そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トランプ退任の最後っ屁か、イランの核科学者が暗殺される

2020-11-28 | イラン

イランの国営メディアは27日、首都テヘラン近郊で核科学者のモフセン・ファクリザデ氏が暗殺されたと報じた。ファクリザデ氏はイランの核開発のトップの人物で、核開発や誘導ミサイルの開発を行っていた中心人物である。
自動車に乗っているとこ隣のトラックが爆発し、数人の男が銃を持って現れ銃撃を受けたとのことである。高度に訓練された組織的犯罪と推察される。
ザリフ外相は暗殺にイスラエルが関与したことを示す「重大な形跡」があるとし、国家ぐるみのテロ行為を非難するよう西側諸国に要求した。
最高指導者ハメネイ師は国営メディアで報復を宣言。ハメネイ師の軍事顧問を務めるデフガン氏はツイッターで「殺人者を急襲し、その所業を後悔させる」と述べた。
今年1月3日にはイラン革命防衛隊の精鋭部隊のカセム・ソレイマニ司令官を、アメリカ空軍が空爆によって暗殺している。翌日トランプはツイッターに誇らしげに星条旗を乗せている。イラン核合意を8カ国で取り決めたが、トランプは最悪の条約だと破棄している。トランプはイランにテロは仕掛けるが、話し合いには応じないという姿勢である。
ノーベル平和賞受賞のオバマ大統領もオサマビン・ラディンをパキスタン政府には何の了解もなく侵入し、深夜奇襲し殺害している。アメリカのテロ行為をライブで見ていたオバマは、世界からテロがなくなったと大変なお喜びだった。
パパブッシュ大統領も、1989年にパナマ大統領を圧倒的な軍事力で進行しノリエガ大統領を拘束し、アメリカの法律で裁判にかけ懲役40年を科している。麻薬組織の頂点に君臨しアメリカを悩ました、大統領がアメリカ軍事を殺害したなどの理由はあるにしても、国家を圧する行為は許されるものではない。
アメリカは自国のためには平気でテロ行為をする国家である。トランプが盲従宇支持するイスラエルも同じようにパレスチナの要人、ヤシンなど多数を空爆殺害する。
今回のテロ行為は多分イスラエルのものであろう。アメリカもイスラエルも国家としての倫理観などなく、服従か従属する国家以外はいつでもテロ対象国家である。イスラエルが核保有していることは自明の理であるが、アメリカが立ちはだかり事実を公に認めてはいない。


テロ大国アメリカの本領発揮、暴力の連鎖に火をつけたトランプ

2020-01-04 | イラン

イラン革命防衛隊の精鋭部隊のカセム・ソレイマニ司令官が3日、イラクのバグダッドで米軍の空爆によって暗殺された。米国防総省は、「大統領の指示」によって司令官を殺害したと認めた。トランプは自慢げにツイッターにアメリカ国旗を掲げ誇っている。
ビンラディンやバグダディーの暗殺を彷彿とさせる、他国に精鋭部隊を送り空爆などで殺害する行為は、テロ行為以外の表現がない。今回もバクダッド空港に到着後にドローンなどを用いて襲撃した。ソレイマニ司令官は、イラン国内できわめて人気の高い英雄的な存在である。
イラクがどのような反応を示すか、十分理解した上でのトランプの行為である。一つは国内向け、大統領選挙に向けて福音派へのよろしくというエールである。弾劾裁判にかけられようとされている、選挙戦への巻き返しである。そのために暴力的に力を誇示するなどとは、所詮アメリカはテロ国家といえよう。
現在の中東の救いがたい混乱を招いたのは、ブッシュのイラク侵攻である。ありもしない大量破壊兵器の存在を口実に、国連決議を無視したフセイン政権の崩壊が目的の武力制圧である。暴力は新たな武力を喚起し、憎悪を連鎖につながる。
早速イランは、「これは開戦と同じだと」報復を宣言している。トランプも3000人も派兵を決めている。ソレイマニを暗殺したことで、より安全になったとトランプは暗殺の正当性を述べている。これはオバマが、ビンラディンを暗殺した時にも使われたフレイズである。ブッシュがバクダッドに侵攻した時にも、ゲームは終わったといている。バグダディを暗殺した時にもトランプは、より安全になったと述べている。
アメリカの為政者が暴力的に制圧して勝利宣言をしても、その後はさらに悲惨な状況になっている。アメリカは最終的に経済であれ軍事力であれ、暴力的に他国を制圧させるしか外交手段を持っていない国家である。時代を経れば賢明になるかと思わせたのが、オバマが国連理事国などを巻き込み締結した、イランの核合意である。少しはノーベル平和賞ももらったオバマによってアメリカは交渉をする国家と思わせたのが、イラン核合意である。トランプはこれを一方的に破棄した。その一方で、イスラエルを喜ばせる首都移転やゴラン高原の領有権を認めるなど、国連決議を否定する決定を繰り返している。
中東はトランプの近視眼的暴挙によって更なる混乱に陥る。今そこへ安倍晋三は自衛隊を派遣しようとしている。暴力の連鎖を断つには、暴力を増強することではない。日本国憲法はそれを教えてくれる。決して古くはない、現代に生かさなければならない憲法である。


