そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

まるでヘイトスピーチのような言い分

2016-07-31 | 格差社会
45人もの殺傷事件(うち19人死亡)が神奈川県の障がい者施設で起きた。戦後最も多い凄惨な殺害事件と言える。大麻をやっていたとかいろいろ報道はあるが、大森衆議院議長に殺害予告を送りつけている。障がい者は社会悪で家族への負担が大きく抹殺すべきというのである。人々の感情のわずかなスキに、大きなくさびを入れて広げるのである。
自己主張に陶酔し他者を全否定する。在特会が街頭などで行うヘイトスピーチも同類のものである。韓国や中国を悪の根源とするような単色の思想は、イランとイラクそれに北朝鮮が悪の枢軸と決めつけイランに攻め入り、世界をテロが常態にしたブッシュも同じである。単純である分解り易い。カルト集団も同様の手口で人を集める。
今回の犯人の26歳の男も、障がい者は人ではない。社会から抹殺することで、国の負担を軽くする。260人殺害すると述べている。国は私を拘束しても二年ほどで社会に戻し、新たな住所と氏名も用意するようにと、まるで国が英雄として扱うようにと促している。ケント・ギルバートやつるの剛士や百田尚樹や中山成彬などの、日本会議のメンバーなどの極右翼に傾注している。彼らは排他性という思想が痛快なのであろう。
かつて障がい者施設お訪れた石原慎太郎東京都知事が、「この人たちにも人権があるのだろうか?」と発言している。ヒトラーがユダ人の虐殺の前に、障がい者を大量に殺している。今回の犯人の男も、ヒトラーが下りてきたと述べている。
今回の犯人の男は周到な準備と期間を設けたことや、職員を縛り付け危害を加えなかったことから判るように、障がい者は社会悪という確信犯である。この犯人の主張とは別に、この手の凶行は世界各地で行われている。特に日本の場合は例外なく独身男性で、ほとんどが無職かせいぜい派遣社員などの臨時雇用者である。社会に不満を抱き、怒りや鬱積した感情の持って行き場のない結果の行動と言える。そして、凶行の相手は女性か子供などの弱者である。今回は障がい者である。
今回の犯人は、差別的思想が背景にあり、襲った施設の元職員であることを思えば、障がい者の扱いに不満を感じたり職員としての待遇への不満が背景にあるのではないかと思われる。大学で元々福祉を学んでいたのである。
弱者を襲うこれらの無職の独身男性は、自身が社会的弱者なのである。新自由主義が産み落とした社会的弱者である。彼らはより弱者を見下すことで存在意義を見つけようとするのであろう。
社会的機能優先社会が生み出した、この犯人のような弱者はヘイトスピーチを言い続ける集団と同じである。人を効率で評価する政治的背景社会的基準が生み出した事件と言える。
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経済成長神話こそがこの国をあらぬ方角へと追いやる

2016-07-30 | 安倍晋三
経済学が嫌いである。結果を評価するだけので気象予報士とあまり変わらない。多くの経済学者は現象を説明するに過ぎないからである。
資本主義国家の経済対策は、企業実績を上げさせるだけの対策しかない。政治はそのお零れを税収などで取り上げて、社会インフラの整備をし増えた税収で、富の分配をやることになる。ハズである。これを経済に対する財政の仕事であると、経済学者井手英策氏は解説する。
経済活動は交換をすることといえる。規制緩和や制度や法整備などで政治は支援すればいい。財政は。富の再配分と相互扶助を行うことである。社会が都会化することで、田舎が本来機能していたこれらのことをやらねばならないというのである。
先日BSの民放放送のプライムニュースの、以前本ブログでも紹介した水野和夫氏と井手英策氏のほぼ1時間半の番組を聞き入った。アベノミクスをさらにふかすということであるが、特に600兆円のGDPや一億総活躍などとは、全く無縁の経済の本質を聞かせてもらった。
成長戦略を経済対策に特定してるのは日本くらいであるというのである。しかも、少子化や高齢化の厳然たる事実を前にして、生長など(経済の)ありうるのだろうか。成長戦略は財政負担を増すだけである。上の表は世帯員が2名以上の世帯の試算の保有がゼロの世帯の比率である。すでに30%を超えている。格差社会は富の偏在を見なければ、経済成長では見えてこない。特にアベノミクスの効果とされる株価の動向は、大多数の国民とは無縁のものである。
成長は手段の一つである。成長に依存する社会は。これに「背いた貯蓄」を誘導する。この個人の貯蓄を促すのは、将来に対する不安である。自らの将来のための貯蓄は必ず無駄が生じる。いつ死ぬかわからないからである。過剰な貯蓄となるというのである。しかも、それすらできない階層が増えているのである。
そのためには、生長に代わる安心こそ国民に政治は与えなければならない。介護や社会福祉の制度の充実である。財政はそのために機能するべきであると、井手氏は強調する。
1995年に財政危機を宣言している。すでにその倍の負債を抱えているが、さらなる成長へと公共事業や財政投融資を繰り返しこの国の財政を悪化させているのである。つまりこれだけ投資を繰り返しても一向に経済成長は、目標を超えたことすらないのである。
社会全体で貯蓄するという考え方をしなければならない。税の負担のベストミックスに取り組まなければならない、脱成長を両氏は強調していた。またお二人が、オリンピック直後の社会に強い危機感を抱いていたことも共通している。

