市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラをしぶしぶ認めたものの具体的な文書はあくまで不開示とする群馬高専の隠ぺい体質

2016-04-30 23:39:00 | 群馬高専アカハラ問題
■4月30日の朝、市民オンブズマン群馬事務局に、簡易書留で国立高等専門学校機構から書類が届きました。開封してみると、なんとまあ、不開示決定通知書と決定書が一緒に同封されていました。

※PDF ⇒ sj2.pdf

*****不開示決定通知*****
様式3
                            群高専総総第105号
                            平成28年4月27日
            法人文書不開示決定通知書
  市民オンブズマン群馬
   代表者  小 川   賢  様
                        独立行政法人国立高等専門学校機構
 平成27年6月26日付けで請求のありました法人文書の開示について,下記のとおり不開示とすることを決定しましたので通知します。
                  記
1 不開示と決定した法人文書について
(1)平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,貴学内の関係者(教職員,学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生,同窓生,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書
(2)平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,学内のハラスメント行為に関して,学校長ら貴学幹部,あるいは総務課や学生相談室,カウンセラーあてに,貴学内(教職員学生を含む)或いは貴学外の関係者。(卒業生,同窓生,保護者を含む)から寄せられた申立や相談などの一切の文書。
(3)上記②の受付後,貴学内において対応等を協議した場合は,その起案書や議事録などのー切の関連文書。

2 不開示とした理由
 開示請求のあった(1)~(3)に該当する文書について,(2)については,平成26年4月1日以降,ハラスメント行為に関して寄せられた文書が2件ある。(3)については,寄せられた文書を受けて事実関係を確認しとりまとめた文書が1件ある。さらに,(1)については,寄せられた文書を受けての学校の対応等について発信した文書が3件ある。これらの文書については,個人情報を含み,公にすることによって,個人の権利・利益を害するおそれがあることから,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第5条第1号の規定に基づき不開示とする。

※ この決定に不服がある場合は,行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定により,この決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に,独立行政法人国立高等専門学校機構に対して審査請求をすることができます(なお,決定があったことを知った日から起算して3か月以内であっても,決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には審査請求をすることができなくなります。)。
 また,この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は,行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定により,この決定があったことを知った日から6か月以内に,独立行政法人国立高等専門学校機構を被告として,同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます。(なお,決定があったことを知った日から6か月以内であっても,決定の日から1年を経過した場合には処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)

            担当窓口
              独立行政法人国立工業高等専門学校機構
              (学校名) 群馬工業高等専門学校
              (担当課・係名)総務課課長補佐
              (住所) 〒371-8510群馬県前橋市鳥羽町580番地
              (TEL) 027-254-9012
              (FAX) 027-254-9022

*****決定書謄本の送付について*****PDF ⇒ t.jpg
                       28高機総 第20号
                       平成28年4月27日
市民オンプズマン群馬
 代表者 小 川  賢 殿

              独立行政法人国立高等専門学校機構理事長
                      谷 口   功

           決定書謄本の送付について
 平成27年8月31日付けで貴殿から提起された、平成27年7月23日付け群高専総総第184号により独立行政法人国立高等専門学校機構が行った独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号.)第5条第1項第1号の規定に基づく不開示決定処分に係る異議申立てについて、次のとおり決定いたしましたので下記によりお知らせいたします.
               記
○添付資料
  (1) 決定書謄本                    1部
  (2) 答申書(写)                   1部

*****決定書*****PDF ⇒ 201704271_ketteisho_oyobi_ketteinoriyuu.pdf
201704272_toushinsho1.pdf
201704272_toushinsho2.pdf

           決   定   書
             住   所  群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
             異議申立人  市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
 上記異議申立人から平成27年8月31日付け(平成27年8月31日受付)をもって提起された,平成27年7月23日付け群高専総総第184号により独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」という。)が行った独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「法」という。)第5条第1項第1号の規定に基づく不開示処分(以下「原処分」という。)に係る異議申立てについては,次のとおり決定する。
             主  文
 本件について,情報公開・個人情報保護審査会の答申(平成28年3月2日付け平成27年(独情)答申第73号)を受けて;平成27年7月23日付け群高専総総第184号により機構が行った決定を取り消す。
 新たな裁定については,決定次第改めて通知する。

           異議申立ての要旨
 異議申立人は,法第3条の規定に基づき平成27年6月26日付けで提出された法人文書開示請求書において,以下に掲げる文舎(以下「本件対象文書」という。)について開示請求を行った。
 文書1 平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,貴学(群馬工業高等専門学校)内の関係者(教職員,学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書
 文書2 平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,学内のハラスメント行為に関して,学校長ら貴学幹部,あるいは総務課や学生相談室,カウンセラーあてに,貴学内(教職員,学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)から寄せられた申立てや相談などのー切の文書。
 文書3 文書2の受付後,貴学内において対応等を協議した場合は,その起案書や議事録などの一切の関連文書。

