そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

就農意欲を削ぐTPP

2011-02-28 | マスコミ報道

2週間前の読売系の日本テレビの深夜番組、NNNドキュメント”夢を刈られて”大潟村モデル農村の40年、を見た。八郎潟を干拓して作られた大潟村に、日本中から募って農民を入植させた。お米を作るために作られた干拓地である。入植しやっとコメを作る段になって、減反が始まった。猛烈な抵抗が農民にあった。この数年で、8人の農民が自殺している。

この減反政策が日本農政の、最も大きな失策である。勤勉な日本の農民は、いつの時代も様々な問題を抱えながらも、黙々と働いた。それが働かなければ、金を出すと言う政策は、農民の勤労意欲を著しく削いだ。

減反政策は、一方でコメの価格を堅持しながら、無策のまま40年近くも続いているのである。農政の対極的な方針も展開もなく、作らないことに金を出し、作ったことに金を出し続けたのである。票田と言われるほどの基盤がある間は、それでも自民党は農村に様々な公共事業を持ってきた。それが、都会を基盤とする小泉純一郎の時代になって、それもあっさり捨てられた。農村が急速に高齢化と疲弊して行った。

菅直人が突如表明した、TPPという無関税制度への参加であるが、今また農民から未来を奪うような検討がされている。農民は生産する具体的な目的と、結果がある。農業の素晴らしいところである。菅直人は十分の行対策をやると言っているが、農民に金を出すだけである。

生産物ではなく、生産行為に生産額以上の金で農業が支給されかねないのである。こうしたことが更に、さもしい気持ちを農民に芽生えさせるkとになる。TPP参入は、減反政策同様に農民の就労意欲をなくさせてしまう。

食糧を生産する生きがい、自然を相手にする職業の面白さや危険、無から有を生み出すダイナミックさ、家族一同に取り組める幸福感、大家族の絆と先祖から引き継ぐ作業と文化などなどを、農民が失ってきてしまっている。

TPPは農業生産物を、価格だけで評価するシステムである。国際間の穀物の販売などは、国家間で行われるのではなく、穀物メジャーと言う強大な資本と政治力を持つ組織が販売を行うのである。穀物価格が上昇する現在、投機の対象になる商品ともなっている。多くの農民はこうした金の評価にうんざりしているのである。

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北朝鮮は変わるか

2011-02-26 | 朝鮮半島

Img_1948 北朝鮮から韓国へ逃れてきた人たち、脱北者の数が異常に増えている。特にこの3年での増え方はすざまじい。ついに2万人を超えたそうである。厳しい警戒網を超えてくるには、相当の覚悟があるとものと思われる。更にはこの陰には、成功することのなかった人たちや、脱北すら試みることのできない人たちがかなりいるものと思われる。

北朝鮮は、中東の市民革命運動に神経をとがらせているに違いない。独裁体Photo 制、情報の制限、政敵の弾圧、それにリビアのように社会主義を標榜している。いくつかの共通点が少なからずある。北朝鮮はかつて、カダフィとの接触もあった。エジプトのムバラクとはかなり親密な関係にあったと言える。

韓国は道徳的にも倫理的にも、脱北者を受け入れたいところであるが、これほどの数になると大きな社会問題になってしまう。脱北者に職を与えるのも、世界有数の競争社会では容易なことではない。韓国の受け入れにも限度がある。脱北してもバラ色の世界が待っているわけではない。脱北者を装うスパイなどもかなりの数いるようである。

北朝鮮に政変が起きることを期待している人たちは少なくない。21世紀になってもどうしてこのような国家が存在するのかも理解できない。北朝鮮当局も相当神経をとがらせているようで、電話線が遮断されているようである。幸いなこ110225 とに、インターネットなどがないが、未確認の反政府集会があったようでもある。

韓国のキリスト教脱北者同盟たちが、中東の政変を良い機会とばかり、多数のビラを北に向けて飛ばした。飛ばした袋の中には「世襲・独裁・長期政権は崩壊する」と書かれたビラとともに、1ドル札、アスピリン、ボールペン、ストッキングなどが入れられているそうである。モノと情報のない国ではかなりの効果があるようである。

