そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

初のヒスパニック系女性最高裁判事

2009-05-31 | 政治と金

オバマ大統領が、ヒスパニック系初の最高裁判事を指名した。しかも女性である。ソニア・ソトマイヨール氏(54才)である。女性としても3人目とのことである。オバマは奴隷の末裔ではなく、出稼ぎの子孫であるが、黒人初のアメリカ大統領となった。アメリカの黒人系の国民を勇気づけた。

090529ソトマイヨールが指名されたことにより、アメリカの黒人以下とされるヒスパニック系(中南米系統の人たち)を、勇気づかせている。彼らの努力も報いられる時が来たと実感している。

ソトマイヨールは、9歳の時に父親を亡くし、母親の手で生活保護を受けながら育てられた。ブリストル大学を首席で卒業し、その後実績を積んできた。オバマは、彼女のこうした経歴を高く評価した。

ソトマイヨールのこれまでの判決には、民族的偏向があると主張する人たちがいる。こうしたことについての実態について詳細は分からないが、オバマの判断はアメリカ国内の底辺層・移民系の人たちに光明と勇気を与えたといえる。

時あたかもGMの破たんが現実となりつつある。GMで立場が閑職になった時にも、給与は削減されることなく長期休暇が与えられるれるなどの恩典を、享受していた。退職後も、僅か5%の負担だけで医療を受けられる、いわばアメリカ社会の特権階級であった。今破たんが現実化しつつある。彼らと対極にあるヒスパニックや黒人が、政権や司法の頂点に立つ時代になったのである。

アメリカが本当の意味で活力を持つのは、こうした出処で判断されることのない社会の実現であろう。オバマの政策は、理念を貫いているといえる。

左のフォトアルバムに<ちょっと珍しい鳥>アップしました。


なし崩す麻生

2009-05-30 | 民主主義

補正予算が通った。実体は景気浮揚を理由にした、ばらまき予算の執行である。これは明らかに小泉改革に逆行する政策の転換である。小泉は赤字国債の削減に奔走し、様々なものを切り捨てた。

小泉改革を評価するつもりはないが、麻生の選択は明らかに政策転換といえるものである。社会的にも国際的にも大きな変化はあるものの、何の問いかけもないなし崩し的な政策転換は、許されるべきではない。しかも、麻生は何度も小泉政権時代要職を歴任していた。

この国の為政者は自民党内で政権を持ちまわる、いわば「疑似政権交代」を繰り返し、国民の目をそらしてきた。目先の政策すり替え、あるいは人物のすげ替えで世論を翻弄し封じ込めてきた。ちょっとした目先のごまかしで、騙される国民も問題があるが、これは明らかに政権の質的な変貌であるが、同じ政党が担ってきている。

今回も同様であるが、さらにひどいのはこの間に二人(実質小泉を入れて三人)の、ボッチャマが政権投げ出しをやっていることである。自民党内のエセ討論で総裁を選び、あたかも新しい政権が生まれたかのように演じるのである。

自民党内にも、麻生のやり口を快く思っていない連中がたくさんいる。彼らの多くは小泉支持者の、新自由主義者である。同じ政党内であるがために批判を大っぴらにしないでいる。むしろ彼らには賛同する、民主党内の連中もいるくらいである。選挙後の、政界再編の火種はこの辺にもある。

麻生がまた失態を演じた。ナベツネ(渡邊恒雄)の発言に気を良くして、厚労省の分割を持ち上げた。発言内容は明らかに分割と言っているし、分割する内容も省庁名もあげていた。ところが、官僚や党内の反発を受けると「そんなこと言ってません。論議しただけだ」と、首相としての立場すらわかっていない、無指導力ぶりを見せつけた。

