啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「キキョウソウ」

2011-05-31 08:30:57 | 山野草

山野草を少し調べるようになったが、種を判別するのは今でも一苦労。図鑑で見て覚えただけのもの、初めてなもの、似たもの同士など判別が付かないものが多い。キキョウソウは図鑑で見て知っていた。キキョウそのものは花屋さんからその辺の花壇まで、至る所で見かけるが、自生しているものを見るのはまれ。この花もどこか深い里山辺りで咲くものと思っていた。意外にも自宅から離れていない、散歩コースの道端に咲いていた。

「キキョウソウ」はキキョウ科の一年草。北アメリカからの外来種だそうで、里山や草原ではなく路傍や郊外の空き地などに多いのだという。生育環境は何となくイメージ外れだが、花径1センチ余りの赤紫の小さな花は凛として可愛い。5-7月に咲く。本物の?キキョウが妖艶な感じがするのに対し、こちらは爽やかな感じ。

花には昆虫から受粉してもらう開放花(写真)と茎の下方につき花を開かないまま種子を作る閉鎖花があり繁殖力が強いと書いてあった。開放花は下から徐々に上に咲き上がっていくのでダンダンギキヨウの別名もあるという。草むらに頭を一つ分高く出しており、赤紫の花が目立っていた。


※昨日掲載した「地蔵岳」の登山日を18日としていましたが、勘違いで25日の誤りでした。訂正します。



赤城山「地蔵岳」

2011-05-30 08:57:45 | 低山歩き

18日、何の予定も無く、天気も快晴。こんな時にフラッと行くのは赤城山。天気予報を見ると、その日を逃すとしばらく歩けない。“地蔵にするか荒山か”を決めないまま自宅を出たのは午前10時をかなり回っていた。“山を歩きたい”という欲望?をどんな時でも優しく包み込んで迎えてくれるのが赤城山だ。

「地蔵岳」(1674メートル)は赤城山系の中核を占める山の一つ。標高は高いが千数百メートルまでは車で行くので、地元の山ガイド本でもファミリー向けのコース。ただし、コースによっては露岩がゴツゴツした急坂もあり、それなりの注意が必要。市街地から見ると赤城山系の中央にあり、何本かの電波塔が立っているのが地蔵岳。2回目となる今回も新坂峠からスタート。

赤城は“フリーになったら行こう”と決めていたところ。地蔵には昨年の初夏に始めて登った。覚えているのが頂上からの広い展望と後から追いかけるように上がってきた小学生の軍団。支度をして歩き出そうとすると、何だか騒がしかった近くの広場で“エイエイオー”的な掛け声が・・。また、小学生と一緒だ!!

まだ、芽吹きが始まったばかり。登山道脇に紫の小さなスミレが咲いている程度で何も無い。小学生に追いつかれては大変とそれなりに急いだが30分足らずで山頂についてしまった。これなら3往復はできそう??山頂からは大展望が広がっていたが、小学生が着く前に降り始め“挨拶の連呼”を避け、大沼に下る道を選択。

露岩がゴツゴツした急な下り。登山道らしい。今度来るときはこの道をあがろう。下っていくとオオカメノキなど咲いていた。県道に合流すると平行して歩ける歩道があった。さすが赤城!!新坂峠まで3,40分ー舗装道路を歩くのかと思い滅入っていたが、素晴らしい遊歩道がほぼ全区間つながっており、ウグイスやキツツキのドラミングなど聞きながら歩いた。

「キジ」

2011-05-29 08:58:19 | 野鳥

愛鳥週間は当の前に過ぎてしまったが、久々の野鳥シリーズ。日本の“国鳥に指定されているキジ”。当家は東に田んぼ、南は畑と田畑に半分を囲まれているが、直線距離で50メートルほど離れた場所に繁盛しているコンビニもある地方都市の郊外。全くの田舎ではない。ところが、前の畑に、キジがやってくるのだ。夫婦?(雌雄2羽)でくる場合もあるし、単独もある。4、50メートルの至近距離まで近寄ってくることもあるが、カメラの準備が出来上がる頃には遠ざかってしまうのがいつものことだ。

雌の「キジ」がやってきた(3週間ほど前に撮影)。例のごとく、かなり離れてからシャッターを押したのだが、まあ?見られる範囲。雄だともう少し派手で、写真受けする姿をしているのだが・・・。最近、藤岡辺りの郊外ではキジが増えているような気がする。昨日も、ケーンケーンと田んぼのくろで鳴いていた。散歩を良くするようになったせいかもしれないが、キジの鳴き声や姿に出会うことが増えている。

キジは日本の国鳥。日本を代表する鳥は“学名がニッポニアニッポンのトキ”ではない。種が絶滅しては仕様がないが、桃太郎さんの家来で、食べても美味しい鳥が国鳥でよいものか。ちなみに、調べていたら「狩猟の対象となる食鳥を国鳥としているのは日本だけ」というからいかがなものか。

