啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ダイモンジソウ」

2011-09-30 10:50:39 | 山野草

戸隠高原から戸隠の山々は植物が豊富なところだ。40年ほど前にドライブした時は、運転していて恐いほど霧が深かったことぐらいしか覚えていない。昨年、カミさんと自然園を散歩し、植物や小鳥が多い場所と気付いた。今年、戸隠山に登ったのは、夏の花が終わる9月の頃。それでも、色々な花がいっぱい残っていた。

「ダイモンジソウ」はユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。深い山地の崖や岩の割れ目など厳しく、水気の多い場所に咲いている。戸隠の奥社から八方睨に向かう登山道。岩場が近付いてくる辺りの登山道で小さな一株を見つけ、思わずシャッターを切った。その後、鎖場の岩の割れ目などにポツポツ咲いており、鎖場の緊張感を癒してくれた。九頭龍山を回り戸隠牧場に降りる沢沿いの岩場でも咲いていた。

ユキノシタやキンポウゲに似た形の濃い緑の葉の間から、花茎を2,30センチ伸ばし、白っぽい花をつける。花弁の下の2枚が大きく伸び“大の字”に見えることからこの名がついている。

自然の中で自生しているダイモンジソウを見たのは多くない。最初は魚沼の八海山のトラバース道。岩の割れ目に可憐に咲いていた。それ以外には戸隠しか記憶に残っていない。ところが、農協のグリーンセンターの山野草コーナーなどでよく販売されているのを見る。当家にも、お茶の先生から頂いてきたというダイモンジソウが、かろうじて生き残っている。草丈はわずか2-3センチしかないが・・。園芸店では八重咲、ピンクの花が咲くタイプなど改良されているという。魅力は感じない。
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「ゴマナ」と「ヒメヒゴダイ?」

2011-09-29 09:56:26 | 山野草

万座プリンスホテルの駐車場やその奥にある数軒の温泉ホテルへのアクセス、万座スキー場の管理道路と思っていた道が、長野県の須坂市とつながる県道(林道?)とは知らなかった。万座で、私の大好きな湯治旅館“豊国館”を過ぎ、万座道路と別れプリンスホテルの駐車場(玄関)の方に登る。立派な舗装道路がスキー場を横切るように西につながっている。7-8キロ走るとT字路があり、右が須坂方面、左は道路が細くなり毛無峠方面。両側には植物が豊富そうな道。来年もまた行ってみよう。

「ゴマナ」はキク科シオン属の多年草。万座温泉から毛無峠に向かう山道に咲いていた。この花、平地の堤防沿いから草むらなど山に行かなくともどこでもある。草丈も1メートル以上あり、目立っている。似たような種が多く区別するのが大変。

草丈が高い割りには静かで落ち着いた花だと思う。若菜は食べられるのだそうだ。花が咲く頃には、やや粗くざらざらするほどの短毛がある。

「ヒメヒゴダイ」はキク科トウヒレン属の多年草?。実は、ゴマナと“ヨツバヒヨドリ”を対比しようと思って写真を撮ってきた。ところが、よく見ると葉の付きかたなどヨツバヒヨドリではなかった。図鑑やネットで調べてみたが判別できず“ヒメヒゴダイ”が一番近かった。どなたか、ご存知でしたらお教え下さい。


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草紅葉が始まっていた「尾瀬ヶ原」

2011-09-28 08:17:56 | 低山歩き

尾瀬ヶ原ーーー。東電小屋から山ノ鼻に向かう木道。所々で片方が欠落しており、片側通行になっていた。もう何回も歩いた道だが、片側通行があちこちあるのは初めて。福島の原発事故で厳しい目が向けられる東京電力。損害賠償で資金も大変。“木道までは手が回らないのでは”と心配になった。

