市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

議事録残さずハワイに行こう・・・不祥事件に関する情報開示請求に対する安中市と碓氷病院からの通知が届く

2013-11-12 12:49:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■平成25年10月21日に群馬県警捜査第2課により、人工透析で使う機器の選定をめぐり海外旅行の接待を受けたとして収賄容疑で逮捕された安中市営の公立碓氷病院臨床工学科長の事件については、これまでも当会のブログで報告してきました。警察も認否をあきらかにしておらず、安中市もこうした身内の不祥事には情報開示にとりわけ消極的になるため、当会は10月23日付けで情報開示請求を安中市と碓氷病院に行っていました。このたび、11月6日付で請求に対する通知があり、殆どが不存在となっていますが、一部が開示若しくは部分開示されることになりそうです。






 当会の開示請求内容と安中市・碓氷病院からの開示通知内容を次のとおり対応させてみました。

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平成25年10月21~22日にかけてのマスコミ報道によると、安中市営の公立碓氷病院の職員が21日に収賄の容疑で逮捕されたとして市や病院関係者が記者会見を行ったという。この事件に関する次の情報。
(1)碓氷病院の医療機器で平成22、23、24年度及び25年度の現時点までに発注した全ての指名競争入札の事案にかかる会議録、起案書、回議書、入札調書、契約書、支払い関係書類の類。ただし平成23年12月21日執行の入札分を含む。
●平成22、23、24、25年度指名競争入札に係る会議録【碓氷病院:不存在】(説明:指名競争入札に関連した会議録を作成していないため、行政文書として存在しません)
●平成23、24年度指名競争入札に係る起案書【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

△平成22年度指名競争入札に係る起案書9枚【碓氷病院:部分開示】(不開示部分:業者担当者の印影)(理由:個人に関する情報であり、安中市情報公開条例第7条第2号の規定により不開示とします)
●平成25年度指名競争入札に係る起案書【碓氷病院:不存在】(説明:平成25年度は、当該職員が関係する医療機器は購入していませんので存在しません)
●平成22、23、24、25年度指名競争入札に係る回議書【碓氷病院:不存在】(説明:指名競争入札に関連した回議書を作成していないため、行政文書として存在しません)
●平成23、24年度指名競争入札に係る入札調書【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

△平成22年度指名競争入札に係る入札調書11枚【碓氷病院:部分開示】(不開示部分:業者担当者の住所、氏名、印影)(理由:個人に関する情報であり、安中市情報公開条例第7条第2号の規定により不開示とします)

●平成25年度指名競争入札に係る入札調書【碓氷病院:不存在】(説明:平成25年度は、当該職員が関係する医療機器は購入していませんので存在しません)
●平成23、24年度指名競争入札に係る契約書【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

○平成22年度指名競争入札に係る契約書3枚【碓氷病院:開示】
●平成25年度指名競争入札に係る契約書【碓氷病院:不存在】(説明:平成25年度は、当該職員が関係する医療機器は購入していませんので存在しません)
●平成23、24年度指名競争入札に係る支払い関係書類【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

△平成22年度指名競争入札に係る支払関係書類4枚【碓氷病院:部分開示】(不開示部分:業者の銀行口座)(理由:法人に関する情報であり、安中市情報公開条例第7条第3号の規定により不開示とします)
●平成25年度指名競争入札に係る支払関係書類【碓氷病院:不存在】(説明:平成25年度は、当該職員が関係する医療機器は購入していませんので存在しません)
(2)当該職員がグアム旅行やハワイ旅行をしたとされる時期を含む過去7年間の休暇取得の状況が分かる勤怠簿
×勤怠簿【碓氷病院:不開示】(開示しない理由:休暇については、公務ではなく個人のプライバシーに関する情報であり、安中市情報公開条例第7条第2号の規定により不開示とさせていただきます)
(3)今回の摘発の発端となった匿名の手紙の内容が分かる情報
●匿名の手紙の内容が分かる情報【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)
(4)当該職員が医療機器購入の予算付けをする検討委員会に任命された時から現在に至るまでに開催された同委員会に関する一切の情報。ただし、委員会の規約、メンバー、議事録等、予算付けのため提出され院長決裁を受けた書類等を含む。
●任命されたときから現在までの検討委員会の規約【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)
●平成19、25年度検討委員会のメンバー【碓氷病院:不存在】(説明:検討委員会のメンバー表を作成していないため、行政文書として存在しません)