山女や鮎と同じように、愛鳥週間や狩猟解禁の前に養殖したキジを放鳥しているのだそうだ。04年に全国で10万羽というから少ない数ではない。増えた理由が放鳥で無ければよいが。走ることが得意でも、飛ぶことが苦手なこの鳥は、天敵も多いようだ。

最大の天敵はこの鳥の場合も人間。そういう私が、天然のキジでとった出汁、手打ちの蕎麦の組み合わせで、美味しい蕎麦を食いたいと思っている。

「ヤマツツジ」と「ミツバツツジ」

2011-05-28 09:42:25 | 山野草

伊香保温泉から榛名湖に上がる県道沿い、森林公園の“つつじヶ丘”付近はこの時期に「ヤマツツジ」で真っ赤に染まる。あいにくの悪天候だが、この週末が「ヤマツツジ開花のピーク」となりそうだ。束の間の好天を見計らって、週の初めに先週見損ねたツツジを見に出掛けた。

温泉街を抜け、榛名湖に向かう県道沿いはヤマツツジがピーク。スケートセンター方面に左折すると、花が紫のミツバツツジも混じっているが、ヤマツツジは咲き始めたところ。

つつじヶ丘の展望台入り口にクルマを止める。日当たりの良い場所だけに、7割ほど咲いている。赤城方面の大展望と赤い花、青い空がマッチしている。ここで標高は1千メートル強だろう。二ッ岳方面への遊歩道を歩く。ヤマツツジのトンネルを歩く感じになるはずだったが、今年は少し時期が早すぎたようだ。

「ヤマツツジ」はツツジ科ツツジ属の半落葉低木。図鑑的に表現すると面倒くさいが、山に咲く一番普通のもみじのこと。群馬では、アカヤシオやミツバ(ツツジ)の花が終わった頃に、赤い花をつける。この後に群馬県花ノ”レンゲツツジ”が咲いて山は本格的な夏を迎える。

雌岳の直下、オンマ谷への分岐点の辺りでは「ミツバツツジ」があちこちに咲いていた。
西上州の中・低山や里山にこのつつじが咲く時は“葉が出る前に鮮やかな紫の花”をつける。赤城でもそうだったが、榛名山では葉と花が一緒になっている。緑の中に広がる紫の花びらも趣があるものだ。


「フタリシズカ」

2011-05-27 09:23:58 | 山野草

時間がありすぎると、消化するのに苦労する。一方で、余裕があると同じ行動を起こしていても新しい発見をすることもある。私共が一番好きな散歩コース、藤岡市北西部の「竹沼」。去年までは週末しか行けなかったが、今年は暇つぶしでいつでも散歩が可能。何回も行った同じ場所でカミさんが見つけたのが「フタリシズカ」だった。

早春に咲く可憐な花“ヒトリシズカ”は今月19日に掲載した。似ているようで、そうでもないこの花「フタリシズカ」。名前は両方とも源義経の愛人?で知られる静御前に由来している。ヒトリシズカが一本の花序(花が付く様子)なのに対し、フタリシズカは2本あるので“2人”と呼ぶものと思っていた。ところが、そんなに単純ではないようだ。

「フタリシズカ」はセンリョウ科チャラン属の多年草。花には花弁もガクも無く、3個のオシベが子房を抱いているのだという。2本の花序を伸ばす独特の展開をしている。茎の形や葉の形、やや湿り気の多い場所に咲くことなど、イメージが“ヒトリタイプ”に似ているように、分類的にも近い仲間。

2本の花序を「能楽の“二人舞”」の静御前とその亡霊が舞う姿に見立てて、この名が付いたのだという。なんだか、ロマンチックな植物に思えてきた。

「シロバナエンレイソウ」

2011-05-26 11:29:36 | 山野草

迦葉山には弥勒寺の廊下の下をくぐって登山道に入る。直ぐに急登となるが、半日陰の湿った場所に淡いピンク色で、殆ど白い色に見える花をつけたエンレイソウが咲いている。まだ枯れた林の中で、緑色が鮮やかな3枚の大きな葉に、2センチほどの可憐な花が一輪。可愛く見える。

「シロバナエンレイソウ」はユリ科エンレイソウ属の多年草。3枚のガク片(緑色)と白い花弁がバランスよく、全体を際立てている。エンレイソウの仲間は、花を開花するまでに長い時間を必要とするのだそうで10-15年を要する。そういえば、登山道脇で花をつけていない個体を良く見る。

シロバナのエンレイソウと紹介したが、画像では確認しにくいかもしれないが、この個体の花は、淡いピンク色をしていた。赤紫色の花をつける本種のエンレイソウや北海道などに多いオオバエンレイソウなどと“種間雑種”を形成することが良くあるとのこと。雑種なのだろう。

トキの島で花が濃い赤紫のエンレイソウはあちこちで見たが、シロバナタイプは群馬に来て、山歩きをするようになって出会った。エンレイソウは黒に近い濃い赤紫色の実をつける。これを子供の頃に食べたことがある。この実からトキの島ではエンレイソウを“クロンボウ”と呼んでいた。写真は雨に濡れたトキの島のエンレイソウ(4月上旬)


