田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ツリー・オブ・ライフ

2011年08月20日 23時08分53秒 | 日記

す、すごすぎる。

寡作の監督、テレンス・マリック。それゆえに少々過大評価されてる気がしないでもない、この監督のすごすぎる独自の世界。

ここまで自分の世界を追求するなんて、ある意味マネのできない生き方だと思う。

もちろん、生活のために撮らなくてもいい、とか、ある程度自由の効く人でないとこんな生き方はできないと思うけれど、表現や美に対するこだわりと商業ベースの排除・・・その上で、これだけの俳優が慕ってくれるというのは、監督としては理想でしょうね。

私は凡人なので、延々幻想的な「絵」を見せられても「きれいだな」くらいにしか思えないし、そこに突然恐竜まがいなものが出て来ても「?」と思うばかりで理解はできなかったけれど、これでパルムドールを取ってしまうんだもの。やっぱりすごいこと。

で、監督独自の世界は理解できなかったけれど、ブラピ演じる「貧乏をしてるわけじゃないけれど、ちょい負け組。それゆえ子供には厳しく、筋の通らない暴力や理論を押し付ける。もちろん、妻に対しても」という父親像は、いかにもいそうで(いや、きっといるだろう)、胸が痛くなりました。ちょっと「17歳の肖像」のお父さんを想起させるような。もっと乱暴だけれど。

長男である息子がついおぼえてしまう「殺意」も理解できる。

みんな精いっぱい生きているんだけれど、折り合わない息子と父親、あるいは娘と母親、もちろん父親と娘でも、それはいつの時代も、どこの国でも同じなんだと痛感させられる。

こんな生々しい話とあの幻想的な(「ラブリーボーン」のような)「絵」と宗教的な「絵とセリフ」を融合させてしまうなんて・・・やっぱりすごい。


それでも、難解なことに変わりはなく、映画の途中で数人の観客が出て行ってしまいました。もともと少なかったのに・・・(笑)。

完全に明るくなるまでいたのは、私ともう一人、計2人でした。

まぁ、映画自体も長かったですものね。

ともかく、万人にお勧めはできませんが、「自己完結しているものが好き」とか「空調が効いたところでゆっくり眠りたい」とかいう人にはお勧めだと思います。


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