市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

群馬県知事公舎妾宅化損害賠償事件の上告で、最高裁から記録到着通知がオンブズマンに届く

2013-11-16 23:17:00 | オンブズマン活動

■公金で建てられ運営されている群馬県の知事公舎ですが、あろうことが妻帯者であるにもかかわらず、単身で入居願を群馬県に提出した知事・大澤正明。彼は、自分で自分に入居許可を出し、風呂場の改装や玄関ゲートのリモコン化、ブロック塀の上に目隠し用の塀を嵩上げ、隣のマンション側にも目隠し用の常緑樹を自分で取り壊しを指示した本来の知事公舎の敷地内から移植、玄関脇にも目隠し用の竹垣設置などなど、言語道断の浪費を続けていました。しかもこの浪費の目的は、実は20年来の愛人と週末の逢瀬を楽しむためでした。この問題で、市民オンブズマン群馬では、知事公舎の妾宅化に費やされた公金の支払いを県知事に求めるべく、住民訴訟を提起しました。地裁、高裁ともに行政側を擁護する裁判官により門前払い判決が出たため、9月30日付で最高裁に上告しました。この度、最高裁第一小法廷から、「記録到着通知書」がオンブズマンに届きました。

**********

                    平成25年11月14日
〒379-0114
安中市野殿980番地
 小川賢 様
 平成25年(行ツ)第460号
 平成25年(行ヒ)第497号
               最高裁判所第一小法廷
                   裁判所書記官 佐古 智明
     記録到着通知書
 原裁判所から下記事伴記緑の送付を受けました。今後は,当裁判所で審理することになりますのでお知らせします。
 なお,審理する上で書面を提出してもらう必要が生じたときは連絡します。その際には,提出する書面に当裁判所における事件番号(下記1)を必ず記載してください。
          記
1 当裁判所における事件番号
  平成25年(行ツ)第460号
  平成25年(行ヒ)第497号
2 当事者
  上告人 兼 申立人  鈴木庸 外1
  被上告人兼相手方  群馬県知事
3 原裁判所及び原審事件番号
  東京高等裁判所
  平成25年(行コ)第139号
  当裁判所所在地  〒I02-8651 東京都千代田区隼町4番2号
  電話 03-3264-8111  (内線2172・2173・2174・2180・2181・2182)
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■市民オンブズマン群馬のメンバーらは、東京高裁での平成25年8月9日の控訴審判決を不服として、判決直後に上告受理申立書を東京高裁に提出しました。8月12日付で東京高裁から原告らと被告双方に上告受理申立て通知書が送られてきました。それにもとづき、原告オンブズマンらは9月30日付で上告理由書と上告受理申立理由書を東京高裁に提出しました。

 その後、東京高裁では、オンブズマンらが出した上告受理申立書、上告理由書、上告受理申立て理由書の書類に不備がないかどうか審査を行ってきましたが、不備がないと判断したため、控訴審までの裁判記録一式と上告受理申立書、上告理由書、上告受理申立て書を最高裁判所に送付したようです。

 だから今回、最高裁判所から、これらの書類・記録等を東京高裁から受け取ったため、当事者であるオンブズマンのメンバーら2名と、群馬県知事に対して「記録到着通知書」が送られてきたと思われます。

 今後は、最高裁において内容について審理が行われ、オンブズマンらの上告受理申立てに理由があると判断した場合は、「上告受理決定」を当事者らに送達し、口頭弁論期日がひらかれることになります。この場合は、おそらく控訴審判決をひっくり返す判決になる可能性が高いことになります。

 一方、オンブズマンのメンバーらの上告受理申立てに理由がないと判断した場合には、申立に対して「不受理決定」を行い、事件が終了してしまいます。

 したがって、今後、「上告受理決定」もしくは「上告不受理決定」のどちらかが最高裁から届くことになります。これまでのオンブズマンのメンバーらの経験では、前者が届いたことは泣く、「上告不受理決定」しか届いた記憶がありませんが、それが出されるまでの期間は、千差万別です。早い場合は1ヶ月で「不受理決定」が出されることもあります。また、4年近く経過指定から、ある日突然「不受理決定」が送りつけられることもあります。

■最高裁判所から記録到着通知書が送付された後、一般に、事件に動きがあるまで1~2年くらいかかります。上告受理申立の理由がないことが明らかな場合には、上記のとおり1~2ヶ月で「不受理決定」が出されるので、年末から年明けまでにそうした通知がくるかどうかが、ひとつの節目になりそうです。

 いずれにしても、群馬県知事と、知事公舎を管理する管財課が所属する総務部とは、共に共同正犯の関係にあるため、最高裁から「不受理通知」が届くのを見越して、知事公舎の解体、撤去、そして更地にしたあと前橋市に売却するための準備を水面下で進めているに違いありません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