イラン核合意をアメリカが離脱、核軍縮する気のないトランプは何のために北朝鮮と会談するのか

2018-05-09 | イラン

トランプがまたしでかした。トランプアメリカ大統領は昨日(8日)、2015年に米英仏独中露の6カ国とイランが結んだ核合意からの離脱を表明した。核合意に伴って解除した対イラン制裁を全て復活させる大統領令に署名した。合意維持を訴えてきたヨーロッパ各国との関係に溝ができるが、イランのローハニは意外と冷静である。ヨーロッパのバックアップが崩れないと見たのであろう。国内では保守急先鋒たちが条約の廃棄、核開発を訴える動きをローハニが抑えている。
トランプは、史上最悪の体結と見下しているが、何が最悪なのかの中身がない。トランプはイスラエルの言い分を聞いているだけなのである。イスラエルは核保有国に分類されていないが、核を保有していることは明かである。イスラエルと絶対交わることのない、中東の政敵のイランが活力を増すことを認めたくないのである。
トランプには崇高な理念などどこにもない。TPP離脱はしてみたものの、戻ってきそうである。世界最大n資源消費国家のアメリカが、パリ条約の離脱した。アメリカの経済成長と石炭業者の支持が欲しかっただけである。トランプは世界の未来も地球の汚れも全く興味がない。自分が大統領としての基盤が何よりも優先されるのである。イスラエルの首都移転も同じ発想である。
核軍縮に興味のないトランプが、世界初の米朝会談と興奮するのは、名を残したいことと中間選挙のためのパフォーマンスでしかない。金正恩は経済支援を望んでいる。トランプは金をばら撒いて、政治基盤を固めたいのである。米朝会談はトランプのためのものでしかない。

イランから世界を見る その3 経済制裁

2014-10-05 | イラン

イランで一番困ったのは、食べ物でもなく暑さでもないく、通貨の扱いであった。通貨のリアルは、核開発問題に関連した経済制裁で、暴騰(実際は暴落であるが)している。絵葉書の切手が1万5000リアルであった。円換算するには、およそ260分の一であるから60円ほどなのであるが、1万5000リアルの切手の購入は大変である。
ことほど左様に、現地通貨の購入はゼロが数個並ぶ、得体のしれない札束を大量に用意しなければならない。旅行先で、小さなお金のコインを土産代わりにポケットに入れて帰るのであるが、ほとんど存在価値が無く出回っていない。要求してもだれもくれない。デノミを検討しているとのことである。

イランと宿命的に対立しているのが、イスラエルである。イランは、中東に起こる全ても問題は、イスラエルの建国にあると信じて疑わない。
イランの核開発疑惑問題は、ローハニ大統領になってかKen_0738なり柔軟になり、色々なものが解放されるようになった。
然しイスラエルの空軍は、イランの核関連施設の空爆がいつでも可能なように構えていると言われている。左の写真は、車窓から撮ったものであるが、かなりの範囲で点在していた。円周の大きさからの推測では半径50キロ程度であろうか、100台は越えるであろう高射砲が空に向かっていた。
かなり緊迫感があったが、黙って写真を撮った。