政策方針の転換にしろ発言内容にしろ、その後の反応で態度を変えて何となくなし崩す。これがこれまで政権担当者が慣行的に行ってきたことである。

民主党党首選びでも、どう見ても思想的に相いれない関係の人物の支持を取り付合っていた。選挙後に政界再編が行われるであろうが、これも国民の審判を得た後の、政治家たちの烏合参集でしかなく、なし崩しには違いない。日本の政治土壌はこうしたなし崩しで連綿と続いてきたのである。


何が動物虐待だろうか

2009-05-28 | 政治と金

恐ろしい番組を見た。深夜のBS放送での、海外ドキュメンタリーである。「あなたの隣にトラがいる」という番組であった。アメリカの半分の州では、トラなどの猛獣をほぼ自由に飼育すPhotoることができるそうである。

もちろん民間であるがアメリカ全土で、飼育されているトラは1万頭になるそうである。トラは絶 滅 危惧種である。シベリアタイガーやアムールトラは間違いなく絶滅する。ネコ科の猛獣はかわ3 いいものである。番組も飼育する人に対して、比較的好意的に扱っていた。確かにこうした、トラ好きのトラなどに接する姿勢には愛情が感じられる。

しかし、いかんせん相手は猛獣のトラである。番組で取り上げていたトラ好きは24頭も飼育していた。しかも、ちょっとした木材で網を補強した程度の檻である。狭い檻の中で、猛獣たちは生涯を終える。少し前までは、トラが結構な値段で売れたそうである。

経済的にあるいは物理的に、飼育に耐えられなくなったりしたトラたちは糞尿や汚泥にまみれ、餌もままならない。銃殺ならまだしも餓死するトラたち、そして放棄される危険な環境が報告されていた。

4犬猫でも同様のことが行われているであろうが、トラやライオンそれにクマなどは簡単に飼育放棄されるようでは危険極まりない。ペットも家畜である。目的を失った家畜は哀れである。

1トンを超す馬が重い荷物のそりを曳いて鞭打たれ坂を登る挽曳(ばんえい)馬を、動物虐待と指摘する人がいる。見た目にはかわいそうには見えるが、家畜である以上その目的の達成に人馬一体になるのは、その後の達成感を共有する意味で容認されるであろう。

中央アジアで、熱砂の中を重いものを乗せて曳くロバを見たことがある。ロバの体重は、200キロ程度であろうか。人を2人ほど乗せ荷物を合わせると、体重と同じ程度になるだろう。黙々と重荷を曳くロバと、人々は生活を共有して生きている。人も過酷な生活環境にある。相互に支えあいながら生きえいる。動物虐待とは思えない。

経済効率を求められる先進国の現代の乳牛たちは、泌乳のためたっぷり餌を与えられる。見た目に過酷さはないが、血液検査をすると肝臓や心臓や胃腸のすべてを稼働し、体力の限りを尽くして働かされていることが分かる。彼女たちは僅か2産で淘汰される。これは見た目には、肥満状態になるため動物虐待に見えないが、確実に虐待を受けていると言える。


北朝鮮の反発

2009-05-27 | 政治と金

北朝鮮が孤立しつつある。北朝鮮を歴史的に支えていた、ロシア(ソ連)が核実験強行に対して強い不快感を示した。残るは中国である。中国は、アメリカへの反発カードとして北朝鮮を位置づけていた。ここに来て、中国も北朝鮮をどこまで擁護できるか見ものである。

090526北朝鮮の核実験を受けて、韓国がPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)全面参加を決めた。北朝鮮は、これに素早く反応した。しかも、これは北朝鮮への宣戦布告と見なすというものである。安保理決議が、2日ほどで発表される。世界090526_3 の思わぬ反応に、北朝鮮は読み違えたのかもしれない。北朝鮮の持つ情 報網は極めて限られているものと思われる。

北朝鮮は、世界を俯瞰する情報分析力がないことが判明した。今年に入ってから、極めて多くの挑発行為を繰り返している。その多くは、韓国向けと日本向けである。(左図参照)今日(27日)も中距離ミサイルを発射している。

