啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「風冷え」

2020-11-28 11:59:12 | 山野草
「コウゾリナ」  キク科
 青空にどんよりとした大きな雲の塊が浮かび、強い北風が木の枝をならし、背の高いシュロの葉も、バサバサ音をたてながらなびいている。日差しは部屋の中まで差し込み、暖房が必要のないほどの暖かさだが、一歩外に出ると、風が冷たい。衣服の首元をギュッとしめ、同時に肩まで力が入る。夕方には、もっと強い風が吹きそうな予感。”早く冬支度をしなさい”と、せかされているようだ。最近は、本当の秋が短く、秋の服を着る機会がない。
 カレンダーも残り1枚。お歳暮の準備をしていると、過去に送った宅急便の伝票に夫の文字。ふっと涙がこぼれる。
 茎に小さなトゲのような毛が生え、触ると痛くざらつく。「剃刀」と漢字で記すようで、「菜」は食べられる野草を意味しているという、コウゾリナ。多少の苦味があるとのことだが、道ばたに生えている野草は、食用になるものが多いものだと、図鑑から教えられる。
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「秋はゆく」

2020-11-24 16:33:18 | その他
「冬桜」 バラ科
 落ち葉を、かさかさと音をたてながら歩くのは、実に楽しい。滑ったら危ないと、分かっていても、わざと葉の上を歩いている。幼児が水たまりを、靴が濡れると分かっているのに、わざわざ歩く時のように、何故か愉快なのだ。紅葉は見頃を過ぎ、木の枝にしっかりついていた葉はだいぶ落ち、隙間が目立つ。あちこち裸木も目に入るようになり、一日一日と日を追うごとに、秋の香りが去ってゆく。
 久方ぶりの女子会、といっても低山散策とランチ。空気が乾いて空は澄み、強めの風が吹いていたけれど、多めのおしゃべりと、少し汗をかいた心地良さ。もちろんマスクして。慣れた登山道を踏みしめながらみるまわりの木々は、赤や黄色に染まった秋の色味に別れを告げている。
 冬に咲く桜、冬桜。淡いピンク色で、やや小ぶり。勿論、春にも咲く。別名、十月桜とか寒桜とか名前をきくけれど、残念ながら違いが分からない。

 庭先のみかんが色づき食卓へどうぞと、ダンボール箱いっぱいに届けられた、オレンジとみかん。フルーツは大好物。感謝です。
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「雄姿」

2020-11-21 17:25:00 | 庭の花木
「ツワブキ」  キク科
 あれは、確かに”とんび”だ・・と思う。よく晴れた日、一羽の大きな鳥が、ほとんどはばたかず、青空をゆうゆうと、くるり くるりと輪を描くように舞っている。大きな翼を広げ、やわらかな風を上手にとらえ、優雅で堂々とした姿だ。写真に収めようと、急いでカメラを向けたが、なにせ飛んでいる鳥を撮るのは難しい。視覚に入ってきたと思うや否や、あれれ~どこどこぉ~・・そうこうしているうちに、くる~ くる~と舞いながら、かなたに姿を消してしまった。とんびをみると想い出すのが、”夕焼けとんび”。夫がよく口ずさんでいたっけ。三橋美智也のようにはいかないけれど、舌っ足らずの歌い方が、妙にせつなく、歌声がよみがえる。
 冬の始まりを告げる花、ツワブキ。花が少なくなった庭で、黄色の大きな花と、艶のある葉は独特で、日陰でもよく育つ。50cm程の草丈で、多年草。
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「マイクロツーリズム」

2020-11-18 18:05:04 | 旅行
 上信越自動車道を走ること約2時間。「栗と北斎と花のまち おぶせ」とオフィシャルガイドに記されている小布施へ。Aさんとの旅の楽しみは2つ。その土地の文化に触れること、そして食を愉しむこと。小布施は複数回旅しているが、今回は少しタイミングが良くない。葛飾北斎館は、展示入れ替えの為、祭り屋台の鑑賞のみ。日本画家、中島千波館では愉しみにしていた桜は、常設展示だけで、多くは人物デッサン、下図が中心。こちらも少しガッカリしたが、それでも花の屏風、”坪井の枝垂桜” ”素桜神社の神代桜” ”秋季紅葉図”は圧巻。自身は、”根尾の薄墨桜”に感動。生涯、いつか必ず行って、見てみたいと思う桜だ。MAPでは、たくさんの見どころを紹介しているが、「日本のあかり博物館」は興味深い。江戸時代から大正時代の照明用具、約1000点を展示。薄暗い闇の中で生きていた、当時の人々の、生活ぶりを想像させる。今は闇夜なんてない。夜になっても、あかりは消えない。生活の変化が著しい。

「小布施といえば栗でしょ」。栗おこわは最高!モチ米にたっぷりまぶされた栗、ホクホクした甘い風味が口いっぱいに広がる。鱒の甘露煮、千曲川の河川敷で栽培された”むかごのくるみゴマ和え、出汁のきいたお味噌汁の美味しいこと。2時間もかけてきた甲斐があった、というものだ。自身は助手席に、ちょこんと乗っているばかりだったが、運転手のAさん、本当にお疲れ様でした。
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七五三」

