そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日本の不幸

2010-12-30 | テロ

ほどなく2010年が過ぎ去ろうとしている。来年は21世紀になって、10年目の911_7th002年になる。今世紀が始まって世界を変えたのは、何といっても9.11同時多発テ ロであることに間違いない。このテロで犠牲になった方には申し訳ないと思うが、アメリカのブッシュ大統領がこの対応に誤ったことが、今世紀初頭の最悪に事態を引き起こしたことだと思われる。あるいは結果的に、世界は暴力では解決できない時代になっていることを証明したといえる。

ブッシュはこのテロを単に暴力的に理解したに過ぎなかった。なぜこのテロが起きたのか分析することなく、犯人探しと報復に突っ走った。アメリカの世論も当初はこれを支持した。一月後に、犯人のビン・ラディンを匿っているとしてアフガニスタンに攻め入った。世界最強の兵力はいとも簡単に政権を倒して、勇躍とイラクにフセインの悪行と危険性を作り上げ乗り込んだ。

ブッシュの戦争は当初、アフガニスタンもイラク勝利したかに見えたが、今日に誰もが見ることが出来るように、明らかに大きな破綻をきたしている。イラクは未だに政情が定まらず、アフガニスタンは混迷の中にある。

膨大な戦費に耐えられなくなったブッシュを引き継いだオバマは、早々に撤退計画を模索する。都市部の駐留が終わったイラクは、選挙後半年でようやく組閣が出来るところまで持ってこれた。この間にもテロは際限なく発生している。アフガニスタンは、ビン・ラディンを追い詰めるべく画策していた地域は、実質タリバンの支配下にある。

この間に、ソビエト崩壊後唯一の超大国として世界に君臨し続けたアメリカは、台頭する新興国に存在感を失ってきた。社会主義体制崩壊後、体制を持ちなおしたロシアや中国は、局地でアメリカに従わない勢力を支援し始めた。イランもミャンマーも北朝鮮も補完材料として存在し、経済的にはインドやブラジルが大きく伸ばしてきたのである。

世界の多極化が一気に進行した。アメリカの相対的な力の低下は、冷戦時代のように敵国を非難することでは、国民は納得しなくなってきた。日本はそうした中でも、必死にアメリカに追従することで乗り切りを図ろうとしてきたのである。

こうした情勢の中、日本の政権交代は極めて意義深いものになるはずであった。鳩山の提唱した、東アジア構想も普天間の移転もそうした背景を考えると、脱アメリカの第一歩のように我々を錯誤させるに充分であった。結果は、評論に耐えない内容で今日至っている。自民党ですらなしえなかった、アメリカ依存の強化体質に変貌した。

今や世界は暴力行為では解決できない世紀に到っていることを、9.11は証明したのである。が、いまだに兵力を増強することで国家が安泰になるとか、国家の存在感を示せると信じる、国粋主義へと民主党は舵を切ったかに見える。

平和憲法を持つ日本は、今こそ暴力行為が世界を救えないことを証明できる、格好の位置いることを現政権は理解しない。疑似政権交代と言える、政権交代をし国民を裏切った政権を持つ我々はこの不孝を恥じ入らねばならない。

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身動きが取れないツルの鳥インフルエンザ対策

2010-12-27 | 政治と金

Photoナベヅルとマナヅルの越冬地として知られる、出水平野で鳥インフルエンザの発生が確認されている。ここには、ナベヅルが1万2000羽、マナヅルが1000場 冬を過ごす。元々は干拓地で、ツルたちに古の記憶があるのかもしれないが、今は簡単に言えば餌づけで集まっている。落ち穂だけではこれほどの鳥は維持できない。

観光的な意味合いもあるかもしれないが、いずれも絶滅危惧種いであり、餌づけは一概に非難はできない側面がある。

狭い地域に、絶滅危惧種がこれほど集まることの危険性は、以前から指摘されていた。とりわけナベヅルは世界の70%近くが、出水に集まっている。一旦伝染病も含め何かあると却って危険な状況になりかねないのである。

高病性のH5N1型が今日で4羽確認された。現地では、徹底した観察と給餌する場所を広げ、お互いの接触を少なくする方法がとられている。消極的な方法ではあるが、他にすることがない。野生の鳥であり、捕獲も殺処分もままならない。おまけに特別天然記念物であり、絶滅危惧種でもある。管轄は文科省であり、環境省である。

