市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件…厳正捜査と全容解明を望む一太知事の動画スタジオは大丈夫?

2019-11-26 21:09:00 | 高崎市の行政問題
■群馬県の商都高崎で起きた官製談合事件。群馬県は、高崎も前橋も群馬県の全国トップクラスの高い落札率を誇る、いわば談合天国です。今年7月に就任後、動画スタジオ整備に邁進する一太知事ですが、11月20日付のブログ記事で、こんなことを書いています。

○2019年11月20日13:36:一太知事ブログより「高崎芸術劇場をめぐる談合疑惑で3名が逮捕という衝撃!〜厳正な捜査と事件の全容解明を期待する!!」

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 朝の新幹線で東京に向かっている。あいたた、右上腕の筋肉が痛い。この「筋トレ疲労」を乗り越えない限り、理想の(?)体型は作れない。頑張らないと!
 高崎市の芸術劇場をめぐる官製談合の疑いで高崎財団副理事長(芸術劇場館長)や市職員を含む3人が逮捕された事件から一夜が明けた。県内の激震は収まらない。地元紙や地元TV、NHKのローカルニュース、大手紙の群馬版も、突然の逮捕劇を大きく報道している。
 辣腕の行政マンとして尊敬する富岡賢治 高崎市長の周辺でこんな事件が起きたことに、少なからぬショックを受けた。昨日の庁議でも定例記者会見でもこの問題に触れ、同じ趣旨の発言をした。
 「とても驚いている。まだ事件の経緯や真相が明らかになっていないので、軽々なコメントは出来ない。が、もし何か不正な行為があったのだとしたら、県警にはしっかり捜査を進め、事件の全容を解明してもらいたい。それが警察の県民に対する責任だと思う。」
 「これは他人事ではない。今回のことを契機に、県としても改めて襟を正してく必要がある!」とも。
 高崎市は県内最大の都市だ。高崎の動向は県全体にも大きな影響を与える。万一、今回の事件の背景に「何かの不正行為の温床(?)となるような構図」が存在するとすれば、この際、しっかりとメスを入れるべきではないかと感じる。
 今後、どんな展開になっていくのかは分からない。が、市民も県民も固唾を吞んで見守っている。多くのひとが納得する決着を期待したい。そうじゃないと、「負の余韻」をズルズルと引きずることになってしまう。
 あ、間もなく東京のアナウンス。
追伸:知事に就任して間もなく4ヶ月。様々な事業の内容をチェックしながら改めて痛感していることがある。それは、「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」と。
 そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。
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 一太知事に申し上げたいことがあります。

 ブログの追伸で「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」とから「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っている」などとお書きになられていますが、貴殿が設置を推し進めている動画スタジオの機材には、適正に税金が使われ(てい)るのでしょうか?

 なぜなら、オンブズマンとして、検証したくても、県が開示した文書は真っ黒けで、検証できません。何とかしてくださいませんか。
○2019年10月20日:ネット動画発信を目論む一太知事・・・動画スタジオの補正予算1億1684万円の内訳が真っ黒け!!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3058.html







■貴殿の管轄する総務部広報課は、なぜ、真っ黒けの文書しか開示してくれないのでしょうか。おそらくは、広報課の職員が、貴殿に忖度して、オンブズマンには余計な情報を見せないと配慮したのだとは思いますが、よもや貴殿からの指示ではありますまい。

 広報課が我々オンブズマンに開示してくれないため、やむなく、議会向け報告資料を入手しました。これも、情報としては概略に過ぎませんが、すくなくとも、調達する品物の名称が少し記載されています。

*****動画スタジオ(県議会説明用)*****ZIP ⇒ xwiicpj.zip
(1)スタジオ機材購入・設置等      62,225千円
 ①スタジオ機材(撮影・編集・配信)等
 ・撮影
   カメラ5台(スタジオ用3台+取材用2台)、カメラ関係機材
   録画用機材、各種モニター、音声プレイヤー レコーダー 等
 ・編集・配信
   デジタルミキサー1台、PC4台(編集用1台+配信用3台)、
   編集卓、配信システム機器等
 ・照明
   スポットライト台(天釣り/スタンド) 等
 ・付帯設備等
   来庁者向けモニター/スピーカー/アンプ 等
 ②スタジオデザイン等
 ・スタジオデザイン設計費
 ・スタジオ内備品・セット等
 ③その他
 ・スタジオシステム設計・機材設置・回線工事、諸経費 等