 これに対し,機構は,文書1~3について,平成27年7月23日付け群高専総総第184号により法第5条第1項第1号の規定に基づく不開示決定処分を行ったところであるが,異議申立人は原処分について以下に掲げる項目を理由に,本件異議申立てに及んだものである。
ア 異議申立人は目本国民として法人文書の開示を求める権利を有している。
イ 機構は,法第5条に基づく開示義務を有している。
ウ 機構は,本件処分理由として,文書1ないし文書3については,その存否を応えることにより,ハラスメント行為に寄せられた申立や相談などがあったという事実の有無を示すこととなり,したがって,その事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から,法第8条の規定により,その存否を明らかにすることはできない旨述べている。しかし機構は,法第8条の法人文書の存否に関する情報に定める「法人文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるとき」の理由を,「事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から」としているだけで,誰のプライバシーを指すのかよくわからない。被害者のプライバシーであれば申立てがあった事実は公表すべきであろうし,加害者のプライバシーであれば貴学が加害者に配慮しているという見方ができる。いずれにしても機構には,プライバシー保護の対象が誰なのかを特定する責任があると考える。
 エ 法第5条に記載の開示除外理由,あるいはただし書に照らして,なぜ機構が当該法人文書の存否を明らかにしないまま,当該法人文書の開示請求を拒否できるのか,異議申立人として判断できない状況におかれている。
オ よって,本件処分は,原則開示をうたった法の目的に違背している。
カ 異議申立人は,今回の事案の性質に鑑み,当該法人文書は,ハラスメントを受けた被害者である学生,卒業生,職員らの立場から,法第5条第1項第1号のただし書である「口 人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当すると考える。
キ 異議申立人は,ハラスメントを起こした加害者が公務員であるとの観点から,法第5条第1項第1号のただし書である「八 当該個人が公務員等である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」に該当すると考える。
ク 機構は,プライバシー保護を理由に当該法人文書の存否を明らかにしたくない,として本件処分を行った。機構が,加害者個人の権利利益を害するおそれがある情報のほうが,ただし書にある被害者の生命,健康,生活を保護するために公にすることが必要である情報よりも大切だと判断したのであれば,それは失当である。
ケ 機構は,当該法人情報が法第5条第1項第2号のFイ公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の権利その他正当な利益を害するおそれのあるもの」に該当すると判断している可能性も考えられる。もしこの場合であっても,異議申立人は,事案の性質に鑑み,当該法人情報を開示することにより,機構の正当な利益を害するおそれはないと考える。
コ 法第5条第1項第2号のただし書には,「ただし,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く」と明記されている。異議申立人は,事案の性質に鑑み/当該法入情報はただし書に該当すると考える。
サ よって,群馬工業高等専門学校の開かれた教育環境の実態を広く世間に知らしめるためにも,本件処分を取り消し,当該法人情報に含まれる加害者及び被害者らハラスメント関係者の情報のうち,学生と卒業生(もし中途退学者,行方不明者がいればそれらの者も含む)の住所,氏名,年齢及び生年月日,性別を除くすべての情報の開示を求める。

             決定の理由
 異議申立人の本件異議申立ては,法第3条の規定に基づく本件対象文書の開示請求について,機構が行った法第5条第1項第1号の規定に基づく処分の決定について提起されたものである。
 本件異議申立てに係る諮問については,情報公開・個人情報保護審査会より以下のとおり答申(平成28年3月2日付け平成27年(独情)答申第73号)が示されたところである。
 以下,情報公開・個人情報保護審査会答申文から引用する。なお,文中で「特定高等専門学校」とあるのは,「群馬工業高等専門学校」のことである。