格差社会を放任し容認する経済成長に、疑問を抱く人は多いと思われる。しかし、多くの経済学者も政治家も誰一人といて、成長しなければならない社会がおかしいとは言わない。成長していれば、現在の中国のように国民の不満を抑えることができるからである。
資源が無限にあるわけではない、世界がアメリカと同等になれば地球は8個要るともいわれている。経済成長の信仰はこの国の形を危うくする。水野氏も井手氏も言われるように、生長から協力へとシフトしなければならない。
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28兆円もの経済対策の正体は、支援への謝礼である

2016-07-29 | アベノミクス
安倍晋三は、新たに策定する経済対策の事業規模を28兆円超とする方針を表明した。「財政措置の規模で13兆円、事業規模で28兆円を上回る総合的かつ大胆な経済対策を来週、取りまとめたい」と述べた。せいぜい10兆円規模との見方があったが、財源の明示などなく倍以上の規模にしたのは、明らかな参議院選挙支持者への謝礼である。
「アベノミクスをさらに推し進める、最大限ふかす」と、選挙期間中は述べていた。その答えが28兆円の経済対策である。安倍晋三が時折口にする”政治技術”という言葉がある。今回の経済対策はまさしくそのものである。今後安倍晋三が参議院選挙で封印していた、憲法改定への口封じ金である。それと同時に、参議院選挙で支援をいただいた方たちへの、謝礼である。
この国が未来へ残さなければならないものが数多くあるが、健全な財政規律もその一つである。現在の1044兆円の負債額を財政状況を固定的にとらえるなら、国民資産が負債を上回るとか、国民の保有や日本銀行や国内投資家が保有するとかいう主張がある。たしかに、そうした背景があり暴動は起きるような現状にない。しかしながら、それは財政規律を最低限でも健全化への努力や政治的配慮や意思があってこそである。
今回の安倍晋三のバラマキばかりをやっていれば、周辺に支持者集まり政治的安定があるかもしれないが、国家としての挟持を捨てることを意味する。ましてやそれが選挙への見返りなら、見方を変えれば国家財政の私物化に他ならない。
現職の担当大臣を圧倒的な票で落選させた、沖縄への見せつけがその逆の安倍がとった態度である。高江への工事再開は選挙翌日で、日本各地から呼び寄せた機動隊に守られた建設の強硬姿勢は、参議院選挙へ回答である。
新たな国債の発行しか財源があるわけない。これは原発再稼働と全く同じ論理である。放射性廃棄物は保管しているだけで、問題の解決など全く無縁のものである。財政規律の健全化も同様である。それは票にならないから問題を先送りするしかないのである。

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還暦を過ぎた森永ヒ素ミルク患者たち

2016-07-25 | 公害
すでに多くの国民が、森永ヒ素ミルク中毒事件をお忘れであろう。1955年前後(昭和30年ころ)に起きた乳児用粉ミルクに猛毒のヒ素が混入していた事件である。牛乳を粉末にする過程で、安定剤として使用され薬品にヒ素が入っていたというのである。酪農の現場では、農家がアルコール不安定乳の予防に薬物を添加した疑いも消えていない。現在よりもかなり杜撰な医薬品管理の時代の出来事である。
他のあらゆる同類の事件と同様に、加害者の企業と許認可権を持つ国は、加害者でない理由を探すところから始まる。その最も悲惨な例が、森永ヒ素ミルク事件である。
西日本を中心に、1万3千人が被害になり130人もの死者を出した。企業と国は因果関係を盾に賠償を拒み続けたが、それでも一時保証はされた。ヒ素の急性中毒の臨床例はあるが、乳幼児の発育に及ぼす病例はなかったのである。14年後に知的障害や運動機能障害があると生存者の訴えも、ヒ素にはそのような作用はないと、医学者を取り込んで森永と国は賠償を拒み続けた。知的障害や運動機能障害はは先天的なものとして退けられた。
これを認めさせたのは幼児の発育に及ぼす実例を持たない医学ではなく、地道な調査が証明した統計学であった。ついに森永も国も認めざるを得なかった。
発育期の子供にとって、ヒ素という猛毒の被害は死亡者だけではなかった。母乳より優れていると、わざわざ粉乳を与えた母親たちであった。悔悟の気持ちは消えることなく、幼児期の健康だった子供の写真を破いたり、実家に子供ともども返されたりと、母たちの苦悩は推測を超えるものがある。その母親たちの多くはすでにこの世になく、生存する被害者の子供たちもすでに60歳を超えている。90に近い母親たちは、障害を抱えた子供を残して死ねないと嘆く。
その後、水俣水銀中毒、カネミ油症、サリドマイド禍、そして忘れてはならないハンセン病(ライ病)、最近では子宮頸がんワクチンと絶え間ない薬害禍が繰り返される。薬害は変わっていても、構造は全く同じである。商品を売り込みたい企業とそれに認可を与えた国は、被害の認定を回避する余地から検討する。その間数年から数十年経過して、被害者の実態のことは二の次なのである。企業は利潤の放出と営業成績を最優先し、国(官僚)は責任回避が何よりも優先するのである。
本ブログで繰り返しアクセスが多いのは、サリドマイドである。国民の多くは企業の管理営業体質を信用していない。安倍晋三の経済対策以降、企業な360兆円貯めこんでいると思われる。薬害は企業体質の片りんに過ぎない。
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高江のヘリパッドは遺棄される沖縄の象徴である

