そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ井の中のかわずだろ

2006-12-31 | 国際・政治

Photo_65 とかく日本人は、移り気である。視点が短期的である。島国の思考方法には世界が見えていないし、時の流れの中でしか物事を考えようとしていない。拙書などで(下記参照)、地球上で飽食と飢餓が混在するばかりでなく、家畜が飽食状態にあることを何度も訴えている。が、多くの人は無頓着に見えてならない。

ここにきて、環境対策を追い風に、エタノール生産を穀物でやろうとする動きが急である。私自身も、やや言葉足らずながらオーマイニュース記事を書いてみた。ttp://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003941参照ください。

Photo_63 バイオ燃料とはまったく聞こえがいいが、アメリカの場合はコーン(トウモロコシ)から抽出される。つまり、食べ物からバイオ燃料は生産されるのである。人と人とが経済力の差から、貧富を生み出し飢餓と飽食を作り出している。さらに、家畜が貧困国家から穀物を奪い取る構図が出来上がっている。

そこに、バイオ燃料生産のため、車が割った入った形である。ある報告によるよると、飽食人口が飢餓人口を追い越したそうである。その一方で、8億5千万人が恒常的な飢餓状態であるといわれている。さらに、毎日2万4000人死亡している。(WorldWatchi)ほとんどが子供である。バイオ燃料生産はそれに拍車をかけることになるのである。

エタノール燃料による乗用車一台で、人一人の穀物を消費することになると試算されている。アメリカ農業貿易政策研究所によると、中西部のコーンベルト地帯を中心にエタノー001_5ル蒸留所が建設され、すでに100カ所以上が稼動しており、年間50億ガロン(1ガロン=約3.8リットル)が生産されている。ちなみに、10年前までは10億ガロン程度であり、20億ガロンを越えたのはわずか3年前である。

車に食べさせる穀物の生産は、遺伝子組み換えであろうが化学肥料や農薬をどれほど振りかけようがお構いなしになるだろう。環境破壊ばかりでなく、やがてこのことがスタンダードになって、人にも家畜にもという事態のもならないと誰が断定できるであろう。

中西部のいくつかの州では、5年先には海外に輸出する穀物がなくなると、報告している。穀物価格の高騰と、品薄は日本など先進国の畜産形態を大きく変えることになるだろう。肥満や、高生産から開放される家畜にとっては朗報かもしれないが・・・

そりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問うそりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問う
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そりゃアメリカのマッチポンプだろ

2006-12-30 | イスラム

イラクの前大統領の、サダム、フセインが処刑された。きわめて異例の処刑である。刑のSaddam_hussain_executed03 確定から、一月以内というのも異例であるが、彼には裁かれなければなら、ない大きな犯罪は残されたままである。クルド人の大量虐殺は裁かれていない。まるでクルド人は、すでにイラクから離脱した感すらある。

中東のマスメディアは、異例の速さによる処刑よりも、イスラム教を信じるもにとってはもっとも神聖な月の初日であったことに、驚いている。巡礼が始まる初日なのである。

Saddam_hussain_executed02今回の処刑には、アメリカの強い希望があったとされている。マリキ政権は、国内の週は対立の激化を恐れている。一部の推測では、処刑の延期を望んでいるとされたが、ブッシュ政権は行き詰まり状態の何らかのきっかけにしたかったのではないだろうか。Iraqi_prime_minister_nouri_almaliki_1

フセイン政権は、イランに対抗するためにと、アメリカが後押ししてできた政権である。政 権発足も終息も、アメリカが強くかかわったことになる。これで、内戦はさらに激化することが予測される。

フセインが拘束されるや、その当時行き詰った選挙区が打開されると、ラムズフェルが喜んだことすら、遠い記憶のようですらある。

それにしても法廷でのフセインの目が輝いていたことが印象的であった。

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そりゃBSE検査は必要だろ

2006-12-28 | ゲノム編集

今月になって国内31頭目のBSE(牛海綿状脳症:狂牛病)が確認された。今ではすっかりマスコミの興味を失った感があるが、依然として着実に発生が確認されている。

BSEの原因はいまだ特定されていないが、全頭検査を自治体が実施している(国は全頭検査を止めた)中で、若干の傾向はつかめてはいる。今回の31頭目の牛は、鹿追町産であるが、鹿追町産かそこで育った牛としては14頭目になるし、99もしくは00年生まれ の牛が15頭にもなる。とりわけ、この05.06.の2年刊で確認された18頭中00年(9頭)99年生(4頭)まれが12頭にもなり、際立った数字を残している。