北朝鮮に政変を起こすだけのエネルギーが、残っているか見ものである。北の政権交代が進行形の今がチャンスである。

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TPPにシラけるアメリカ

2011-02-25 | 政治と金

日本でこれだけ騒がれているTPP(環太平洋パートナーシップ)であるが、海外ではどう扱われているのだろう。海外のTPPに関する記事は、日本の新聞からはほとんど見つけることが出来ない。菅首相が“平成の開国”と嘯く大きな問題に対して、彼が躍起になっているものの動きが見えない。

そこで、かなりの時間をかけて、海外のWebsiteの新聞に目を通した。TPPの訳になっていいる同義語が多く、福祉関係や自動車のシステムなどたくさんあるが、お目当てのTPPはほとんど見つけることが出来なった。いくつか見つけたTPPの記事の多くは、菅首相が自由貿易に積極的に取り組むと言う、日本の政治の報道でしかなかった。

唯一国内の記事としてあったのが、オーストラリアの新聞であった。要するに、日本以外の国は、TPPのことなどほとんど話題にもならないのである。

突如TPPに菅が取り組むと宣言したのは、オバマの急変であった。オバマが、国内経済回復にと打ち出した、無関税関係になっているTPPの4国に参加の意思を示したのである。それに、普天間でご迷惑をかけたわび状として菅が参加を表明したものである。

オバマはその後、インドと昨年11月に大きな商談を結んだ。8000億円超である。100人を超えるビジネスマンを引き連れて、中間選挙敗北の尻拭いを行ったのである。5万人の雇用が担保されると喜んだ。彼はインドを国連常任国に推薦した。

年が明けてからは、中国の胡錦濤がアメリカに商談にやってきた。こちらはさ110118 らに大きなビジネスとなった。飛行機をたくさん買って3兆円超の商談となった。100万人の雇用が生まれると、オバマは喜んだ。

このためにオバマは、インドの核開発に協力し、中国の人権問題や民主化、更には人民元の切り上げについてもだんまりを決め込んだ。

オバマは、TPP参加を表明したものの、今ではその必要性がなくなったのである。だのに、日本は未だTPP参入を政治生命をかけてやる首相が、政局で動けなくなっている、なんとも滑稽な図柄になっているのである。

要するにTPP参入を大騒ぎしているのは日本だけなのである。アメリカはすっかり冷めている。梯子を外されて泣き面をかくのは日本だけとなる。

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自爆するカダフィ

2011-02-23 | 政治と金

カダフィはリビアの王政を転覆させた。以来41年も独裁を行っている。彼は何 をしたかと言えば、新たな王政を作ったに過ぎない。この国には議会もなければ憲 法もない。カダフィが諸事を決定して指示するだけなのである。

これはよく考えてみると、王政と同じことである。国王や王家の慈悲にすがる臣民が良政に満足している時代は問題がなかった。このことはイランにも同110218種のことが言える。ただイランは曲がりなりにも選挙を行って政権を樹立している。しかし、それも不正などがあったり民意の反映はおぼつかない。

こうした動きは王政国家に及び、バーレーンでは大きなうねりになっている。連日大きな反政府デモが繰り返されている。バーレーンの動きに神経をとがらせているのが、隣国の最大の産油国のサウジアラビア(サウド家のアラブ(世界)と言う意味)である。この国で政変が起きると、日本への影響が少なからずある。

王政やそれに準ずる体制の最大の欠点は、自浄能力がないことである。彼らPhotoは、かつての社会主義国家のように、政変が起きるか死ぬまで退くことが出来ないのである。まさしくこの状態に堕ちっているのが、カダフィである。恐怖症に堕ちっている彼には、自爆するつもりで居座り続けるより選択肢がないのである。政府の一部や軍の中にも、大衆に銃を向けるのを断る人たちが出てきた。

チュニジアとエジプトではインターネットが大きな役割を果たした。2年前にアラビア語のfacebookが開かれてから、急速に反政府運動が勢いづいた。長年政権の座にいる古き独裁者には、そうした動きを正確に認識はできなかっPhoto_2たのである。

独裁国家で言論を弾圧する、北朝鮮や中国に波及が論じられるが、彼らには国家的規模でインターネットを遮断する能力があったり、元々インターネットなどない国家である。中国は共産党の独裁国あるが、人者が交代することで目先を変えている。中国は経済成長が鈍化するまで、政変は起き難い。

