市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【岩井市長の裏切り】安中市長選の争点だったはずの市庁舎移転建替え問題が、事実上、なかったことに?

2022-08-31 17:46:49 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題

■あれほど安中市長選で熱気を帯びた争点の市庁舎移転建替え問題。市幹部職員らの言うなりに、安中高校跡地に、防災センター機能併設の1点集中型の新市庁舎を建設すべく、しゃにむに突っ走った茂木前市長でした。それに待ったをかけて、予断なく精査することを公約に掲げた岩井候補に、多くの有権者市民は期待を込めて票を投じました。

 ところが、その後、岩井市長が監修をしたとする「安中市新庁舎建設基本構想」が改訂版として8月15日頃安中市のHPに掲載されました。
※改訂版「安中市新庁舎建設基本構想
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/files/kihonkousou_kaitei.pdf

 これを見ると、相変わらず、安中高校跡地を建替え先の候補地として選定したままとなっており、延床面積も8000㎡以下としているだけで、松井田庁舎にある一部市役所機能も全部集めた1点集中型の新市庁舎を目指しています。7月26日と27日に、開催された市民説明会で、あれほど多数の市民から、現在の庁舎の位置で建替えるべきだとする意見が噴出したのに、いったい岩井市長はどういうふうに考えているのでしょうか。

 そうした中、安中高校跡地周辺の住民らの間で、「岩井市長には裏切られた」とする聞き捨てならない声があがっています。いったい、どういうことなのでしょうか。

■安中高校跡地周辺でも、とくに南側では、住宅に混じって、明治、大正時代から続く建物がいまだに残っており、老舗の店舗も営業しており、閑静な道路の両側ではレトロな雰囲気が醸し出されています。

 この地区の住民の間では、市役所の新庁舎が安中高校跡地に移転した場合、アクセスの便宜を向上させるために、現在の道路を拡幅することになるのではないか、そうすると、道路の両側で居住したり、営業したりする住民の敷地が削られてしまうのではないか、あるいは、曳家(ひきや)や立ち退きを余儀なくされてしまうのではないか、など不安が募っていました。

 そこで、たまたま安中市によるアンケート調査もあり、安高跡地周辺の住民のかたがたは、市庁舎移転建替えについて反対の意見を送ったとのことです。そうした中で4月に執行された安中市長選において、市民の声に耳を傾けようとしないし、安中市の幹部職員の言うなり同然の茂木候補ではなく、市庁舎建設計画の見直しを掲げた岩井候補に期待する声が票として投じられました。市長選の結果、多くの市民の期待を背負って、岩井新市長が実現しました。

 ところが、その後の市庁舎建て替えに関する動きをみると、茂木前市長と同じく、安高跡地での立地計画のままとなっており、周辺住民の不満と心配はふたたび現実のものになりつつあり、「岩井市長には失望した」「岩井市長に裏切られた」などの声が、周辺の地元で高まっています。

■このことで、周辺住民が、市役所建替え計画を担当する資産活用課にヒヤリングしたところ、以下の説明がありました。

(1)市庁舎移転建替え先候補地の安中高校跡地において、新庁舎は、現在のグランドのある南側の敷地境界側に近い位置で、建設することになる。

(2)したがって、現在の校舎建物を取り壊した後は、更地になり、ここを駐車場や広場にする予定。

(3)安高跡地の北側の現在2車線の道路は、上毛広幹道となる道との交差点から150mほど、道路の両側をそれぞれ3mずつ拡幅することになろう。

(4)安高跡地の南側の現在1車線の道路は、まだ計画が煮詰まっていないので何とも言えないが、今のところ、有田屋の煙突など構造物もあり、道路を拡幅する予定はない。ただし、以前の校門に、旧中山道の2車線の市道から通じる道路は、拡幅する可能性がある。

(5)安高跡地の東側の現在1車線(軽自動車がやっと通れる程度)の道路は、安高跡地の法を削って拡幅することになろう。その場合、現在の道路幅の3倍程度となる。

 以上のとおり、安高跡地に新庁舎を移転して建てる場合、アクセスの利便性の観点から、ほんとうに跡地の南側にある1車線の道路を現状のままにしておくのでしょうか?市長選で岩井候補の市庁舎建替え見直しの公約に期待していた安高跡地周辺の住民は、岩井市長になってからも、引き続き精査の結果、安高跡地を移転先候補地としている状況に不安を募らせています。

 とくに旧中山道(旧国道18号)と、安高跡地の南側を東西に走る市道に挟まれた住民は、既に旧中山道と西毛広幹道の交差部分から150mの間は、1車線増えるため3m敷地を削られ、さらに市役所移転に伴い、安高跡地前の市道を拡幅となれば、こちらも3m敷地が削られかねず、前後3mずつ、トータル6mも敷地を減らすことになります。しかし、安中市からの説明は何もありません。一体なぜなのでしょうか?

■こうした市側の説明は、これまでしっかりと関係する周辺住民のかたがたに為されたのでしょうか。すくなくとも当会は、初めて知る情報です。

 そのため、当会では、8月1日付で、岩井市長が自身のSNS(FB)に「部長連絡会議、政策調整会議、そして市の最高意思決定機関である庁議を開きました。部長連絡会議では佐久弁の豪雨のこと、JR東日本が発表した不採算の地域路線のこと、係長と市長との懇談会のことを取り上げました。誠意策調整会議では9月市議会への提出議案の調整。そして、庁議は『安中市新庁舎建設基本構想の改訂(案)』を示し、決定しました。今後基本計画の策定作業に入りますが、随時、市民の皆様のご意見をお聞きしながら、手続きを進めていきたいと存じます」と記したことから、さっそく、初めに安中市に行政文書開示請求書を提出し、当該庁議の会議録の開示請求を行いました。

 8月9日に開示された会議録を見ると、7月26日、27日に実施した市民説明会のことは一言も触れられていません。
 そこで、情報開示に併せて、市資産活用課の大溝課長に、新庁舎の計画延床面積と建築費用について、新聞報道が報告書類と食い違っているのではないか、と指摘して、質問してみました。

 なぜなら最初に上毛新聞に7200㎡、49億8千万円と報道されましたが、朝日と読売では8000㎡以下と書かれており、8月9日の朝日新聞では8000㎡(「以下」は書いてない)と書かれているからです。

 かたや、市側の精査報告書や説明会資料では、「8000㎡以下を目指します」と書いてあります。ということは、7200㎡をなし崩しにして8000㎡を目指しているということになります。

 この800㎡の違いは少なくありません。費用で4億円以上もアップするのはもとより、松井田庁舎から行政機能を引き上げて支所機能だけにしてしまうということで、茂木前市長の構想と変わらなくなってしまいます。何のために岩井候補を支援したのかわからなくなってしまいます。

 大溝課長は、岩井市長は7200㎡に近づけるようにとする意向を示していている、としながらも、あくまで現状では8000㎡以下ということで、検討中という見解を示しています。仮に、7200㎡で妥結するなら松井田庁舎に教育委員会と産業環境部は残るので、現状と同じになると思います。

■安中市の言うことは、昔から信用できないため、今後も注意深く見守り、その本音を探りつつ、我々の税金を有効に使わせるよう、誘導してまいりたいと思います。また、市民に対してウソをつくようなことは許してはならないと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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