。。という作戦だったのであろう。無知で傲慢で無計画で知識が浅いこの男に誰も賛同しなかった。
唯一味方になってくれたのが、ネタニアフである。前任期でも国連ですら認めていないゴラン高原をイスラエル領土と支持したり、アメリカ大使館をテルアビブの移転したりと、自らの支持基盤を固めるのに必死であった。
今回もトランプは、イスラエルのイラン空爆を支持するだけでなく、自ら後押ししていたことを暗に認めている。
トランプは「私が続けるように言った。ネタニヤフとは毎日電話している。彼は素晴らしい男で、多くの成果を上げている」と語り、称賛を惜しまなかった。明らかに国際法に違反する、宣戦布告すらない戦争を、」トランプは認めるどころか、指示し支援しようというのである。世界最大の大国の指導者が、法や正義などとは無関係に、国内外の支持層を固めるために、ネタニアフを支持しイランを核放棄のために参戦し攻撃しようとしている。
どう考えてみても、10年前のイラン核合意の方が建設的である。トランプのやることなすことが、俺、ドナルド・トランプにとって有利かそうでないかで判断している。政治家にあってはならない人物といえる。
そもそも、イランに核兵器までつながるものがあるのか確認さえされていない。ジョージ・ブッシュがイラクに侵した、大量破壊兵器(核)があるという、偽情報で攻め入ったが何もなかった。日本と同じようにサダム・フセイン体制を崩せば民主化するという、虚構さえ実現できなかった。その後の中東の殺戮と混乱は、イラクの体制崩壊によることが大きい。アメリカが招いたことと断言できる。
今回全く同じ理由でトランプがイランに攻撃を加えることは、同じ過ちを繰り返すことになる。圧倒的世界の超大国の為政者は、歴史に学ばず名誉欲と愚かな判断をすることになる。トランプの参戦に反対する。