(2)スタジオ施設整備          54,615千円
 ①設計・監理委託
 ②設置工事
 ・建設工事(壁・内装・ガラス等)
 ・電気設備工事(幹線動力・電灯コンセント・自動火災報知等)
 ・機械設備工事(空調・ダクト・スプリンクラー等)等
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■このうち、特に気になるのは、スタジオ機材購入・設置等に6222万5千円が投入されることです。

 なぜなら、一太知事も衝撃を受けた高崎芸術劇場をめぐるムービングライト一式(5680万円)と延長コード他一式(1070万5070円)を合計した6750万5070円と奇しくも同程度の金額だからです。

 新聞報道によると、高崎芸術劇場に使われているムービングライトは、劇場を管理する高崎財団が見積もった価格がそのまま予定価格になっているのだそうです。おそらく他の備品類も同じように見積もられた可能性が高いと思われます。そしてそれが、官製談合の温床となってしまいました。

 一太知事が整備を進めている動画スタジオも、群馬県広報課に提出された見積書は、どこかの企業が、株式会社REDMusicあてに出したもので、価格の妥当性が担保されているのかどうか、黒塗りで判断がつきません。

 さらにこの株式会社REDMusicの代表取締役の宇佐美友章氏は、一太知事が、群馬県の情報発信や政策立案の強化に向け、外部人材などの活用を検討した結果、2019年8月30人に起用を発表した3人(ネットメディア戦略アドバイザー:REDMusic(東京都)代表の宇佐美友章氏(55)、政策アドバイザー:民間シンクタンク「青山社中」(同)COO(最高執行責任者)の森原誠氏(39)、知事を補佐する新設の首席補佐官:県財政課次長の片貝和晶氏(48))のひとりです。

 これはまさしく富岡賢治市長に取り入った菅田明則容疑者と、よく似た構図ではないのでしょうか。貴殿の身辺が非常に心配です。

 したがって、貴殿に忖度している広報課長に指示して、速やかに黒塗りされた動画スタジオの予算内訳を公表させてください。

 一太知事がブログに書かれたように「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。」という観点からすれば、当会の気持ちを貴殿は速やかに理解してくれることでしょう。

■一方、高崎芸術劇場を巡る官製談合事件のほうは、相変わらず続報記事が紙面をにぎわせております。さっそく11月21日以降の記事をみてまいりましょう。

**********読売新聞2019年11月21日
菅田容疑者 市政に影響
阿久沢容疑者 地元財界の重鎮
高崎芸術劇場 官製談合

 高崎芸術劇場の備品入札を巡る官製談合事件で、逮捕された劇場館長の菅田(すげた)明則容疑者(66)は、高崎市政に影響力のある人物として知られていた。落札した電気工事会社社長の阿久沢茂容疑者(68)も地元財界の重鎮で、ともに市長の側近。阿久沢容疑者への不正な情報提供は、菅田容疑者が市の担当室長だった佐藤育男容疑者(50)に求めたとされ、有力者が入札執行をゆがめた構図が浮かび上がった。
◆2人は多くの肩書を持つ有力者だった
菅田容疑者
 高崎芸術劇場館長
 高崎財団副理事長
 ラジオ高崎社長
 高崎観光協会副理事長
 富岡賢治後援会連合会会長顧問
阿久沢容疑者
 高崎商工会議所副会頭
 高崎観光協会理事長
 県電設協会会長(今月辞任)
 高崎高校同窓会会長
 富岡賢治後援会連合会幹事長
★有力者 入札ゆがめる★
 県警の発表によると、今年1月に行われた高崎市の指名競争入札で佐藤容疑者は予定価格を菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に事前に漏らし、電気工事会社「阿久沢電機」に落札させた疑いがある。同社は落札率98%の6134万円で備品を受注した。
 関係者によると、菅田容疑者と市政の距離が縮まったのは、2011年に引退した松浦幸雄前市長の時代とされる。市内のイベント企画・デザイン会社の創業者として、市が関わるイベントの企画などで才覚を発揮した。
 ハイカラな服装と眼鏡がトレードマークだ。
 富岡賢治市長によると、菅田容疑者との出会いは同年の初当選前だった。「余人をもって代えがたい」(富岡市長)と仕事ぶりを評価されてブレーンとなり、最近は週1回のペースで会っていたという。後援会連合会の会長顧問も務め、幅広い人脈でと井岡市長の3選にも貢献したとされる。
 相談役に退いたイベント企画・デザイン会社は、市勢要覧の制作など市の関連業務も多く手掛ける。商工関係者の一人は、「市中枢と太いパイプがあったが、近すぎる関係への批判も多かった」と話す。
 15年に公益財団法人「高崎財団」の副理事長に就任し、昨年7月に財団が劇場運営の指定管理者になると、開館準備を指揮する立場になった。事件当時、劇場を管理する部署の担当が佐藤容疑者だった。
 一方、阿久沢容疑者は高崎商工会議所副会頭などを務める地元経済界の重鎮。富岡市長の講演会連合会の幹事長として、同じ幹部の菅田容疑者と交流があった。佐藤容疑者が卒業した高崎高校の同窓会会長でもある。
 と井岡市長の秘書も務めた佐藤容疑者は、手堅い仕事で信頼を得て、今年4月に課長職に抜てきされた。市議からは「市長に近い有力者の依頼を断れなかったのではないか」との見方も出ている。