尾瀬の半分前後が東京電力の土地だと聞いた。元々、発電所の建設用地だったのだ。反対運動(自然保護運動)の結果が功を奏し、今の景観を保っている数少ないケース。原発事故の補償対応で、資産売却が検討される中、尾瀬の広大な土地の売却も“うわさに上がった”。むろん、群馬県や地元関連団体など挙って反対した。東電からの年間の尾瀬環境保護に支出されるお金は年2億4千万円程度と報道された記憶がある。

東京電力が事故の補償に、わが身を削るのは当然。ただ、東京電力に対する、風評被害を含めた“補償要求”の声に行き過ぎは無いのだろうか。無論、福島県をはじめ避難指定地域などの皆さんは別だ。まして、原発を持たないで東京電力から電気の供給を受けている都県は少しぐらい我慢するのが当然。電力会社がピンチの時、自治体は事業協力金の減額や返上が検討されることは無いのだろうか。

「補助金はよこせ」「補償金は一円でも多く」という姿勢の、私の住んでいる県。企業局の発電事業の売電をはじめ、東京電力には大分お世話になってきたとおもうが。最近は“地元業界紙”以上の地域密着振りを示す“J新聞”にも飽きがきた。今月で変えよう。

「尾瀬ヶ原」は標高で1400メートルほど。東西に約6キロ、南北約3キロ、約8690haに及ぶ尾瀬特別保護地域の西側にある。「草紅葉が始まったのでは・・」という友人のお誘いに飛びついた。快晴の天気に、心地よい風のなか、鳩待峠ー山ノ鼻ー竜宮ー東電小屋を周遊。友人の計算では約17キロの歩行距離。

草紅葉というと幻想的だが、実際は枯れかかった草原。草原の大きさ、燧ケ岳や至仏山を背景に加えると“懐かしさ”“優しさ”“おおらかさ”など大きさを感じられる。エゾリンドウも盛りを過ぎていた。花は殆ど見られなかったが、やっぱり尾瀬はいい・・・。
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「オヤマノリンドウ」

2011-09-26 09:38:43 | 山野草

無知、情けない、恥ずかしい!!昨日の当ブログで“秋のお彼岸も終わって”と書いてあったが?間違いでした!!お詫びはしませんが、訂正します。秋のお彼岸は中日(23日)を軸に、前後3日間あるのだそうです。お盆が3日(4日という地方も)なのと同じだと思っていました。

「オヤマノリンドウ」は亜高山帯の深山に生育するリンドウ科の多年草で、日本特産種だという。湿地や草地に生える。破風岳から土鍋山に向かう登山道沿い、日当たりの良い場所に笹を避けるように咲いている。踏まないように気をつける。草丈は5,60センチ程度。天気が良くないとリンドウは花弁を開かないというが、オヤマノリンドウはさらに開いてもわずかだという。ミツバチが花弁を押し開けるように取り付いていた。

葉の緑色が薄めで、花の付き方が最上部だけ、全体的にフンワリとしている感じという理由で、オヤマタイプに決めた。春先のリンドウの種の特定が難しいように、ただのリンドウやエゾリンドウ、エゾオヤマリンドウなどあるようで見分けはなかなか難しい。オヤマとリンドウの間に“ノ”を入れるか否かも微妙です。私はノ入り支持です。

リンドウは花が少なくなる晩秋、霜が降りる頃まで登山道脇に咲いて和ましてくれる花。群馬、長野県境の山にいっぱい咲いていました。お彼岸で墓前にリンドウの花を添えた方もあったのではないでしょうか。園芸種のリンドウは、花を複数段つけるエゾリンドウを改良したものだそうです。
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「ヒガンバナ」

2011-09-25 08:56:02 | 山野草

お彼岸もあっという間に過ぎてしまった。何となく、暗い3連休だった。往復で40キロ近く、鮎川ー烏川ー神流川との合流点まで堤防沿いに自転車で走ってみた。半月ほど前まで、堤防の両サイドは草で覆われ、私の苦手な虫がいっぱいだったが、今は刈り払われてすっきり。そこにヒガンバナが花茎を伸ばし真っ赤な花をつけている。彼岸の頃に咲き出すというが、将にその通り。何だか不気味な花で、私は好きではない。

