「ここをね、ここを30分登れば、赤久縄山の頂上に着くんだよ、あ~登りたいなぁ~」と言って足を登山口に一歩踏み入れた夫を「この次にしようよ」と言ったばっかりに、私はこの9年間、ず~と後悔していた。あの日をおいては、二度と登ることはできなかったのだから・・。その日は、9年前の5月連休最終日、赤久縄山のスーパー林道脇に、アズマイチゲが咲いていると思うから、見に行こうと、体調不良にも関わらず、まるで、命の限りを知っていたかのように、夫は山歩きを望んだ。駐車場に車を止め、林道を歩くこと暫し。山の春はまだ浅く、ゴオ~ゴオ~と裸木の枝が風にざわめく。その音に少し恐さも感じたが、途中で引き返すという選択肢もなく、ただただ、夫の願いを叶えてやりたいという一心で歩いていた記憶がある。行けど行けども花は見つからず・・「あともう少しね、行こう」と数メートル進むと、林道の枯れ葉の中から、それはそれは可憐で真っ白なアズマイチゲが群生していた。野山に春を真っ先に告げる花。あの感動は、いまだに瞼の裏にやきついている。帰り道、林道の登山口に足を止め「ここをね、ここを・・登りたいなぁ」。
長い間、あの時を後悔していたのだけれど、その日は突然やってきた。赤久縄山に登ろうと!
スーパー林道からは、雪化粧した浅間山が美しく、遠方にも、いつでもどしっと構えて、揺るがない山々がある。良くも悪くも、いろんな気持ちを抱えて山に行くけれど、山はいつもその気持ちを受け止めてくれる。心の隙間を充分に満たす存在なのだ。標高、1522m。今回、省エネ、ぶらぶらコースの登山だったけれど登頂。山頂からは、展望が開け「手前がオドケ山、左は西御荷鉾山、その右は東御荷鉾山、後方は雨降り山だよ」と教えてもらった。見る角度が違うと、また分からなくなりそう・・たぶん分からない。「いつでも私が隣にいる」と誰かあの人に伝えてよ。
オドケ山 西御荷鉾山 東御荷鉾山 雨降り山
長い間、あの時を後悔していたのだけれど、その日は突然やってきた。赤久縄山に登ろうと!
スーパー林道からは、雪化粧した浅間山が美しく、遠方にも、いつでもどしっと構えて、揺るがない山々がある。良くも悪くも、いろんな気持ちを抱えて山に行くけれど、山はいつもその気持ちを受け止めてくれる。心の隙間を充分に満たす存在なのだ。標高、1522m。今回、省エネ、ぶらぶらコースの登山だったけれど登頂。山頂からは、展望が開け「手前がオドケ山、左は西御荷鉾山、その右は東御荷鉾山、後方は雨降り山だよ」と教えてもらった。見る角度が違うと、また分からなくなりそう・・たぶん分からない。「いつでも私が隣にいる」と誰かあの人に伝えてよ。
オドケ山 西御荷鉾山 東御荷鉾山 雨降り山