中国が元気である。先月の全人代で、全人代常務委員長の呉邦国が「中国に複数党派も三権分立も二院制も司法の独立も必要ない」と発言した。欧米型の民主主義体制は、中国には合わない、中国は共産党の一党独裁を今後も続けると明言した。
これは従来からの発言を、より一層踏み込んだものである。中国が元気なのは、世界経済が軒並みマイナス3%以下に見込んでいる中、抑えて6%を見込んでいる。これには、海岸に偏在 した経済成長を国内に向けることで、乗り切れると自信を持ったからに他ならない。
農村への電化製品や車購入の補助や、農村戸籍制度の緩和や、道路などのインフラ整備にも手を行け始めた。内需拡大の規模が日本とケタ違いである。多分5億人ほどが対象になる。ざっと見ても日本人口の4倍もある。中央銀行が全て国営である。政治も反対者はいないか、いても抹殺するから結局は、共産党の思い通りになる。
中国はブラジルと共同でIMFに出資することを検討している。英米主導のIMFに、中国、ブラジルががこの時期出資することは、今後の世界情勢への大きな布石になると思われる。WTOでも、アメリカの保護主義を非難し始めている。日本やEUと異なり、しがらみがないばかりかアメリカの国債を最も所有する中国は、本気でアメリカを非難するようである。
後2年ほどで、日本の世界第2位の経済大国の位置は、中国に追い越されると予測される。中国が抱える問題、民主体制、少数民族問題、人権問題、領土問題、環境問題などは、一党独裁であるがゆえに、乗り切ることにはなるだろう。しかし、それは解決ではないのである。国家が現実を抑え込むだけのことなのである。
左のフォトアルバムに「春を待つ知床」をアップしました。