1 本件対象文書について
 本件開示請求は,文書1ないし文書3(本件対象文書)の開示を求めるものである。
諮間庁は,本件対象文書については,その存否を答えるだけで法5条1号により不開示とすべき情報を開示することになるため,法8条の規定によりその存否を明らかにしないで開示請求を拒否した原処分は妥当である旨説明しているので,以下,本件対象文書の存否応答拒否の妥当性について検討する。
2 本件対象文書の存否応答拒否の妥当性について
(1)当審査会において本件開示請求書の記載を確認すると,「請求する法人文書の名称等」欄には別紙に掲げる内容が記載されているのみであって,文書の内容等に関する具体的な情報(例を挙げれば,文書1についてはその発信時期や発信者,記載内容等,文書2については申立てや相談の内容等,文書3については協議を行った者や協議内容等)は何ら記載されていないことが認められる。
 このような開示請求において,該当する文書が存在するか否かを答えることによって明らかになるのは,文書1については,特定高等専門学校が平成26年(2014年)4月1日以降に学内のハラ不メント行為に関して学内外の関係者に文書を発出したという事実の有無,文書2については,特定高等専門学校が同日以降に学内のハラスメント行為に関して申立てや相談を受けたという事実の有無,そして文書3については,文書2の受付後にその対応等について協議が行われたという事実の有無(以下,各文書に係る「事実の有無」を併せて「本件存否情報」という。)のみであると認められる。
(2)諮問庁は,本件対象文書の存否を答えることは,ハラスメント行為について申立てや相談等があったという事実の有無を明らかにすることとなる旨説明した上で,申立て等がなされたことで直ちにハラスメントに該当する行為の存在が断定されるわけではないが,仮に申立て等があったことが明らかになるような事態となれば,これらの点は,十分には考慮されず,また。個人名が示されないとしても,様々な憶測等を呼ぶことで,結果として当該個人の権利利益の侵害につながるおそれは大きい等と説明する。
 また,当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ,平成26年4月1日以降,特定高等専門学校に係るハラスメント事案に関して公表が行われたという事実はないとのことである。
(3)ハラスメントに関する認知や関心が一定の水準に達している昨今,特定高等専門学校の規模等を勘案しても,1年を超える期間内(平成26年4月1日以降)にハラスメン卜行為に関する申立てや相談等がなされること自体は特段奇異なことではないと考えられ,「申立てや相談等があったという事実の有無」が,公にすることにより個人の権利利益を害するおそれがある情報であるといえるのは,当該情報が公にされたことによって現に存在するハラスメント申立て又は相談に係る事案の当事者が特定又は推測されるおそれがある場合,あるいはそれを契機として学生を始め関係者が内外からその意に反する働き掛けを受けたり好奇の目にさらされたりするといった事態が生じる蓋然性が高まる場合などに限られると思料される。
 そこで,本件存否情報について検討すると,特定高等専門学校において申立てや相談等がない場合はもとより,申立てや相談等があった場合においても,本件存否情報はいずれも申立て又は相談の内容やその処理に関する具体的な情報を含まないのであるから,これを公にすることにより当該事案の当事者が特定又は推測されるおそれは認められず,また,存否応答拒否とした場合に比べて内外からの働き掛け等の蓋然性が高まるとも認め難い。
(4)したがって,本件存否情報は,いずれも法5条1号の不開示情報に該当せず,本件対象文書の存否を明らかにしても不開示情報を開示することになるとは認められないので,本件開示請求については本件対象文書の存否を明らかにしで開示決定等をすることが相当であり,原処分は取り消すべきである。
3 本件不開示決定の妥当性について
 以上のことから,本件対象文書につき,その存否を答えるだけで開示することとなる情報は法応条1号に該当するとして,その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定については,当該情報は同号に該当せず,本件対象文書の存否を明らかにして開示決定等をすべきであることから,取り消すべきであると判断した。

 したがって,本件異議申立てについては,情報公開・個人情報保護審査会の答申を踏まえて判断し,主文のとおり決定する。

※ この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は,行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定により,この決定があったことを知った日から6ヶ月以内に,独立行政法人国立高等専門学校機構を被告として,同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます。(なお,決定があったことを知った日から6か月以内であっても,決定の日から1年を経過した場合には処分の取消しの訴えを提起できなくなります
                       平成28年4月27日
               独立行政法人国立高等専門学校機構
                      理事長 谷 口  功

     この謄本は,原本と相違ないことを証明する。
          平成28年4月27日

               独立行政法人国立高等専門学校機構
                      理事長 谷 口  功
**********

■結局、アカハラに関する文書の開示請求は1年間にわたる時間をかけた結果、存否について、群馬高専は、文書1について3件、文書2について2件、文書3について1件存在することを認めました。

 ちなみに文書1、2、3はそれぞれ次の内容でした。

●文書1 平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,貴学(群馬工業高等専門学校)内の関係者(教職員,学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書
●文書2 平成26年(2014年)4月1日以降,現在に至るまでの間に,学内のハラスメント行為に関して,学校長ら貴学幹部,あるいは総務課や学生相談室,カウンセラーあてに,貴学内(教職員,学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)から寄せられた申立てや相談などのー切の文書。
●文書3 文書2の受付後,貴学内において対応等を協議した場合は,その起案書や議事録などの一切の関連文書。

