そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ゆとり世代からさとり世代に

2014-01-14 | マスコミ報道

大学に残った知人が、研究室に残った学生たちに困った困ったと連発していた。これはどこの大学も同じようで、特に理系の学生たちが、使い物にならないというのである。
教職にある研究者たちは、そんな学生を『ゆとりくん』と呼んでいた。お互いの会話の中でも、彼はゆとりくんだからと納得し合ったり、今年の学生はゆとりくんが少なかったと、安堵してみたりするのである。
ゆとり教育の世代の学生であるが、円周率はほぼ”3”と教えられ、5人で駆けっこしてもみんな一等賞をもらえたりした、授業時間そのものが減らされた世代である。
彼らが大学の研究室に入っても、十分な基礎知識も語学力も応用力も意欲もないというのである。ちょっとそれなりの指導すればいいのであるが、厄介な世代だと一様に嘆いていた。現在のほぼ30代である。
ところが次の世代はもっと凄い。彼らはごろ合わせで、『さとり』世代と呼ばれている。デフレ時代の彼らは競争心もなく、自分が泥を被ることを極端に嫌う。
かつての若者の上昇志向、いい車が欲しい、ブランド商品が欲しい、出世したい、いい家に住みたいなどがほとんどない。結婚意欲も低く、総じて晩婚になる。性欲も薄く子供も少ない。全てを、悟ったように穏やかで、他人を傷つけたり競い合わない。
彼らは我々の世代に、可能性を奪われたとか高度成長社会と異なり、今は努力しても成果が上がらないと主張する。物が溢れた湯路離世代と異なり、物より思い出というのであろうか。
少子高齢化が問題になるが、こうした子供たちが高齢化社会を支えるのかと思うと、何とも頼りないことである。彼らは、豊かさを追求した我々の世代の、負の遺産であるかもしれない。

コメント (2)
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