○平成20、21年度検討委員会のメンバー2枚【碓氷病院:開示】
●平成22、23、24年度検討委員会のメンバー【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)
●任命されたときから現在までの検討委員会の議事録【碓氷病院:不存在】(説明:検討委員会の議事録等を作成していないため、行政文書として存在しません)

○平成19年度院長決裁を受けた書類3枚【碓氷病院:開示】
●平成20、21、25年度院長決裁を受けた書類【碓氷病院:不存在】(説明:検討委員会に予算付けのため提出され、院長の決裁を受けた書類を作成していないため、行政文書として存在しません)
●平成22、23、24年度院長決裁を受けた書類【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

(5)今年2月に匿名の手紙が届いてから、当該職員の逮捕に至るまで市と病院内でどのような対応がとられたのかが分かる情報。
●市と病院内でどのような対応がとられたのか分かる情報【碓氷病院:不存在】(説明:現在、群馬県警察による事件の捜査のために行政文書を押収されており、現時点においては行政文書が存在しません)

(6)21日の緊急記者会見でマスコミに伝えた一切の情報。
○ファクシミリ送信14枚【秘書課:開示】
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■実際の上記開示予定書類が開示されるのは来週19日となりますが、肝心の書類のほとんどは警察に押収されたという理屈で不存在扱いとなっています。

 このため、開示された書類だけでは不祥事件の概要は分からないため、当会では10月25日付けで安中市長あてに3テーマ、合計21項目の公開質問状を提出しました。来週19日の開示時に、回答が得られるものと思われます。

■一方、この事件に関するその後の報道記事は次の経緯となっています。

**********上毛新聞2013年10月25日社会面
碓氷病院贈収賄 選定書作成の立場
容疑の科長 有利なメーカー指定か
 安中市が運営する公立碓氷病院の医療機器選定をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された同病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(47)が当時、入札でのメーカーや機種の指定につながる「導入計画書」や「選定理由書」を作成する立場だったことが24日、病院への取材で分かった。県警は田村容疑者がこうした職務権限を利用し、贈賄容疑の鈴木武吉容疑者(54)の会社に有利なメーカーを指定したとみて裏付けを進めている。
 病院によると、導入計画書は機器を購入する前年の秋に開く導入検討委員会で各部署が提出し、メーカーや機種の希望がある場合は型番などを明記する。選定理由書は入札前の段階で、機種を指定する場合に病院総務課が作成する「機器購入伺」に添付する。
 透析室の場合、いずれも田村容疑者が当時努めていた看護師長名義で作成される。院長の決裁を経て市の入札に掛けられるが、透析治療は日曜以外に毎日行われるため必要性が高いと判断され、要望が通りやすい面があったという。
 県警によると、田村容疑者は2011年12月の入札で2種類の透析治療用装置を購入する「ジーエムエス」が販売代理店になっているメーカーの機器を指定するなど有利になるように便宜を図り、見返りとして12年2月、鈴木容疑者から3泊5日のハワイ旅行(約10万円相当)の設定を受けた疑いが持たれている。

