啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「氷滝」

2012-12-27 16:44:37 | 里山

時間があるというのは嬉しいことだが“ありすぎる”と困ることも多い。今日は今年最後の山歩きを計画し、朝8時過ぎには県西部の下仁田町方面に出発。今日はブログを休むつもりでいた。山は予定通りだったのだが、家に着いた時間が予定より早く、雑用?を二つ、家事?を二つこなしてもまだ余裕。ブログを書くことにした。

今朝も寒く、山行を中止しようかと迷うほどだった。1週間ほど前の御巣鷹の尾根の登山口に向かう林道。今の季節は1日中陽が差さない場所があるのだろうか・・。細い谷川の流れの縁が少しずつ凍っていた。

歩き出したのが午前10時頃。御巣鷹の登山口への道は手前3・4キロの場所でゲートが降ろされており、既に冬季閉鎖されていた。舗装された立派な道を歩く。人気が全く無く、陽が当たらないので何だか厳しい感じがしする。520人が亡くなった悲惨な航空機事故の現場に向かうと言う緊張感もあるのだろう。凛とした空気が張り詰めているように感じられた。

歩き出して20分ほど。凍りついた滝が目に入った。カラカラに乾燥しているため、霜は降りていないが、所々が凍り付いている。寒い。標高では1千メートル強の場所。例年ならまだ滝が凍ることは無いような気がするが、完全に凍りついた6-7メートルの高さの滝があった。陽の差さない静かな場所にある滝が、厳しい姿を曝している。

登山口から先の山道には、小さい流れが凍って止まってしまったところがあちこち。数日前に降ったと思われる雪が、薄っすらと融けずに残っている。谷川の反対側之急斜面では鹿が食べものを探していた。事故から既に27年を経過した。御巣鷹の尾根の上空は今でもひっきりなしに飛行機が飛んでいる。空の賑やかさとは逆に、御巣鷹の尾根や谷は静寂に包まれていた。