2020-11-14 13:03:35 | 庭の花木
「サガギク」 キク科
 11月15日は七五三。子供の無事な成長を願う行事。当家の孫娘は三歳。15日を待たずして、早々とお祝いをした。スタジオで記念撮影。着物もドレスも選びたい放題。数ある衣装から、お気に入りの着物、ドレスを1着ずつチョイスし、いそいそと更衣室から出てきた愛らしい姿にびっくり。髪をアップし、薄化粧、つけ毛、髪飾り・・兵児帯をしめ、袖のない上衣をつけ、かわいい草履に、一丁前にも巾着を持ったりして・・日傘をさしたり、キャラクターなどどいくつものショット撮影。洋装では、ロングドレス、髪をほどき素敵にアレンジ、ネックレス、イヤリング、手には花を抱え・・これまた一丁前。本人はもちろんのこと、パパもママも満面の笑み。「馬子にも衣装」というけれど、こっちの孫も堂々とした子供姿。実のところ、現場の商売熱心に度肝を抜かれたけれど、孫がただただ元気で育っていく事を願っている。
 今年も咲いたサガギク(嵯峨菊)。サガギクといえば大覚寺。そこでは、2m程に仕立てられ、頂上に3輪、中央に5輪、下に7輪花が咲くように剪定してある「七五三作り」。当家のそれは、地植えで高さ50cm程度。特別に手を加えていないが、サガギクは一般的なキクとは”はなやぎ”が異なる。
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「感染症予防啓発 グッズ」

2020-11-11 19:28:14 | その他
 オリジナルエコバッグ、マスク、ハンドソープ、紙の使い捨てマスクケース1枚、パンフなどが、箱に詰められ市から届けられた。勿論、宅配業者をとおしてだ。ハンドソープは4人以上の世帯は詰め替えも配布、さらにマスクは、25枚×世帯人数分。市の世帯数及び人口さらに宅配費用など諸々を加味し、ざっと計算すれば、1億程度になるだろうか。確かに、現在全国的に新型コロナの感染者が急増しているのは事実。だからこそ、感染予防のための新しい生活様式に伴い、最大限の対策をとるべく、少なくとも3つの”密”に注意し、警戒心も強くしている。せっかく届けられたグッズを、全否定するものではないが、正直これらはいま、薬局、スーパーなどでは山と積まれている。この莫大な金額、自治体はもっと有効的に使えないのだろうか。例えば、インフルエンザ予防接種の補助とか、各施設への予防的PCR検査とか・・・。
配布されたグッズをながめながら、割り切れない気持ちで、モヤモヤしている。
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「夏日、一歩手前」

2020-11-08 14:32:26 | その他
 暦の上では立冬を過ぎ、いよいよ冬の準備をしなくてはならない、と考えていたら、今日のこの暖かさはどうしたことか。最高気温23℃、風はなくぽかぽか暖かく、差し込む日差しに誘われ、ついつい、うとうとしてしまった。寒さに慣れるべく、少し気合いを入れ始めていたが、今日は拍子抜け。こんな小春日和にする事といったら、まずは窓を全開しての大掃除、そしてガラスふき。雑巾を片手に家の中を行ったり来たり、高い所は脚立をたててのガラスふき。身体を動かせば、汗ばみ、疲れるけれど、気分は上々。きれいになるのは、実に気持ちがいい。  一服していると、そこへ届いた食用菊”かきのもと”。実のところ、菊の花を食べるという文化が、子供の頃に我が家ではなく、”花を食べる”という行為そのものに、抵抗がなかったと言えば嘘になる。しかし、毎年送っていただき、お浸しや酢の物にしていただくと、シャキシャキと歯ごたえもよく、最近では新しい味覚を味わい、送られてくるのを待ちわびている自分がいる。
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「秋と冬のさかいめ」

2020-11-06 11:02:26 | その他
「ヤマボウシの果実」 
 北海道の山はもとより、平地でも雪の範囲が広がり、天気予報では雪のマークが見られるようになった。東京では木枯らし1号の発表があり、当地でも朝晩めっきり冷え込み、布団から出るのが少し辛くなった。特に急ぐ用事もないので、しばらくラジオを聴きながら時間をやり過ごすが、朝の明るい光がカーテンをとおし、一日の始まりを告げる。こんなひと時にも、元気でいられる幸せを感じる。ダイコンやカキ菜の葉も少し大きくなり、先日植えたタマネギの苗もシャキッと姿勢がいい。こんな、どうでもいいことにも幸福感をおぼえる。人はもとより、植物でも、命を尊く感じる度合いが、年齢を重ねるごとに深くなった。この気持ちなんだろう。毎日、少しずつ日が短くなり、秋の庭では、植物の生命のパスが進んでいる。
 夏、白い花びらに見える苞の真ん中に、小さな花が集まって咲いていたヤマボウシ。それが、秋にはその小花がそのまま集まって、一つの球形の果実となる。そして、それが熟し、口の中に放りこむと、ジワ~と甘さが広がる。
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「文化の日」

2020-11-03 17:49:03 | 山野草
「ヨメナ」 キク科
 本日は文化の日、国民の休日。この日が平日であろうがなかろうが、曜日を変えて連休とはならない。勤務している時は、平日に1日休みがあると嬉しく、日曜日にあたるとがっかり・・。11月3日は文化の日とあり、少し漠然としているけれど、忘れてはならないのは、この日、戦争放棄、主権在民を宣言した新憲法が公布された日なのだ。施行は、昭和22年5月3日、ご存知、憲法記念日。勿論、国民の祝日。歴史的には興味深い事柄もあるけれど、いずれにしても”自由と平和を愛し、文化をすすめる日”が趣旨とのこと。休日ともなれば”どこか遊びに行こう”などど、つい考えてしまう。幸い3日は晴れの特異日。本当にすがすがしい秋晴れの一日でした。お茶のお稽古で使った”お香”の香りが、髪に服にたきしめられ、なんとなく幸せ。
 道ばたに咲いていた野菊。たぶんヨメナ。けれど、ちょっと自信がない。友人は、春になると、この若菜を摘んで、ご飯に炊き込んだり、あえ物にすると美味しいよ、と教えてくれた。来春は、試してみようかしら。
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