**********東京新聞2013年10月26日群馬版
告発文書病院へ2回 碓氷病院職員逮捕
市議会全協で報告
 安中市営の公立碓氷病院の医療機器選定をめぐる贈収賄事件で、今年二月と五月の二回、病院職員が接待旅行を受けていると告発する文書が同病院に送られていたことが分かった。二十五日に開かれた市議会全員協議会で市側が明らかにした。
 最初の告発文は投書で、県警に収賄容疑で逮捕された同病院の臨床工学科長、田村秀樹容疑者(四七)を名指ししていた。このため、病院側は真偽をただしたが、同容疑者は「旅行に行ったことは事実だが金をもらったことは一切ない」と返答。病院側はそれぞれの文書が送られた直後に、「疑いを持たれる行為は慎むように」などと注意したという。
 また、協議会で市側は、医療機器の選定は専門性があることから病院に任せており、透析機器の選定は同容疑者が中心的存在だったと説明。議員側からは、機器購入など際のチェック態勢の強化を求める意見が出た。
 田村容疑者は、病院が購入する人工透析器の選定で便宜を図った見返りに、機器を納入した医療機器販売会社の社長(五四)=贈賄容疑で逮捕=からハワイ旅行の接待を受けたとして逮捕された。

**********朝日新聞2013.11.07群馬版
「専門性」癒着の温床に 医療機器購入巡る贈収賄事件 /群馬県
 公立碓氷病院の医療機器購入をめぐる贈収賄事件を受け、安中市が今月から病院の物品購入の入札過程を見直した。専門知識が必要な医療機器などの購入では、以前から公務員と業者の癒着による違法行為が各地で起きてきた。病院を運営する自治体が、どうチェック機能を高めるかが問われている。
 事件を受け、安中市は、購入額10万円以上を目安に市の入札執行委員会で審議するよう見直した。従来は院内の委員会で購入品や指名業者を決め、市は業者に入札参加資格があるかどうかを確認するだけだった。
 事件では、碓氷病院の臨床工学科長田村秀樹容疑者(47)が収賄、医療機器販売会社「ジーエムエス」社長鈴木武吉容疑者(54)が贈賄容疑で逮捕された。県警によると、2011年12月の入札で、田村容疑者がジー社に便宜を図り、謝礼としてハワイ旅行の接待を受けた疑いがある。
市によると、田村容疑者は10年に透析室の看護師長に。ジー社は10~13年、透析室の 医療機器の入札に6回参加し、すべて落札した。落札額は計3518万円。田村容疑者は当時、透析室の機器購入要望を委員会に上げる立場だった。
碓氷病院の入札に参加実績がある県内の医療機器販売会社の担当者は「役所の契約部門よりも、病院の専門科の方が製品を売り込みやすい」。実際に使う現場のニーズに合った利点や機能を説明できるからだ。
 入札前の機種選定が落札結果に影響するとし、「選ばれた機器のメーカーの代理店を務める会社が価格面で当然有利になる。製品の良しあしでなく、意図的に特定機種を選ぶことがあってはいけない」と話した。
●渋川、市が業者選定・県、額で分け審査 「病院任せ」の自治体も
 県内には碓氷病院を含めて公立病院が16ある。県と渋川、藤岡、伊勢崎の3市が安中市と同様、単独の自治体として運営している。
 渋川総合病院を運営する渋川市では、病院が選んだ物品が適正かどうかや同等品の有無を市が確認し、入札の指名業者も市が選ぶ。購入額500万円以上の場合は市の入札審査会に諮る。市契約検査課の担当者は「病院の要望がそのまま通ることはない」と話す。
 4病院を運営する県病院局は、購入額160万円超で各院内の委員会、契約形態に応じて1千万円超で総務課協議、2500万円超で局長協議と額に応じたチェック機能が働くとする。院内に複数の専門職員がいるため、「1人がすべてを取り仕切ることはない」。
 一方、国民健康保険鬼石病院を運営する藤岡市、伊勢崎市民病院を運営する伊勢崎市は、医療用の物品の入札はすべて病院に委ね、市の委員会などによるチェックはしていないという。
 藤岡市契約検査課の担当者は、病院事業が企業会計で独立し、「機器を購入する場合、市では適切な機器や業者が把握できない」と背景を説明。専門性がある職員は頻繁に異動もさせにくい。「同じ職場に長年いれば業者との距離が縮まることもあり得るが、公務員としての意識の問題だと思う」(仲程雄平、井上怜)