イランは砂漠でありながらも、木のない山がかなりある。砂漠に消えるような川が少なからずある。収穫期寸前の小麦とコメそれにトウモロPhoto コシが、灌漑によって青々としていた。
右のような灌漑施設を数多く見た。上に飛ばさなくても、小さな用水路が無数に設けられて、おコメが作られてもいた。コメは長粒種であり、パサパサしていた。香辛料になれた食事の中で、ありがたいコメであった。
その他、トマトやキュウリなどの水を多く必要とする野菜も豊富に作られていた。

町行く人はほとんど携帯を持っていた。そのすべてがスマートフォンである。誰もが街角で手元の画面をいじっている。日本の都会の光景と同じである。ただスマートフォンは、画面がかなり小さいものが多く、掌に入るものであった。
観光地では、大型のモバイルで写真を撮る人も少なくなかった。

同じく経済制裁を受けているロシアとイランが、ローハニになって連携を深めるようになった。経済制裁は、複雑にPhoto_2絡み合った国際情勢では、意味が薄くなってきている。経済制裁は、かつてのような効果がない。イランは食糧もエネルギーも、自賄いするレベルが日本より格段に高い。
日本はアメリカの尻馬に乗って、せっかく共同開発した石油プラントも放棄することになった。それでいて、シーレーンの軍事的意味が高くなったというのである。
イランの経済制裁に加わっていなければ、そんな危険などないのである。同盟国が危険を薄くするのではなく、濃くする典型である。

左のフォトアルバムに<ペルシャであった家族たち>アップしました。


イランから世界を見るその2 庶民の変化

2014-10-03 | イラン

中東に対する見識はそれなりに持っていると自認していたが、多くのことが今回の旅行で否定されることになった。その一つが戒律が厳しい、シーア派のイメージである。良くも悪くもイランは宗教国であろうと思っていたのであるが、極めて若い国家の現実には驚かされた。
イスファハンのイマーム広場には、四半世紀前のイスラム革命の直後 は、礼拝に10万人を超える人たちが集まり、町中に溢れていた。
今回金曜日に訪れることができたが、異教徒の私たちをもモスクにPhoto招き入れてくれた。時間制限はあったものの、写真撮影も許された。
左の写真はその時撮ったものであるが、皆がお祈りをしている時も、黙々とスマホでゲームを楽しんでいる若者がいたのである。これには少々驚かされた。(写真はそれぞれクリックし拡大写真をご覧ください)
礼拝する人たちは、この日は僅か3000人ほどであった。宗教の位置が、確実に低下している。それは、全身を覆う女性のチャドが少なくなって、スカーフが多くなっていることでも覗われる。しかも、かなりカラフルでお洒落になっている。

サウジアラビアでは、女性が車を運転することは禁じられ、youtubePhoto に女性が自分の運転を投稿し問題にもなっていた。イランではかなりの女性ドライバーを見た。イラン人は車が好きである。都市間が長いために、車は欠かせない。
右の写真を見ていただければわかると思うが、慣れた手つきで女性が堂々と運転している。

入国前は、カメラを人に向けて撮る時には了解を貰うように厳重に注Photo_2 意された。特に女性は絶対にとってはダメだと言われた。
ウソである。ほとんどの人が喜んでカメラに納まってくれた。むしろ、非映像の歴史が長かったために、庶民にはカメラは縁遠いものだったのだろう。左の司祭は喜ぶどころか、Ⅴサインすらして手を振ってくれた。
ホメイニ師が戻ってき、イスラム革命直後なら考えられない現実である。

さすがにお酒はご法度であった。これには少々参った。灼熱の砂漠を旅した、夕食の膳にビールがないのである。
深夜にまで、人々が街に繰り出している。夜になっても飲み屋がないので、家族連れである。あるいは仲の良いお友達や家族同士で街に繰り出す。そのため、夕食は通常でも8時ころにはじまるPhoto_3。おしゃべりと買い物であるが、家族単位の行動は日本なども見習うべきかもしれない。右の写真は、イマーム広場の夜の9時ころである。お菓子など持ち寄って何か食べている。