厄介なことは、出水の周辺30キロ以内に、120戸の養鶏場があり250万羽ものニワトリが飼育されていることである。一旦感染が確認させると、鶏舎全頭を殺処分することになる。消毒も徹底的にやらねばならない。移動も禁止される。これらの管轄は、農水省である。

鳥取での鳥インフルエンザの発生は終息が確認された。散発発生がある外的な状況を考えると、野生生物のこうした伝染病の扱いは厄介である。しかも、豚などを通じて人への感染可能な株へと、変異することが知られている。出水の鳥インフルエンザは問題は、ウイルス、ツル、保護と畜産と厄介な多元方程式のジレンマにある。

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官僚に依存する政治

2010-12-26 | 政治と金

民放でも地道なドキュメントを作り上げるものである。民放はゴールデンタイムには、ゲーノージンの馬鹿番組ばかりタレ流している。地道なドキュメント番組は、例外なく深夜に放送される。その典型が、読売系の日曜深夜(月曜になったばかりの午前1時前後)に放送される「ドキュメント10」である。来年は11になるだろうこの番組は、右寄りの読売でも差別を受けながらも消えることがなく、深夜に20年ほど続いている。

昨夜、フジテレビ系の深夜番組で放送された「激突政と官」もそうした番組である。政権交代で、官僚の中には大きな疑問を抱いた人たちもいた。彼らは懸命に、従来の官僚構造の変革を試みていた。政権交代で動いた。民主党の官僚上がりの若い議員が懸命に、ベテランの現役官僚にくらいついていた。こうした真摯に官僚機構に挑む、若い民主党議員の姿を番組は一年にわたって追い続けていた。

ところが、肝心の民主党そのものが党首の、不遜から瓦解していくのである。かつては官僚を「馬鹿」呼ばわりし政治主導を掲げたた、菅直人が党首になり現場で取り組む、若き民主党議員や元官僚たちがすげ替えるられてゆく。

官僚は特定の専門知識に長けたプロフェッショナルたちである。その集団は、さまざまな理由の元に、いくつもに複雑に分割されている。半年くらいで、ほとんど素人の政治家たちに、改革などできるわけない。内容すら理解できない。それでも、いくつかのことは途についたばかりなのであるが、それすらも党内のゴタゴタから解任されてしまう。

政治主導どころか、改革そのものもおぼつかない現状に陥っている。民主党党首は、沖縄県民の期待を裏切ったことに象徴的であるが、民主党内の若い改革の力すら削いでしまっているのである。期待を持たせたという意味で、より一層傷は深い。かといって、いまさらこのようなシステムを作り上げた自民党に戻るのもどうかと思われる。この国の不幸は、二大政党のどうしても抜け出せない官僚依存体質にあると言える。

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何を民主党はもたもたやってるのだ

2010-12-24 | 政治と金

民主党がもたもたやっている。小沢一郎の嫌だと拒否されて、国会招致は出来ない。カチンコチンの岡田幹事長に丸投げしたが、丸投げ返されて菅総理は動けないままである。ここで指導力を発揮したら、小沢派が自民党など野党と仙石、馬淵の首 を差し出すことを言いだしかねず、刺違えになってしまう。菅は動けない。

その一方で菅は、こともあろうに極右翼の集団の「たちがれ日本」と手を組むことを模索している。どうやら内閣改造をして連立を組むことでPhoto取り込もうと言うようである。民主党には節操がないのではないか。民主党が、先の衆議院選挙で国民に問うたもの何だったのだろう。

マニフェストが実行されないのは仕方ないこともある。しかしそれには、説明があってしかるべきである。何もかも実現できっると誰も思っていない。ところがそれがないまま、実質大幅な予算増になる防衛大綱を組み、企業を減税し一般庶民に埋め合わせを画策する税制改革をやる。民主党の持つリベラリズムは、何処にも垣間見ることが出来ない。

6月の党首選挙では、国会議員の投票数は菅と小沢は、ほとんど同数であった。世情を見て、菅に変わった勝ち馬主義の人物が少なからずいると思われ、実質的には小沢派の方が数が多いと見るべきである。小沢は自らを切ることが出来ない菅を平気で批判している。「菅になってから選挙は連戦連敗だ」「マニフェストは国民との約束だ」「統一地方選挙は勝てない」等などである。

92兆円の過去最大の予算案を決めたが、2年連続で歳入額を国債が上回る異常な事態になっている。埋蔵金は結局はほとんどなかったようである。埋蔵金は一度きりの金であるが、これにより多くの無駄が永続的になくなるのが本筋であったはずである。仕切られた事業のかなりの部分が復活している。あるいは、事業の本質を把握していない素人の判断が、玄人を超えることが出来なかったためである。

こんなことで民主党は良いのか?1年間は自民党の遺産のせいと言い訳も付いたが、今はそうもいかない。前にも書いたが、菅はあと半年も持たないのでないか。総理をこんなに変える国家であって良いのか?