北朝鮮のどこにこのような財力があるのだろう。今回はロシアと中国が反発することで、それも行き詰090526_2ることになるだろう。今回の実験で、住民を避難させることがなかったようである。国民には、耐乏生活を強いるばかりでなく多くの権利を奪ったままである。後継者を模索しているようであるが、世襲制もここに極めりというような体制である。金正日体制の本質はここにある。

今回の核実験については、中国に事前報告をし5分後にアメリカに通告している。北朝鮮の思惑は、中国への擁護のお願いとアメリカとの二国間対話である。つまり、6者協議というものは機能していないことを示していると言える。

日本にとっては、特に自民党内の反応が恐ろしい。北朝鮮の基地を攻撃するべきとの案も出ている状況である。独自制裁などを持ち出し、タカ派が元気良くなってくる。力の論理が幅を利かすようになるのも、困ったものである。もちろん北朝鮮の瀬戸際、我が侭外交にはこのあたりで、決着をつけなけらばならない時期と思われる。


北朝鮮が核実験を強行

2009-05-25 | 朝鮮半島

北朝鮮が3年ぶりに核実験を行った。明らかに国連安保理決議に違反する。前回に比べて、世界の反応は大きく異なる。アメリカやヨーロッパ各紙は一斉に報道している。ほとんどがトップ 記事である。北朝鮮は同時に中距離ミサイルも2発発射実験も行っている。

0905243年前と異なるのは、今回の実験はちゃんと成功していることである。イギリスのガーディアン紙によると、広島級であったとのことである。先月には、「人工衛星」も打ち上げているが、今回の核実験と中距離ミサイルの同時実験からすると、人工衛星であるのが不自然である。明らかに、核兵器を搭載するためのものであったことは明らかである。

もう一つ前回と異なるのは、核廃絶を訴えているオバマがアメリカ大統領になったことである。ブッシュの、善か悪かの二元論で世界を武力制圧した状況と明らかに異なる。。

この国は困ったものである。国民に十分な食料と情報を与えていない。その一方では「主体思想(チェチェ)」を掲げ、他国の言い分など聞く耳を持たない。このことを理解しなければ(容認することではない)、北朝鮮にまともな考えを教えることができない。

注目されるのは、6者協議の議長国である中国の出方である。もう一つが、でっち上げの功績で金日成を英雄に仕立て上げた旧ソビエトである、ロシアの動きである。

中国は、アメリカに突っかかる北朝鮮をいいように利用してきた経緯がある。北朝鮮に理解を示す動きを見せ、鉱物資源の権益を獲得している。安易に北を非難できない弱みがある。しかし、さすがに今回は容認することがないと思われる。ミサイル発射に見せた理解ある態度を、国連で貫けないだろう。

ロシアは、歴史的な経過以外の権益、利害関係は今のところ弱い。せいぜい、サハリンなどにNorth_korea_army090524安価な労働者を提供してもらっている程度でしかない。ロシアにとっては、北朝鮮の動きそのものより、これに係わって日本やアメリカや中国との関係が悪化しない程度でいればいいのである。

韓国は前大統領の自殺で混乱応対にあるが、いまや李明博大統領は融和政策からの転換で最悪の関係にある。日本や韓国やアメリカが経済制裁を行っても、中国の支援がある限りほとんど効力を持たない。

結局は中国の動きが、北朝鮮の動きに大きくかかわるものと思われる。それしても、北朝鮮自身に浄化能力がないものだろうか。


ガンタナモは閉鎖するべき

2009-05-24 | 政治と金

ブッシュの負の遺産と言われている、キューバのガンタナモ収容所をオバマが閉鎖するとした公約を実行できないでいる。与野党が、移転の予算付けの法案Guantanamo0を拒否したのである。