2016-07-23 | 沖縄問題
参議院選挙が終わった翌日に安倍政権は、高江ヘリパッド建設の強行に出た。報道が抑えられるとの判断であろう。これにNHKはしっかり呼応した。それまでもほとんど報道はなかった。一昨日の実力行使が始まった日には、トップにポケモンゴーとかいう田舎では全く使うことのできない、僻地を馬鹿にしたゲームが日本でも販売されたことを、延々とやっていた。公共報道の機関として、NHKは徐々にではあるが、会長の意向通りに政府の下請け機関化しているように思えてならない。
菅官房長官は、協議と建設は並行してやっていくと述べた。つまり沖縄で示された、何度も何度も繰り返し示された民意は聞きませんと言っているのである。同時に、辺野古新基地建設の行政差し止めした沖縄県を訴えたのである。
これに対して、翁長雄志知事は22日高江ヘリパッド建設工事を再開したことについて、「県民に大きな衝撃と不安を与えるものであり、誠に残念だ」と述べた。その上で「県民は長年にわたり過重な基地負担に耐えながら日米安保体制に尽くしてきているにもかかわらず、強行に工事に着手する政府の姿勢は到底容認できるものではない」と強く批判した。

私たちは、ドキュメント映画「標的の村」を当地で上演した。僻地での上演は厳しいものがあるが、支援の意味もあった。北部米軍訓練場の多くが返還されることになった、そのことを評価せよというのである。この訓練場は整備されたものではなく、やんばる森そのものでありジャングル行進の訓練に使われていたものである。ベトナム戦争の時には、高江の人たちはベトコンに扮してゲリラの標的に駆り出されていた。
そして返還する代わりに、今度は整備された巨大なオスプレイの基地を建築するというのである。これは沖縄に日本中の基地を集約した構図と同じである。
しかし、欠陥輸送機のオスプレイは巨大で高江の住民は、信じられない大きな騒音と風圧に悩まされることになる。そもそもやんばるの森を切り崩すことの環境調査をやったかどうかも聞いたことがない。少人数の地域が標的にされるのである。
政府は全国から呼びつけた大量の機動隊員を投入して、県道を塞ぐ高江の人たちを排除にかかった。この光景は、日本が沖縄を遺棄する象徴的な出来事に見えてならない。
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アメリカの家畜はこれから先もずっとドーピング

2016-07-22 | アニマルウエルフェアー
ロシアのアスリートたちのドーピングが騒がれている。どうやらプーチンが、オリンピックでのメダル獲得数が減ってきたので、国威発揚に関係者のしりを叩いたためのようである。選手は知っていたのもあれば、全く無関心で知らなかったのもいるようである。
国家が係わっているから、証拠などすでにないことの方が多いだろう。取り締るものがやっているのだから、実体など判るものではない。実態は今後も解明されることなどないだろう。
ドーピングは古くて単純なのは、男性ホルモンのテストステロンがある。筋肉増強剤ともいわれるように、横紋筋を太くする。女性ならばひげが生えたり声が低くなったりする。現代のドーピングはそんな単純なものではないらしい。しかしながら、目的はあまり変わることなく、作用も似たものである。検査や測定方法がより一層困難になっているようである。
ドーピングをした選手たちは一応になにがしかの病気を患い、早死にしている。本来自らの肉体が生産する、内分泌と言われるホルモンを外から与え強制投与するのであるから当然の結果と言える。

私たちがこれを見て思うのは、アメリカの畜産である。アメリカの肉牛はほぼ全頭ホルモン処置されている。黄体ホルモンと発情ホルモンを一定の割合にし配合して、錠剤にして皮下に入れるのが多い。徐々に長く効果があるようにするためである。生長が早くなり肉質が柔らかくなるのである。
乳牛では、最近減ったようであるが、多分アメリカ牛乳の60%程度がホルモン処置されている。20年ほど前にはほぼ全頭が処置されていた。成長ホルモンであるが、10日に一度注射(きわめて不衛生に)するのである。ポジラックと呼ばれるこの製品は、モンサントが製造している。使用量が少し減った現在は、遺伝組み換え作物にシフトを映したモンサントは手放して、下請けに回されている。
ホルモン処置されると、牛乳の生産が17%ほど増えるのである。農家はお喜びのようであるが、乳牛の寿命も短くなる。何よりも発がん物質(IGF-1(インシュリン成長因子))がホルモンによっで増産されることも解っている。でもアメリカは止めない。儲かるからである。
こうした家畜へのホルモン処置は、一時的に様々な機能を増進させてくれる。家畜は生産性が落ちる前に、つまり若いうちに農場を離れるために、ホルモン処置による障害はあまり起きない。こうした家畜へのホルモン処置は、ドーピングと言われる行為と同じである。アメリカの家畜はドーピングによって強制生産させられているのである。
TPPに参入すれば、こうした家畜へのホルモン処置を禁止している日本は、規制を緩和などしてアメリカの企業の経済活動を妨げてはならないということになるのである。
TPPに参入してドーピング家畜の、肉や卵や乳製品をどんどん輸入することを消費者は希望はしなくても、知ることなく食べさせられることになるのである。