**********朝日新聞2019年11月21日
高崎芸術劇場官製談合事件 3人容疑認める供述
 9月にオープンした高崎芸術劇場(高崎市栄町)の照明備品をめぐる官製談合事件で、逮捕された3人がおおむね容疑を認める供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と話しているという。
 ほかに逮捕されたのは、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=と、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市。両容疑者も「良い劇場にするためだった」という趣旨の供述をしているという。
 劇場建設を所管する高崎市都市集客施設整備室によると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団側から、チェコ製の照明を使うよう言われ、型番まで指定されたという。菅田容疑者は、高崎財団の副理事長を務めている。
 問題の備品は「ムービングライト」と呼ばれる舞台演出で使う照明。今年1月24日にあった指名競争入札で、阿久沢電機が最低価格の5680万円(税抜き)で落札した。
 整備室の担当者は「演出に関わる設備は財団が専門的な知識を持っており、財団が指定したものを使うことになった」と話す。財団側から、興行上のセールスポイントになるとの説明を受けたという。照明備品のほか、プロジェクターやプラグ類についても財団側からメーカーや型番の具体的な指定があったという。
 市契約課によると、昨年末ごろ入札準備に着手。富岡賢治市長の「地元の会社優先」の方針に沿って、整備室と協議しながら、市内の物品・役務の登録業者約800社の中から電気工事ができる社を選別。入札約2週間前に14社に絞って指名通知を送り、13社が応札したという。
 契約課が決めた予定価格の5800万円は、発注元の整備室が出した購入請求額と同じ。発注元の所管部署の金額通りにするのが慣例で、発注当時に整備室長だった佐藤容疑者はこうした慣例を把握してたとみられる。

*********読売新聞2019年11月22日
高崎劇場談合 財団肥大化 懸念の声
39施設で市指定管理者に

 高崎市の備品入札を巡る官製談合事件の舞台となった高崎芸術劇場は、市が出資する公益財団法人「高崎財団」が指定管理者(注)として運営している。逮捕された3人のうち、劇場館長の菅田明則容疑者(66)が副理事長で、予定価格を漏らしたとされる副館長の佐藤育男容疑者(50)も市からの派遣職員だ。財団は近年、大型施設の指定管理者に相次いで選ばれており、業務の肥大化や市の予算執行の不透明さへの批判も出ていた。
 市によると、指定管理者制度を導入する100施設のうち、財団管理は39施設。2017年に完成した高崎アリーナや今年6月にオープンしたソフトボール専用球場も含まれる。市条例は、指定管理者は公募で選ぶとしているが、劇場運営は例外規定が適用され、公募の無いまま昨年6月に決まった。
 これらを市議会も承認していたが、「財団に集中している」「市の出資法人を指定するのは民間活力の導入という制度の趣旨に反する」といった指摘もある。
 官製談合の対象となった照明備品も、財団がメーカーや品番を特定していたた。ただ、市の予算書には「備品購入費」としかなかったといい、ある市議は「具体的な使途がわからず、議会のチェック機能を果たせない」と批判する。
 財団は、1984年に市が出資して設立された市文化事業団が前身だ。職員約210人のうち、市からの派遣は18人。理事長は元三菱地所社長が務め、副理事2人のうちスポーツ分野は元国立オリンピック記念青少年総合センター所長代理、文化・芸術分野は菅田容疑者が担ってきた。定款上、市に議決権はないが、ともに富岡賢治市長の意向が働いたとみられている。
【注】指定管理者 公共施設の管理運営のために自治体が指定する団体。経費削減などを目的に2003年の地方自治法改正で制度が始まり、民間企業やNPO法人が参入した。業務委託に比べて自由な運営ができ、利用料は自らの収入にできる。県のまとめでは、市町村施設の14%(4月現在)が指定管理者制度を導入している。
★漏えい認める 佐藤容疑者★
 高崎市の官製談合事件で、芸術劇場整備の台頭室長だった佐藤育男容疑者が県警の調べに対し、予定価格を事前に漏らしたことを認めたうえで、菅田明則容疑者を介して電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)に「情報が伝わると思っていた」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
 問題の入札は、市が1月に指名業者に実施を通知。捜査関係者によると、佐藤容疑者は照明備品の受注に阿久沢容疑者が強い関心を持っていることを知っていたという。
 購入費の上限となる予定価格の情報提供は、劇場館長の菅田容疑者からの依頼を受け佐藤容疑者に求めたとされる。県警は、佐藤容疑者が予定価格漏えいの違法性を認識しながらも、市政に影響力を持つ菅田容疑者の求めを断り切れずに情報を伝えたとみている。
 一方、菅田容疑者を介して情報を得たとされる阿久沢容疑者も、情報源が佐藤容疑者であると「推測していた:」という趣旨の供述をしているという。