ガンタナモ収容所(刑務所ではない)には、テロ犯罪にかかわった犯罪者を(と思われる)、現在700人ほど収容している。ここでは、明らかに拷問や自白の強要などが行われている。アメリカに協力的かどうかで、衣服の色や部屋の差別を行っている。

なぜガンタナモ収容所が、ブッシュにとって必要だったのかが、最も大きな問題である。テロ実行者あるいは協力者あるいは被疑者は、ブッシュが戦争と言いながらも兵士としては扱われることがない。テロリスト(犯罪者)として扱っている。兵士なら国際法が適用になるが、テロリスは国内法で裁くことになるのである。それではブッシュを満足させることができないことがが、無数にある。異国から犯罪者を運搬し国内で扱うには、彼らに国内法を適用しなければならない。そのために、キューバから割譲しているガンタナモという場所が必要なのである。

閉鎖に反対の人たちの多くは、釈放された人物の10人に1人がテロリストになっているといGuantanamo02うのである。国民の恐怖心を煽るための情報である。これが事実としてもそれは、収容所の在り方が問われているのである。

そもそも裁判には、①事件の全容を解明すること ②犯罪者に改心してもらい社会復帰を果たすこと ③再犯防止を含め犯罪者に量刑をほどこすことである。出所者が再びテロリストになるのは、裁判の持つ本来のこれらの使命を全うせず、収容所が機能していないことを意味しているだけである。

あるいは、オバマの言う通りこの収容所の存在がテロの口実になっていることも見逃してはならない。そのためには、ガンタナモで何が行われていたのか明らかにし、テロがなぜ繰り返されるかをアメリカ自身が検証しなければならない。

アメリカ議会は、恐ろしい人物が釈放されることに恐怖を抱き、それをマスコミなどが煽っている。イラクやアフガニスタンで行ってきたことを、帰還兵が証言している。最新の銃器を持ち重装備のアメリカ兵に、彼らが怯えていたことを思うと、アメリカ人の恐怖など比ではない。

ガンタナモ収容所は、人権団体の甘い言葉だけではなく、本当に戦争を終わらせるためにも、即刻閉鎖されるべきである。


国は再生医療の道の支援を

2009-05-22 | 政治と金

ブッシュ前アメリカ大統領が、福音派と呼ばれるいわばキリスト教原理主義者たちの支援を受けていた。福音派の人たちは宗教的な観点から、受精卵から取り出すES細胞には反対であった。ブッシュは、予算を付けなかった。

Img_0871オバマは、昨日このES細胞の研究にむけて予算付けを行った。超大国のアメリカが、本格的に動き出した。世界の動きを変えてしまう勢いになる。

日本では受精卵ではなく、体細胞から数度の修理をして得られるiPS細胞の開発を、京都大学の山中教授たちのグループが成功している。iPS細胞は、アメリカが悩んだ倫理的な問題がない。しかし、細胞の取り出しがかなり厄介である。自分の細胞を用いるので、拒否反応がない利点がある。

いずれにしても、ES細胞もiPS細胞も新たな組織を作り出してくれる、再生医療と言われるもの根幹をなすものとなる。例えば、現在では移植しか治療法がないとされている、うっ血性心筋炎という病気では、ES細胞なりiPS細胞を心筋に植え付けるだけで、健全な細胞が再生されるのである。

アルツハイマーやパーキンソン病や重度の糖尿病など、応用範囲は無限にあると言って良い 。これからの医療の形を変えるものなると思われる。

こうした基礎研究については、行政的な支援が行われることによって飛躍的に伸びるものである。時の為政者の思惑が大いに係わってくる。日本では、各方面でばらばらに取り組んでいたのを、山中教授が政府へ一本化と経済的支援を要請に行っている。が、日本では2年間でわずか120億円である。アメリカは、すでに動き出Ep_4しているカルフォルニア一州で、10年間で3000億円組んでいる。