**********東京新聞2013年11月9日群馬版
「旅行と職務関係ない」 碓氷病院事件で田村容疑者 勾留理由開示
 安中市営の公立碓氷病院の医療機器選定をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された同病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(四七)の勾留理由開示の手続きが八日、前橋簡裁(高野芳久裁判官)であった。贈賄容疑で逮捕された医療機器販売「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(五四)について、田村容疑者は「鈴木さんと旅行や食事に行ったことと私の職務は関係ない」と述べ、容疑を否認した。
 逮捕容疑では、田村容疑者は、同社が扱う医療機器メーカーの機種を選定する便宜を図った見返りに、鈴木容疑者から昨年二月、三泊五日のハワイ旅行の接待(十万円相当)を受けたとされる。
 法廷で田村容疑者は「選定にはそれ相当の理由があった。鈴木さんと旅行や食事に行ったことは関係ない」と述べた。弁護人によると、田村容疑者は他機種より性能がよく、消毒しやすいなどを理由に機器を選定したとしている。
     (伊藤弘喜)
**********

■そして、本日の報道によれば、収賄容疑で逮捕された碓氷病院臨床工学科長が、11月11日に前橋地検から前橋地裁に起訴されたことが明らかになりました。また、同じく11月11日に、贈賄罪で前橋市の医療機器販売会社社長が前橋簡裁に略式起訴され、罰金100万円の略式命令が出されたことが明らかにされました。

**********上毛新聞2013年11月12日社会面
収賄の病院科長起訴 碓氷病院収賄罪
 安中市が運営する公立碓氷病院の医療機器選定をめぐる贈収賄事件で、前橋地検は11日便宜の見返りにハワイ旅行の接待などを受けたとして、収賄罪で同病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(47)=安中市原市=を前橋地裁に起訴した。県警が旅行以外に約5万円相当の飲食接待を受けたとして追送検していたことも分かった。地検は追送検分を含めて起訴した。
 贈賄容疑で逮捕、送検された前橋市の医療機器販売会社「ジーエムエス」の鈴木武吉社長(54)=伊勢崎市東町=については、前橋区検が同日、贈賄罪で前橋簡裁に略式起訴した。簡裁は同日、罰金100万円の略式命令を出した。
 起訴状などによると、田村被告は透析室看護師長だった2011年12月に透析治療用の水処理装置などを購入する際、同社が扱う機種を選定するなど有利になるように便宜を図った見返りとして、12年2月にハワイ旅行(約11万5千円相当)の接待を受けたほか、11年8月~12月2月にも便宜の見返りとして鈴木社長から計11回約5万円相当の飲食接待を受けたとされる。
 田村被告は8日に前橋簡裁で開かれた勾留理由開示手続きで容疑を否認する発言をしている。安中市の岡田義弘市長は起訴を受けて「司直の判断は厳粛に受け止めなければならない。(処分については)今後の裁判の成り行きを見守っていきたい」とコメントした。
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■今回の安中市からの開示に関する通知を見ると、具体的な医療機器名を挙げて次年度の予算化の可否(予算付け)を協議するために碓氷病院関係者16人で構成される購入検討委員会において、容疑者の科長が任命されたのは平成19年度だったことが分かります。

 また、県警は今回の事件に関する証拠資料として平成22、23、24年度の検討委員会の討議資料を押収したことが分かります。だからといって、検討委員会のメンバー表が碓氷病院や安中市にないはずはありません。メンバーが所属する部署ごとに当然、委員会の規約、メンバー表や議事メモ、配布資料などはファイルに保管してあるはずだからです。

 そのため、平成19、20、21、25年度の検討委員会の情報は押収されずに済んだわけですが、平成19、25年度については、メンバー表さえ作成されていないということで、このことからも、安中市が情報管理に力を入れていないことがわかります。

 11月19日予定されている請求情報の開示と、その際、市側から予定されている当会からの公開質問状への回答の内容と分析については、追って皆様に報告する所存です。

【ひらく会情報部】

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