写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

シクラメン

2005年10月26日 | 季節・自然・植物
 近所の人と出会った時の挨拶が、「まだ暑いですね」から、「朝夕は少し冷えますね」に変わっている。

 ふとカレンダーを見ると、もう10月も終わりに近い。夏が終ったとおもったら、いつの間にか秋は深まっている。

 そういえば、味覚の秋。我が家ではマツタケは無理だが、新米で栗ご飯も作って食べた。お隣さんから干し柿・熟柿も頂いた。

 昨日は、菜園のサツマイモの収穫も終え、それを甘い味噌汁にして食べた。気がつかないうちに、実りの秋にどっぷりと浸かっている。

 ブログを書きながら出窓に目をやった。先日、妻が買ってきてくれた、うす紅色のシクラメン越しに、逆光で透明感を増した花水木の美しい紅葉が見える。

 毎日見ていたが、気がついたときには全てが紅葉しているところが面白い。徐々に変化するものは、その変化に気がつきにくいのが常である。

 私も今が青春真っ只中だと思っていて、ふと気がつくと、還暦を過ぎていた。とは言いすぎだが、そんな感じがする。

 ♪ うす紅色の シクラメンほど まぶしいものはない
   恋する時の 君のようです
   木もれ陽あびた 君を抱けば 淋しささえも、おきざりにして
   愛が いつのまにか 歩き始めました ♪

 昭和50年のレコード大賞受賞曲・布施明の「シクラメンのかほり」である。この時期、毎年妻が買ってきてくれる私の好きな花である。

 大晦日でこれを聴いたのは、あれは確か昨年のことだった、と思った。いつの間にか30年という年月が経っている。

 シクラメンの花言葉は 、内気・遠慮・はにかみ・疑惑・嫉妬と書いてある。ふーん、そうか。

 妻は、内気で遠慮気味、そしてはにかみ屋を演じている私の実態を知って、疑惑を持ち、あのことを嫉妬しているのかもしれないぞ。ご用心。
   (写真は、うす紅色の「シクラメン」)