 一方、当会が平成27年12月1日付で内開府情報公開・個人情保護審査会事務局あてに提出した意見書では、次の点を指摘していました。

*****【文書2相当】*****
③西尾典眞学校長への相談、申立等について、異議申立人が把握している限りでは少なくとも次の6回はあるはずである。
 a)2014 年11 月に学生に実施したアンケートに基づき、学生会(いわゆる生徒会にあたる)より
 b)2014 年11 月下旬に、■■■■工学科学生からのハラスメントに関する相談が激増したことに関して、学生相談室長より
➡c)2014 年12 月下旬に■■■■工学科教員より、ハラスメントに関する申立書として
 d)2015 年1 月中旬に、■■■■工学科4 年生が校長室に直接
 e)2015 年1 月下旬に、■■教授の問題行動で紛糾した理事会と、その直後に救済を訴えてきた■■■■工学科4 年生を受けて、後援会(いわゆるPTAにあたる)会長が校長室に直接
➡f)2015 年2 月下旬に、■■教授のハラスメント行為に遭った学生を中心にした13 名の学生への聴取記録をもとにした「人権・被害救済の申し立て」として
*****【文書1相当】*****
● 2015 年4 月の、■■■■工学科5 年生保護者に向けた西尾校長名の説明文書
**********

■すなわち、文書2について群馬高専側が2件存在すると言っているのは、上記はc)とf)のようです、

 また、文書1について群馬高専側が3件存在すると言っているなかに、上記の2015年4月付で電子情報工学科5年生保護者に向けた西尾校長名の説明文書があるようですが、その他2件は不明です。

 さらに、文書3については、群馬高専側は「(校長に)寄せられた文書を受けて事実関係を確認しとりまとめた文書が1件ある」としていますが、当会では確認できていません。

■それにしても、決定書の謄本と一緒に、あらためて不開示決定通知書を送ってくるところを見ると、当初から方針を決めていた可能性があります。

 今回の決定書の内容を踏まえて、2カ月前に、機構から送られてきた決定書(実際には、群馬高専の意見を取り入れて機構が作成したもの)をもういちど見直してみると、国の機関に対するこの種の異議申し立てに対する内閣府情報公開・個人情報保護審査会の答申のやりかたが解ってきます。

 すなわち、国民に知られたくない情報は、最初に不開示とする際に「存否応答拒否」という理由を付けるのです。当然、国の機関の情報を知りたいと思っている国民は、異議申立てをします。

 すると、国の機関(=諮問庁)の情報不開示を審査する立場にある内閣府情報公開・個人情報保護審査会は、「存否応答拒否」のみを捉えて、それについて審査をして「せめて情報の有無くらいは教えてやれ」と諮問庁に答申をするのです。

 当会は、審査会の結論である「本件存否情報は法5条1号の不開示情報に該当しないので、本件対象文書の存否を明らかにして開示決定等をすべきであることから、取り消すべきであると判断した」とする判断理由について、『存否を明らかにすると同時に個人情報を除く情報を開示してくれるのではないか』と誤った想定をしてしまいました。

 なぜなら、当会の異議申立てを受けて行われた内閣府審査会での検討作業の結果、存否にかかる独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(=法)8条に関する点を最も重視しつつも、法5条1号に関連する判断として「『申立てや相談等があったという事実の有無』が、公にすることにより個人の権利利益を害するおそれがある情報であるといえるのは、当該情報が公にされたことによって現に存在するハラスメント申立て又は相談に係る事案の当事者が特定又は推測される恐れがある場合、あるいはそれを契機として学生を始め関係者が内外からその意に反する働きかけを受けたり好奇の目にさらされたりすると言った事態が生じる蓋然性が高まる場合などに限られると思料される」としていることから、文書2については、不開示になることはありえても、文書1と文書3については、開示対象として群馬高専側に再考を求めている、と考えたからでした。

 ところが、機構=群馬高専側は、上記のとおり不開示決定通知書と決定書を一緒に送り付けてきました。

■今後の対応について、当会では行政訴訟も視野に入れて検討する所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(抜粋)
**********
(法人文書の開示義務)
第五条  独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る法人文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該法人文書を開示しなければならない。
 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項 に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第二条第四項 に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条 に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
二  法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
イ 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
ロ 独立行政法人等の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
三  国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
四  国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
ロ 犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
ハ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
ニ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ホ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
ヘ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
ト 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

(部分開示)
第六条  独立行政法人等は、開示請求に係る法人文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
2  開示請求に係る法人文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

(公益上の理由による裁量的開示)
第七条  独立行政法人等は、開示請求に係る法人文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該法人文書を開示することができる。

(法人文書の存否に関する情報)
第八条  開示請求に対し、当該開示請求に係る法人文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、独立行政法人等は、当該法人文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
**********

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