啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「福岡市博物館」にて

2016-03-31 19:15:46 | その他
 かねてより、訪れたいと思っていたところ、チャンス到来。友人から福岡への旅を誘われた。私のお目当ては、博物館。楽しみは2つ。1つは、国宝「金印」。そして、もう1つは、「黒田節」で有名な鎗。とぐろを巻いたヘビのつまみ、その下に細い穴があいている金印。“ちっちゃ~い!”というのが正直な感想。それもそのはず、1辺わずか2、3cm。あの「漢委奴国王」の刻印は教科書で有名。57年、漢の光武帝が、倭の奴国の国王に、印綬を送ったことが「後漢書」に書かれ、1784年、志賀島で発見されたものが、この金印ではないかと考えられている。とても小さいけれど、およそ2000年前の日本と中国の関係を、海を越え、時を超えて想像するには存在感のある一品だ。
 第一声“うわっ 長い”。♪ 酒は呑め呑め 呑むならば 日の本一の この鎗を・・・・・これぞ まことの 黒田武士♪民謡「黒田節」。黒田官兵衛に仕えた母里太兵衛が、福島正則から呑みとった日本一の鎗。持つ所は、びっしりと細かい螺鈿が埋め込まれて、実に美しい。刀身、80cm、柄を入れると3、2mという。
 “百聞は一見に如かず”。実際に、自分の足で歩き、自分の目で見ないとわからないことがたくさんある。偽物を何度も見るより、一回の本物を見ることをお勧めしたい。
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「シュンラン」

2016-03-26 11:46:55 | 庭の花木
 「シュンラン」 (春蘭) ラン科
 空には、ぽっかり白い雲、そよぐ風はやや冷たいが、それでも日差しは明るく暖かい。北海道新幹線の開業のニュース。北の大地へと、旅の誘いのパンフレットが続々届く。
 たくさんの細い葉の繁みから、なにやら淡い黄色の花が咲いているのを、最近ようやく気がついた。“所狭し”と鉢いっぱいに根を広げ、濃い緑色の葉に隠れて、質素にシュンランが咲いていた。以前、夫がトキの島から持ち帰ったものだが、何も手入れしないのに、毎年花を咲かせてくれる。雑木林や乾いた斜面に生育するというが、当家では植えっぱなし。植物にも、その土地や環境に対する適応力がある、という事なのだろうか。シュンランは、春の蘭と記するように、春、いの一番に花をつけるラン、という事でついた名という。スタイルの良い葉の側面には、細いギザギザがあり、花が咲いている茎を守っているように感じる。別名、ホクロとかジジババという名もあるという。唇弁にある斑点を、顔のホクロやシミなどに見立てたらしい。ランは派手で、華やかな印象だが、シュンランはだいぶ地味目。うつむきかげんに咲いているため、正面から撮影できなかったので残念。
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「ミミナグサ」

2016-03-23 15:26:21 | 山野草
 「ミミナグサ」  (耳菜草) ナデシコ科
 各地で、桜が咲いたとのニュースは、TV、ラジオ等で、連日報道されている。それほどまでに、日本人は桜に、格別な思い入れがあるのだ。たぶん、それは、日本の文化が大きく影響しているのではないか。例えば、寒さにじっと耐え、ようやく咲いた花びらも、風でハラハラ散ってしまう姿に、何となく無常観を見出したり、散ってもなお、花びらのカーペットになっても、そこに儚さと美しさを感じる。文学、あるいは仏教の影響もあるかもしれないし、四季が明確な、日本の風土ともかかわりがありそうだ。
 当家から比較的近くの土手に、数キロの桜並木がある。蕾の先がほころび、ピンク色が可愛く顔を見せていた。咲くのも時間の問題だ。心なしか、幹も桜色に染まっているように見えた。河原の茂みからは、まだ練習中と思われるウグイスのホーホケキョ。長閑な春のひとときだ。
 道端で見つけた、小さな、小さな愛らしい花。ミミナグサだ。ハコベによく似ているが、どこかが違うと気づいてはいたが、名前がわからなかった。帰省中の妹に教えてもらったのは、つい先日の事。花径、1cmにも満たない。5弁の花びらの先は、2つに裂けている。葉は対生し、その小さな葉をネズミの耳になぞらえてつけたという。なかなか、うまい名前だと感心した。妖艶な桜も美しいが、目にもとまらぬような小さな花も、春の陽をうけて、力いっぱい咲いている姿は、いじらしいものだ。
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「バイモユリ」

