写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

お引越し

2019年02月22日 | 車・ペット

 昨年の6月に、オランダシシガシラと丹頂という2種類・4匹の金魚を買って水槽に入れていた。1か月がたったころ、各1匹が死んでしまったが、2匹が残り順調に育って今日に至っている。

 大きさは、買ったときには体調が5㎝くらいだったものが、今は2匹とも倍の10cmを超えるくらいに大きくなった。玄関の台の上に置いている水槽の前を通るたびに、私の方を向いて水面近くまで上がってきて、口をパクパクさせてエサをねだる仕草をする。

 犬ほど心を通わせるようなことはないが、少しばかりの感情の交流はあって、夫婦2人だけの生活の中に、ささやかな安らぎを与えてくれている。オランダシシガシラは、頭の上にある肉瘤が非常に大きくなってきて、見応えがある姿になってきた。

 ところが数日前、シッポの端が少し白っぽくなっているのを見つけた。調べてみると「尾ぐされ病」と書いてある。ペットショップへ走ると、それ用の液体の薬が置いてあり、買って帰りすぐに水槽に投入した。

 使っている水槽は、水が10Lくらいしか入らないもので、ネットによれば成長した金魚の大きさからみると少し小さいようである。水槽が小さすぎると、水質が悪化しやすいので病気になりやすいと書いてある。以前、コイを飼っていた水槽を取り出してみると、横幅が40cmあり、水が25L入るものであった。

 早速金魚のお引っ越しを行った。それにしてもこの2匹は、大きな水槽に引っ越しをしたとはいいながらも、狭い世界で生きていて、かわいそうだなとは思ってみた。狭い家で生きている我が身と似ているような気もする。新居で楽しそうに泳いでいる姿を見ると「狭いながらも楽しい我が家」ではないが、狭い世界をお互い謳歌しているようにも思えた。