※オンブズマンのメンバーらが最高裁に上告した賽に提出した2種類の書類を以下に示します。
【上告理由書】
上告審事件番号平成25年(行サ)第159号 行政上告提起事件
(控訴審事件番号平成25年(行コ)第139号 知事公舎妾宅化損害賠償請求控訴事件)
上 告 人 鈴木庸 外1名
被上告人 群馬県知事 大澤正明
最高裁判所 御中
          上告理由書
                    平成25年9月30日
上告人
 住所 群馬県前橋市文京町1-15-10
 氏名 鈴木 庸  印
 住所 群馬県安中市野殿980
 氏名 小川 賢
 頭書事件につき、上告人らは以下のとおり上告理由を提出する。
 我が国憲法のもとでは、公務員は日本国憲法第15条第2項に基き、国民全体の奉仕者であって、一部への奉仕者ではないとされている。また公務員は、第99条により「憲法を尊重し擁護する義務」を負っている。
 この場合、公務員とは、厳密に言えば職業や職種ではなく地位で、国または地方自治体の職にあるもの全てが対象となる。その者の職の選任方法の如何を問わず、また職が立法、司法、行政のいずれの部門に属しているかも問わない。
 日本国憲法第15条第1項では「公務員を選定し、およびこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定されている。これは「あらゆる公務員の終局的な任命権」が国民にあるという国民主権の原理を表明したものである。
 したがって、公務員は法令を遵守するとともに、上司の職務上の命令には“重大かつ明白な瑕疵”がある場合を除いて、忠実に従う義務がある。これに関連する法令としては、国家公務員法第98条及び地方公務員法第32条がある。
 このように公務員の究極の使用者は国民であることに照らしてみれば、本事件で、群馬県知事・大澤正明が、国民の血税で建設し運用していた財産を、私的な不倫行為(民法第770条で定めた貞操義務の不履行)の場として使用していたにもかかわらず、また、知事・大澤の公舎での不貞行為に対して、被上告人である群馬県が問題視せずに容認していることを上告人らが裁判提起したのだから、一審あるいは二審がしかるべき判断をすべきであった。
 ところが、一審も二審も上告人らの請求を退けた。これは明らかに憲法の解釈がゆがめられていることを示している。
 このことが何を意味しているかといえば、知事・大澤の不貞行為を知りつつ被上告人の群馬県が公舎の妾宅化のために血税を投入したことに対して、裁判所が、憲法に定められた公務員の倫理や義務について正しく判断をしていないという現実である。
 どうやら本事件は、地方の自治体で発生した些細な出来事だというふうに公務員側には受け止められているのかもしれない。
 だが、公務の特性である①公益性・非営利性(活動の多くは金銭に換えられない公共的な価値を追求)、②公平・中立性(法令にしたがって執行。特定の者だけ優遇することは許されない)、③独占性(公共の目的のため役割が配分され、個々の業務は独占的)、④権力性(公権力を背景にして公務を執行)の観点に照らしても、公務員側は、自らの非を自らが気付くべきである。
 ところが、国民がそのことを公務員側に指摘しても、率直に事実を認めるどころか、公権力を自らの都合よく解釈して、自分らの非を正当化しようとするのである。これは、国民主権をうたう日本国憲法の理念に反するものであり、本事件は地方の自治体で発生した些細な事ではなく、その本質の中に重大な問題が包含されている。
 公舎での不倫という人のみち、即ち社会秩序の原理や、血税の公舎妾宅化目的の投入という職業倫理の欠如から発生した本事件では、公務員倫理のあり方が正面から問われていると言える。
 公務員倫理は公務員に対する社会の期待や信頼に応える行動基準であり、その職務がより大きく社会に影響を与える。だから、公務員には高い職業倫理が求められているのである。
 確かに裁判所も公務員側の立場にあるわけだが、職業倫理は司法というしっかりと独立した礎に載っているはずである。図らずも。一審、二審ともに、被上告人の主張する誤った公務員倫理を追認してしまったが、最高裁では一審、二審の判断にとらわれることなく、きちんとした判断が行われることを、上告人らは、主権者の国民として強く要請する。     以上

【上告受理申立書】
上告審事件番号平成25年(行ノ)第159号 行政上告受理申立て事件
(控訴審事件番号平成25年(行コ)第139号 知事公舎妾宅化損害賠償請求控訴事件)
申立人 鈴木庸 外1名
相手方 群馬県知事 大澤正明
最高裁判所 御中
          上告受理申立て理由書
                    平成25年9月30日
申立人
 住所 群馬県前橋市文京町1-15-10
 氏名 鈴木 庸  印
 住所 群馬県安中市野殿980
 氏名 小川 賢
 頭書事件につき、申立人らは以下のとおり上告受理の申立て理由を提出する。
 控訴審の事実認定に異議がある。
 上告人らが、最初に主張したいことは、相手方の群馬県知事・大澤正明が、群馬県民の血税で建てられ運用されていた公舎を使って、不倫をしていたことである。
 この場合、法律の専門家である司直のかたがたには釈迦に説法であるが、問題点として3つ挙げることができる。
 そのひとつは、群馬県知事・大澤正明の「不倫」行為である。不倫は民法第770条で定めた不貞行為(貞操義務の不履行)であり、配偶者を持つ知事・大澤には婚姻により貞操義務を有する。だが、実際には20年にわたり配偶者以外の女性と不倫をしており、浮気という類のものではない。知事・大澤の不倫は、県議会や県庁の関係者の間では周知の事実でり、本事件では、群馬県庁の副知事や総務部関係者が知事の不倫をしりつつ、いや、知っているからこそ、知事の不倫環境を整備して知事の関心を得るべく、血税を公舎に平然と投じたのであり、相手方の責任はきわめて重大である。
 ふたつ目は、地方自治法に違反していることである。同法第2条第14項には「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」とある。
 これに照らせば、本事件で群馬県は、その事務を処理するに当たって、住民の福祉ではなく、群馬県知事・大澤正明の「不倫」のための福祉の増進に努めており、最小の経費で最大の効果を挙げるどころか、血税を知事個人の私的な欲求を満たすためにつぎ込んだことになり、あきらかに地方自治法に違反している。
 みっつ目は、地方公務員法に違反していることである。同法第33条には「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と定めてある。群馬県知事・大澤正明が、配偶者以外の女性と県議当時から20年にわたり関係を結び、しかも、公的な施設を逢瀬の場として多年にわたり利用してきたことを、なぜ裁判所はこの地方公務員法に問わないのか、きわめて不可思議である。もし、同じ公務員として、群馬県知事・大澤正明のとった行動が地方公務員法に違背していないのであれば、きちんと判決文でそのように明示されなければならない。
 本控訴事件では、相手方の証人尋問を要請したが、裁判所はこれを却下した。申立人らは、本事件が公に知られる端緒となった平成22年7月13日発売の週刊新潮の記事を見て、群馬県知事・大澤正明が、公社を舞台に不倫を繰り返してきたことを知り、直ちに真相を確認すべく、情報公開請求を行った。開示情報が遅く、しかも不十分だったため、あらためて公開質問状や追加の情報公開請求を行ったが、真相解明と責任の所在の確証を得るにはさらに時間がかかることから、住民監査請求に踏み切った。
 ところが、群馬県の監査委員4名のうち2名は群馬県議会議員だが、そのうち1名の狩野県議は不倫で相手に子どもまでつくらせた人物だったため、同じく不倫に関連した本件の監査業務に関与することを忌避するための申立を相手方にしたが、拒否された。監査結果は当初危惧したように、公共施設を舞台にした不倫について不問にするという判断がなされたため、司法の判断を仰ぐべく提訴したものである。
 一審では、申立人らの請求は却下・棄却されたが、知事・大澤が過去に遡って公舎に配偶者以外の女性を恒常的に連れ込んでいた事実は否定しなかった。
 ところが二審では、その事実を全て否定するとともに、公舎の前にある小学校に面したブロック塀の上に児童の目を憚った設置した目隠しフェンスや、配偶者以外の女性を車に同情させて容易に連れ込め易いように公舎入口のゲートをリモコン電動ゲートにしたり、隣にあるマンションの4階以上に住む住民らの目を憚って何本も移植したサンゴジュの木々や、配偶者以外の女性を公舎建物に連れ込み易いように玄関脇に竹垣を設けたりしたことなどは、住民として普段から注意していれば十分に気付いたはずであり、監査請求の提起がそれらの公金支出を伴う行為から1年以上を経過した後であることは住民である申立人らの怠慢だという、判決を出したのである。
 知事・大澤が配偶者以外の女性を公舎に恒常的に連れ込んでいたことについては、隣接のマンションの住民が週刊誌の記者にかたり、それが記事に掲載されている。しかし、知事・大澤は、この記事について事実無根だとして弁護士に法的対応を相談していると語った。ところが、現在に至るまで、知事・大澤は、週刊誌に記事を掲載した新潮社に対して何ら法的対応措置をとっていない。
 申立人らは、そのような知事・大澤の事情を察して、法廷での証言での機会を提供すべき、前述の通り証人尋問を高裁に申し立てたが、知事・大澤は「その必要は無い」として応じなかったのである。
 このことから、知事・大澤が恒常的に公舎に配偶者以外の女性を連れ込んで、光熱水費を公務以外の目的で費消したのは明らかであるが、高裁は、判決の中で「控訴人らは,大澤が平成22年に30回,平成23年1月から6月までの間に13回,知人女性を本件公舎に宿泊させたものであって同女と同居していた旨主張するが,平成23年7月8日から9日にかけての1泊(本件公舎提供行為)以外に,大澤が上記の女性を本件公舎に宿泊させたことを認めるに足りる証拠はないから,上記の主張は採用できない。」としてこの事実に目を瞑った。これは、経験則違反である。
 このように、主権在民を無視した相手方の主張や、それを支持する形の判決をくだした司法の判断は、地方自治法第2条第14項および地方公務員法第33条に違背しており、適切な判断がなされるべきである。
 最後に、万が一、申立人らの上告受理申立て理由書が不受理となり、高裁判決が確定したあかつきには、地方公務員法第33条の改正として、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。ただし、公舎を使って不倫をする場合であっても、職の信用を傷つけたことにならないし、職員の職全体の不名誉となるような行為とならない」というふうに、但し書きを付け加えるように法務省や総務省など関係省庁に働きかけを行う。
 また、相手方の群馬県には、当然のことながら、群馬県公舎管理規則第8条(遵守事項)の第1項第三号に禁止行為のひとつとして定めのある「職員と生計を一にする者(使用人を除く)を同居させること」に加えて、但し書きとして、「但し、ここでいう『使用人』には、愛人、妾、2号とよばれる配偶者以外の者も含む」という記載をつけて、相手方の主張にそった改正を求め、今後、公務員が公舎や官舎を舞台に類似の行為を行っても、判断に二重基準が生じないような措置を取るよう促すことにしている。     以上
**********