いずれにしても、誰の目にもカダフィの失脚は秒読みの段階に入ったと言える。

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やっと気がついた食糧高騰

2011-02-22 | 政治と金

このブログで何度も書いていることであるが、今年にFoodcommoditypriceindexなって世界中 Faofoodpriceindexの食糧価格が上昇している。この25年間で、40%も値上がりしているのである。国民はそのことのに気がついていない。この間に、円高が進行して日本の国民はこれを実感していないからである。

こうした客観的な動きを見ることなく、国内需要と自らの周辺しか見ることのできない連中が、日本はもっと頑張れば食糧を海外に売ることが出来るとか、あるいは安い食料は輸入するべきと騒ぎ出している。

食糧高騰の現実は、コーヒーに象徴的に見ることが出来る。コーヒーは今年は19852010これまでにない豊作の年である。最大の生産国であるブラジルは、毎年7%ほどの経済成長の真っ最中である。ブラジル国民が、先進国に輸出していたコーヒー豆を自らの国で消費し始めたのである。他の農産物も同じである。オーストラリアのような洪水などの、温暖化も含めた異常気象がこれに加わり、更に高騰を見込んだ投機マネーが加わったのである。

食糧はこうした不安定要因を常に抱えていながらも、欠くことのできないものである。食糧はいくら高騰しても買わなければならないものである。食糧はいくら不足しても賄わなければならないものである。

小麦が何パーセント高くなった、肉もこれだけ高くなったとマスコミは結果報道1102_2をするばかりである。高くなった高くなったと騒ぐばかりではなく、その原因と対 応についてマスコミは、賢明な評価を示すべきである。折しも、農水省が向こう10年の穀物価格の動向の予測を発表した。下がる要因などないのである。TPP参入などもってのほかである。無関税にして自らの首を絞めることをなぜやらなければならないのか。

全世界の人口の半分が都会に集まっている。彼らには食糧の生産現場、農地を見て作物に接する機会が極端に少なくなり、遠ざかってしまった。彼らには食糧を判断する材料としては、価格しかないのも致し方ないかもしれない。農民はそうしたことも知らせなければならない時代になったともいえる。

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暴力的に対応するカダフィ

2011-02-21 | 政治と金

ついに最も強固で長期的なリビアに、中東の市民運動は広がった。カダフィ大佐 は、リビアに無血革命を起こしてから実に、41年もの間独裁政権を維持している。これまで、テロリストの支援や国連での一方的なLibya_toripori_110220演説など、彼の言動は周辺を威圧していた。

今回リビアに及んだ市民革命の運動に対して、カダフィの次男は昨夜市民戦争になることをを辞さないと強硬な姿勢を打ち出した。この次男は39歳だそうである。カダフィが実権を握ってから生まれた子どもである。独裁者は何処でも同じである。世間知らずの後継者たちで周辺を固めるのである。

見方によっては、貧国や格差、言論弾圧など、最も政変が起きる要素を持った国であったが、国境を接するチュニジアとエジプトの政変がやっと国民を動かした。この国には議会もなければ憲法もない。カダフィの王政のようなものである。ベドウィン出身の彼が倒した王政を倣ったのであろうが、現実には粛清と弾圧の強権政治である。1102

この国で政変が起きると、エジプトのように武力を控えることはないと思っていたが、案の定カダフィは暴力的に対応した。軍は銃を水平に放ち殺傷を目的とした鎮圧を図っている。「カダフィは実弾を民衆に向けた」と、妨害をかいくぐって繋がれたインターネットの声が痛々しい。すでに200数十人が殺されたと人権団体は発表している。

軍の一部が反乱側についているとの情報もある。東部は反カダフィの地域であるが、バンガジやベイダで起きた反乱は、首都トリポリに迫っている。カダフィの撤退は時間の問題である。この国は、真っ先に政変が起きても良かった国である。犠牲者がこれ以上でないことを祈っている。

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中東革命のドミノ倒しが始まった

2011-02-20 | 中東

中東で市民革命の連鎖が始まっている。チュニジアで始まった、市民運動は政Photo 権を倒す革命へつつながって広がっている。一見無関係に起きているこれらの、この革命の共通点となるキイワードを並べてみた。