2016-03-20 18:31:46 | 庭の花木
「アミガサユリ」 ユリ科
 昨日は福岡で、日本一早い桜の開花。気象庁の職員が、標本木を目視で、5~6輪咲いたことを確認できれば、開花宣言するという。
 満開の桜をバックに、入学式に撮った記念写真は、4月上旬。しかし、近年は、桜以外の花も早く咲いてしまい、地球温暖化の影響を受けている、といわざるを得ない。やがて、将来には、冬から夏、そして冬へと、春と秋の季節を感じないまま、とおり過ぎてしまうのだろうか。
 正式名を、アミガサユリというのかバイモユリというのか、よくわからないが、個人的には、バイモユリと呼んでいる。冬は地下でじっと耐え、暖かくなると、一気にグングン茎を伸ばし、力強い芽生えを見せる。そして今ではもう満開。花びらは、淡い緑色で、うつむき加減。花びらの内側は、網目模様があり、これがアミガサユリの名の由来。葉は、先がクルンと巻いて可愛らしい姿。草丈、50cm位。寒さには強いが暑さは苦手。日陰か半日蔭を好むようだが、当家では、さんさんと陽を浴びている。中国原産。薬草として渡来。咳止めなどの効果あり。茶花として好まれる。
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「キブシ」

2016-03-17 14:00:39 | その他
 「キブシ」 (キブシ科)
 新井幹也 ステンドグラス展が、道の駅で開催されている という知らせを友人から得、早速、会場を訪れた。幸いにも、ご本人がいらして、制作の過程など丁寧に説明してくださった。ガラスに筆で絵を描き、まずは1回焼き付ける。次に、影を出す部分などをはがす。また、焼き付ける。こうした事を繰り返して、立体感を出すのだという。ヨーロッパの、伝統的な絵付け技法によるステンドグラスの数々の作品。動物、植物、人物など光りを透すと美しく輝く。“猫に小判„で、お話を伺ってもよくわからないが、ステンドグラスといえば、パリ、ノートルダム寺院の“バラの窓„。暗い教会の中で、外からの、光をとおした、美しい花の形のステンドグラスに、釘ずけになったことを、今でもはっきり記憶している。
 今日は、お彼岸の入り。ポカポカうららかな日差し。そして、キブシが咲いた。葉が出る前に淡い黄色の花をつける。春の芽吹きの色で、淡い黄色が、何とも初々しい心地だ。細い小枝に垂れ下がり、まるで、かんざしの様。山では、春一番に咲くという。日本全土に分布し、湿り気、日陰を好む落葉低木。花言葉は“出会い„。春は人が動き、出会いのシーズン。職場でも学び舎でもどこでも、良き人との出会いがありますように。
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「ザゼンソウ」

2016-03-13 15:56:52 | 山野草
 「ザゼンソウ」  サトイモ科
 Love sick blues,  Rose garden , Crazy, Loves gonna live here , Hey good lookin・・・・・特に、Orenge blossom specialは圧巻。高崎、ジョウジアンハウスにて“Grssshoppers„のコンサート。いつも、楽しみにしている。懐かしい曲や歌声に心が癒される。数十年の時を超え、その時の歌には、確かにその時の想いが、そこにはあったから。美味しいディナーとバンドリーダーの楽しいおしゃべり、人との出会い・・豊かな時間と空間を持てる幸せ。頭も体も硬くなって、思うように動かないし、平らな所を歩いても、時には、つまずくような状態だけれど、芸術や音楽など、様々な分野に関心が持てる、しなやかな心でいたい。何事も年齢を理由に“できない„という事は言いたくないと思っている。
 ザゼンソウは、その名にピッタリの花。まさに、僧が座禅をしているように見えるから面白い。一度認識したら、忘れられない名前だ。茶褐色の仏炎苞の中に黄色の花。なかなかユニークだ。英名は、Skunk Cabbage。開花時や、地下の根茎の太い根に、スカンクのような臭いがあるという。アップしたのは、秩父の山中。きれいな水が流れる湿地に咲いていた。