これらの分析は、いまだに進んではいない。子牛の時に与える粉乳が給与されていることが確認されているくらいである。96年春生まれに集中していた、初期の数頭についても同様に、検査が進んでいない。BSE発生の特定の道は険しいものがある。

しかしながら、わが国の取った処置は評価されるべきと思われる。全頭検査と、飼養経歴を徹底したことである。

ところで、今月6日に韓国では輸入アメリカ産牛肉の中から、骨片確認されPhoto_60輸入禁止処置がされている。これで、韓国はアメリカ産牛肉の輸入禁止措置は3回目になる。

アメリカのジョハンズ農務長官はは「米国からのすべての牛肉製品を拒絶する口実を見つけだそうとしている」と、強硬な姿勢を見せ、輸入問題にすりかえようとしている。市場開放を拒否する姿勢の批判などとは、本来関係ないことである。FTA交渉に影響するぞなどと脅しも受けているようである。

アメリカ産牛肉が安価なのはそれなりの理由がある。アメリカの杜撰な検査と、BSE意識がないことと、商業ペースでしか食品を評価しないことである。

国が、アメリカの願色を窺って全頭検査を放棄したり、輸入再開に道筋を付けたりする意味合いを今一度確認する必要がある。

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こりゃやり得だろ

2006-12-27 | 平尾昌晃

姉歯元一級建築士へ、懲役5年罰金180万円の実刑判決が出た。多くの新聞のトップ記事として扱っているが、これはチョットおかしい。耐震偽装に関わる、判決ではないからである。Photo_59

今回の判決の主体となっているのは、議院証言法違反罪に対する判決である。建築基準 法違反は、罰金50万円以下となってる。国家試験の難関を抜けてきた資格者は、犯罪を犯さないとする前提があるからである。姉歯被告自身も、ほとんど無頓着のように振舞っているのが気にかかる。

その罪の主体となった、国会での偽証の相手とされた篠塚元支店長は、彼の証言で見も心もズタズタのようである。ある報道番組で、年端の行かない若い記者が篠塚元支店長に、卑劣な言葉をかけていた。彼の人権は誰が繕ってくれるのであろうか。

日本は、資格国家である。獣医師の資格を持っていれば治療のために、家畜に薬物を投与できる。企業化した大規模な畜産は、獣医師を雇って恒常的に鶏や肉牛や豚に抗生物質を投与している。企業の意向に沿うように、資格を使うのである。

違法性が問われるような事態が起きても、資格者は問われるが、経営者や発注者は何も問われることがない。耐震偽装事件は、議院証言法の番外の法に問われた判決を受けて、最大の犯罪者はこれでおしまいである。なんとも奇妙な国家であることか。

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そりゃ残業ゼロになるだろ

2006-12-26 | アベノミクス

「ホワイトカラーエグゼション制度」は、働くものにとって極めて悪意を持った法律である。だいたいカタカナにして、いるだけで胡散臭いところがある。労働に裁量性を持たせるとしているが、どのようになるかは、今の状況を見るだけで推測がつく。

雇用者は、仕事の達成のためなら時間に束縛されることなく働けと言うのであるが、雇用Abebon_1 を弱者の労働者の目から見ていない。定時の労働時間さえ、現実には守られることなく「サービス残業」をしている状況である。正規の要求を雇用者に提出すると、雇用者や管理者にいい目で見られない。そんな、極めて単純な人間的な行為である。

今でさえ派遣社員などは労働基本法に保護されていない。ましてや、パートや本当の臨時雇用屋などは、時間外どころか基本給の支給さえおぼつかない状況である。

時間外労働を、時間外労働どうと区別して高く設定しているのは、健全な考え方である。厚生労働省の集計でも、2004年には不払い残業が2万3千件にもなっているが、これは氷山の一角である。