全体の形が見えるころには、多分100倍以上の差がつくことになると思われる。京都大学の開発したiPS細胞のほうが、技術的な問題を克服すると有利になることは目に見えている。しかしながら、国家の支援体制や問題意識の差が決定的となってしまうであろう。

これはほんの一例にすぎない。資源のない日本がこれから生きていくためには、得意部門の技術開発を促すことで乗り越えることができる。票に直接結びつかないような政策は、政争に明け暮れる政党は興味を持つことがないのである。


やはりオバマは本気かもしれない

2009-05-21 | 政治と金

4月24日に、日本共産党がオバマアメリカ大統領に書簡を送っていた。オバマ大統領の、核廃絶に向けたプラハ演説を評価し、その指導力を発揮するようにとの書簡であった。その返書が来たとのことである。

090520日本共産党にアメリカ政府から返書が来たのは初めてとのことである。日本共産党は、アメリカを世界に冠たる帝国主義国家と規定していた。最近はその表現は和らいだものの、こうした政 党に返書が来ることそのものが極めて異例である。

異例なのは、共産党側も同じようである。志位委員長はこれを高く評価したのである。共産党は、かつては中国やソビエトの核実験には賛成をしていた経緯がある。党の分裂をいとわない除名者を出してまで、核実験を擁護した歴史がある。

こうした両者の関係は、これまで日本共産党の一方的な抗議と、アメリカ側のこれを無視することで継続されてきた。オバマは、共産党の意見に丁寧に答え、共産党はこれを評価したのである。

核兵器の廃絶というような、極めて高度で理念的と思われる政策実行に当たっては、思想や過去の経緯などにこだわっているべきではない。それらをすべて凌駕する核兵器の使用を考えると、日本共産党とオバマ政権のような関係がなくてはならない。

これに比して、日本政府の動きは極めて鈍重である。実質的にから文句になっている「非核三原則」を前面に出したり、外相がよく理解できない条件を提案したりしている。

オバマが唯一の核兵器使用国家としての責任を感じていると、発言している。日本は唯一の被爆国としてこれを受けるべきである。さらに、これを実行するべき基盤として日本には「平和憲法」があり、軍隊を所有していませんと、発言するべきなのである。

ところが、改憲を検討し自衛隊の海外派兵から、戦争できる軍隊へと志向する自民党では、格調高い宣言ができないのである。平和国家日本の在りようが問われていると言える。


三木武吉が驚くだろう

2009-05-20 | 政治と金

ゴタゴタしていたが、民主党の党首が鳩山由紀夫に決まった。自民党の総裁が麻生太郎である。この二人の祖父は、鳩山一郎と吉田茂である。戦後日本、昭和20年代を引っ張ってきた二人である。この二人は同じ自由党にありながら、とても盟友とは言えない関係にあった。

二人を分けたのは「運」である。戦後ひょんなことから外務大臣を経て総理になった吉田茂に対して、戦前にヒトラーを評価する論文を見つけられて、GHQから追放されて、首相の椅子を目の前にして悔し涙を飲んだ、鳩山一郎は運がなかった。

5度も組閣する吉田を嫌って、鳩山一郎を必死で支えたのが、稀代の策士三木武吉である。三木武吉は吉田を下ろすためには、権謀策術のあらん限りを尽くした、三木武吉は「鳩山を首相にする。死んでもやる。死んだら幽鬼となっても鳩山内閣を作る」とまで言った。

吉田を下すためには、社会党とも裏工作をする。あらゆる政敵とも裏取引をやる。煽てもやるし恫喝もやる。自由党をも分裂させる。とにかく、鳩山内閣成立へすざまじい執念を見せた。

自らが自由党を割って出て結成した日本民主党を、自由党と改進党を連れて合同させた。これには左右の社会党の合併が背後にある。三木武吉の鳩山内閣への執念は、いわゆる55体制を作ったのである。自由民主党結成への条件の一つに、日本民主党から提出されたのが、憲法改正である。