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これでいいのか群馬県環境行政・・・大規模審議会の議事録から見えてくる政官業トライアングル(その2)

2013-11-16 01:41:00 | 全国のサンパイ業者が注目!
■安中市岩野谷地区で㈱環境資源が計画中の広さ9町歩の大規模サンパイ場計画は、規模が大きい為、廃棄物処分場計画としては群馬県で初めて大規模開発条例の適用を受けて、群馬県土地・水対策室で平成21年12月17日から事前協議が続けられてきましたが、わずか4年足らずで、最後の段階の大規模土地開発事業審議会にかけられてしまいました。6月27日に開かれた第1回審議会で継続審議となりましたが、早くも3週間後には第2回審議会が開催されたのでした。

 開示された会議録をさっそく見てみましょう。

**********第2回審議会会議次第

平成25年度第2回群馬県大規模土地開発事業審議会
     会 議 次 第
                 日 時 平成25年7月19日(金)
                      午後2時~
                 場 所 議会庁舎204会議室
1 開 会
2 議 事
  第1号事案
  「安中市大谷字新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業]
3 その他
4 企画部長あいさつ
5 閉 会

**********審議会委員名

群馬県大規模土地開発事業審議会委員名簿
(第20期 任期:平成23年10月14日から平成25年10月13日)※敬称略
 区分・分野/氏名/職業/備考
●農業/保坂 洋子(ほさか ようこ)/農業・群馬県農業会議 常任会議員
●林業/新井 和子(あらい かずこ)/多野東部森林組合 代表理事組合長
●商工観光/大西 章雄(おおにし あきお)/㈱大西ライト工業所 相談役
●自然環境/片亀  光(かたかめ ひかる)/㈲環境サポートシステム 代表取締役/欠席
●地質/大塚 富男(おおつか とみお)/関越地域地質研究所 代表
●文化財/神保 侑史(じんぼ ゆうし)/辛科神社宮司
●都市計画/林  時江(はやし ときえ)/㈱林藤ハウジング 取締役部長/欠席
●土木/木村 清和(きむら きよかず)/群馬工業高等専門学校 教授/欠席
●法律/小此木 清(おこのぎ きよし)/弁護士
●報道/会田  裕(あいだ ゆたか)/㈱上毛新聞社 専務取締役

**********第2回審議会会議録

平成25年度
第2回 群馬県大規模土地開発事業審議会
     会 議 録
日 時 平成25年7月19日(金)
     午後2時~午後3時35分
場 所 県議会庁舎 2階 204会議室