過労死が起きる状況を考えるだけで、裁量性を与えると労働のして質が上がるなどとは、雇用者の都合の良い解釈でしかない。現在でも、好況事業は利潤を労働者に還元していない。

この国は、「規制緩和」と称して、強者を擁護する制度を次々と導入している。これが「うつくしいくに」(逆さに読むと、「にくいしくつう」となる)の実態である。

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そりゃ国民がかわいそうだろ

2006-12-23 | 朝鮮半島

北朝鮮が6者協議を蹴飛ばした。国際情勢に疎い、金正日の意地が尊重された恰好であNorth_korea_has_finally_moved_ahead_with_2 る。出来損ないの核兵器の実験をやったというだけで、大国が騒いでくれる、核はまことにありがたい武器である。おいそれと手放すわけいに行かないのだろう。

それとも、査察に入られるとインチキがばれると困るから、経済制裁解除の一辺倒を言っているとするのは、素人の穿った見方だろうか?

ドル札偽造や不正なマネーロンダリングを行い、麻薬・覚せい剤やタバコの販売で、外貨を稼いでいる事実すら認めていない。それでいて、金融制裁の停止を主張するのであるから、良く解らん。

中国が、北朝鮮を対アメリカ政策の手ごろな札として使っていたが、核ひとつで強行姿North_korean_leader_kim_jongil_is_pictur 勢に転ずることができるのである。中国は今回の、6者会議での議長国としての立場は台無しである。

国連制裁で、エネルギーも食料もかなり深刻な状況になっていると思われるが、それを蹴飛ばすほどの余力があるとは思えない。一般国民が犠牲になる。この国の国民が可哀そうである。

今後再度の核実験もするのではないかと、思われるのではあるが、こうして一連の北朝鮮の行いが、日本の右よりの連中にしてみれば、恰好の材料である。

こんな怖ろしい国がいるから、軍隊がいる、核武装しなければならないと論調を上げてくる。困った国である。

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こりゃプーチイニズムさ

2006-12-22 | プーチン

ロシアが、環境保護のためにサハリン開発の中止を行なったことを高く評価したことがあPuchinった(9月29日本ブログ)。同じ獣医師仲間が、オジロワシの環境保護活動をやっていることもあって、サハリンの天然ガス開発の現場がひどいことになっているのを聞いていた。ロシアが、そのために 「サハリン2」と言われる、第2弾になるサハリンの開発を中止したのは良いことと思われていた。

ところがこの国の、権力者はエネルギーを国家管理したいだけの思惑からやっていることがわかった。つい先だってまで、サハリンの環境の破壊を掲げていたのに、半年も経たないうちに、完全に解決されたと来た。環境破壊など、口実に過ぎなかったのである。

Russian_spy_alexander_litvinenko_could_h_2この国のやり方は、旧ソビエトの社会主義の暗黒の支配体制がいまだに色濃く感じられる。迷惑なのは、それとは知らずに開発資金を請け負っていた、三井・三菱・シェルであろう。なんとも 強引な、ロシアの資源の国家管理である。

アンナ・ポリトフスカヤやアレキサンドル・リトヴィネンコたちを平然と暗殺02_5 する、恐怖政治を平然と行なうプーチン政治は闇の中である。

ポリトフスカヤは、贈賄や賄賂が横行する現在のロシア社会や、彼の政治形態をプーチニズムと呼んではばからなかったが、プーチンの誕生日の日に自宅の前で4発の銃弾を打ち込まれて、殺された。

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そりゃ王様と仲良いからさ

2006-12-20 | イラク

Photo_58 今月で退任するアナン国連事務総長は、任期中に最も悔やまれるのはアメリカにイラク侵攻を許したことであると語っていた。あの時に、国連の査察内容を、アメリカに理解させるべきだったと悔やんでいる。

もうすでに3年半を経過した、イラク侵攻は一向に治まる様子もなく、アメリカは16万人の駐留兵士を更に4万人ほど増やすと、更なる泥沼に入っPleas_for_peacemaking_fall_on_deaf_ears_4 ていく。中間選挙でアメリカが示した意思は何所に行ったのであろうか。結局は力の論理しか持ち合わせることのない、アメリカは哀れでもある。

