野田首相がドジョウよろしく、金曜日の午後に記者会見をやって、福島原発の終息宣言をやった。メルトダウンした原子炉の事故終息宣言に、とて も奇異な宣言と思ったのは、私だけだろうか?
野田首相は、第2ステップの完了として、炉心の低温安定を理由に挙げている。今後は周辺の問題だけだとしている。根拠としている、炉心の低温であるが、モニター観察でしかなく、まだ誰も原子炉の実態を確認してはいない。
英国のBBCは首相の記者会見を実況し、関心の高さを伺わせた。しかし、住民の戻れる見通しも立っていない現状での、終息宣言に疑問を呈している。ニューヨークタイムスも、現実を無視した宣言と批評している。
メルトダウンした炉心部についての確認もなく、単に冷却水が100度を切った状況になったに過ぎない。住民は、これから30年先の廃炉までは、なんら変わることのない、危険な現実が目の前にある。
これは明らかな政治判断である。早速小沢一郎が噛み付いた。これで危機は脱したのか?公明党は、収束したとは思えず、安全になったわけではないとしている。
政治的パフォーマンスが、現実を超えた判断として出されたのである。こんな形で、いつしか事故の大きさも忘れ去られていくのであろうか?