日本で大騒ぎになった宮崎の口蹄疫がある。連日殺処分する牛や豚を埋却する穴が報道に映し出されていた。さすがに殺すところは報道はされてはいないが、友人や知人の獣医師は口には表せぬ苦悩があった。
農家はそれ以上の苦悩を、経済的により精神的に味わっていた。
日本の畜産は集約的で、狭い地域に多頭数が買われていたために、伝搬も早く頭数も半端ではなかった。
もうすぐ4年になるが、部分的な反論はあろうが、日本はそれなりに対応をやって、半年で終息させている。先日、札幌で口蹄疫の講習会に出席したが、日本の専門家は多くの知見を得ていたのには驚かされた。
狭いがために、集約的であるがために、細かな対応や消毒や防除の技術をほぼ確立したかに見える。
翻って、現在も延々と発生が続いているのが大陸である。中でも中国の発生は散発的であるが、徐々にその地域を拡大させている。左の表は、最新のアジア地域での、3年間の口蹄疫の広がり状況である。(クリックすると大きくなります)
これは確認し報告されたものだけである。広い地域で小頭数の飼育では、発生していても伝搬する機会もないと推測される。検査体制も、病気に関する知識の普及も、十分とは思えない。発生地域も特定域に限られている。
ましてや、口蹄疫に特定の防疫体制があるとは思えない。感染力が強い口蹄疫ウイルスは、風でも運ばれるほどである。中国とその周辺は、口蹄疫のウイルスがウジャウジャいると考える方が自然である。
日本では、中国人旅行者の靴はもちろんのこと衣服の洗浄や着替えなど、積極的に取り組んでいる地域も出てきている。
畜産関係者はもちろんのこと、一般の人も中国に旅行することは当分の間、厳に控えていただきたい。
羅臼港
春誓い羅臼港