大量兵器もなければアルカイダとの繋がりもなかったとなると、今度はイ71_gif_2ラクを民主化すると言い出す始末である。

これはどう考えてもおかしい。内容はどうあれ、イラクやイランは選挙制Insurgentbomb度があり、民主的体制を持つ国家である。アフガニスタンも然りである。アメリカと友好関係を持っている、中東の多くの国は王政をひいている。アメリカは、王様たちとは仲良くして石油を貰ってい るだけのことである。

アメリカは、結局石油の利権を求めて世界第二の埋蔵量を誇る国へ、兵を送ったのではないか。

イラクは、アメリカが造兵しなければならないほど、深刻な国内事情にある。 

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そりゃホンマじゃないだろ

2006-12-19 | 格差社会

本間正明税制調査委員会会長が、こともあろうか官舎に女を囲っていることが問題になHonma っている。公務員でもない単に首相の諮問機関の人物が官舎に住むことも問題であろうし、が女を囲っていることも羨ましいことでもあるが、そんなことよりこの男の論調が許せない。

安部晋三お坊ちゃまの諮問機関の「税制調査会」の会長に、この男をやらせているのは、それなりの理由があってのことである。彼は、古典的な市場経済優先論者である。市場が活性化すれば、あらゆる問題が解決するとしている。この会長Photo_57 職に関連して言えば、企業を減税すれば企業が儲かり、国の税収が増えるし、職員の給与は上がるというのである。

簡単に言えば、企業を優遇する税体系が国を潤すと言うのである。企業を減税して、一般個人を増税せよと言うのである。収入の増えた企業も個人も市場原理に沿ったものであるから、優遇すると言うのである。

これは極めて古典的な市場原理主義である。営利を求める企業がなにをするのかを考慮していない。強いものが勝てば良い、市場が求めるものが正しく、弱者は市場から追われたものだというのである。

この男は、農業を経済の側面しか捉えることがない。農業が食料を生産することなど露ほど思ってはいない。農地の企業への開放や、輸入関税の取り払うや、競争市場を優先させることを主張している。

この男に食料の重要さもわかっていなければ、地方の抱える問題や価値を理解することはない。ましてや食料の自給率について考えることなど全くないのである。

本間氏を会長に収めたとことに、安部首相の思惑を見て取れるものがある。女を囲ったぐらいで外せない理由があるからである。

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こりゃ選挙詐欺だろ

2006-12-17 | 沖縄問題

Japanese_prime_minister_abe_said 昨年の9月11日に総選挙があった。「郵政民営化、この一点を国民に問う」、と参議院で否決された腹いせに、衆議院を解散した。つまり、あの選挙で日本国民は、郵政の民営化について自由民主党に、3分の2にも及ぶ大量の議席を与えた。

参考までに、北海道では自民党は大敗北をした。北海道はのような僻地は、郵政民営化は反対の態度であった。

いずれにせよ、この議席数は郵政のことだけを問われて、国民が与えた数である。ところが一旦、収まると数を武器に何でもやる。

防衛庁を省に昇格することなど、我々国民は問われはしなかった。ましてや、教育の憲法とまでいわれている、教育基本法を審議することなど全く問われてはいなかった。

これはシステムがこうなっているから仕方ないでは済まされない。権力者は、参議院で拒 否されても、理不尽にも衆議院を解散する、横暴が許される。システムはそのようにはなってはいないが、権力者ならできるこの矛盾。

この国の民主主義は、どこかおかしい。間接民主主義が間違っているとは思いたくはないが、こうしたことは逐一国民に問うべきではないのか。

どうもこの国会でのやり方は気に食わない。

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そりゃ車が食べることになるさ

2006-12-15 | 再生可能エネルギー

原油の高騰と、地球温暖化を背景に、アメリカでは急速に穀物から抽出されるエタノール燃料へと転換がなされようとしている。

アメリカでは、エタノール生産1ガロン当たり51セントの補助金が2010年まで支払われることになっていることを背景に、中西部のコーンベルト地帯を中心にエタノール蒸留所が建設されて、すでに100ヶ所以上が現在稼動している。アメリカのエタノール生産量は年間50億ガロンが生産されている。因みに、10年前までは10ガロン程度であったが、20億ガロンを越えたのは僅か3年前である。