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呼びたくはないが、北海道牛乳は偽装表示がいっぱい

2016-07-21 | 安倍晋三
左の図は、私が講演のためにネットから拾って作った、北海道牛乳を表現しようとしているものを無作為に集めてみたものである。北海道牛乳とうたっているものは、ほとんど例外なく放牧風景をパックに描いている。
府県の方々は北海道の乳牛はすべてが、広い放牧地で大空の下でのんびりと草を食べていると思われている。大きな間違いである。確かに北海道の酪農地帯では、広い面積で牧草を栽培しているしそれを大量に収穫してはいる。それは古くは冬のための貯蔵飼料であったが、現在はほとんどが夏のこの時期でも、外に出して草を食べさすことはほとんどなく、固いコンクリートの床にいて、収穫した草(サイレージ)と主にアメリカから輸入した穀物を給与している。こうした環境で搾乳された牛乳が殆どである。乳牛の飼料と飼養形態は府県とほとんど変わるものではない。多少は草(粗飼料)が自給されているので、府県に比べて食べている量が多いと思われる程度でしかない。
上図のようにそれぞれが「北海道牛乳」と名付けて、パックにあたかも放牧された乳牛から搾ったものと表示するのは、偽装の手口と言って構わない。推定であるが、純酪農地帯の根室地方でさえ放牧された牛から搾られて牛乳は5%を切るのではないかと思っている。
牛に決して良いとは思われない集約型酪農より、牛の健康に配慮した放牧などを評価しようと家畜福祉を重視するに飼養形態が広がるように活動している。家畜福祉の認定基準を策定する過程で、最ももめたのが放牧の評価であった。多くの委員が必須条件としたかったのであるが、環境的に放牧できない地域や環境を考慮することにせざるを得なかった。規模拡大を行政も周辺産業もけし立てる様に、資金や制度や技術などを次々と紹介するのである。
放牧を主体にすれば乳牛は健康で長生きするが、穀物集約的な酪農のように牛乳の量は出ない。放牧を主体にした酪農では、土地の制限がり多頭数を飼うことができない。そうした理由などで、放牧酪農は圧倒的に少なくなってしまった。
結局大量の穀物に依存した畜産の形態は、家畜の食糧自給率を下げてしまうのである。下の図を参照してもらえると良いが、日本の牛乳のほとんどのカロリーは海外に依存しているのである。畜産の中で乳牛はまだましな方である。
多くの飼料を海外に依存する形態でありながら、北海道牛乳と呼ぶのはほとんど偽装行為である。しかしながら、オーストラリア産の小麦で作られた、讃岐地方のうどんを「讃岐うどん」と呼んでも咎めるものがいないように、多くの日本の生産地表示の食べ物は偽装だらけなのである。
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大橋巨泉がこの10年間訴えていた戦争への道

2016-07-20 | 平和
大橋巨泉氏が亡くなった。メディアに登場したころは、読売テレビ系の11PM(イレブンピーエム)という、深夜番組の司会としてだった。女性の裸を登場させる、東京と大阪で交互に放送する、子供だった私たちにとって、大人のエロ番組として不謹慎な男と思っていた。巨泉は競馬や麻雀やゴルフなども提供する遊び人の男と思っていた。
話には筋が通っていて、クイズダービーや世界まるごとHOWマッチは、考えられた知的な番組と言えるし、視聴率も30%前後と高いものであった。本人はジャズ評論家とか競馬評論家を気取っていたが、基本的には人生を楽しむ男と言える。身勝手ともいえる男であった。
国会議員を少しやったころから、政治的な発言を聞くようになった。そしてこの小泉政権以降の10年は、戦前に酷似していると戦争を僅かに体験する世代として警告し続けてていた。これは永六輔や愛川欣也や菅原文太や野坂昭如や小沢一郎などに同じことが言える。様々な形で、戦争へ歩む姿に警告を発していた。特に安倍晋三という、稀代の右翼思想の持ち主が首相に就いてから強く危機を訴え続けた。週刊誌に書き綴る文章は危機感を強く訴え、安保法案が通った後は死んでも死にきれないと言っていた。
昭和一ケタ世代が危機を感じているのは、国民が知らず知らずに戦争に加担していった過程を見ているからである。この過程が現在の安倍晋三の手法そっくりなのである。安倍晋三は祖父の、開戦時の閣僚でA級戦犯の岸信介の思いをすっかり受け継いでいる。あの戦争は下手な対応をやったから、”負けた”のであると信じている。戦争が悪かったのではなく、敗戦国になったから、日本はアメリカから憲法を押し付けられたと信じている。素人が10日で作った恥ずかしい憲法とも言い放っている。国家の最高権力者でありながら、ろくに読んでいないこともわかっている。
国家は戦争に行けとは言わない。国家は国を守れてというのである。国はあなたたちを守る。敵国(他国)は侵略を企てている。国家は国民を守る。そのためにあなたたちは銃を持てというのである。武器を持って国を守れというのである。
この論理は敵国も同様である。正義は双方に存在する。この100年間、自衛以外の戦争は存在しない。自衛の理由がなければ、でっち上げるのである。戦争は人殺しで、銃口の向こうにも正義のために戦う人間がいて、家庭や社会や山や川も存在する。それらのすべてを破壊せよとは、国は言わない。国は国家を守れというのである。国益という魔法の言葉を使う現在がそうである。
大橋巨泉は、安倍晋三を「法衣の下に鎧を隠している男である」と断じていた。戦争を知る昭和一ケタ世代は、戦争を嗅ぎ取る能力に長けていた。ともに早稲田を中退した、永六輔と晩年は意気投合して戦争への道を嗅ぎ取っていた。
大橋巨泉の警告と彼の死は戦争への歩みが、ヒタヒタを迫っていることを感じざるを得ないのである。
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公明党に残されたわずかな理性、それは具体化されないのか