イランは若い国家である。ネットなどで、若者は世界の事情を知っている。若者は現実的になっている。イスラムの戒律は次第に希薄になっている。その一方で、ペルシャ人としての誇りはとても強いものが感じられた。その一方でアラブ人は仕事しない、歴史がないなどと蔑視する。イスラムになって僅か1500年しか経っていない。ペルシャ人の歴史から見るとほんの最近のことだと言い切る。
中東を石油とイスラム戒律だけで判断するべき時代は、少なくともイランでは遠のいているように思える。

フォトアルバム<ペルシャであった女性たち>アップしてます。


イランから世界を見るその1

2014-10-01 | イラン

イランに行ってきました。シルクロードをはじめとして、中東に興味があり若いころから何度も周辺を訪ねていました。本ブログでも、かなり中東にPhoto 関することを書いているのはそうしたことからです。
ローハニ大統領になって一応の安定期に入っていると判断し、写真が趣味のツァーに加わって、イランを訪ねた。2001年にアメリカのブッシュ大統領が、悪の枢軸としてイラク、イラン、北朝鮮と名指ししたこともあり、多くの日本人はこれらの国と同列に並べ、テロ国家と考える現実がある。識別できないと言った方が正しいだろう。
しかし、イランはペルシャ人のほぼ単一民族国家で、古くはペルシャ、波斯とも呼ばれていた長い歴史を持つ。因みに、イランとはアーリア人の国という意味もある。国家の大きさは、長い歴史で繰り返される戦争によってかなり変動があり、小さくなったが場所としてはほとんど変わることがない。
人口はこの50年でほぼ倍増し75000万人であり、40才以下が5000万人と言われている。極めて若い国で、私が見た限りでは農業Photo_2 にかなり力入れていて、砂漠の国にしては思ったより灌漑も進んでいて、小麦やトウモロコシや数多くの野菜それに果実に畜産も盛んであるように見受けられた。
何よりも、砂漠に点在する町の周辺に、新たな住宅が建設されているのが目立った。
政治的スローガンはほとんど見受けられなかった。ただ、どこにでもイランイスラム革命の最高の指導者のホメイネ師と、現在の最高指導者のハメネイ師の肖像が並べられていた。
11歳の小学生の教科書を見せてもらったが、見開きページにはこの両師の写真があった。ただ以前の中国や現在の北朝鮮のように、絶対的指導者としてあがめられているわけではなかった。公の場所に掲げられている肖像画の手入れは悪く、剥がれていたりくすんでいたりするものも少なくなかった。
イラン人は自動車好きと、通訳が言うとおり、街に溢れていた。途上国に見られる、傷ついたりへこんだものは少なく、道路状況は急激な車の増加もついていっていない。ヨーロッパ車と韓国車が目立ったが、多くは国産車であった。日本車はほとんど見られず、バイクにホンダとカワサキが見られた程度である。
第二次世界大戦で、ドイツと日本を支援したイランは、その後も日本と石油開発などで友好関係にあったが、中国と韓国にとって代わられた感がある。ドイツが依然と友好関係にあることを思えば、日本のアメリカ追従外交はこの国では失敗している言える。
経済制裁はイランにとって面倒なことであろうが、功を奏していると言えない。隣国のロシアと中国それにインドがとって代わったに過ぎない。
最も驚いたのは、坊さんの国から王政に戻ることを多くの人が望んでいたことである。モスクの礼拝もかつての半分にもいかない現実を見て、納得した。パーレビーを待っているというのである。若い国には柔軟性がある。
女性は目を見張るような美人が多く、まつ毛が長く端正な顔立ちで、やたらとシャッターを切った。

左のフォトアルバムに<ペルシャであった女性たち>アップしました。


鳩山さん、あんたこんな仕事に合うよ

2012-04-09 | イラン

鳩山由紀夫元首相がイランを訪問した。訪問に先立ち、野田内閣は外相も官房長官も不快感を示していた。与野党から2元外交であると非難されていた。

総論が得意の、鳩山ボッチャマは思ったことを率直12049に述べる。今回もイランのアフマディネジャド大統領に、IAEAはダブルスタンダードであると述べたようである。関係者は否定しているが、鳩山ボッチャマなら言うであろう。