吉田茂と鳩山一郎の闘いは、戦後保守政治の基盤を作ることになり、その時点で吉田は引退し鳩山は内閣を作ることになる。54年を経た現在、その孫同士が戦うことになるのだが、草葉の陰で、ズル軍鶏「三木武吉」は何を考えるだろう。

時代は大きく変わり、三木の裏工作や策士として動いたような土壌は今はないが、ずいぶんと器が小さくなったと思うに違いない。三木がすぐ消えると予言した自由民主党はその後、半世紀以上も日本を支配し、現在も風前の灯ではあるが残っている。その自民党が、民主党の挑戦を受ける構図は、みきが暗躍した時に類似する。

鳩山由紀夫は祖父を見習い憲法改正をいまだ模索する。麻生太郎は典型的なボッチャマ感覚で、危機感もなく政権維持意欲は極めて薄く吉田の執念は伝わってこない。彼らは何らかの外力が働くと、豹変する可能性がある。

この二政党は、総選の挙結果によっては、祖父を見習い合併するかもしれない。そんな危険性もはらんでいる孫たちの戦いでもある。


評価されない核廃絶宣言

2009-05-18 | 政治と金

ノーベル平和賞受賞者17名が連名で「ヒロシマ・ナガサキ宣言」を発表した。来年のNPT(核拡散防止条約)再検討会議に向けた宣言である。宣言の内容は次のようである。

●来年のNPT再会議を控え、オバマ大統領の呼び掛けに賛同する。 ●NPTがあるにもかかわらず、核兵器廃絶の前身はほとんど見られない。 ●核拡散への脅威を憂慮する。同時に核をなくする義務を負っている。 ●過去10年間、各国政府や各国際機関や非政府組織などは、地雷とクラスター爆弾の禁止条約を成立させてきた。 ●核兵器は人類に惨禍をもた55 らす。無差別で不道徳で違法な兵器である。

そして最後に ●核廃絶は、全人類にとって安全な地球を築くために必要不可欠なもの。これを実現するため、結束していかなければならない。と結んでいる。格調の極めて高い宣言である。

世界各国の政府、とりわけ唯一の被爆国日本政府の後押しが足らない。日本のマスコミの報道も何かしら物足らないものを感じる。いま眼先にあるインフルエンザのことばかりである。各政党は、得票につながらないような宣言内容には興味がないのであろう。

これまで、核開発の躍起になってきた世界各国は、冷戦が崩壊しその抑止性の必要が一段と意味をなくしてきたにもかかわらず、核軍縮に取り組んで来なかった。ここにきて、金融危機が起き経済的に困難な時代になり、最大の核保有国アメリカの大統領が核廃絶を口にするようになった。

今は核廃絶、少なくとも核軍縮に格好の時期なのである。日本政府は、世界に率先して、平和憲法の存在を大きく掲げ、核廃絶への主導権を取るべきなのである。選挙のことばかり考える政党しかこの国には存在しないのか!


イラク侵攻は何だったのか

2009-05-16 | イラク

アメリカがイラクに侵攻した理由が二つあった。一つは大量破壊兵器が存在し世界に脅威を与えているということ、もう一つがオサマビン・ラディン率いる国際テロ組織アルカイダと関係があるということであった。そのどちらも、ブッシュが作った虚偽の報告に基づいた判断だったことが今は分かっているAl_qaida_leader_osama_bin_laden

イラクのサダム・フセイン大統領とアルカイダが組織的につながっていると証言した人物が、刑務所で今月12日に自殺した。自殺したリビ受刑者は、アフガニスタンでアルカイダの訓練を受けて、パキスタンで逮捕され、イラクがアルカイダ工作員に生物・化学兵器使用の訓練を受けていたと証言した。パウエル国務長官はこれを根拠に、国連でアルカイダとフセインの関係を演説した。