長期政権、独裁、弾圧、不正蓄財、報道の統制、弾圧、貧困、格差、自由、そしてインターネットである。これらの共通項を並べるだけで、この市民運動の本質が見えてくるようである。

チュニジアで果物売りの市民が警察にわいろを要求され、屋台を没収され、彼 は焼身自殺した。これの激怒した市民が警察に押し掛けたのを、ネットで動画で流した。それは大きなきっかけにはなったが、こうした独裁長期政権が持つ腐敗を、市民が怒ったのである。これを教訓に中東最大の国家、エジプトがムバラク政権を倒す結果になった。83歳だかのムバラクは、2兆円もの資産を持っているとのことである。

市民運動の広がりはこれまでの長期政権の、独裁と言論弾圧が根底にあるが各国の目的と不満の矛先は微妙に異なる。バーレーンでは王政の打倒で002あり、イランでは言論の自由であり、リビアはカダフィへの不満である。これらの運動は特定の政治的思惑や方向性あるいは思想があるわけではない。その分、エジプトのように既成政党がここぞとばかかりと台頭してくることになる。

エジプトと親密な関係にある、北朝鮮はこうした市民運動を最も恐れているであろうが、上記のキーワードの中うちのインターネットが欠落している。この種の動きに最も敏感になっているのが中国である。さっそくインターネットの切断などに取っかかったようである。

こうした国民の表現や報道の自由、更には政治活動の自由を奪うことで成し遂げてきた経済成長は、社会主義国家としての中国にどのような意味があるのだろう。上記キーワードのインターネットだけを外してみても、意味があるとは思えない。いずれにしても、中東では当分の間は混乱が続くであろうが、結果として反米政権が続出することになるものと思われる。

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中東に学ばない民主党

2011-02-18 | 中東

地中海の平和な観光国家チュニジュアで始まった、反政府市民運動は中東各国に広がっている。バーレーンで反王制運動が起きたも驚いたが、カダフィのリビアで反政府運動までなるとは、多くの人は思わなかったであろう。もちろんこうした運動は、突如として起きたように思えるが、実際にはその基盤になるものが見えてはいた。

中東はヨーロッパ各国が近代になって、好き勝手に進行して切り刻んできた歴史がある。更には宗教的な対立に加えて、なんと言っても20世紀を引っ張ってきた石油が、大量に発掘されたことが大きな要因としてある。y-ろっぱ列強が手を引いたとたんに、イスラエル国家が建設され、ヨーロッパにとって代わったアメリカがこれを協力に支持した。

冷戦後のアメリカは、世界の全てを支配し、世界の警察を自認していたのである。中東はその最も典型的な地域でもあった。これに宗教的対立を煽ったのが、アルカイダなどのイスラム急進主義者たちである。ここ数年の新興国の台頭によって、世界は急速に多極化へと向かっている。とりわけBRICsの経済的成長は、多極化への加速基盤となった。

こうした相対的なアメリカの存在の低下が、エジプト国民に新たな意識を芽生えさせたと言える。エジプト国民の半数は、ムバラクが政権取って以降の若者である。

アメリカは、エジプトの独裁政権も、サウジの王体制であろうがイスラエルの暴力国家であろうが、アメリカになびくものであれば、何でも受け入れた。イラクに攻め入った、民主国家の建設などどうでもいいことである。アメリカにとって都合の良いものなら、制度も理念も問うことはないのである。

アメリカの意向に沿ってさえいれば、あるいはリビアのように反米を掲げていれば40年にも及ぶ長期政権を維持できたのである。そのアメリカの経済力等の低下、多極化が今回の中東各国のソーシアル型市民運動の原動力である。

こうした流れに全く抗うように登場したのが、日本の民主党政権である。政権交代は、こうした世界の変化を受け入れる絶好の機会であったが、民主党政権はアメリカに袖にされても,すり寄る政策を選択しているのである。どこかおかしくないか。

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民主党は16名の造反を真摯に受けとめよ

2011-02-17 | 政治と金

民主党の衆議院議員16名が、民主党会派の離脱を横道議長に提出した。彼ら110217 は民主党を離党はしないとのことである。会派の名前は「民主党政権交代に籍に責任を持つ会」とのことである。民主党を離党はしない、中途半端な連中である。