事実、核兵器を持ってい国家と、核兵器を持とうとする国家では明らかに対応が異なる。インドとイランがいい例である。信用していないする点は、確かにある。

それを差し引いても、先進国の身勝手さは、これにとどまることない。

しかしながら、外交はいわば社交でもあり、総論を語るだけで十分である。そう考えると、鳩山ボッチャマに責任のない外交はお似合いである。

イラン大統領と信頼関係を構築し、「核兵器のない社会を実現Nuclear_genie_2
するためにともに努力する」「イランは核兵器に完全に反対の立場である」という、言質を引き出してきた。十分である。

イランも出口を模索しているのである。こうしたお人よしのエライお方が訪れて、コメントを引き出せがいいのである。経済制裁と封じ込めばかりが外交でない。

多分民主党が恐れているのは、鳩山ボッチャマが今度は、なんと小沢一郎の親書を持って、次期国家主席の習近平に会いに行くというのである。

政権交代直後、小沢一郎が500人ほどの国会議員などを連れて、訪中し胡錦濤と全員が握手し写真を撮らせたことがあった。

まったく外交がお留守になっている民主党政権である。野田は小沢の復権と、鳩山の復活を恐れている狭量でどうする。

それにしても、こんな無責任な外交は、鳩山ボッチャマにお似合いである。


経済制裁は意味を持たない

2012-01-18 | イラン

イランの核開発を巡って各国の対応が、まるで東西冷戦の再来の様相を呈してきた。イランは、平和目的と称しながらも、明らかに核兵器の開発Photo を手がけている。

世界の警察のアメリカは、経済制裁を同盟国に要請した。アメリカは、国交断絶状態にあり、イランから原油を輸入していない。そこでEUと日本と韓国に石油禁輸を要請した。

イランの石油輸出はEU18%、日本14%、韓国10%、それに中国22%、トルコ7%、インド13%となっている。仮に、EUと日本と韓国が輸入禁止に踏み切ると、42%程度になる。

イランに打撃にはなるが、中国とトルコが拒否している。更にインドが、伝統的な非同盟を貫き同調しないようである。これでは経済制裁として、十分に機能しない。

代わって、中国の中東での立場を強固にすることになる。世界の原油価格の高騰のきっかけになりかねない。

日本はこれまでイランと経済協力、油田開発などで良好な友好関係にある。これを断ってしまうことになる。このことのマイナスは大きい。

日韓はサウジアラビアに食指を動かしている。このことも長年敵対関係にあるイランを刺激する結果になっている。

何よりも先週、イランの核開発を担っていた、学者の車が何者かによって爆発し即死したことが、イラン国民の反米感情、反イスラエル感情を煽っている。

イランは、ホルムズ海峡の封鎖を示唆している。これにはアメリカが強く反発し、書簡を送っている。(国交関係がないため抗議もできない)イランは本気かもしれない。

来週にIAEAの査察があるが、イランがこれをどのように受け入れるかが焦点である。

イランを経済制裁したところで、意図する効果など出ない。国民が苦しみ、敵対感情を大きくするだけである。


イランを擁護するプーチン

2007-10-17 | イラン

イランの首都テヘランを、ロシアのプーチン大統領が訪問した。カスピ海サミットに出席するためである。カスピ海サミットPutin_warns_us_against_military_a_2 は、カスピ海に面するロシア、イラン、カザフスタン、アゼルバイジャン、トルクメニスタンの5ヶ国の首脳会議のことである。

ここでプーチンは、イランの核開発は平和利用のものであると断言して、イランの核開発を支持した。Iran_nuclear_activities_reach_ind_2こうして、今にもイラン攻撃をやりかねないような準備をしている、ブッシュに逆圧力をかけたのである。

国連の経済制裁下にあるイランを、常任理事国のロシア大統領がが訪問することで、制裁がアメリカやヨーロッパは核兵器 開発疑惑の歯止めにならないと懸念を抱いている。イランは国をあげて、プーチンを迎えた。

カスピ海サミットは、軍事的連携を強めることでも合意した。ロシアにとってはチェチェン紛争を抱え、地域的に強力な援助を受けたも同然である。イランにとっても、ロシアにとってもしたたかな外交戦術である。北朝鮮も同質のしたたかさがあるが、Putin_warns_us_against_military_actフセインにはそれがなく、一方的にアメリカとイスラエルを理念を優先させ攻撃し、イラクは単純軍事国家であった。