2016-07-19 | 安倍晋三
元公明党副委員長の二見伸明氏が今回の野党共闘を強く支持している。安倍晋三は自民党政治、保守ではない。やることはすっかり極右翼のナショナリズムの政治段団体になってしまった。すべてを閣議決定で決める独裁的なやり方は、最早これは革命であるとまで言い切っている。8分ほどの参議院選挙前の動画である、ご覧ください。
消費増税は安倍晋三にとって、前門の虎後門の狼になっているというのである。消費増税をやれば日本経済は破綻し、止めればアベノミクスの破たんを認めることになるというのである。
政治は格差是正に取り組むべきである。新自由主義が日本人の生き方を誤らせている。野党共闘を提案した共産党の姿勢を支持している。TPPは日本の農業を壊滅させる。原発再稼働は大反対である。
誰を聞いても当然のことのように思えるのである。かつての姿から自民党はすっかり変わったが、公明党も同じである。公明党の中道政治、平和主義はすっかりなくなってしまった。あまり報道はされないが、参議院選挙で東京から創価学会役員が、公明党を批判する形で立候補している。創価学会の人たちもおかしいと感じているのである。
安保法案を与党内で協議する時には、唯一公明党とだけ協議していると自認(自慢)して歯止めをかけたなどとの発言を、公明党役員は繰り返している。公明党は現役員が、自民党を支援することで議席を獲得し、同時に閣僚のポストを一つもらい受けている。これが公明党のトラウマになっている。政治組織としては共産党を下回る組織であるが、国会議員の数はダブルスコアーで上回っている。おまけに閣僚を一つ貰える。安定した公明党の組織(創価学会であるが)は、今のところ自民党にとって魅力的である。
今のところ自民党は公明党を手放さないと思われるが、憲法に関する考え方は維新の方が近く、維新が議席を増やすようだと公明党から維新へ鞍替えすることもあるだろう。
公明党は立党の精神を破棄してまで、自民党のコバンザメに成り下がって20年ほど経つ。今回の参議院選挙でも沖縄では自民党支援から自主投票に回っている。共産党攻撃で民進党を批判する公明党には、自らの足元を見る姿勢すら失ているかに見える。公明党が立党の精神に立ち戻り安倍政権から離脱することを期待したいが、残念であるが彼らにその度量はなく、選択肢はないだろう。
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東京知事なんてできるのですか、増田寛也さん

2016-07-17 | 地方自治
今回自民党から乞われて、あるいは民進党に先んじて頼まれたので、東京都知事選挙に立候補した増田寛也であるがよくもまあぬけぬけと、頼まれたとはいえ立候補したものだと思う。
本題に入る前に増田の行状は目を覆うものばかりである。実務経験を前面に出すが、知事にそんなものはいらない。石原慎太郎がいい例である。田中康夫や橋下徹や東国原秀夫らですらこなしていた。その実務経験は岩手県知事として、12年間で1.4兆円も負債を増やしている。ひも付き知事の成れの果てであるが、公共事業や大型開発によって増えた県の借金である。
まあこれは時代ともいえなくもないが、東京電力の社外取締役を受けていたが、立候補直前の辞任している。2013年から郵政民営化委員会の委員長を継続して受けている。これが彼の本態だと思われる。原子力村のメンバーで原発推進者であり、小泉改革で地方が切り捨てられるきっかけになった郵政民営化であるが、増田はその委員長なのである。

それらのことは多少差し引いてもいい。増田が世間を驚かしマスコミを騒がせた、地方消滅の論文(本・主張)である。このまま東京など大都市への若者流出と若年女性の地方減少が進めば、2040年には全国896の市区町村が消滅するというのである。増田が座長を務める民間研究機関「日本創成会議」が発表した。
少子高齢化が始まり、地方が消滅する。具体的な町村名を挙げて驚かせた。増田はその対策として、大都市(東京)一極集中こそ問題であるというのである。東京に集まる人と金を地方に分散させよというのである。
我々地方にとっては救いの神の論文である。彼の提言によれば、東京の財源を年間2兆円ほどを地方に回すことになる。大賛成である。やってもらいましょう。東京都知事になったらできるだろう、増田さん。
東京には子どもを産まない女性が集まる。これに縛りをかけ、彼女たちを東京から追い出すことができますかね、増田さん。子育て支援などしてれば、そしてそれが成功すれ東京に産む女が増えますよ、増田さん。
東京は日本で一番給与が高い。地方の若者はそのため集まってくる。雇用者の賃金を減らさなければ、東京に若者が集まってきますよ、増田さん。東京の賃金減らしてください。
その他にも、会社やお役所など色んな機能が東京には集まっていますよ。それらを地方に移転しなければ、東京に人が集まて来ますよ、増田さん。
要するに地方の知事経験者として総務大臣経験者として、地方消滅を真剣に憂うなら、東京都知事なんてできませんよね、増田寛也さん。
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アニマルウェルフェアー(家畜福祉)に配慮した畜産物の供給を