<大規模土地開発事業審議会会議録>
1 開催日時 平成25年7月19日(金)14:00~15:35
2 場  所 県議会庁舎 2階 204会議室
3 出席委員 会長 小此木精、副会長 大西章雄、保坂洋子、新井和子、大塚富男、神保侑史、会田裕(計7名)
4 県出席者 反町企画部長、友松土地・水対策室長、同室職員、土地利用対策会議構成員(15名)
5 審議事項
  大規模土地開発事業計画の審議について
   第1号事案 「安中市大谷宇新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業」
6 審議の概要
(司 会)
 開会宣言、定足数報告(委員10名中7名出席)
(小此木会長)
 挨 拶
(議 長)
 前回に引き続き、継続審議となっています第1号事案 安中市大谷字新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業についてご審議いただきます。
 審議に先立ちまして、木目の会議録署名委員の選任をしたいと思います。
 会長に一任いただけますか。
          ( 異議なしの声 )
 では、今回は保坂委員と会田委員のお二人にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
          ( 両委員了承 )
 それでは、早速、事案の審議に入ります。
 まず、前回、ご欠席の委員もいらっしゃいますし、各委員の意見の整理も兼ねて、事務局から前回の審議状況について簡単に説明をお願いします。
 また、前回、宿題になっていた事項についても併せて説明をお願いします。
(事務局)
 それでは、前回の審議状況等について説明します。
 まず、事務局から制度の概要説明を行い、大規模土地開発事業の定義や事前協議は開発の許可や権利を付与するものではないこと、事前協議の終了後に、改めて県の林地開発許可や廃棄物処理施設設置許可、安中市においては、ため池への排水施設接続協議、道路占用や廃道、付け替え、農地転用許可などの手続があること、などを説明しました。
 続けて、今回の事案の開発計画の概要について説明し、さらに計画に対する県の指摘事項や関係市町村である高崎市・安中市の意見とそれに対する事業者の回答、特に安中市が当初から計画に反対している状況について説明しました。
 また、廃棄物・リサイクル課長から、廃棄物処理施設の現状と政策について、説明し
ました。
 その後、審議に入り、始めに追加資料として、新山貯水池水利組合の意見書を配布するとともに、その項目に沿って、事前協議における整理の考え方について説明しました。
 その後の質疑についてですが、まず、水の関係では、洪水調整能力や水を浄化し続ける想定期間とその費用確保の確実性について、質疑応答がありました。
 また、埋め立てた廃棄物から発生するガス、主に石膏ボードから生じる硫化水素について、問題がないか確認が求められました。
 地盤や地質の関係については、観音山丘陵など周辺地域で発生している地滑りや、土壌内に含まれる塩分による被害と今回の計画地域における関係や影響について意見や質問がありました。
 埋め立てた廃棄物と塩分土壌の化学反応などについては、第2回への宿題となり、この後、廃棄物・リサイクル課から説明があります。また、地質の専門家である大塚委員の見解を聞きたいという意見があり、今回ご説明をいただきます。
 計画施設に関する事項としては、埋立の勾配、現況地形、残土処理等についての確認がありました。
 これらのうち、現況地形については、本日追加資料として地形図をお手元に配布させていただきました。これをご覧いただきますと現況の地形が峰・谷・峰となるV宇型をしており、この谷地形を成型することで廃棄物埋立地を造る計画となっています。
 残土処理量については、前回の審議会で配布した第1号事案資料の2ページと5ページで数値が2種類あることの指摘をいただき、確認を要する事項となっていましたが、2ページ「開発事業計画概要」の災害防止欄にある数値が正しいことが確認できました。
残土処分量は277,367㎥ということになります。
 また、地元から多くの反対署名があったことから住民への説明が十分でないのではないかとのご指摘がありました。事務局からは、地域からの要望を事業者に示して、事業者がそれに対する見解書を作成し、地域と書類上のやり取りを複数回行っているとの説明をしました。
 それに補足する資料として、これまでの経過について、追加資料を今回、配布しております。←(当会注:明らかに業者側擁護の配慮)
 平成21年12月に事前協議書を受理して以降、約2年かけて事務的な審査を行い、平成23年12月には審査が終了段階となりましたが、その時点で、なお安中市の反対があり、また、地域住民に計画が十分周知されていない状況があったことから、平成24年3月には県の出前講座を開催し、土地・水対策室と廃棄物・リサイクル課の職員が地域に出向いて、説明を行いました。また、事業者に対しては地元の理解を得るよう引き続き指導してきたところであります。←(当会注:結局、出前講座も県環境行政の業者擁護のネタのひとつにされてしまったことになる)
 以上、前回の審議状況について、宿題や補足説明も含めて、事務局から説明しました。
(議 長)
 残土処理についてですが、あらかじめ掘削した土を一部残しておいて、それをまた覆土に利用するということで、新たに他のところから土を持ってきて覆土を行うことはないことを確認したい。
(事務局)
 掘削して発生した土で覆土を行うということです。
 それでも残った土を残土処理として処分します。
(廃棄物・リサイクル課)
 塩分が多い土砂を覆土として利用した場合の影響についてご質問がありました。
 自然環境にある土砂と比較して埋立可能な廃棄物は、多く塩分を含んでおり、これは食べ残しの食品を焼却した焼却灰等に由来するものです。塩分が多い土砂よりむしろ廃棄物に多くの塩分が含まれています。←(当会注:これは詭弁だ)
 また、海岸部や海岸埋立の処分場において、塩害による支障が出ていない状況ですので、今回の覆土に塩分が合まれているとしても影響はほとんどないと考えています。
(議 長)
 今日は、地質の問題について、大塚委員に資料をご準備いただいていますので、こちらの説明をお願いいたします。
(大塚委員)
 ( 大塚委員が用意した資料『安中・高崎地域の地表変動の痕跡』を説明 )
(神保委員)
 先ほどの説明ですと、深谷断層系というのは、1万年前に活動し、そのあと、9世紀の弘仁の地震の間までは何もなかったのですか。
(大塚委員)
 1万年前に深谷断層系が動いたという話はありません。まだ結論として深谷断層系が動いたとは言い切れないが、恐らくそうではないだろうかという推定です。
(神保委員)
 初めて動くのは、9世紀の時代でよいですか。
(大塚委員)
 9世紀の震源断層も研究者によって考え方が違い、埼玉大学にいた堀口先生は深谷断層系だと言っています。他の方は、栃木県の断層が動いたのではないかと言っています。震源断層の特定は、なかなか難しいようです。
 ここに挙げた資料は、深谷断層系がこのように評価されているとするものであり、他の調査でも別の評価があることを示したものです。これは客観的に、このような場所であることを承知いただく資料だと考えてもらいたいです。震源断層として一番考えやすいのが深谷断層系だと思います。
(議 長)
 19ページの4の1の図の説明で平均活動間隔が1万3000年から3万年程度ですから1万年前に液状化した可能性があるという話ですと3000年後くらいに活断層が動く可能性があるということですか。