もし仮に、アフガニスタンがこのような大国の同意を得るような、狡猾な外交手段を用いていたならば、2001年9.11以降のアフガニスタン攻撃は存在しなかったと思われる。良くも悪くも、宗教的純度を高めることに躍起になっていた、タリバン政権では決してありえなかったことではある。日本とは異質な、外交下手である。

国連決議などとは、こうしたレベルでのものでしかない。大国の理念より利害が思惑が交錯する、国連決議に自衛隊をおもねる危険な行為は行ってはならない。


そりゃ日本は外交下手だろ

2007-02-08 | イラン

今日現在北京で、6者協議が行なわれている。18ヶ月前に、核を放棄すると北朝鮮に約束させておいたことが、チャラになったことなど何処吹く風で、交渉に臨む。それは堂々とした北朝鮮の態度である。

偽札や偽タバコ、それに麻薬や覚せい剤などで外貨を稼いでおきながら、凍結した金を返せとい言うし、出来損ないの核実験をやっとしたからと、核保有国扱いしろと居直る。北North_korea_has_finally_moved_ahead_with_5 朝鮮は巧みな外交を展開している。瀬戸際外交などと、揶揄などしていられない。彼らは次第に成果を見せている。

今回の交渉も、結局は核を凍結するのが精一杯の成果であろう。そこで北朝鮮は、まんまと食糧や燃料や外貨をせしめることになる。チェイニーもボルトンもいなくって、中東に忙しいアメリカの現状は格好の餌食である。

日本はというと、拉致問題の進展がなければ、経済制裁を続けると、安倍お坊ちゃまは言Abebon_4 わざるを得ないだろう。ところが他の4者は、核の凍結で経済制裁を部分的にも解除することになる。そうなると、日本一国の経済制裁は効力もなく、全く無意味になる。

今回の交渉結果で、日本が孤立することになる。北朝鮮が、何かの見返りがない限り、拉致問題に関して日朝協議に応ずる気配などない。安倍お坊ちゃまは拉致問題に強硬な姿勢で、総理になったようなものである。ここはひけないだろう。

12381_2 核開発を巡って、イランに対する経済制裁が国連で決議されても、アメリカが日本に相当協力に後押ししても、経済支援をやって大量の石油を購入している日本は、イランに経済制裁などできるわけない。

外交は、理念ではない。結果であって、目的しか存在しないようなものである。北朝鮮やイランは外交に何を求めているのか、見極めなければ日本の外交は、アメリカに隠れるだけであってないような存在になってします。


こりゃアメリカは焦るサ

2007-01-21 | イラン

Iran_venezuela イランのアフマドネジャド大統領が、中南米を訪問している。取っ掛かりには、すっかり仲良くなったウゴ、チャベス大統領のベネズエラである。思想的な共通点は何もないが、唯一強固に反アメリカである。実は、こうした連携のほうが、思想的な連帯よりはるかに強いことを歴史は語っていIran_venezuela01 る。

更に、アフマドネジャド氏は、エクアドルなどを訪れる。彼らの目的は、反アメリカの包囲網の形成である。

お膝元で、このような包囲網を作られて、アメリカはかなり焦っているようである。非同盟諸国のこのような動きに、地続きで冷戦時代を体験してきたEUなどのヨーロッパ各国の反応はきわめて鈍い。

Rice_01 アフリカ諸国に経済協力を通じて、強力な関係を構築しつつあり、きわめて強い影響力を持ち始めた中国の動きにも、アメリカは神経質になっている。ジンバブエのロバート、ムガベ大統領が、中国を訪問中である。

翻って、アメリカはというとソマリアの小さな田舎町をを数日に渡って空爆している。力の政策から、何が生まれるのかをアメリカはヴェトナムから学んだのではなかったのか?ヴェトナム兵役を、親の七光りで拒否したブッシュには、そうした学習能力がないのかもしれない。

イランとベネズエラが親密になる必然など、本来何処にもないのである。それを可能にしたのが、アメリカの力の政策である。


羅臼港

春誓い羅臼港