後日、リビ受刑者はCIAに待遇が良くなるように証言し、拷問の取り調べのエジプトへの移送も回避した。これによく似た話がある。

もう一つのアメリカ侵攻の理由になる、大量破壊兵器について、「イラクは45分以内に大量破壊兵器の展開が可能」と証言した人物がいた。イギリスの、国防相顧問であったデビット・ケリーである。

彼はこの証言の後、2003年にイギリス外交委員会で根拠の提出など、厳しい質問を受けた。デビット・ケリーは3日後、7月18日に死体となって発見された。公式には自殺と処分さPalestinian_hope_held_hostage れたが、疑問が残る変死であった。

つまり、ブッシュがイラク侵攻の理由とした根拠を証言した人物が、二人とも自殺かそれに近い変死をしたのである。

イラクのアブグレウブ刑務所で、イラン人を拷問にかけ写真を撮って軍事法廷で裁かれる事件が起きた。この事件も、妙なことに「8つの腐ったリンゴ」として、下級兵士が有罪になっただけである。上官はお咎めなしである。

権力は、その志向あるいは意向に沿った人物や事実(虚偽でも構わない)を、持ち上げて政策展開に利用する。都合が悪くなると捨てるだけなのである。真に裁かれるべきは、権力者(この場合はブッシュ)である。犯罪を犯したのは誰か冷静に判断するべきで、それを次の政策選択の根拠にしなければならない。

それを回避するから、インド洋でアメリカ艦船に給油してみたり、ソマリアに自衛隊を出動したり、アメリカ軍におもいやり予算で待遇するのである。

左のフォトアルバムに<雪の少ない知床>をアップしました。


なりふり構わない軍事政権

2009-05-15 | 政治と金

ミャンマー(ビルマ)の軍事政権が、5月26日の軟禁が切れる直前に、アウンサン・スー・チーAung_san_suu_kyi_002氏を起訴することにした。罪状はアメリカ人記者を2日間泊めたということである。この記者は、昨年暮れにも、目的は取材か何か知らないが宿泊している。

彼女は、1990年の総選挙で圧勝している。国民民主連盟の勝利は、軍事政権によって拒否され、それ以降彼女は軟禁されたままである。これまで、13回にわたって訴追を受けてその度に軟禁期間を延長されている。スー・チーの旦那がイギリス人であるが、配偶者が外国人の場合の政治活動を制限する法律を作って、女史の政治Aung_san_suu_kyi_home090514001 生命を断とうとしている。

軟禁が切れる12日前の、追訴の目的ははっきりしている。いまだに国民的な支持が高くノーベル平和賞受賞者、スー・チー女史の政治活動を阻止することである。余りにも露骨である。

今回は女史の身の回りを世話する、縁戚に当たる2名の女性も訴追するとのことである。スー・Aung_san_suu_kyi_003 チー女史は、低血圧や脱水症などの健康問題を抱えてえいる。人道的な問題もある。

軍事政権が、これほどまでに女史の活動を恐れながらも強硬なのは、中国の支援があるからである。経済活動を支える階層の強い支援を背景にしているからでもある。明るく危ういタイの民主化運動に比べ、ミャンマーは陰湿な民主化封じ込めである。いつまで続くのだろう。

左のフォトアルバムに<雪の少ない知床>をアップしました。


雨カンムリの日

2009-05-14 | 政治と金

昨日(5月13日)は妙な気象の日だった。前線が通り過ぎたようで、様々なことが起きた。朝はり(クモリ)で妙に寒かった。診療日誌には、朝は7度とあった。寒い。

出かけると、何やら秋起こしした牧草地から(モヤ)が立っていた。何やら広090513_3syukuがって(カスミ)のようになっていた。根室半島の付け根まで行くと、(キリ)がかかっていた。日が高くなったのに、根室半島は一向に気温が上がらない。8度しかない。とても寒いところである。桜はまだ蕾のままである。