「ヒガンバナ」(曼珠沙華)はヒガンバナ科の多年草。別分類ではユリ科とするところも。トキの島では“ハミズハナミズ”と呼んでいた。葉と花が時期をずらして別々に咲く奇妙な植物。葉は晩秋に芽を出し、水仙に似た濃い緑の線状で、冬の間は良く目立つ。周りが緑に包まれる頃には目立たなくなり、夏が来る頃には枯れてしまう。

彼岸が近づく頃に、ニョキニョキと花茎を伸ばし3,40センチとなる。先端に百合に似た蕾をつけ、真っ赤で“妖艶?”な花をつける。今、最盛期のようだ。私にとって、優しく表現すれば妖艶だが“毒々しい”とか“ド派手”“目立ちたがり屋”というのがこの花の印象。




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「ヤマトリカブト」

2011-09-24 08:57:38 | 山野草

毎日が日曜日となると、人出で混雑する週末は動きたくなくなるが“突き抜けるような青空”という言葉がぴったりの今日の天気となると、体がうずうずしてくる。高い山の紅葉はもう始まったのだろう。

「ヤマトリカブト」はキンポウゲ科の多年草。山地の林縁や草むらなどに見られる。三国山では登山道と旧街道が交差する三国峠の辺りから、登山道脇にポツポツ咲いていた。仲間が40種類ぐらいあるといい“特定するのは難しい”と図鑑に書いてある。「地上部は秋には枯れ、根も毎年交代するため、多年草ではなく擬似1年草」と解説している図鑑もある。写真の種もただのトリカブトとしたほうが良かったのかもしれないが、手持ちの図鑑の絵と合致しており、かなり高い場所だったという理由だけで、ヤマタイプとした。

もうすう大分前になるが、埼玉県本庄市のスナックを舞台にトリカブトを使った保険金目当ての殺人事件が話題を集めた。昔は毒矢に使われた。猛毒(ドクウツギ、ドクセリと合わせ3大毒草)が有名。食べると嘔吐、呼吸困難、臓器不全など引き起こし、死に至ることもあるという。新芽の頃は毒草との区別がつきにくく、食べられてしまうこともあるのだそうだ。

一方で、薬効もあり漢方薬として強心、鎮痛、血液循環の改善などに使われるのだという。
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「イワインチン」

2011-09-23 08:29:06 | 山野草

季節が秋に変わって、山野草の世界では「キク科」の種がやたらと多くなった。元々仲間の多い種のようで、どこがで“種の数が植物の中で一番多い”と書いてあったのを見たような気がする。キク科共通の特徴の一つが頭花(頭状花序)。難しい言葉だが、タンポポやひまわりのように、多数の花が(枝を介さず)集まって丸い一つの花のように見える。ところが、一枚の花びらごとに雄シベや雌シベがあるのだそうだ。

「イワインチン」もキク科キク属の多年草。高山植物。日本固有種で高山の岩場や礫地に自生する。三国山の中腹のガレバ場で咲き始めていた。草丈は10-20センチほどで低い。黄色の地味な“頭花”をつけ、葉は細く切れ込んでいる。

細く深い切れ込みが入った葉がカワラヨモギに似ており、カワラヨモギは別名でインチンヨモギというのだそうだ。岩場に咲いていることと合わせ、イワインチンの名がついたという。別名でインチンヨモギともいうそうだ。
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「ヤマハハコ」

2011-09-22 11:10:47 | 山野草

台風一過の快晴。早めに時間に散歩をして、上手くいけば“山栗”でもゲットしようと企んだ。結果は残念!ひと足早く、老練な3人組に先を越されたようだ。行き交った時に美味しそうな栗が半分ほど入ったビニール袋を提げていた。同じ場所で3,4日前に2人分の栗ご飯に十分な山栗を拾って美味しく食べた。小さな山栗は、スーパーで売っている大きな栗と比べると、間違いなく甘くて美味しい。