しかし、彼らの言う政権交代に責任を持つと言う姿勢は評価されるべきである。政権交代したが、マニフェスト違反を繰り返し理念をなくしていると言うのがその内容である。岡田幹事長をはじめとして、民主党内は彼らを無視するようである。離脱を認めず会派を作る矛盾などを指摘している。民主党の変質に言及しているわけではない。

この16名は全てが、比例区の当選者で全員が一、二年生議員である。比例区の順位も低く、民主党の大躍進がなければ当選しなかったものと思われる。選挙を指揮した小沢幹事長に近い議員ともいえる。民主党の支持率が下がり、次の当選は見込めない議員が多いと言える。彼らは危機感と、純真さを持ち合わせていると言い変えても良い。

民主党は、同調者が出ることを持っても恐れている。予算審議の最中で、議員数を確保したい現実の前に、なだめすかしているように思える。処分も考えてもいないようである。菅政権に正当性はないとまで言われていても処分しない。出来ないのが現実である。

民主党は、彼らの主張を真摯に受け止めるべきである。民主党が変質したのは誰の目にも明らかなことである。それを認めない方がおかしいのである。彼らの主張の方が、国民の感覚に近いものと言える。

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平成の開国も“方便”と言われる日が来る

2011-02-16 | 政治と金

Photo 鳩山由紀夫前総理が普天間移設に関して、「抑止力として必要だった」と言ったのは、”方便”だったと述べた。方便とは広辞苑によると、①梵語で衆生を導く巧みな手段で②目的のために利用する便宜的手段と説明されている。

つまり方便とはその場を言い逃れるために、ついた嘘のことを一般に指すものである。鳩山は、普天間の最低でも県外できれば国外と言ったのを嘘ついたばかりか、やっぱり必要だったと方針転換したのも嘘だったと言うのである。県内回帰を前提にした後付けの理由であったことがはっきりした。

沖縄県民はこれを、精いっぱいの皮肉をこめて受け入れた。極めて言葉の軽いこの男の思いつきを、意味なく県内回帰にした理由が方便であり、米軍の思惑しか考慮しなかったことを、ホレ見たことかと白けた目で見たのである。抑止力は琉球語で「ユクシ(嘘)力」と皮肉った。

民主党のこうした動きを見ていると、後一年もすれば『平成の開国』といったのも、アメリカの意向を考慮した“方便”であったと、菅前首相は言いかねない。それほど、民主党の政治家の言葉は軽く、アメリカの顔色を伺うばかりである。

政権公約・マニフェストを次々見直しながらも、いまだマニフェストは変えないなどと言いきっている。公約を変えるのはその根拠があれば、当然やるべきである。必要なのは説明責任が生じることである。それもなくただひたすら実行を強調するのは政治家として責任のないことを意味する。

やっと方針転換を認めたと思ったら、方便であったはないだろう。鳩山の引退宣言も同じである。TPP参入は方便だった、と言われるのもそれほど遠くはないだろう。

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篠原農水副大臣のインタビューを読んんで

2011-02-14 | 政治と金

篠原孝農林水産副大臣のインタビューを読んだ。記事は北海道地方紙「Hoppo Jounal」(北方ジャーナル)である。篠原氏は、農林省のお役人であったが、転Photo 身して民主党から立候補して、現在3期目の衆議院議員である。いわゆる農政通と言うよりも、農業に対する本当の意味でのあり方を問い続けているという点で、評価されている。

自らも農家出身で「農的循環社会への道」や「EUの農業交渉力」等の著作が多い。「フードマイレージ」や「地産地消」等の言葉を創ったことでも知られている。異例の官僚と言える。彼が政権交代を受けて、農水省に乗りこむ日を待っていた。

本誌のインタビューは、民主党の農業政策が突如降って湧いたTPPといモンスターに、彼がどれほどの取り組みが出来るか、何を考えているか興味のあるものであった。結論から言えば、菅直人とその周辺の政府が打ち出す方針とは、彼の主張は多くの点で相いれないように思えた。

