市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ問題を斬る!…民間工事向けで新たな火種(2)「伊香保の法水寺境内の有毒スラグ」

2015-10-27 01:18:00 | スラグ不法投棄問題
■当会の誇るリットン調査団が昨年9月に調査した際、渋川市伊香保町にある台湾最大の仏教法人グループのひとつである佛光山の日本法人が建立中の法水寺の境内で、造成地内に有害スラグの存在を確認し、その後、当会が法水寺を訪問し、スラグの事について報告したところ、現在、同施設のメインとなる大雄寶殿及びその付帯建物の建築工事を請け負っている東武建設に詳しく説明してほしいということで、同社やコンサルタントの楠山設計にも話をしておきました。詳細は次のブログを参照ください。
○2014年9月8日:大同有毒スラグ不法投棄調査レポート・・・民間施設(その3)伊香保(水沢)街道沿い
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1387.html
○2015年5月19日:伊香保にある佛光山法水寺構内で平成26年9月に見つかった鉄鋼スラグ不法投棄現場のその後
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1619.html

 東武建設によれば、現在建立中の建物の基礎工事を担当しているのは瑞穂建設で、事前にボーリングを実施したが、軽石の層があるがスラグの存在は確認できなかったという説明でした。なお、造成工事は熊谷組が以前担当しており、その当時のことは分からないとしています。そのため、スラグを供給した側の佐藤建設工業の工事履歴書を確認したところ、下請工事リストの中に3件の法水寺案件が見つかりました。

 そこで出荷記録によりさらに詳しい情報が得られるのではないかと考えた当会は、9月18日から大同特殊鋼が開設した問合せ窓口に10月2日、電話で連絡をとってみました。
○大同特殊鋼HPの「お知らせ」:鉄鋼スラグを使用した工事等のお問い合わせにつきまして
お問い合わせ窓口
大同特殊鋼株式会社 総務部広報室
TEL:0120-170-030 (フリーダイヤル)
FAX:052-963-4386
受付時間:午前9時から午後5時まで (土・日・祝日は除く)
http://www.daido.co.jp/event/150918.html

 その後、一週間が経過した10月9日に、同社総務部広報室から電話があり「検討した結果、要望のあったデータを開示すると、お客様や施工業者との信頼関係を損なう恐れがあるので、要望に沿えない」として、当会への情報提供を拒否してきました。

■そのため、口頭ではなく、書面できちんと回答をもらった方が良いと考えて、あらためて次の内容で、データ開示拒否の理由の確認を求めるFAXを送信しました。

**********
xofax2015.10.pdf
                    2015年10月23日
大同特殊鋼株式会社総務部広報室 御中
TEL:0120-170-030 (フリーダイヤル)
 FAX:052-963-4386
                    市民オンブズマン群馬
                    代表 小川賢
     鉄鋼スラグを使用した工事等の問合せについて

 貴社渋川工場の鉄鋼スラグ問題に関して、鉄鋼スラグを使用したと思われる次の工事に関して調査の上、速やかにご回答賜りたくよろしくお願い申し上げます。

1.対象となる工事の概要

群馬県渋川市伊香保町伊香保637-43他において、平成19年ごろから台湾の仏教寺、仏光山寺が日本の総本山として法水寺を建設中です。これに関連して、当会の調査によると工事現場において鉄鋼スラグの存在が確認されています。
当会の調査については、次のブログ記事を参照ください。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1387.html

 ちなみに、この造成工事を請け負った業者として、ゼネコンの熊谷組や地元の瑞穂建設の名前が取りざたされています。参考までに瑞穂建設HPの仏光寺法水寺造成工事の完成予想図は次のURLです。
http://www.mizuhokensetsu.com/dimg/1.jpg