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インドに食指を伸ばす各国

2010-12-23 | 教育勅語

今年になって、国連常任理事国が全てがインドを訪れた。5月にイギリスのキャ101216 メロンが新任早々訪問している。11月にはアメリカのオバマ大統領が、200人以上の企業家を連れて行き、100億ドルの商談を取り付けている。中間選挙の敗北直後で、セールスマンと揶揄されている。

1 2月にはフランスのサルコジ大統領が訪印し、原発建設を取り付けている。12月になると、16日に中国の温家宝首相21日にはロシアのメドベージェフが訪101221 れている。歴史的に犬猿の仲だった中国が「パートナー」と表現しているし、冷戦時代からの盟友でもあるロシアは戦闘機を売り込んでいる。

これで国連常任理事国全てが、イギリスを除くと極めて短期間のうちにインドを訪問したことになる。しかも商談を取り付けているのである。インドは日本と同様に、国連常任理事国を希望しているインドは、ブラジルとともに当面のライバルである。これから常任理事を巡って、最も近い位置を占めつつあるのではないか。

China_and_india_strive_jointly_for_中国に次ぐ経済成長を成し遂げているインドは、経済停滞の先進国にとって垂涎の的なのである。日本に遅れてほどなく長寿社会になる中国よりもさらに20歳も若い。インドと中国が世界を食べ始めたと言われている。後90年ほどでインドは中国に人口を超えるそうである。

21世紀は、中国とインドが巨大な人口を背景に世界を席巻するかもしれない。日本はインドとのつながりが弱い。アメリカのための防衛体躯が発表されたが、アメリカ一辺倒の依存体質は、日本の未来を保障することはない。

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次々明らかになる沖縄返還の悪行、密約

2010-12-22 | 政治と金

おきな和沖縄返還の4年前、1968年に実施された初の琉球政府主席公選で、日米両政府が自民党の親米保守系候補を当選させるため、沖縄県民が長年求めていた国政選挙への参加をこの候補の実績作りに利用する裏工作を展開していた実態が22日開示の外交文書で明らかになった。当時の沖縄自民党総裁の、西銘順治を当選させる画策を日米でやっていた。

日米合意に効果的なタイミングで、西銘氏に有利になるような、日本政府の支援を得られる形での発表を行った。西銘氏が国政に参加できるようにとする「西銘案」は、日米政府の作ったものであった。

なりふり構わない日米の裏工作にもかかわらず、公選では即時無条件返還を掲げる屋良朝苗氏が当選をした。沖縄県民の主張は、今日まで一貫している。

さらに、当時社会党が追及していた「金で買った沖縄」を証明する文書も見つかった。返還に係わる費用の表向きの日本の負担は3兆5千万ドルであった。これでも大きな負担と思われるのに、更に6500万ドルを日本は出していたのである。アメリカ側には明らかにしないことが前提になってた。明細も不明のままである。そんなものないと回答していた、国会答弁は嘘だったのである。

地位協定や核兵器に関する密約もあった。現在進行しつつある、というより止まったままであるが、普天間移転についても民主党は同じことをやるのであろうか。

金で買い叩かれて、おまけに基地だらけになった沖縄、琉球奥国は今でも太平洋戦争同様に、日本の捨て石になっているのである。

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論議のできない民主党

2010-12-21 | 政治と金

昨日、小沢一郎と菅直人が1時間半にもわたって話し合った。与党の党首と、実質的な権力者が話し合ったのである。国家のかじ取りや、大局的な展望の意見のすり合わせではない。情けないことに、何年も前の小沢の政治資金の記載漏れの、微罪の説明に国会に出るか出ないかの話し合いである。