所々では、篠原氏は菅とのつながりは協調はするものの、菅の無理解に悩んでいる発言が目立つ。TPPまっしぐらに暴走する菅政権に、何はともあれ農の再生を手掛けることの重要性を、提言しているとのことであるが、具体的な内容が薄い。これまで興味深い政策を数多く実現している篠原氏であるが、矢張りTPPは大きな存在となって、彼は政権内で大きな動きが取れない印象は拭えない。

地産地消も小農の在り方も、あるいは食料の自給率向上すらも、TPPの大波に飲み込まれていくような気がしてならない。篠原氏の発言からは、明確に否定するような内容が見られなかった。それでいて地方の在り方には深い理解を示している。農村は本当に再生できるのか、これだけでは不安である。

タイムリーなインタビューであるが、北方ジャーナルでの扱いがいかにも低い。都会のスキャンダラスな内容や、統一地方選挙の内容を優先させるのは、本誌の良識が問われるところである。

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バレンタインチョコの裏で

2011-02-13 | 政治と金

Photo 丁度一年前、バレンタインに合わせてカカオ豆のこととチョコレートについて書いた。それから事態は一層深刻になっている。世界のチョコレートは、この時期半分が売れることのようである。

チョコレートの原料になるカカオ豆は、カメルーン、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリアで世界生産量の70%にも達する。とりわけコートジボワールは43%生産している。日本はほとんどのカカオ豆をコートジボワールから輸入している。残りの僅かを、ガーナから輸入している。

カカオ豆の輸出を仕切っているのが、バリーカルボー、カーギル、ADMの穀物メジャーである。わが国も例外ではない。コートジボワールのGDPの10%を占めるカカオ豆であるが、人権団体などが問題にしているのが、人身売買が疑われる13万人と言われる子どもの労働者である。農園で働く64%が、14歳以下子どもである。

カカオ豆は輸出されて、それぞれの国で加工される。生産国の子供たちは、朝晩過酷な労働を強いられながらも、チョコレートを見たことがない。生産国の手取りは販売価格の、僅か0.5%である。大資本が投入された巨大な農園で、効率よく生産されたカカオ豆はわらに安価な労働に支えられて、生産されている。

昨年11月26日にコートジボワールで大統領選挙がおこなわた。敗北したローラン・ハグボ前大統領は政権を譲らない。勝利したアルサン・カタラ大統領は、前職の基盤になっているコーヒーとカカオ豆の輸出を禁止する手段に出た。日本では巷間コーヒー価格が上昇するともっぱらの噂であるが、こうした裏までの報道はされない。

農産物を自由貿易の論理で括ると、大資本が必ず勝利するその陰には必ず収奪される弱者の労働者が見えてくる。TPPに参入すると言うことはこうした不条理を容認することでもある。チョコレート生産はその典型である。チョコレートをいただきながら、苦みを味わうのも良かろう。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat10822554/index.html

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恐れていたことが現実になった

2011-02-12 | 獣医師

北朝鮮で口蹄疫の発生があった。北朝鮮中央通信が公式に発表した。この国がこうした発表をするのは、余程のことではないかと思われる。アメリカのラジオ自由アジア(RFA)によれば、FAOに正式に、緊急救護要請をしたらしく、食料問題で何度もコケにされたFAOはこれを歓迎している。来週にも獣医師や疫学Photo の専門家を派遣するそうである。

RFAによれば、北朝鮮では2007年に牛豚が3000頭、2008年には100戸の口蹄疫が確認されたとのことである。FAOは2007~2009年にかけて43万ドル提供している。今回はほぼ全土にわたって広がり、1万頭感染しているとのことである。相当数が死亡しまた殺処分しているとのことである。

上記は昨日(11日)韓国のメディアが報道した内容である。本当かと思うことと、やっぱりと思うことが交錯する。北朝鮮で殺処分が可能かということである。口蹄疫は感染力は相当強力であるが、死ぬことはそれほどない。それに、この国の飼養形態がつかめない。かなりの役牛がいるであろうし、肉用に豚でも牛でも使用が可能であるのだろうかと言うことである。見方によっては、北朝鮮のクレクレ外交とも見えなくもない。いずれにしても全土に広がっていることと、政府が要請したことは深刻な事態とも思える。