(大塚委員)
 このデータは、産業総合研究所の地震調査会のデータで、この1万3000年というのは、浅間山の噴火の火山灰の時代を根拠として1万3000年から3万年程度の活動間隔を想定したものです。
 本体ではなくて、派生している子か孫の断層を見ているのかもしれない。「程度」と付いている訳であり、データとしては断層の長さから想定される地震の規模の方が信用できます。
 いつ発生するかは、難しい問題であり予測はできないという意見もあります。
(大塚委員)
 前回の会議録で、周辺は地滑りが多いという意見があったようですが、通常の地滑りというような地表の問題は、土を抑える技術や地滑りを留める技術は進んでいるので表面の問題はあまり問題にならないと考えています。
 むしろ地下の地震を発生させるような地質条件が心配です。だから他に建設する場所はないのかという根本的な話になってしまいます。
(神保委員)
 地形のことを前回、聞きましたが、地震が発生するのは、明日起こるか、1万年後か、100年後かわからないわけで難しいのですが、この奏の神遺跡の地震は、9世紀ですので1000年前ですね。
 この1000年の間、大きな地震により被害があったという記録は、私の知っている限りでは西毛地区にないです。
(大塚委員)
 西埼玉地震と関東地震ですね。
(神保委員)
 9世紀のこの地震は、赤城山麓は、大きな被害を受けたようですね。
(大塚委員)
 赤城山麓の記録は、多く残っているが、下野国、上総国、下総国、静岡県でも被害を受けたようです。かなり広域的な被害があったようです。
(議 長)
 前回、廃棄物処理施設の構造等については、今後の個別法の手続きの中で十分審査されると説明がありました。
 今回は、地盤について、重要な問題ですが、この事前協議の段階での扱いは、どのような方法がありますか。
(事務局)
 地盤に関する意見の扱いですが、答申の中に盛り込むことは可能です。ただ、答申書は紙面が限られているので、先ほど大塚委員からご説明いただいたように詳細に記述することは難しいと考えます。←(当会注:答申書の紙面が限られているなどと、よくもまあ平気で言えるものだ。明らかに業者に天下った大物職員OBへの配慮がこう言わせたに違いない)
 別の方法として、前回、審議会における意見として事業者に対し事務局から別途通知した事例がありました。
 今回も答申とは別に、本日の資料や審議会の中でいただいた意見を事業者に通知し、地盤の問題について十分に調査・検討を促すといった対応をとることも可能と考えます。
(議 長)
 事務局から只今、説明がありましたが、大塚委員は、根本的に活断層による地震の問題であるとの意見です。
 委員の皆様はいかがでしょうか。
(事務局)
 地震について心配との意見があるところですが、廃棄物・リサイクル課から施設面の地震対応として考えられる点について、改めて説明させてもらえますか。←(当会注:2年で異動する素人役人集団に説明させて何になるのか)
(議 長)
 お願いします。
(廃棄物・リサイクル課)
 廃棄物側の手続きは、まだ事前協議の段階で構造計算等は今後の話となります。
 今後の審査における構造物等の構造計算は、大地震対応の設計が予定されています。←(当会注:業者でもない役人が、あたかも業者の代弁者かのように発言すること自体無責任だ)
 遮水工は、耐震設計済みの製品を選定していくことで考えられています。
 土堰堤の設計においても大規校地震動を想定した設計で考えられています。
 県は、法律の基準に加え、県の構造基準を定めており、直接地震対策という観点ではありませんが、例えば土構造物の勾配や小段の基準は、法基準に上乗せして安全側に設定してあります。
 今回のような管理型の施設は全国に相当数あり、地震発生後の実例としてさきの東日本大震災後の状況をみると、一部切土部分の崩壊報告はありましたが、遮水シート、擁壁、排水処理施設の損壊などの重要箇所の被害報告はありません。←(当会注:被害報告がないのは、損壊したかどうかの確証を得る術を持たないからではないのか)
 もともと最終処分場は周りの地盤と一体的な施設ですので、地震の揺れに比較的強い構造ですが、自然災害への備えは重要なことです。今後の手続きは、ボーリング調査を反映した計画での申請となり、事業者も地震時の考えをまとめておりますので、その中で専門家の意見を聞きながら慎重に審査を進めていきたいと考えています。←(当会注:審議会で専門家が貴重なアドバイスをしたのだから、その意見をなぜ聞けないのか)
(議 長)
 原子力施設は、活断層の上には設置できないという基準がありますが、廃棄物処理施設は、活断層の上に仮に設置しても問題ないというニュアンスの説明でよいでしょうか。
(廃棄物・リサイクル課)
 活断層の上にあってもよいというわけではありませんが、基準では、設置が規制されているものではありません。しかし、活断層等を配慮した上で設計していくものと考えます。←(当会注:業者でもないのに無責任な発言だ)
 また、管理型の処分場は、もともと無害の物を埋め立てる施設です。しかし、埋め立てた廃棄物内を通過した雨水は、有機物をより多く含むものとなり、そのまま河川へ放流できないことから、水処理施設で有機物等を除去してから放流されています。このように、埋立が終了してからおおむね20年間は、水処理施設を稼働させ水処理を行うこととなっています。それくらいの期間が経過すると水処理施設を停止でき、普通の地盤に戻るというものです。
 それらの耐用年数を考えて、先ほど説明したかたちで耐震性等の審査をしていくことになります。
(新井委員)
 施設ができた後の管理などは、例えば県や市など、どこがしているのですか。
(廃棄物・リサイクル課)
 管理は設置者が行い、県はその監督をすることになります。
 廃棄物の埋立が完了すると、それが安定するまでの期間、水処理施設を稼働させて、事業者が管理することになります。
 一定期間が過ぎて、放流水の水処理を行わない通常の状態に戻して差し支えないかどうか等、基準に照らし合わせて県が検査確認し、それが満たされれば処分場は廃止できることになります。
(新井委員)
 事業者が管理、県が監督ですね。
(大塚委員)
 管理型は、20年という話でありましたが、20年あれば管理型は廃止して大丈夫であろうということですか。
(廃棄物・リサイクル課)
 埋め立てる廃棄物によって管理が必要な期間は変わってきます。←(当会注:ここでも県の環境行政の携わる役人らは答えをはぐらかしている)
 管理型施設は、長い歴史があるわけではないが、おおむね20年ほど水処理施設を稼働させれば、排水はそがまま放流しても問題ない水質になる見込みです。←(当会注:根拠もないのによくまあ断言できるものだ)
 排水の水質を確認し、基準に適合していると判断したうえで水処理施設を停止し、施設を廃止することになります。
(大塚委員)
 20年という期間にはこだわらないということですね。
(廃棄物・リサイクル課)
 20年はおおむねであり、その程度の年数ということです。←(当会注:ここまでシラを切れる役人とは)
(大塚委員)
 廃棄物を埋め立てて間もない時期は、有害物質が出るということを前提としているのですか。
(廃棄物・リサイクル課)
 管理型の処分場は、有害な廃棄物は埋立できないことになっており、ここに埋め立てものはすべて無害の廃棄物です。←(当会注:ここまで平気でウソをつけるとは)
(大塚委員)
 それであっても管理するのですか。
(廃棄物・リサイクル課)