「タムシバ」

2011-05-25 08:16:29 | 山野草

雪融け直後。木々の芽吹きが始まる頃に、尾根沿いの日当りの良い登山道脇などにフンワリと白い花をつける。ハクモクレン、コブシと似たようなところがあり見分けが難しいが、ネットで調べると「花の付いているところに葉が一枚付いているのがコブシですぐに見分けられる」というが、それほど簡単ではないようだ。

「タムシバ」はモクレン科の落葉小高木。本州以南の日本海側に多いという。東日本型の低木タイプ。西日本型は香木タイプが多いのだという。妙な名がついているが、枝や葉は噛むと甘く、カムシバ(噛む柴)が訛ってタムシバになったとか。蕾が薬用となる。

写真は沼田市北西部の迦葉山で撮ったもの。和尚台の急登を過ぎ、鞍部に差し掛かると山道の傍らにあちこち咲いている。それまでの疲れを吹き飛ばしてくれそうに優しく咲いているのが嬉しい。

「ハルナユキザサ」

2011-05-24 08:36:06 | 山野草

仕事を通じた友人グループ。年1-2回全員が集まって飲む。ハイキングをしたりカラオケで歌ったり、各自の現状を報告したり・・。飲んだ後は必ず“大討論会”が待っている。楽しい集まりだ。

22日の榛名山「二ッ岳(雌岳)」と「つつじヶ丘」ハイキングはあいにくの雨にたたられた。道路の両側に真っ赤に咲いた山つつじの道を伊香保の温泉街から榛名湖方面に上がる。森林公園内の目的地に付いた頃はドシャ降り状態。休憩所に入ってチャンスを待つが、情け容赦なく雨は降り続いた。

諦めて持参のオニギリで昼食。竹細工の講師を始めた器用人のY氏から“竹の指輪つくり”を教えていただく。四苦八苦の上、2個を完成することができた。小屋に引きこもったままで4時間ほど。ホテルのチェックイン時間まで過ごした。

管理小屋の壁面に榛名の小鳥や植物が写真で紹介されていた。この中で、印象に残ったのが「ハルナユキザサ」。夕方になり雨がようやくあがり、石段経由で温泉街を一周したが、思いがけなくホテル近くの道路沿いに咲いていた。カメラを持参せず、友人2人(H氏、Y氏)に撮っていただいた。

「ハルナユキザサ」はユリ科ユキザサ属の多年草。榛名山で見つかったのでこの名が付いている。普通のユキザサとの違いは“大きいこと”のようだ。普通のユキザサは、草丈がせいぜい3,40センチ程度だが、ハルナタイプは1メートル以上にもなるのだという。写真の個体はそこまで大きくなかったが、普通のユキザサ?より葉や草丈がかなり大きかったので、ハルナ固有種に決めさせていただいた。

榛名の山々の登山道脇や榛名湖周辺の草原などにユキザサはこれから咲く。スケートセンター近くの「つつじヶ丘」のヤマモミジが満開になるのは今週末だ。
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「オオカメノキ」(ムシカリ)

2011-05-23 13:25:16 | 山野草

赤城「鍋割山」への尾根沿いは、私が訪ねた時には木々の芽吹きが始まったばかり。この中で「オオカメノキ」の白い花が光っていた。

「オオカメノキ」(ムシカリとも呼ぶ)はスイカズラ科ガマズミの仲間のの落葉低木。中央部に小さな花が集まり、周りを花弁5枚の白い花弁が取り囲む。春早い尾根沿いの林などでとりわけ目立っている。

名前の由来は卵型に丸くタテにスジの広がった葉の形を、亀の甲羅に見立てたものとか。ムシカリと呼ぶ地方もあるが、葉に虫が良く付き、虫の食われることから“ムシカリ”と呼ばれるのだそうだ。

「ヒメイチゲ」

2011-05-22 00:04:12 | 山野草

赤城「鍋割山」への姫百合駐車場からの登山口からの登山道沿い。荒山高原が近付くと岩混じりの急登となる。この辺りは、春の花が多いところでアカヤシオツツジやカタクリ、オオカメノキなど楽しませてくれる。

岩の間のコケが生えたところに小さな白い花を見つけた。昨年の春に、西上州の天丸山から大山を歩いた時。大山に向かう尾根沿いに咲いていた。名前を調べたが判らなかった種だ。いつか、榛名山のどこかでも写真を撮ったことがある。

名前が判らないのでネットで「鍋割山に5月に咲く花」で検索すると、丹沢の鍋割と赤城の鍋割の両方の情報があり、その中から“ヒメイチゲ”らしいと限定。ヒメイチゲで検索し、ほぼ間違いないと思い掲載した。

「ヒメイチゲ」はアズマイチゲやキクザキイチゲと同じキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。よく見ると葉がアズマイチゲに良く似ている。草丈は5-7センチ程度で、花径も1センチ弱と超小型だが可愛らしい。

昨年、大山で見た時、通りかかった人に聞いたが“イチリンソウ(イチゲ)が小型化したものではないだろうか”と明確な答えが得られなかったが、今度は間違い無さそうだ。