**********朝日新聞2019年11月22日
高崎芸術劇場官製談合容疑
副館長「断れなかった:」予定価格漏えい 上下関係影響か

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品購入をめぐる官製談合事件で、劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市=から予定価格を漏らすように依頼された高崎市企画調整課付課長で、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=が「以前からの付き合いで、依頼を断れなかった」などと供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は2人の上下関係が事件に影響しているとみて裏付けを進める。
=====両容疑者の職位の経緯=====
【佐藤育男容疑者】【菅田明則容疑者】
2
014年04月【佐藤育男容疑者】市文化スポーツ振興財団へ派遣(企画調整課付係長)
2014年10月【菅田明則容疑者】財団専務理事
2015年04月【佐藤育男容疑者】(課長補佐)
2015年06月【菅田明則容疑者】財団副理事長
2016年04月【佐藤育男容疑者】(課長)
2016年07月         財団名が「高崎財団」に
2017年04月【佐藤育男容疑者】都市集客施設整備室長
2018年02月         「高崎芸術劇場」の名称発表
2018年12月【菅田明則容疑者】高崎芸術劇場館長に就任
2019年01月         照明備品の入札
2019年04月【佐藤育男容疑者】高崎財団へ派遣=高崎芸術劇場副館長に就任(企画調整課付課長)
==========
 捜査関係者によると、佐藤容疑者は動機について、各社の応札価格が予定価格を大量に上回ったり応札業者が少なかったりし、「入札が不調に終わらないか心配だった」とも話しているという。
 証明備品の入札は今年1月24日に実施され、電気工事会社の阿久沢電機(高崎市)が税抜き5680万円、落札率97.0%で落札した疑いがある同社社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=も今回逮捕されている。
 市によると、地元のFM局の役員などを務めていた菅田容疑者は2014年10月に専務理事として公益財団法人高崎市文化スポーツ振興財団(現高崎財団)入り。翌年から副理事長に就いた。
 佐藤容疑者も同じ14年の4月から3年間、財団に派遣されて劇場の開業準備を担当。文化担当の副理事長だった菅田容疑者は上司に当たる存在だったという。劇場の完成が2年後に迫った17年4月、佐藤容疑者は市役所に戻り、劇場の建設を指揮監督する都市集客施設整備室長に就任した。
 県警によると、佐藤容疑者は書類作成や部下が作成した書類の審査を通じて予定価格を知るうる立場にあった。県警は、佐藤容疑者が市役所に戻った後も、財団示談の上司だった菅田容疑者との上下関係が続いていたとみている。
 劇場の完成を控えた昨年12月に菅田容疑者が館長に、今年4月に佐藤容疑者が副館長に就任。富岡賢治市長は19日の臨時記者会見で、形式上は財団が館長人事を決定するものの、自らが菅田容疑者に就任を打診したことを明かし、佐藤容疑者の副館長人事も「私が決めた」と明言。菅田、佐藤両容疑者について「最高のタッグと思う」とし、菅田容疑者は企画と人脈に、佐藤容疑者は実務に優れていたと高く評価した。
 富岡市長の講演会連合会で、菅田容疑者は会長顧問を務めていた。県警は、富岡市長の選挙を支えた民間ブレーンとして、菅田容疑者は市役所内に強い影響力があったとみて、事件との関連を調べている。

**********上毛新聞2019月11月22日
高崎談合「入札 不調困る」 佐藤容疑者 工期や開館遅れ懸念か
 群馬県の「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=が「(入札で落札業者が決まらない)不調になると困ると思った」などと話していることが21日、分かった。事件当時は既に9月の劇場開館が公表され、市議会3月定例会で入札結果を踏まえた議案の提出を迫られていた。群馬県警は予定価格漏えいの背景に、入札不調や工期の遅れに対する懸念があった可能性があるとみて詳しく調べている。
 これまでの調べで、いずれも同容疑で逮捕された阿久沢電機社長の阿久沢茂容疑者(68)=同市江木町=から依頼を受けた高崎財団副理事長で同劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=が、佐藤容疑者から予定価格を聞き出したとされる。佐藤容疑者は「(親しい菅田容疑者に)つい言ってしまった」とも話しているという。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、阿久沢容疑者は「準備したのに落札できないのはしゃくだった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。