2016-07-16 | アニマルウエルフェアー
幸せに飼われている家畜からの畜産物についで以前書きましたが、現実にはそんな家畜は日本には、ほとんどいません。周辺の産業や関係者が薦めないからです。多くの人が飲まれている牛乳ですが、95%以上の牛乳は閉じ込められた牛舎で、穀物を大量に与えられて牛乳を生産しているのです。
これまでの乳牛の改良は穀物、主にコーン(トウモロコシ)を牛乳に変える能力の遺伝的改良と言えます。乳牛はかなりの穀物を与えられても、牛乳に変えるように改良されています。日本の乳牛は平均で年間2000キロの穀物を与えられています。そこで生産する牛乳は、平均で8000キロです。乾物量に換算すると穀物にはほとんど水分がないのでそのまま2000キロですが、牛乳は85%が水です。だから8000キロの牛乳の乾物量は固形分が15%として、1200キロになります。
地球の裏側から(おももにアメリカから)エネルギーをかけて運んできた穀物は、40%ものロスを産み出すことになるのです。もちろん穀物と牛乳の質的な違い、成分的な相違があるので単純には比較はできませんが、膨大なロス、損失であることには変わりありません。こんなことが可能なのは、穀物が安価で牛乳が高いからこうしたことが起きているのです。しかもこれは平均の現状です。
酪農界は政府が進める大型農業と、ロスを少なして効率を求める従来型農業とに別れてきています。大型農業ではこれが、3500キロ穀物を与えて、10000キロ搾っています。つまり3500キロで1500キロを生産する極めて非効率的な内容になるのです。
更に人と競合する穀物多給は、世界の食糧事情を悪化させるのです。何よりも現場で起きているのは、家畜・乳牛の不健康です。こうした大型農業では、牛の個体の目がいかず事故が多いのです。穀物多給は家畜の内臓、消化器と肝臓を主に負担がかかります。人と同じ機能を持つ第四胃の事故が絶え間なくあり、ほとんどの牛が脂肪肝になっています。牛乳を生産する乳房の異常も圧倒的に多いのです。何よりもわずか2回出産したくらいで淘汰されます。設備費も大変かかりますし、飼料代も経営を圧迫しています。
従来型の農家の多くは、800キロの穀物で6000キロの牛乳を生産しています。800キロの穀物から900キロの乳固形物を生産しています。健全な内容と言えます。さらにその分健康を支える草(粗飼料)を多く食べています。
設備投資もほとんどなく飼料代も少なく、何よりも牛が健康なのです。牛も穏やかでいつものんびりしていて、牛群が安定しているのです。殆どが放牧されています。
政府が攻める農業としてご推奨の大型農家・工業型農業の牛乳は、市場の95%以上を占めていると思われます。北海道も例外ではありません。不健康な牛が生産する健康食品は、どう理解すれば良いのか判りませんが、決して薦められることではないのだと思います。

私たちは、家畜を健康に飼い生き物として、生命のある動物として扱うことが大切であると、一般社団法人・アニマルウェルフェアー畜産協会を設立しました。設立の目的は、家畜にやさしい畜産を普及させるためにと、時間をかけ討議を重ね認証基準を作りました。認証基準に合った酪農家には証明書を発行しようというものです。オランダの有機酪農制度のように、乳価に反映することまでは今はできませんが、将来的にはそれを目指しています。
会の結成が報道されるや、事務局には問い合わせが絶え間なくあり、酪農家の反響の大きさに驚いています。認証制度などなくても、現実に実行されている方も少なくありません。養賢堂から上記の本を私たちで出版しました。1800円と少々お高めです。売れないので仕方ありませんが、この道で先駆的に活動されている日本獣医生命大学名誉教授松木洋一氏の監修で、家畜を優しく飼われている畜産農家が紹介されています。ぜひご購入下さい。下巻も今年中に出ます。