 一方、貴社と一緒に鉄鋼スラグを再生砕石として販売していた佐藤建設工業の工事履歴書によると、下請工事の230番、275番、279番に、共栄機械工事㈱の下請でそれぞれ、「臨済宗 佛光山寺 日本総本山造成工事(土工事)」(工期:平成19年3~12月)、「(仮称)臨済宗 佛光山寺開発計画その2」(工期:平成21年2~3月)、「臨済宗 佛光山寺 日本総本山造成工事」(工期:平成21年3~7月)という3件の工事に関する記載があります。
工事履歴書は佐藤建設工業HPの次のURLを参照ください。
http://satokensetsukougyou.co.jp/cms/wp-content/uploads/2013/09/koji201309.pdf

2.問合せの内容

 このため、貴社が排出した鉄鋼スラグを含む資材がここに投入された可能性がありますので、どのような性状の鉄鋼スラグが、どのような時期に、どのような経緯で、それぞれの工事ごとに何トン(もしくは何㎥)の鉄鋼スラグが出荷され、どのように施工されたのか、調査のうえ、折り返し回答ください。

3.問合せの経緯

 実は、今回の書面での問い合わせに先立ち、当会では、10月2日(金)午前11時58分に、貴社のフリーダイヤル0120-170-030に電話をして、貴社名古屋本社広報室の市原担当に口頭で調査要請をしたところ、10月9日(金)午後1時23分に同担当から電話(052-96-7503)で連絡がありました。

 同担当からは、「顧客や請負業者との信頼関係を毀損する恐れがあるので、調査要請には答えられない」という趣旨の簡単な説明を賜りました。しかし、口頭であったため、理解が不十分であることから、あらためて今回、書面にて問い合わせを行う次第です。

4.回答先

 なお、今回の問い合わせに対する貴殿のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。つきましては、平成27年10月28日(水)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。

          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
                    以上
**********

■大同特殊鋼は、上記の通りホームページで問合せ窓口を開設して、一見、企業統治や企業の社会貢献(CSR)に熱心なそぶりを見せていますが、実際は「見せかけ」に過ぎないのかもしれません。それを確認する意味でも、同社からの返事の内容が注目されます。

【10月29日追記】
 10月28日午後5時に大同特殊鋼本社の総務部広報室から当会事務局あてに回答FAXが送られてきました。
 ご覧の通り、「いただいた情報に基づき調査をする」というだけで、いつまでに調査をして回答をよこすのか、全く触れていません。やはり、大同の体質は、この程度なのでしょうか?
**********FAX送り状**********
20151028ixoj.pdf
015 10/28 WED 17:01 FAX 03 5495 6733 001/002
                    2015年10月28日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
               名古屋市東区東桜一丁目1番10号
               (アーバンネット名古屋ビル)
                      大同特殊鋼株式会社
                       総務部広報室
               ТEL 052-963-7503
               FAX 052-963-3286
          FAXの送付について
 下記書類をご送付いたしますので、ご査収のほどお願い申し上げます。
             記
1.「10月23日付貴職からのお問い合わせに対する回答について」・・・1枚
                      以上

**********回答書本文**********
015 10/28 WED 17:01 FAX 03 5495 6733 002/002
                     2015年10月28日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
                       大同特殊鋼株式会社
                      総務部長 東 真一郎
 10月23日付貴職からのお問い合わせに対する回答について
 貴重な情報の提供ありがとうございました。さっそく関係者に連絡をし、現地確認をさせていただきます。
以上
********************


【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考情報
○法水寺のFacebook:
https://www.facebook.com/%E4%BD%9B%E5%85%89%E5%B1%B1%E6%B3%95%E6%B0%B4%E5%AF%BA-382579398474058/
 これをみると、今月10月5日に東禅棟の上棟式が行われたことがわかります。
○また今年5月24日には、本年の受戒式(帰依式)が実施されました。
https://www.youtube.com/watch?v=SzItN4XBM2Q
 このように現地では着々と工事が進んでいます。
 いずれにしましても、もし鉄鋼スラグが神聖であるべき寺社の構内に不法投棄されているとなると、事は重大です。日本と台湾の友好親善のためにも、神聖な宗教施設内に有毒スラグが埋め込まれていては由々しき問題です。信徒らが安心して参拝できる環境を担保しておくためにも、大同からのデータ提供は必須です。

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