 例えば、焼却灰に水を加えると燃え残りや有機物が水に溶け出します。それらの有機物については、一定の浄化をしないでそのまま放流すると周辺環境に影響を与えるおそれがあることから、その有機物を分解するような水処理施設を設置し放流してもよい水質にしてから放流します。その後一定期間、おおむね20年程度すると水質がきれいになり、最終的に水処理施設が要らなくなります。←(当会注:だから有害物質なのに、有機物のことしか言わない。重金属やダイオキシン、環境ホルモンなど、敢えて例に挙げないのはどういう魂胆なのか)
(会田委員)
 産廃銀座といわれている地域ですが、これまでこういった問題はでなかったのですか。
(議 長)
 こういった問題とは、設置にあたり審議会で議論されなかったのかということでしょうか。
(会田委員)
 そうです。
(事務局)
 開発区域の面積が5ha以上の計画がなかったため大規模条例の手続きとならずに、廃棄物・リサイクル牒所管の廃掃法のみの手続きで行っています。
(議 長)
 審議会が開かれるのは5ha以上の大規模土地開発であり、計画地周辺の廃棄物処理施設は、これに満たない面積であったということですね。
(廃棄物・リサイクル課)
 先ほどの補足で、施設を監督するという点ですが、許可権者の県がそれぞれの基準に適合しているかを確認してから、事業者が施設を廃止できることになっています。←(当会注:ここでもわざと話をはぐらかしている。大規模条例に係るサンパイ場という根本的な問題点に触れようとしないのはやはり業者との癒着からくるもののようだ)
(議 長)
 これから答申をしていこうという中で、地盤の問題を答申に盛り込んでいく方法、審議会の意見として事業者へ直接通知する方法の2つがあります。
 また、答申に盛り込むとともに、事業者へ地盤の資料を通知して地震対策を確実に行うように申し入れる方法があると思います。
 みなさまのご意向やご意見はどうでしょうか。
(大塚委員)
 いくつかの答申等の方法がありますが、事業者に一番理解していただける方法がよいと思います。
 少なくともこのデータを直接事業者さんが見られる方法がよいと思います。
(議 長)
 事業者へこの資料を直接通知するということですね。
(大塚委員)
 そうです。
(大西委員)
 この資料と前回出た意見や今回の意見等を事業者へきちんと渡し、できれば親切に丁寧に説明を加えて参考にしてもらうことがよいと思います。
 大塚委員の意見は参考になったので、同じように事業者に理解してもらえればよいと思います。ですので、これを答申の中の文書にする必要はないと思います。←(当会注:大塚委員の提案を否定したこの大西委員は一体何者か)
(神保委員)
 地質学のことは、非常に難しい面があると思いますので答申に盛り込まずに、大塚委員さんが言った内容を事業者へ説明し、まとめのところのもし建設を進めるならば想定される地表変動に対する事前調査・対策を講じ、「想定外の事故」をも想定した対応が望まれるということを書かれているが、まさにこういうことを事業者へ説明する必要性だと思います。
(議 長)
 ここで休憩を取り、休憩後に答申文案の審議を行います。
          【休  憩】
(議 長)
 これまでの審議を踏まえた答申文案を配布します。
 事務局から答申文案の説明をお願します。
(事務局)
 今回の答申文案は、2回にわたるご審議を踏まえ、また、地元安中市が反対している状況に十分、配慮する必要があることから、従来の答申書から書式を変えて文案を作成しています。
 これまでの答申書の書式は、まず主文で異議のない旨答申し、別に意見を付していました。←(当会注:まず最初に、異議なし、ありき、というのが群馬県の環境行政の基本方針らしい)
 今回は、答申部分に安中市が反対している状況を明記し、意見というより指導的な事項を付して、意見より重みを持たせる形で異議のない旨答申しようとするものです。
 また、付する事項としては、(1)計画地の市町村である安中市及び高崎市と十分に協議することはもちろんですが、特に、安中市は協議において当該開発事業計画を認めない旨回答していることから、事業者として真摯に対応し、地元に対して十分な説明を行って情報を共有するとともに、理解を得ることを求めるものです。
 (2)は、開発事業計画及び事前協議において指摘のあった事項については、事業者の責務として、これを遵守することを求めるもので、前回の答申にも同じ書きぶりがありますが、県や市から指摘し、回答を受けた全般について、そのとおりの対応を求める内容となっています。
 今回の審議会の意見を踏まえ、結果的に従前と異なる形の文案となっています。←(当会注:地盤そのものが地震に対して問題があるという大塚委員の提案はどこに行ってしまったのか)
(議 長)
 ありがとうございます。
 それと、別途事業者に対しては、どのような通知書を送ることになりますか。
(事務局)
 本日、大塚委員の説明をいただいた資料と審議会における地盤についての意見を合わせまして、土地・水対策室長名で事業者あてに通知したいと考えています。←(当会注:本当に事業者に通知したのか、またどのように通知したのか確認する必要がある)
(議 長)
 今回は、事案の特殊性からスタイルを工夫して答申しようとするものです。
 まず答申の結論についての異議の有無、さらに異議なしとする場合の一定の事項を付す内容ですが、みなさんのご意見はいかがでしょうか。
(大西委員)
 この文案でよろしいと思います。
(会田委員)
 よろしいです。←(当会注:どうやら、大西委員と会田委員がとりわけ県の役人らの意向の代弁者らしい)
(神保委員)
 安中市が反対している状況の解釈には、地元も含まれることでよろしいのでしょうか。
(事務局)
 基本的には、この大規模審議会のなかでは、条例に基づきまして地元の市町村長の意見を聞いて判断していくことになっています。
 ただ、今回の事案では、第1回のときに水利組合の意見を紹介させていただき、ご審議をいただいています。それにつきましては、「安中市が反対している状況等」の「等」で読んでいただければと思います。←(当会注:これは住民の意見は無視する、ということにほかならない。きちんと安中市のほかにも地元水利組合や地元住民の大多数が反対している旨、明記すべきだ)
(保坂委員)
 よいと思います。←(当会注:農業者の代表がこの発言なのだから、群馬県の環境行政が勝手に暴走するのを食い止められない)
(大塚委員)
 よいと思います。←(当会注:最後に、重要な提案をした大塚委員までもが、全体の流れに沿った発言になってしまった。あるいは大塚委員の発言趣旨を捻じ曲げて役人が勝手にこのように会議録に記載した可能性もある)
(議 長)
  答申文案につきましては、この内容で委員のみなさまのご意見が一致しましたようで
 す。
 この答申文案で決定してよろしいでしょうか。
          (異議なしの声)
(議 長)
 ありがとうございます。
 この文案にて知事あてに答申いたします。
 これで第1号事案の審議は終了いたします。
 次に次第の3に移ります。
 委員のみなさまから何かありますでしょうか。
          (委員からは特になし)
 委員のみなさまにおかれましては、議事の進行にご協力いただきありがとうございました。
                    -以上-
             議 長  小此木 清(自署)
             署名人  保坂 洋子(自署)
             署名人  会田  裕(自署)