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何ともふがいない民進党のドタバタ劇

2016-07-15 | 国際・政治
東京知事選挙での、自民党の動きは何とも情けない分裂劇を演じてしまった。しかし自民党の候補者選びは、小池百合子が東京都連を越えての行動に、石原が激怒したに過ぎないよくある内紛である。これで小池が当選すると手の平を返すことになるが、ある意味自民党らしいともいえるものである。
ところが民進党のドタバタ劇は常軌を逸している。蓮舫に断られなす手をなくし参議院選挙で三重県に張り付いた岡田代表の民進党は、候補者の選定にあたふたするばかりであった。野党共闘を打ち出してはいたが、浮かんでは消える候補者の名は10名を超えている。選挙公示まで10日もないところでまだ迷走していた。わずか三日前になって、突如として降って沸いた鳥越俊太郎が野党の迷いを払しょくさせた。
鳥越氏は、これまで反原発や安保法制の反対や立憲主義を唱えてきた、ジャーナリストである。人物としては温厚で名前も知れ渡っている。特に共産党が相乗りし易かったこともあって、野党共闘候補となった。元官僚の古賀氏の禅譲も後押しした。それを見た宇都宮健児氏の勇気ある辞退も評価されるべきである。
しかし、なんといっても鳥越俊太郎は76歳の高齢である。癌患者でもある。何よりも行政経験が全くない。政策の公表もほとんどが情緒的なものでしかなく、とてもじゃないが政治家になる素養の基本すら持ち合わせているように見えない。任期を終える頃には80歳にならんとしている。これから勉強しますともいえないだろうし、支えるブレインすら見当たらない。地方行政には個別の判例が多すぎる。現場が様々で多様なのである。それを行政経験すらない76歳が、これから勉強して取り組みますでは説得力がない。
鳥越の主張は同感することが多く、安倍政権の横暴や暴走を批判する姿勢も評価したいし、立憲主義を取り戻したいし、人物的にも人間的にも全く否定するものではない。しかしながら、政治家として日本の首都巨大都市東京の首長としての素養があるかとなると、極めて疑問が多いと言わざるを得ない。
名前が知れ渡っているからと言って、究極の後出しじゃんけんで当選するようであるなら、日本の民主主義や選挙制度は再評価されるべきであろう。私が都民なら鳥越に投票すると思うが、何とも納得がいかない人選であり、支持の底辺が広がらない民進党の象徴的なふがいないドタバタ劇である。
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南シナ海のトラブルを傍観するしかない安倍晋三である

2016-07-13 | 安倍晋三
中国は国力の増加に伴って、それまでほとんど無縁だった海軍を所有するようになった。ウクライナから中古の空母を購入して一気に、海軍が増強された。上の左の図は中国が主張している領域である。古い話を持ち出しているが、国家の形態すら曖昧な時期を根拠にした地域である。どう見ても無理があるが、まともな国家なら主張するかと思われるが、一つは国内向けのパフォーマンスであるが、もう一つは海洋資源の占有である。当然周辺国家からは異議が出ることになる。
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が昨日(12日)、中国が権利を主張する独自の境界線「9段線」が国際法上の根拠がないとする判決を出した。南シナ海問題を巡る初の司法判断であるが、当然予想されたことである。中国ですら予想して、当初から意味がないとか当事者間での問題だと言い続けてきた。中国が進める人工島造成などの正当性は、これで国際法上は認められなくなった。
人工島の建設や滑走路の整備などが認められないとされたことに加えて、200カイリの根拠も消失した。強制力はないが、中国は判決は紙切れでしかないと言い放った。
中国が強硬な理由はいくつかあるが、ASEANが親中国の国々の圧力で声明すら出すことができない。さらに、ここにきてイギリスがEU離脱が大きく後押しする結果になっている。イギリスは中国が設立したAIIBに、アメリカの手を振り切っていち早く参入し、両国の経済協力がヨーロッパ各国に中で最も進んでいる。
更に、フィリッピンのトランプと言われているドウテル新大統領が、対米自立と対中協調を打ち出したのである。歴史的にアメリカには強い関係があったが、それを脱して中国と話し合おうと言いうのである。中国にとっては多少の無理を聞いてでも、ドウテルの顔を立てたいところである。それを見込んでのドウテルの交渉である。ドウテルの親中国政策は日本とアメリカにとって厄介な存在となっている。
日本は小泉以来(一時民主党がとった時期は除いて)外交は対米従属以外の選択肢を執っていない。せっかくハーグの裁判所が出した判決の対応に苦慮している。アメリカの顔色を窺っても何も出ては来ない。自主外交を放棄した自民党の膠着した外交方針は菅官房長官に、対応策の言葉すら出させない。
中国は国際的に孤立すると、日本政府が嫌味を言っても中国の打った手の方が有効に作用している。中国はベトナムをも取り込もうとしている。これほどあけすけに違法な行為を重ねても、中国を咎める国がないのである。本来であれば、アジアだ真っ先に近代化に成功している日本が、国際ルールに従うべきと中国にブレーキをかける立場になるべきである。
しかし安倍晋三にとって、南シナ海や東シナ海での中国の横暴は、改憲と軍事化に必須条件として存在している。だから改憲しなければならない、軍隊を持とうというわけである。国際的協調が求められる今世紀であるが、安倍は真逆の先祖返りの政策を、この道しかないと進めているのである。