もうこのことについて、何年ゴタゴタしているのだ。信じられない低レベルの内容についての押し問答である。この国の政治レベルもこの程度か。殆ど好き嫌いで派閥ごとにやり取りしていた、自民党の方がもっと内容があった。金が動いたり、どろどろしたものがあったが、見え見えでもやっていることが解った。過去の自民党を肯定するのではないが、居間の民主党は論議すらできない政党になってしまった。

普天間の県外移転にしても良く解らにまま、必要なことに気がついたと鳩山は唐突に発言した。菅はもっとひどい。消費税にしてもTPPにしても、全く党内論議どころか専門者会議も野党の意見もほとんど聞きことももなく、やりますと発言している。諫早湾干拓についても、開門するのは良いけれど、もう周辺の環境も変わっているのである。関係機関に多少は聞いたふりをしてみても良いと思われるが、農水大臣の頭越しに決めてしまった。

どうやら、周辺で「政治指導」云々と言われるようになってから、菅の独断が目立つようになったように思える。政治指導とは、まず論議されてからその内容の決定につて主導することを指すのである。

前原の「領土問題は存在しない」もそうである。民主党内では、どうやらこの言葉がお気に入りのようである。誰もが多用する。中国が主張する限り、領土問題はないことはないのである。その後についての論議あるいは意見調整がないために、中国と何の交渉もできないではないか。

鳩山は前言を撤回して、やっぱり権力者として民主党をしっかり政権政党へと引っ張って行くと言いだした。平気で嘘を言う、鳩山などいない方が民主党が健全になる。鳩山は自らの首相としての才覚が極めて乏しかったことを、隠遁生活をして自覚するべきなのである。

外交については民主党の経験者が少ないために、このようなことが起きる危惧はあった。しかし、現実に起きている民主党の体たらくは、あらゆる場面でろくに論議もないまま、あちこちに向けて走り回っているにである。野党時代はこんなことはなかったはずである。

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北朝鮮を挑発する米韓の損得勘定

2010-12-20 | 朝鮮半島

韓国軍は20日、北朝鮮の砲撃に伴い中断されていた延坪島海上射撃訓練を実施した。合同101220参謀本部が明らかにしたところによれば、訓練は同日午後2時30分ごろに始まり、午後4時4分ごろに完全に終了した。韓国軍は万一の事態に備え警戒態勢を維持し、北朝鮮の軍事動向 を注視しているが、いちいち反応してやるかとだんまりを決め込んでいるようだ。

これに先立ち、日米、日韓と合同くんれをやっているし、日韓はそれぞれにオブザーバーを出している。以前なら大騒ぎになるところである。自衛隊をすっかり通常の軍隊にしてしまい、北朝鮮の挑発行為がこれらを黙らせたことになる。北朝鮮の挑発行為は些かの理由を認めたいと思っている、好意的な人たちをも遠ざける行為でもある。彼らにはそうした分析能力がない。

北朝鮮の延坪島攻撃が以外と精度が高かったことも解ってきた。民間人が亡くなったのは、旧軍事施設のあったところだったそうである。島の裏側を攻撃するのも大したものだと思っていたが、制度は高かったようである。問題は情報が古かったことである。

仮に韓国が北朝鮮と構成すると、韓国側の圧倒的な平気でせん滅できるかと思ったら、意外とそんなことにならないようである。戦争になっても、経済的なダメージが殆ど起きない北朝鮮に比べて、韓国は大変である。ウォンが急落するだろうし、交易がGDPの60%を占める国である。政情不安が一気に経済を冷え込ませることになる。

つまり、小さな交戦でも起きたら損害が大きいのは韓国なのである。妙な言い回しになるが、北朝鮮は経済的にもこれ以上落ちることはない。却って国民は団結することになる可能性が大きい。国連の制裁決議も名指しできないいい加減なものになって、北朝鮮の国連大使は大いに満足する結果となったと喜んでいる。

北朝鮮の瀬戸際外交はこうしたことを背景に行われているのである。中国とロシアが抑制的に動いている間は、北朝鮮は同じことを繰り返すであろう。日本は、6者協議を受け入れるように各国に申し込むべきである。米韓と一体になってなどと言っている間は、局面の打開はないだろう。日本だけがこうしたことが出来る立場にあると言える。アメリカ依存をより大きくと言った、菅政権では無理であろうが。

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菅首相は沖縄に何しに行ったのか

2010-12-19 | 政治と金

菅首相が沖縄に行った。普天間の県外移転を掲げて勝ったばかりの仲井真知事に、日米合意の実行を喋っている。答えは解っているはずである。これが「ベター」と言葉に表しては見たものの、全く中身のない言葉である。