しかし、最も危惧されるのは口蹄疫の初発は、北朝鮮ではなかったかという疑念である。事実韓国よりの方に発生頭数が多いようであり、韓国側も北と接する地域から発生が絶え間ない。北朝鮮の防疫対策など、信じるに足らないものであろう。病状の特定も対策も十分であるとは思えない。だとすれば、2007年の発生は、すでに広がりを見せた後ではないだろうか。韓国への伝搬が北朝鮮からだとすれば、あらゆる対策はざるで水をすくうようなものである。

北朝鮮が正常な国際社会への感覚と責任を持っていれば、何も案ずることはない。資金援助でも防疫援助でもすればいいが、金正恩のためなら更なる挑発をやると平然と南北会談で宣言する国家には、ざるに水を注ぐようなものである。口蹄疫に関しては、最悪の事態と言える。

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ところで「コンクリートから人へ」はどうなった?

2011-02-11 | 政治と金

党首討論をところどころ聞いていた。続けて聞く気にもならないお粗末な論戦であった。少なくとも、菅首相の言う“熟議”なるものではなく、菅首相自身からぶち壊すものであった。

110209 税制のことであるが、話し合いましょうとやんわり持ちかけたようにも思えたが、カド番になって八百長相撲を持ちかけられて乗れるものかと、谷垣が語気荒く切ってしまった。菅は論戦を持ち出したのは彼方の方だと気色ばむ場面もあった。熟議どころか論戦にもなっていない。総じて、マニフェストの破綻を掲げる谷垣に、明快な反論もなく、徒に論点をずらそうとする菅の反論が目立った。

社民党の福島瑞穂党首の発言が正しい。「政策を盗んだものと、盗まれたものの論戦である」と言うのである。なるほど。国民は政党難民になるはずである。

消費税の自民党への抱きつきや、与謝野の入閣で自民党に近づいたと思いきや、迂闊にこれに乗ってしまうと菅政権の延命に手を貸す結果になると、谷垣の懸命の反論である。自民党は地方選挙で連敗中の民主党の足元をすくうのに躍起である。

民主党は、参議院の半数を確保したいために、公明党に秋波を送っていたがこれは多分無視されたことになったのであろう。それではと、参議院で否決されて衆議院に戻った時に、3分の2を確保するために、社民党に声をかけたが、これも断られた。普天間関連予算を計上しないなどと言ういい加減な言葉に社民党は乗らなかったのであるが、これは正しい。

この間に起きた、愛知知事、名古屋市長選挙を報道は大きく取り上げた。国政はその下になるのもやむを得ないだろう。民主主義の根幹問題は、国会になく地方議会の在り方に問われるものを求めたのである。

ところで民主党さん、「コンクリートから人へ」の政権奪取直後の、威勢のいい言葉は何処に行ったのでしょうかね。

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聟島にアホウドリ帰る

2011-02-10 | 政治と金

絶滅危惧種になったアホウドリは世界最大の海鳥である。のんびりした性格から、羽毛用にそして航海者の食用に乱獲された。警戒心が全くないために、アホウドリ、馬鹿鳥、叔父だましなどと呼ばれているが、英語名はアルバトロスである。ゴルフではホールインワンより難しい場面の評価に使われているらしい。

我が国では小笠原列島の鳥島と、今中国との領土問題になっている尖閣諸島で繁殖している。鳥島は火山島で噴火が危ぶまれている。アホウドリは一度巣立つと帰るまでに、3~5年かかる。その間に噴火があると帰ることが出来ない。山階鳥類研究所では、3年前から鳥島で孵ったヒナ10数羽を近くの聟島(むこじま)に移して餌づけして放した。

110210昨日3年前に放した一羽が聟島に戻ってきたのである。デコイ(鳥の形の偽物)を並べて帰ってくるのを待ち続けた。3年前には10羽を放ち、そのうちの一羽がアリューシャン列島で生きていることが昨年確認されていた。これまで40羽を放しているが、今後の帰巣が期待される。

山階鳥研の努力は、人が乱獲し絶滅においやったことへのせめてもの、償いと言える。アホウドリは断崖に営巣し、風を巧みに受け入れて飛び立つ。大きな体に無理をかけないようにする工夫であるが、極めて妥協力のない生き方である。こうした野生生物の多くは人の経済活動などに翻弄され、絶滅した種も少なくはない。今回の山階鳥研の対策は一つの方向性を示した成果と評価したい。

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