昼すぎると一転俄かにかき曇り、(カミナリ)がなり始めた。すると(アラ090513_6syukuレ)のようなものが来たかと思うと、ものすごい(ヒョウ)が降ってきた。会話ができないほどであっ た。5分ほどで一面真っ白になった。

午前中に花を植えていた、女房の心配をよそに、花壇も道も真っ白になった。15分ほどすると、雹も勢がなくなってきた。やがて(ミゾレ)になって、30分もするとしとしととになってしまった。気温が4度になっていた。

昨日は、雨カンムリがつく気象現象に9個もあってしまったことになる。昨日は漢字は見事な文化であることを了解した一日となった。


実質次期総理の選択になる

2009-05-13 | 政治と金

小沢一郎の辞任で、民主党の党首選挙が国会議員だけで選ぶことになるようである。岡田克也と鳩山由紀夫の闘いになるとのことである。ゾロゾロ候補者が出てこなかったのは、賢明な選択である。短期間で決めるのも、民主党に有利に働く。

若さが売り物になる岡田が、世論調査では支持が高いとのことであるが、議員の互選の形をとるために参考にならない。鳩山が選出される公算が大きい。地方に下ろさないことへの不満は当然あるが、そんな余裕も時間もないと執行部の判断であろう。これは、総選挙に有利に働くことになる。

敵失で多少支持率の上がった麻生はこれですっかり不利になった。任期いっぱいの総選挙になると思われるが、今回の民主党党首が次期総理となる。鳩山由紀夫が総理になることになる。

小沢は、鳩山が選出されると院政をひくことになる。田原総一郎が、小沢は党首であっても総理は引き受けないのではないかと発言していたが、結局はその通りになる。しかし、政党戦略としてはあっても仕方ないと思われるものの、実質次期総理を選出する選挙を国会議員の互選で選出するのもどうかと思われる。

それにしても、20年にわたり政界再編・政党再編を繰り返してきた小沢一郎も命脈もこれで尽きた。後日歴史家がどのように彼を評価することになるだろう。


結局マスコミにやられたのだろう

2009-05-12 | 政治と金

小沢一郎が民主党代表を辞任することを決めた。政治資金規正法の範囲内で取り扱いっているので、やましいことはないと貫いた。今回の第一秘書の逮捕はどう考えてもおかしい。検察の横暴である。かつてこんなことで逮捕したことなどなかったし、請託の事実は権限がない以上証明されるとは思えない。

090511 ただ、小沢がゼネコンから献金を受け取る政治姿勢は問われて然るべきである。自民党を金の問題で飛び出したさきがけや、日本新党それに社会党から合流した人たちとは、全く異質な政治姿勢である。旧田中派を象徴するような体質である。ニワトリ集団に突然番犬が飛び込んだと表現されている。

ゼネコンからの献金をいくら透明にしても、民主党の党首である以上問われることはあると思われる。ようやく企業献金廃止を口にするようになったが、こうしたことがないようにと税金から政党助成金を受け取っていいるのではないか。

しかしこの事件は、どう考えてもおかしなことだらけである。検察側からの説明が全くない。時折リークする内容も、どうも本質を外している微小なことばかりである。それにマスコミが一斉に行っていた小沢の政治体質の攻撃を、2ヶ月間止めることはなかった。

世論調査も、小沢の辞任を求める声は50%を切ることがなかった。小沢が辞任の最大理由はこのことである。

これで総選挙は任期いっぱいの9月になることになるだろう。党首が入れ替わり、若返ることになるが、自民党は敵失で少し上昇した支持率を失うことになる。そうなると、優柔不断な麻生は決断の時期を見極められずに、ズルズルと任意いっぱいまで引っ張ることになるだろう。

それにしても、なんとも陳腐な出来事が国全体を揺るがすような大騒ぎになる。この国の劣化した政治土壌は、回復することはないのであろうか。


羅臼港

春誓い羅臼港