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財政規律の健全化こそ未来の国民に残さねばならないのに

2016-07-12 | 安倍晋三
安倍晋三はアベノミクスが支持されたとばかりに、石原伸晃経済再生担当相に対して今日(12日)経済対策の取りまとめを指示するとしたうえで、ゼロ金利環境を生かした財政投融資の積極活用も併せて表明した。結局はアベノミクスの第二の矢の財政投融資、即ち市場へ金をばら撒けということである。選挙に勝ったから当然とばかりの、口を開けて待つ企業への投資である。
「キーワードは未来への投資だ」と強調したが、10兆円あるいは30兆円ともいわれる投資をやるようだが、どこにそんな金があるのだろう。経済界からも問題意見が出ている。リニア新幹線の前倒しだの、整備新幹線の建設加速、農産物の輸出体制強化などを打ち出しているが、そうした投資がぜい弱な産業しか育ててこなかったことが問題であろう。そうした金を目当ての産業は政権を支えた褒美としての意味合いが強く、結局は財政負担ばかりが増えて税収がまま何らないばかりか、財政規律の悪化を促進させるだけなのである。
選挙が終わるや否やの国民に向けてのパフォーマンスである。これまで何度も繰り返されてきた、公共投資はインフラ産業(土木産業)を主とする特定の企業を潤すばかりで、バブル期のように地域の産業が振興して税収が上がることなどなく、徒に未来の国民への負債を増加させるだけである。
この構造は原発と同じである。今の私たちだけがあるいは特定の産業だけが潤うので、政権を支えあたかも民主主義が機能しているかに見せているだけなのである。未来の国民、未来の地球に対して言い訳のできない、解決不能な放射性廃棄物を積み残し、膨大な借金を積み上げていくばかりなのである。
民主主義の理念だけでは、「今だけ、金だけ、自分だけ」を解決できない。安倍晋三はアベノミクスが支持されたとばかりに、大盤振る舞いをやるのであるが、これではいつまで絶っても道半ばどころか、その途にも就いていないことになる。

なにしろ選挙に勝ったと思っているから手のつけようのない勢いである。前回民進党(民主党)は17議席しか取れなかったのに、今回は32議席と大健闘なのである。現職閣僚を2名も落選させ、おまけに保守王国の鹿児島知事選挙は、反原発を掲げる新人に負けてしまう大波乱である。
国家を軍事機能を持つ国家として作り上げることが、安倍晋三の目的であるから、そしてそれを日本会議などが支持するものであるからなおさら厄介である。財政規律の健全化は票にならない。ジャブジャブ使う方が票になるが、今はそんな時代ではない。政治家は票が欲しくて何でもやるので、財政のことなど考えてはいない。



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永六輔の死去を悼み思うこと

2016-07-11 | 集団的自衛権
永六輔氏が亡くなった。テレビの創世記にマルチな活動をされた、放送作家であり作詞家であり作家でもありディレクターでもあった肩書が、永さんの活躍を物語っている。永さんの最大のヒットは、”上を向いて歩こう”であるが、これは60年安保闘争の敗北のデモの帰りの道すがら作られた詩である。後に六八九トリオと言われたが、中村八大さんが曲をつけ、坂本九さんが歌ったのである。ビクターと東芝がレコード大賞を取り続けるとの批判でこの年の大賞から外されてたが、世界的ヒットになった間違いなく戦後最大の名曲である。
奇しくも、憲法に抵触する安保関連法案を提出した安倍晋三政権が参議院選挙で勝利した日に、訃報を聞くとは思ってもみなかった。また今日は5月に、ザ・ピーナッツの妹さんの方が亡くなられていたことも公表された。姉はちょうど二年前に亡くなっている。一つの時代が音を立てて去っていくことを身に重く感じた日である。
永六輔氏の詩で最も好きなのが、”黄昏のビギンで”ある。街角に街灯が乱立して無用に明るくなった現代、道端で平気で男女が絡み合う現代では理解できないであろうが、柔らかな電灯の光が人々に残されていた時代の美しい詩である。
午前中に車で診療に出かける仕事の関係から、永さんのラジオ番組の”誰かとどこかで”を長年聞いていた。彼は法廷での闘争もやっていた。メートル法が実施されたのはいいが、他の寸法を用いるのは同時に禁止したのである。尺貫法やヤードやマイルは使ってはならないとのお達しである。永さんは、主に職人のための鯨尺の使用を求めたのである。今でもNHKなど従順な報道は、スポーツ番組でヤードやマイルを、丁寧にメートルに置き換えて説明するのはそのためである。
栗せんべいを売っていた老夫婦を厚生省が咎めたことがあった。栗の入っていないせんべいの製造販売は不当表示になるというのである。永さんはこれを耳にし、ハトサブレには鳩が入っていないし、メロンパンはメロンが入っていないと反論し、老夫婦の伝統のせんべいを救ったこともある。
永さんは地方の出来事をきめ細かく取り上げていたた。職人や伝統を全国に求めて歩かれている。伝統芸能や言葉の起源とその意味を、人間の目線の立場から取り上げ説明をされていた。作家水上勉の残した一滴文庫を高く評価し支援されていた。地元では原発反対を表明していた、水上氏を足蹴にしたような扱いに、永さんは耐えられなかったのであろう。後半生はこうした旅を通じて、日本の伝統文化を紹介されていた。しかし、それも最近の過疎化・高齢化それに、小泉政権以来の新自由主義化の波で消えつつある。
巨大化するテレビ産業に抗するように、ラジオの番組を重視した。水族館では魚の説明だけではなく、同時に調理の仕方などもの展示するべきであるや、増えすぎた野生はとって食べればいいなどと、人間の現実の姿をはっきり言われていたことも印象的である。
自らの遺書ともいえる、「大往生」がミリオンセラーになったが、あれからでも20年も経つ。永六輔さんのご冥福を祈りたい。合唱
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羅臼港

春誓い羅臼港