自民党が根回しして作り上げた辺野古移転を、元々基地を喜んでいる県民などいるはずがなく鳩山の「県外移転」に、すっかりその気になってしまった。容認派も沖縄の地域振興を頭に置いてのことである。米軍施設の肩代わりとしての予算は4000億ほどあるが、その7割は基地で働く人たちの人件費である。沖縄の基地で働く人たちの給与は、一般県民より3割も高いと言われている。

つまり基地はお金をばら撒くことで、その地域に受け入れられているのである。あれほど諫早干拓に反対した人物である。公共事業が地域の在り方など考えないで存在することが解っていると思っていたが、かいかぶりであった。

同時に発表された防衛大綱も、自民党以上に憲法の在り方を無視するものである。冷戦時代の仮想敵国ソビエトを、南西方面つまり中国へと向けたのである。憲法の前文には「・・・いずれの国家も、自国のことのみに専念し他国を無視してはならないのであって・・・」とある。また9条では「・・・武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、これを永久に放棄する。」とある。

新防衛大綱は、動的防衛力を訴えて、戦力を大きく強化している。国家財政が破たん寸前にある。自衛隊を縮小するのが最も手っ取り早い方法である。この国は、民主党になってから国家間の話し合いを等閑にしてきた。今回の、北朝鮮の無謀な動きについても、当事者の米韓と一緒になるのではなく、少し距離の置いて話し合いの場所に北朝鮮を引き出すべく、交渉をするなどすれば緊張緩和にもなったはずである。

米韓日と合同訓練をする中で、北に対峙し中国を敵視し軍事力を強化する、いつから民主党はそんな政党になったのであろうか。マニフェストにはなかったが、防衛庁を省に格上げする時に賛成した頃から、その兆しはあったかもしれない。

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アフガニスタン撤退を発表するオバマ

2010-12-17 | イスラエル

9.11の当時多発テロのアタックを受けて、ブッシュがアフガニスタンに侵攻したのは一月後101216_2の、10月17日である。もうアメリカはアフガニスタンで、10年以上戦争をやっているのである。世界最強の軍隊が、こんな国土の狭いところで10年も最新兵器を振り回している異常なことである。

ブッシュを引き継いだオバマではあるが、いきな り3万人もの増派をした。撤退のための増派と、ノーベル平和賞を受賞した大統領は弁明していた。戦争好きのブッシュの尻拭いの感はなくもないが、増派には同情などできるわけもない。今日16日にブッシュは、来年7月から撤退を始めると発表した。2014年末には全て、アフガニスタン軍が治安に当たるとい うことである。

オバマは、「アフガニスタンのあらゆる地域で『タリバン』の弱体化に成功した」と、現実離れた内容を発表した。世論調査では、アメリカ国民の70%以上がアフガニスタンでの戦闘行為は、無意味であると思っている。こうしたことから、若いオバマは再選されることを前提にすると、撤退は実行されることになると思われる。が、引くPhoto_2も残るも大きな論議になることは間違いない。

オバマが弱体化したとするタリバンであるが、敵が撤退の期日を決めるのであれば、あえて戦いをすることはない。待てばいいのである。アフガニスタンでのアメリカは、一部の支持があったイラクとは明らかに異なる。無人偵察戦闘機に対する感情のように、決して受け入れられているわけではない。

アフガニスタンのベトナム化とは、こうしたところからも言われるのである。今では、オサマ・ビ22_op_afghan_grave_4_2ンラディンの話など全くされなくなった。アメリカにとってこの戦争は、9.11の報復であったはずである。アフガニスタンで、アメリカやEUの軍隊に殺された人たちは、意味が未だに成り立つのか?あるいは、アフガンで死亡した戦士たちは、国家の安全のために死んで行ったと、今でも言えるのだろうか。ベトナム戦争は、いくばくかの言い分がアメリカにもなくはなかった。しかし、この戦争は全く愚かな戦争であったといえる。亡くなられた双方の人たちには言葉もない。

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チリ落盤事故の陰に沈んだ人たち

2010-12-16 | 政治と金

チリのサンホセ郊外のコピア鉱山で落盤事故が起きたのは、8月5日にことである。この報道は大きくはなかったが、その後33名が避難所で生存していることが解って以来、鉱夫たちの救出までは世界の目を引き付けるにの十分な事件になった。33名の救出は奇跡的であり、美談として後世に語られることに異存はPhoto ない。