「ヤマハハコ」はキク科のヤマハハコ属の多年草。ハハコグサに似ていて、山地の草原や林の縁などに生えるのでこの名がついているようだ。群馬と新潟の県境、三国トンネルの真上ー三国山への登山道で、草原とガレ場が入り混じった日当たりの良い場所に咲いていた。草丈は3,40センチで白っぽく、花芯が黄色い地味な花をつけている。

平地の畑や道端に多いハハコグサは黄色の花をつける。ヤマハハコは白い花に見えるが、外側の白い部分は“総包片”と呼ばれる刃が変化した部分で、中央の黄色い部分が花の部分だという。長野県以北の山地に自生する。西日本には別種のホソバノヤマハハコがあるのだそうだ。
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「マルバダケブキ」と「アキノキリンソウ」

2011-09-21 08:49:33 | 山野草

台風が紀伊半島の近くにある。北東に進んでいて、進路予想図が関東から東北を縦断する方向を示しながらアナウンサーや気象予報士は「(東海地方に)上陸する“恐れがあります”」と繰り返す。何だか白々しく感じるのは私だけだろうか。私の場合は“恐れがある”のは可能性が50%以下ぐらいの場合。予報士やアナウンサーのマニュアルとか決まりがあるのだろうが「上陸することがほぼ確実」「可能性が高くなりました」とかいえないものだろうか?災害への対応への必要性を話す場合なども、定型的でワンパターンの表現が目立たないか??

写真を整理していたら尾瀬の写真がまだ残っていた。昨日、当ブログでは過去のベスト10に入る、五百人以上の多くの方に覘いていただいた。もう一回、至仏の花を続けます。

「マルバダケブキ」はキク科メタカラコウ科の多年草。鳩待峠近くの車道脇に咲いていた。往路でオタカラコウを見掛け、帰りに写真をと思っていたが、黄色い花を見つけて停車したところこの花だった。高く花茎を伸ばし草丈は1メートルほど。舌状花は散りかけているが、派手な形で目立つ。葉はフキの葉に似た形をしており大きい。亜高山帯かた高山帯下部のやや湿った場所で良く見かける。日光白根山での群生が印象に残っている。

「アキノキリンソウ」もキク科の多年草。秋の山道を歩くと、歩き始めからかなり高い場所まで足元に優しく咲いている。高いところでは総状花の一部が綿毛状になっても、下のほうには黄色い花が数輪残る事があるのを見ると“しぶとさ”も感じられる。特にここが可愛いとかいうのではないが、好きな花の一つ。変種が多いそうで、至仏のオヤマ沢田代で撮ったのでミヤマアキノキリンソウかもしれない。
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「ウメバチソウ」「ツルリンドウ」「イワシモツケ」

2011-09-20 09:03:02 | 山野草

台風15号が関東方面い向かって進んできそうだ。畑に蒔いたばかりの野菜の苗が、また水没の危険に晒されている。何も無ければよいが・・。台風の通過で、季節が秋に変わりそうな気がする。至仏山で撮った写真を3枚掲載して区切りをつけよう。来年は、花の盛期に行って、オゼソウやタカネバラなどカメラに収めたいものだ。

「ウメバチソウ」はユキノシタ科の多年草。花が梅の花に似ているというのでこの名がついたようだ。

「ツルリンドウ」はリンドウ科のつる性植物、多年草。登山道脇などに草の中から可憐な花を出している。遅い秋には先が太った奇妙な形をした赤紫の実をつける。※今月1日に掲載した「タテヤマリンドウ」で、花弁が5片としていましたが、花先が分かれているだけで、筒状だと思います。訂正します。


「イワシモツケ」はバラ科シモツケ属の落葉低木。花が殆ど散りかけているが、名前が判らないままに撮った。

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