現在58のプラントが増築もしくは建設の計画がある。これらの全てが稼動する2012年には、アメリカは750億ガロンのエタノールを生産することになる。

政府は、これらエタノール生産には家畜用のコーンを当てることになり、国内外の家畜飼料の市場に大きな影響をも与えることになるとしている。Photo_55

国内では、家畜向けのコーンは大きく減ることになり、輸出用のコーンは相当量減少することになると、アメリカ政府は予測している。

アメリカでは、”現在、農業分野で最も過激に伸びる分野”と言われている。また”エタノール生産はコーン市場を大きく変革する”とも言われている。

日本は、2600万トンの穀物を輸入している。そのうち半分以上の1500万トンが家畜に与えられている。この8割がコーンである。日本の畜産が、バイオ燃料で大きく変革を余儀なくされる。

日本の家畜に与えられる穀物が減少することになる。高い穀物を与えることが、経営上問題になり、市場価格が高騰することにはなるが、家畜たちは健康にはなる。

日本の畜産が、正常に戻るチャンスでもある。

それにしても、人よりも家畜、家畜よりも車に優先させて、穀物を与えるシステムは異常であると思える。

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こりゃ田舎はかなわんわ

2006-12-13 | 格差社会

実際にあった話である。この地方のある農協が古くなった庁舎を建て替えることになった。入札案内を建設会社に通知した。10社ほどが入札参加することになった。

Photo_53農協の理事会では、概ね3億円辺りを予想していたが、競争入札することで2億円台の後半になるのではないかと踏んでいた。大きさや設備など見ても順当なところである。

この当たりの僻地は、公共事業の減少で地域の建設業者は青息吐息である。入札の結果は、地域の業者は何所も概ね理事会が読んだ通り、2億6千万前後程度であった。

ここに一業者この当たりの大都会の釧路の業者が加わっていた。地方の、大手と言われる建設業者である。バブル時にはこんなことはなかった。この業者が、1億9千万円を提示した。地域の業者は勿論、農協を含む関係者は一様に驚いた。

当然釧路の大手業者が落札することになった。釧路はここから100キロも離れている。建設手順などを不安視する向きもなくはなかったが、そこは大手だからと、農協はこの業者に建設を依頼することになった。

問題はその先である。いざ、建設が始まると資材を運んだり、建設を直接手がける職人や労働者たちの多くは、落札できなかった地域の建設業者やその関係者たちばかりだったのである。

早い話が、大手が落札をして地方の中小業者に、「孫受け」「ひ孫受け」更にその下請けを落としてゆくのである。

競争入札で、田舎が疲弊していく構造がここにある。強ければ、存分に力を発揮して、弱いものはそのお零れをいただくしかないのである。談合をやりたい、やらなければ潰される原点もここにある。

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再度愛国心を考える

2006-12-11 | 閣議決定

昨日に続いて、愛国心を考えてみたい。現代の若者たちには、この国に対する国家と言う概念が極めて薄い。例えば、海外から若い研修生がやってきて、自国の歌を歌ったり踊ったりと様々なお国自慢をするのに対して、わが国の若者たちにはそれがほとんどできない。自国を意識することがほとんどなく、海外の文化を優先させて、国籍不明の音楽や芸術に傾注する若者に薄らぐ日本の姿を強く感じる。

何を見ても「カワイイ」としか表現できない若者たち。例えば、花なら美しい、楚々とした、凛とした、華やいだ、愛おしい、愛らしい、可憐等など日本語には幅も奥行きもあり、表現者の内面をより深く表現する言葉が豊富にある。それらを全て「カワイイ」の一言で言い表す、日本語表現の貧困さの若者たちに日本を見失う。

こうした若者たちの現象を見ていると、愛国心どころか日本そのものさえもを失う日本人に、一抹の寂しさを感じるのは私だけではないだろう。少なくとも日本のように伝統が曲がりなりにも、脈々と継がれている国家にこのような現象の起きている国家はないと思われる。

愛国心とは国を想い慕い、愛おしく思う心であるが、国と自己の距離が遠いために意識の形が見えないのかもしれない。家族愛や郷土愛に置き換えると少しわかりやすいような気がする。