彼ら33名全員の救出を巡っては、ピニェラ大統領が前面に出てきた。彼はこの救出劇を存分に演出し、政治的に大いに利用した。支持率はここの間30%以上も上がり、建設大臣にいたっては80%にも跳ね上がっていた。大統領にとっては、めぐみの落盤事故である。

鉱山の安全性や責任問題などは全く問題になることなどなかった。鉱夫たちのこれまで置かれていた労働条件も同じである。救出現場やサンホセなどでは、チリの国旗を翻らせてナショナリズムをかきたたせていた。

坑道を塞がれた零細なコピアポ鉱山は、この事故によって閉山することになった。救出劇の主役の33名には、世界のマスコミが動いている。早速出版の話はあったが、どうやら映画にもなるようでである。生活の一変した33名ではあるが、大忙しである。

この鉱山の残りの300名の従業員は、閉山で行くあてもなくなった。救出作業に当たっては大統領ではなく、実質的に主役を演じた人たちである。失業して露頭に迷っている。生死を彷徨った人たちとの落差は悲惨である。彼らこそこれから救済されるべきではないか。

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繰り返される同類報道

2010-12-13 | 政治と金

食傷気味のマスコミ報道である。どれが新しい報道か分からない。同じことを際限なく繰り返しているように見える。とりわけ、海老蔵なる人物の喧嘩報道には呆れかえる。何時見ても(見る気はないが見てしまう)同じことしかやっていないような気がすr。酔っ払いの喧嘩は両成敗である。腕力の弱い方がより大きな被害を受けるのは当然のことである。いい加減にしてもらいたい。

小沢一郎の国会招致か喚問かも際限なく同じことの繰り返しである。もうかれこれ一年を超えるような気がする。これについては何度もこのブログで書いてはいるが、どう考えても微罪である記載漏れを、数十年司法の場にいる専門家を、平均年齢30そこそこの集団が再審を決定をしたのである。自民党等野党にしてみれば、格好の民主党攻撃材料である。思惑通りに民主党は分裂寸前の大騒ぎである。何時まで小沢一郎をやっているのだ。国会も議員も、もっとやるべきことがるはずである。

ナベツネの登場で、俄かに大連立が取りざたされている。谷垣総裁は否定しているが、こうした場合は小さな政党が多きな政党に担がれることが多く、担がれると谷垣も趣旨を変えるのは、はっきりしている。この構図も何処かで見たことがある。村山内閣がそうだったように、数合わせのいい加減なゲームである。民主党が、小沢の国会承知を軸に割れる寸前のようであるが、元共産党の右翼ナベツネの思うつぼである。

日本人のノーベル賞好きは異常ではないか。高齢の受賞者を、ことあるごとにインタビューをしている。飛行機に乗りました、空港に着きました、ホテルに着きました、食事をしましたその都度インタビューを繰り返す。同じことを際限なく繰り返し報道する。

内閣支持率が下がってきたが、いつものパターンである。信頼する政党がないが、新任当時は期待も込めて、お祝儀相場と言われるように高い支持率も、何かを野党に見つけられつつかれて、おたおたして支持率を下げる。全く同じパターンが繰り返される。内閣支持率に内閣が動かされる。まるで尻尾が犬を振っているように見える。毎度同じ光景である。

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政権交代は起きていないのだ

2010-12-10 | 政治と金

Photoすっかり 毒気をなくした菅首相が、今年を一字で表すと「行」と書いて見せている。目に輝きがないのは、余程首相の座がおいしいのであろう。やさしい顔になった、菅直人の周辺で国会終了とともにいろんな動きが見られる。

先ず小沢一郎の証人喚問、あるいは政治倫理審査に招致であるが、党内の小沢派を抑え込みたい現政権の主流は、小沢派を好きなようにいびっている。自民党は民主党を揺さぶる格好の材料である。殆ど内容的に意味があると思えない、小沢招致である。いい加減な決着になるに決まっている。政局材料でしかない。

その一方では、菅直人が野党の前総裁である麻生太郎を、ブラジルへの政府特使に指名した。余程おかしな動きである。これに先立ち、菅直人は立ちあがらない政党の与謝野馨、そして森元首相と会談している。