**********配布資料(地形図)


**********

     大規模条例に基づく事前協議の経過
平成21年  平成21年12月17日 事前協議書受理
平成22年  ↓  ■ 土地利用対策会議での審査
       ↓                  ⇔4回⇔事業者
       ↓  ■ 安中市長と高崎市長の意見
平成23年  平成23年12月 審査が終了段階となる
           ■ 安中市は、最終処分場設置に反対の状況
平成24年  【出前講座の開催】
       平成24年3月10日 岩野谷公民館
        ・今回の計画概要
        ・廃棄物事前協議手続きや施設概要
        ・大規模条例制度を説明
        (地元住民100名、岩野谷地区区長会の全区長7名)
       【事業者指導】
平成25年   事業者へ地元の理解を得るように指導継続
       平成25年6月27日
        第1回大規模土地開発事業審議会の開催

**********配布資料(大塚委員)
安中・高崎地域の地表変動の痕跡
      大塚富男
1.地震災害例
2.地盤の液状化
3.安中市・高崎市付近の地表変動
4.関東平野北西縁断層帯

1.地震災害例
★直接的災害
 ・震動による災害
   建築構造物の破壊
   土木構造物の破壊
   ライフラインの破壊
 ・地盤破壊による災害
   地すべり
   がけ崩れ
   地割れ
   液状化
★間接的災害
 ・高まる土石流
     土砂流
     泥流発生の確度
 ・津波

―1964 新潟地震―
 1964年新潟地震による新潟市内の液状化被害例
  県営川岸町アパートの転倒
  昭和橋の落橋
  地下浄化槽の浮上

―1995 兵庫県南部地震―

―強い地震動により全壊した木造家屋 2004 中越地震―

―国道351号の盛土区間に発生した地すべり 2004 中越地震―

―盛土区間に発生した円弧すべりによる鉄道への被害 2004 中越地震―

―信濃川右岸で発生した大規模な岩盤崩壊 2004 中越地震―

―墓石の倒壊 2004 中越地震―

―地盤の液状化により浮き上がったマンホール 2004 中越地震―

―地盤の液状化による噴砂 2004 中越地震―

2.地盤の液状化

 砂の液状化の発生から終了までの過程
 最も遠い液状化発生地点までの震央距離と地震マグニチュードの関係

―小千谷市真人本村の変形構造―

―新潟県巻町稲島の変形構造―


3.安中市・高崎市の地表変動

約25000年前以降6回の液状化履歴
・高崎市城南球場付近で見られる約16000年前の液状化痕
・約1万年前に起こった大規模地表変動
  榛名町の大規模地すべり(湯殿山巨大地すべり)の再活動
  高崎泥流の発生(地震と泥流による複合災害)
・安中市賽の神遺跡の液状化と活断層(9世紀)

―烏川調査地付近の地質概略図―

―群馬県烏川における液状化層準(高浜・大塚、2001)―

―群馬県高崎市における前橋ピート層の変形構造―

―烏川北岸:湯殿山巨大地すべり地内でみられる変形構造―
 As-YP層・VS層を貫く変形構造(大塚ほか、1997)

 As-YP層・VS層を貫く変形構造(大塚ほか、1997)

―烏川南岸:湯殿山巨大地すべり地内でみられる変形構造―
 As-YP層・VS層を貫く変形構造(大塚ほか、1997)

 As-B層を貫き、As-A層に被覆される変形構造(三の倉落合遺跡)

―群馬県安中市賽の神遺跡の変形構造―
  液状化と断層が同時に観察される


―湯殿山巨大地すべり遠景―

―湯殿山巨大地すべり(大塚ほか、1998)―

―烏川中流域の液状化痕と高崎泥流―


―群馬県平野部の地質(野村、1977に一部加筆)―


4.関東平野北西縁断層帯

★関東平野北西縁断層帯主部(深谷断層系)と平井―櫛引断層帯の地震調査委員会(2005)の評価

―深谷断層系と変形構造観察地点―


4-1.関東平野北西縁断層帯

・関東平野北西縁断層帯主部
 位置 群馬県群馬郡榛名町から安中市東部,高崎市,藤岡市,埼玉県本庄市,深谷市,熊谷市,鴻巣市,北本市,桶川市を経て北足立郡伊奈町に至る断層帯
 長さ 82km
 平均変位速度 0.2~0.4m/千年 程度
   過去の最新活動時期
        約6200年前以後,約2500年前以前
   1回の変位量 5~6m(断層の長さから推定)
   平均活動間隔 13000年~30000年程度
   地震の予測規模 M8.0程度(断層の長さから推定)

4-2.関東平野北西縁断層帯

・平井―櫛引断層帯
 位置 群馬県多野郡吉井町から藤岡市,埼玉県児玉郡神川町,児玉町,E里町を経'(大里郡禰芦町に至る断層帯
 長さ 23km
 平均変位速度 0.1~0.2m/千年 程度
 地震の予測規模 M7.1程度(断層の長さから推定)

     まとめ
・施設は歴史的にみると地表変動が激しい地域に計画されている。
このような場所での廃棄物処分場の建設は適当でないと考える
・もし建設を進めるならば想定される地表変動に対する事前調査・対策を講じ、「想定外の事故」をも想定した対応が望まれる。