ならば、郷土愛をカリキュラムに組んでその達成度を評価することは、本末転倒でもある。こうしたことは強要されてはならない。郷土を自慢する、家族を誇りに思うことは容に嵌めて作られるものであってはならない。

戦前の、愛国心教育はまさしくそのようなものであった。そして若者たちに限らず、国民の多くの心の中に愛国心が、純粋な形で醸成されたのである。国家にとって、愛国心ほどありがたいものはない。とりわけ戦時下にあっては、愛国心はあらゆる武器より優れたものであることを、為政者たちは熟知しているのである。

日本が国家としての誇りを国民の心に取り戻したい気持ちはわからなくもない。上記のような現状に不満はあるが、国家が非愛国心者を詰るなら、国家を思うことを形あるものとして、見せ合って相互に評価するような教育制度であればむしろない方いいとすら思う。、これが愛国心を国家として利用するための補完作業であるならば、強く反対するものである。

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愛国心を考える

2006-12-11 | 閣議決定

硫黄島の映画が、日本とアメリカそれぞれの視点から作成されて、現在上映されているらしい。らしいと言うのは、ここが田舎で映画文化からは隔絶されたところだからである。

しかし本は読むことはできる。梯久美子氏の「散るぞ悲しき」に見る、この国を思う心は何かを考えさせられた。硫黄島で戦った兵士たちは、いかほど国を思い家族を思って死んでいったことか。

それに引き換えて、いくらかでも本土上陸を遅らせ交渉に期待し戦い散っていった戦士たちを、本国では単に捨石にしか考えていなかった。軍、政府の上層部には愛国心は微塵ほどもなく、自己保全と哀れな政争が繰り広げられていたのである。

本ブログで8月28日に自分のことを書いてみたが、私の父は「靖国で会おう」と友人と酒100_0046 を酌み交わして、私が生まれる直前に出征して、南国に散った。父は胸に愛国心を抱きながら、靖国に奉られることを望んで死んでいったが、そのために私たち家族はどれほどの労苦を負うことになったことか。母は20年程前に国から、慰労金が出るのを断った。「苦しいときに何もしてくれずに」と言いながら。

愛国心教育を恐れるのは、こうした教えられる側にこそ、愛国心が純粋な形で育まれるが、権力者にはそれがないということである。終戦の玉音放送を最も打ちひしがれて聴いていたのは、10代の青少年であったことを思い起こして欲しい。

愛国心教育は危うい内容を常に包摂している。愛国心は国を守る手段としては極めて有効であるが、国がもつ愛国心とは自己保全に過ぎないからである。

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そりゃ困っているだろアナンさん

2006-12-10 | 国際・政治

Annan_to_task_world_on_horror_of_sudan 今月いっぱいでアナン国連事務総長が退任する。退任に当たって最も気にかかるのは、なんと言ってもイラク情勢であろう。最近10人委員会が提出したに内容もそうであるが、結局一般人の見方のほうが正しいように思える。

アナン氏も「フセイン時代のほうがましだった」と発言している。治安問題、Bombers_kill_iraq_police 内戦状態のことを言っているのであるが、彼にしてみればアメリカ侵攻を止められる目算があったのであろう。もうすでに旧聞になってしまったが、アメリカ侵攻以前に大量破壊兵器も確認されなかっし、その後にもなかった。

犠牲になったのはイラク国民である。日本の報道は、イラク国民は5万人死亡として入るが、アルジャジーラやガーデイアン誌は16万6千人死亡していると報道している。この3倍もの違いは一体何だろう。

更に今年の9月以降は、悲惨な宗派間対立から死者の数はかつてない数字になっている。イラクに人たちは、例え異宗派であっても、モスクの攻撃はしなかったものである。

001_4 今度就任するハンギブン(潘基文)氏は、隣国の外相でもあった人物である。実質的に軍隊を持たない、あるいはアメリカなどの大国の論理に抗し切れない国連の存在意義をどれだけ示すことができるか、興味を持ってみたいものである。とりわけ、アメリカが退いたアフガニスタンでは、タリバンが息を吹き返している。

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羅臼港

春誓い羅臼港