**********朝日新聞2019年11月23日
仕入れとの差額 利益数千万円か
高崎官製談合事件 容疑の社長

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品をめぐる官製談合事件で、落札した電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=が数千万円の利益を得ていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は阿久沢容疑者らが予定価格と仕入れ額との差益を目的に談合を企てたとみて調べている。
 この事件では、今年1月ごろ阿久沢容疑者が劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=を通じ、当時は劇場建設を指揮監督する都市集客施設整備室長だった副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=から「ムービングライト」の予定価格を知り、落札率97.9%の5680万円(税抜き)で落札した疑いがある。県警によると、落札額には設置費用も含まれていたという。
 ムービングライトは、様々な方向を照らすライト。3月の市議会特別委員会で佐藤容疑者は「多彩な色の変化や効果を生み出す、現代のステージ演出には欠かせない照明器具」と説明していた。市などによると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団からはチェコのROBE(ロビー)社製の特定機種を指定され、購入請求額も示された、これがほぼそのまま予定価格になったとみられる。
 今回納入されたのは光を拡散させるウォッシュタイプ16台と、焦点を絞って照らすスポットタイプ16台。東京都内にある販売会社によると、高崎芸術劇場に納入された機種はウォッシュタイプが百~百数十万円、スポットタイプは280万~300万円が相場。さらい捜査には制御装置が必要で、安くても1千万円近いという。単純計算では予定価格の税抜き5800万円を超える額にもなり得るが、捜査関係者によると、仕入れ価格はこれらを大きく下回り、予定価格との差額が数千万円に上るという。
 阿久沢容疑者と菅田容疑者は富岡賢治市長の講演会連合会では幹事長と会長顧問、高崎観光協会でも理事長と副理事長の職にあるなど、日常的に懇意にしていたとされる。
 阿久沢容疑者「経営は良かった」(市長)とされる。捜査関係者によると、菅田容疑者は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と供述。阿久沢、佐藤両容疑者も「良い劇場にするためだった」などと話しているという。県警は、こうした供述などの半面、高額な差益を受けていた実態があるとみて、動機についてさらに詳しく調べている。



<スポットタイプのムービングライトとライトの例>
灯体が動くスポットライトの一例。灯体が300°以上回転し、GOBOやプリズムレンズ等の使用により立体的なシーンと独特の色彩効果が得られる。コンソールからコントロールすることができる。



<ウォッシュタイプのムービングライトとライトの例>無制限の色を作り出し、滑らかな色のミキシング効果を醸し出す。独特の早くスムーズ動きと原色ミキシングシステムで無制限の色を再現可能。コンパクトでしかも極めてパワフル、パフォーマンス照明に不可欠。熱と、ファン騒音が少ないので舞台等での熱も軽減する。コンソールからコントロールすることができる。いずれもHPより

*********上毛新聞2019年11月23日
高崎官製談合
市へ説明要求巡り 議運意見分かれる

 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件を受け、22日に開かれた高崎市議会議会運営委員会で、市に説明を求めるかについて各会派に所属する委員の意見が分かれた。
 労組系の市民クラブ(6人)は「今年3月議会で承認した案件が問題となっている。何らかの行動を起こした方がいいのではないか」と提案。これに対し、自民系の最大会派、新風会(23人)の「石川徹幹事長は「まだ捜査中で執行部に聞く段階ではない」、公明党(5人)の新保克佳政調会長は「慎重に様子を見る必要があり」とした。
 後閑賢二委員長(新風会)は松本賢一議長と対応を協議するとして閉会。取材に対し松本議長は「現時点ではコメントできない」とした。
 議運への参加資格がない協佐藤市議会議員団(2人)の伊藤淳博団長は「本会議の一般質問で説明を求めたい」と話した。
**********

■富岡市長が臨時記者会見で見せた狼狽ぶりを見るにつけ、この事件の背景にはさらに深淵が潜んでいることをうかがわせます。当会はしっかりと奥底まで見届けたいと、会員一同、決意を固めているところです。

 その一環として、11月22日付で当会会員らが次の3件の情報開示請求を行いました。
〇行政文書公開請求書「市長臨時会見録音」ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
〇行政文書公開請求書「入札調書等」ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
〇行政文書公開請求書「コンプライアンス室など」ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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