**********答申文案

答申文案
                    平成25年 月  日
群馬県知事 大 澤 正 明 様
                    群馬県大規模土地開発事業審議会
                    会  長   小此木 清
     大規模土地開発事業計画の協議について(答申)
 群馬県大規模土地開発事業の規制等に関する条例第10条第4項の規定により、平成25年6月27日付け土水第419-3号で責職から諮問のあった開発事業計画については、下記のとおり答申します。
          記
1 開発事業計画
(1) 第1号事案     安中市大谷字新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業
  ① 協議者       株式会社 環境資源
              代表取締役 鬼形忠雄
  ② 開発事業計画の名称 安中市大谷字新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業
  ③ 開発区域      安中市大谷字新山1259-2 外
  ④ 開発目的・規模   一般廃棄物・産業廃棄物(管理型)最終処分場の新設
              開発区域の面積 A=8.8ha
2 答申
 当該開発事業計画については、計画地の市町村である安中市が反対している状況等を踏まえ、次の事項を付し、異議がない旨を答申します。
(1) 事業実施に際しては、安中市及び高崎市と十分に協議すること。
    特に、安中市は協議において当該開発事業計画を認めない旨回答していることから、事業者として真摯に対応し、地元に対して十分な説明を行って情報を共有するとともに、理解を得ること。
(2) 当該開発事業計画及び事前協議において指摘のあった事項については、事業者の責務として、これを遵守すること。

**********過去の答申例(参考用に配布)

                    平成22年 2月 2日
群馬県知事 大 澤 正 明 様
               群馬県大規模土地開発事業審議会
               会 長   小此木 清
     大規模土地開発事業計画の協議について(答申)
 群馬県大規模土地開発事業の規制等に開する条例第10条第4項の規定により、平成22年1月18日付け土水第419-1号で貴職から諮問のあった下記1の開発事業計画については、下記2の意見を付して異議はない旨答申します。
          記
1 開発事業計画
(1) 第1号議案     ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  ① 協議者       ■■■■■■■■■
              ■■■■■■■■■
  ② 開発事業計画の名称 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  ③ 開発区域      ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  ④ 開発目的・規模   ■■■
              ■■■■■■■■■
2 意    見
(1) 当該開発事業計画及び指摘事項への回答については、事業者の責務として、これを遵守すること。
(2) 事業実施に際しては、みなかみ町と十分な事前協議を行い、合意のもとに実施すること。
(3) 「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき、土砂災害警戒区域の指定を受けるか、群馬県と確認すること。

**********答申書

                    平成25年8月9日
群馬県知事 大 澤 正 明 様
                    群馬県大規模土地開発事業審議会
                    会 長  小此木 清
          大規模土地開発事業計画の協議について(答申)
 群馬県大規模土地開発事業の規制等に関する条例第10条第4項の規定により、平成25年6月27日付け土水第419-3号で責職から諮問のあった開発事業計画については、下記のとおり答申します。
          記
1 開発事業計画
(1) 第1号事案     安中市大谷字新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業
  ① 協議者       株式会社 環境資源
              代表取締役 鬼形忠雄
  ② 開発事業計画の名称 安中市大谷宇新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業
  ③ 開発区域      安中市大谷宇新山1259-2 外
  ④ 開発目的・規模   一般廃棄物・産業廃棄物(管理型)最終処分場の新設
              開発区域の面積 A=8.8ha
2 答申
 当該開発事業計画については、計画地の市町村である安中市が反対している状況等を踏まえ、次の事項を付し、異議がない旨を答申します。
(1) 事業実施に際しては、安中市及び高崎市と十分に協議すること。
    特に、安中市は協議において当該開発事業計画を認めない旨回答していることから、事業者として真摯に対応し、地元に対して十分な説明を行って情報を共有するとともに、理解を得ること。
(2) 当該開発事業計画及び事前協議において指摘のあった事項については、事業者の責務として、これを遵守すること。

**********業者への事前協議終了通知

                    土水 第407-1号
                    平成25年8月19日
株式会社 環境資源
 代表取締役 鬼形 忠雄 様
                    群馬県知事 大澤正明
       大規模土地開発事業計画にかかる意見について(通知)
 平成21年12月17日付けで協議のあった大規模土地開発事業計画について、下記のとおり通知します。
          記
1 開発事業計画の名称  安中市大谷宇新山・出雲地区最終処分場(管理型)事業
2 開 発 区 域  安中市大谷宇新山1259-2 外
3 開発区域の規模  8.8ha
4 審 査 結 果
  上記開発事業計画については、計画地の市町村である安中市が反対している状況等を踏まえ、次の事項を付し、異議がないものと認めます。
(1)事業実施に際しては、安中市及び高崎市と十分に協議すること。
   特に、安中市は協議において当該開発事業計画を認めない旨回答していることから、事業者として真摯に対応し、地元に対して十分な説明を行って情報を共有するとともに、理解を得ること。
(2)当該開発事業計画及び事前協議において指摘のあった事項については、事業者の責務として、これを遵守すること。
5 その他
 新山ため池への排水施設接続協議、市道の払下げ・付替え、農地転用許可、林地開発許可、廃棄物処理施設設置許可、その他の法令により許可等を必要とするものについては、所定の手続きを取ること。
**********

■現在、地元岩野谷地区では、代表区長を筆頭に、各地区の区長をはじめ、多くの住民が反対の意見を表明し、署名活動や看板の設置、そして集会などを開いています。

 一方、数百億円とみられる巨額のサンパイ利権に目がくらんだ業者は、灌漑用水の安全性を脅かされるとして反対運動を展開している地元の水利組合のメンバーに対して、個別攻撃を行っており、金品をばら撒いて、少しずつ反対のスクラムを崩そうとしています。

 残念ながら、ごく一部のメンバーは、業者から提示された金品の誘惑に負けてしまっていますが、依然として圧倒的多数のメンバーの結束は固く、水利権をめぐる攻防は今後も長期戦となることでしょう。

 しかし、問題なのは、群馬県や安中市の行政が基本的に利権重視という姿勢を内包しているため、時間の経過と共に、行政権限を業者にあたえつつ、外堀からどんどん埋めてゆき、最終的には処分場が作られる方向になってしまうことです。

■岩野谷地区で最初にできたサイボウ環境の処分場では、当初の計画から稼動開始まで足掛け17年を要しました。サイボウ処分場の設置許可申請手続きで役所と癒着していた人物らが、閑居資源の大規模サンパイ場の許可申請手続きをしており、7年間で事前協議を終了し、現在個別法に基づく申請を準備中でまもなく動き始めるものと見られます。あるいは既に裏で群馬県と下話をしていることでしょう。

 何とかして、この政官業の癒着の構図にメスを入れないと、第3、第4のサンパイ場計画が次々に浮上することになります。まさに地元では、安全・安心な生活環境・営農環境・自然環境を次世代に残せるかどうかの正念場を迎えていると言えます。

【ひらく会情報部・この項終わり】

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