そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

公共投資は地域疲弊の引き金になる

2014-01-07 | マスコミ報道

アベノミクッスの2本目の矢は、公共投資である。公共事業が各方面で盛んに行われ、一見好景気で地域は潤っているようには見えるが、Photoこれは単なるカンフル剤でしかない。

カンフル剤は止めると元に戻るから、射ち続けなければならない。長引けば麻薬と同じ作用をすることになる。
農村と漁村があって間に川があり、物資や人や文化の交流が困難だったので、橋を作ったとする。農村と漁村はお互いに、ないものを補完し合い発展し、人々の幸をもたらす。これは素晴らしい公共事業である。

こうした初期のインフラ整備、持続的な公共事業は現代にはほとんどない。公共事業の担い手は、事業がなくならないように、新たな公共事業を求めて権力者に様々な擦り寄りをすることになる。贈収賄に限らず、選挙の支援や天下りなど、現代日本の悪の循環の凝縮図がここにある。

酪農支援として、今年度260億円もの金がばら撒かれた。大型農業の支援と称するこの事業は、農機具会社を大いに潤している。昨年の暮れの手当てはかなりはずまれたとのことである。本ブログの「アベノミックス強行のシナリオ」で、現場の事実を書いた。

公共投資を延々と続けた結果、この国の財政は破たんした。国は認めようとはしないが、異常な負債を抱えている。国家予算の10倍、GDPの倍以上の負債を、少子化した子供に高齢者は残した。

地域ではやたらと大きな土建屋が目立ち、本来育たなければならなかった産業の成長を抑制する結果になっている。公共事業は行政をも支配する。

このことは江戸末期の上杉鷹山や吉田方谷が、財政が行き詰った時に持続可能な地域に根差した産業を興し、地域の活性を呼んだことを、教訓に見ればわかることである。

高齢化社会にカンフル剤で見せかけの活力を呼ぶ、不健康な処置のアベノミックスはいずれ破たんする。一夜の快楽を求めるようなものである。地域で破たんするのは、ほとんどの場合が農林漁業の一次産業である。

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