その一方で谷垣自民党総裁は、読売のナベツネ(渡邊恒雄)に呼ばれ、大連合の時期と持ちかけている。先日、BSで石原慎太郎が大連合以外ないと、ぶち上げていた。また、小沢一郎と鳩山×2と桝添要一と会談している。反菅であることは間違いないが、中身と動きが確認できない。小沢と与謝野は囲碁の約束をしている。

これらの一連の動きは、国民を外野席に置いた数字合わせのゲーム、政界再編のにおいがする。単に何処とくっつけば有利になるかの模索である。政治理念を突き合わせているのではない。こうして考えると今の政局の本質が見えてくる。

実は政権交代など起きてはいないのである。自民党内の権力抗争の方がよっぽどはっきりしていて、国民にも見えたのである。派閥抗争が激しくなり首相が変わると、なんだか政権が変わった錯覚が、国民の中に起きたのである。典型的なのが、田中角栄が辞任した後、極小派閥から三木武夫を担ぎ出した時である。国民の多くは政府は大きく変わり、きれいになったと錯誤した。

少なくとも今の、自民党から民主党への政権交代はかつての、自民党内の疑似政権交代に比べるもなく大きな転換になると思っていた。鳩山ボッチャマは「平成維新」とも言った。しかし、多くの国民が民主党に失望しているのは、かつての自民党内の総裁交代劇と何ら変わらないからである。

政権奪取後の民主党を見る限り、政権交代と思えたのは幻だったことが解る。元々、鳩山も小沢も岡田も自民党出身者である。体質に変化があるわけではない。政権交代など起きてはいないのである。そう考えると解り易い。

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ジョン・レノンのイマジンを読む

2010-12-09 | 政治と金

昨日はジョン・レノンの命日である。もう30年も経った。彼の”イマジン”の対訳を載せて彼の平和を望む、夢想を思い起こしていただきたい。

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって...

想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界は1つになるんだ

想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲張ったり飢えることも無い
人はみんな兄弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
そして世界はきっと1つになるんだ

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無駄な公共事業の典型、諫早湾干拓

2010-12-08 | 政治と金

101206 「典型的な無駄な公共事業である」と、諫早湾干拓事業を批判したのは、野党時代の菅直人である。ギロチンで区切られてから13年余り経った。漁業被害を現実に起きている。貝類の収穫は半減以下になり、養殖ノリも同様である。赤潮の発生も国の予測を大きく上回っている。海水の酸素濃度が極端に少ないと言われている。

福岡高裁は一審の長崎地裁の判決を支持して、5年間は常時開門をやって調査するよう命令を出した。当然のことである。しかしながら、これほどまでに干潟をなくしたりして環境を壊した現実がある。元のは戻るはずはない。農家が塩害を案じるのも当然である。水を浄化し鳥など大量の生物を抱える干潟を、不要で何の作用もないとする発想による、事業そのものが間違いなのである。

こうした事業を数限りなく見てきたが、土木振興のための数字合わせを官庁がやり、それに現実の事業量をあてはめる作業が行われている。結果が伴わないのは当然である。この事業は防災と農地の確保が目的とされる。農家は現在20戸である。事業料2533億円で除すると、一戸当たり130億円にもなる。驚異の農地獲得の補助事業である101206_2。費用対効果という言葉は好きではないが、年収が1億円であっても130年もかかってペイすることになる。

国は農業者を次々と都会に送りこんできた。減反によって、コメの作付を減らしてきた。そうして現実があるにも拘らず、農地を確保するという発想が間違っている。現状の農家を保護するべきであったのであるが、新しい農地を何のために作るのか全く分からなかった。防災という側面も、干潟を保護することの方がよっぽど現実的であったのである。

日本の公共事業は、メリットばかりを強調する。事業を行う理由を作文でも良いから作るのである。その一方で、デメリットについてはほとんど検討されることがない。土木業者が政治的に動いて、ありもしない事業計画を作成するのである。根室管内の標津川の、河川改修も昭和28年ごろの木造の橋が流される写真を何度も使用する。国民をバカにしているとしか思えない。

開門しても赤潮はなくならないかも知れないし、干潟を埋めてしまったので水質の回復も期待できるとは思えない。この異様な構造物を、人間の愚かな所業の結果と永劫にわたって残せばいい。今この構造物の意味はそうしたことでしか存在しない。

民主党政権は、もぞもぞ発言するのではなく、控訴などやめて首相が野党時代に言ったことを、今度は実行することを望むものである。

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