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「セツブンソウ」

2016-03-10 18:17:32 | 山野草
 「セツブンソウ」  (節分草) キンポウゲ科
 当家からおよそ70キロメートル、そこは埼玉県秩父郡小鹿野町、セツブンソウ自生地。今から10年位前、夫と共に訪れた地だ。その時、記念にと、1鉢求めたセツブンソウは、今は絶えてしまった。何としても、もう一度見たいと思い、秩父の友人Tさんに連絡したところ、快く同伴することを引き受けてくれた。当日(8日)は、4月から5月頃の暖かさ。杉の花粉にも歓迎されたが、セツブンソウも満開。名は、節分の頃に花を咲かせることに由来。しかし、実際は少し遅い。もうすぐ、花も終わり、果実ができ、実がおちる。スプリング・エフェメラルと呼ばれるように、春のはかなさを代表する花。草丈、約10cm、5枚の花びらは、今にも風にふきそばされそうなほどの頼りなさだが、可憐で上品そのもの。まして、苔と共に生えている花姿は、言葉にたとえ得ようのない美しい佇まい。5枚の花びらの他に、6枚も発見。12枚の花びらもあるという。訪れた記念に、1鉢買おうとしたが、すでに売り切れ。ざんね~ん。と、近くで、友人Tさんと話をしている、品のよさそうな男性。私が、この地を訪れた事情とおもいを伝えると、その男性は知人に連絡してくださった。さらに、そのお宅まで、車で送ってくださったのだ。ありがたいことに、複数鉢譲っていただいた。他人に、こんなにも親切にしていただき、感激でいっぱいでした。Tさん手作りのちまきにも、舌鼓をうったのは、言うまでもない。帰宅途中、友人、Uさん宅でもおもてなしを受け、心豊かな人たちに囲まれ、花にも恵まれ、幸せなひと時を過ごした一日だった。
 
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「何と、茎に!」

2016-03-07 18:52:16 | その他
 
 「芽キャベツ」  アブラナ科
 「芽キャベツ 食べるか~い」。 “大好物です„と私。「今朝、畑からとってばかりだから、美味しいよ」。“嬉し~い„。
で、その姿にビックリ。実は、芽キャベツが、茎についていることを知らなかったのだ。茎の長さ64cm、数えてみると、何と66個もついていた。芽キャベツは、その名前からして、キャベツの若い芽という印象だけれど、実は、茎に沿って生えている脇芽だったのです。濃い緑色で、球のようにコロコロして可愛い姿。栄養も豊富。キャベツの3倍、レモンの1,5倍ものビタミンCを含むという。また、ビタミンB2やカロチン、食物繊維も豊富とか。炒めもの、シチュー、和え物、漬物なんでもOK。早速、茹でると、濃い緑がさらに濃くなり、食欲を誘う。とりたて、新鮮な芽キャベツ、いただきま~す。因みに、親切なおばさま、長期保存方法も教えてくださいました。
 
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「ジンチョウゲ」

2016-03-04 14:47:58 | 庭の花木
「ジンチョウゲ」 
 連日のポカポカ陽気に誘われてか、春の花が咲いている。先月の初旬頃だったろうか、枝先に、20個以上はある、濃い紅紫色の蕾は、全く香りがしなかったのに、そのうち一輪でも花が開くと、たちまち、甘く、かぐわしい香りを放つ。その花びらは、蕾の時とはちがい、淡い紅色・・淡いピンク色・・いや、白色に近いかも。これらの蕾が全開すると、手毬のようにまんまるく、香りも強烈。離れた場所からも、香りが漂う。名の由来は、香木の沈香のような香りで、丁子の木に似た花をつける木、という意味らしい。
 当家では、我が物顔で、玄関の脇に“でん„と居住権を得ているが、この植物、扱いが少々難しいという。というのは、枝が賑やかなので、根もしっかりしているのかと思いきや、実は、細く傷つきやすく、特に植え替えは要注意とのこと。書物によれば、水はけのよい場所、寒風が当たらない事、西日は避ける、半日蔭かやわらかい陽を好む・・・。当家では、これとは真逆の場所に植えてあるのだが・・元気です。今年も花を咲かせてくれました。毎日、甘い香りで、私をむかえてくれています。常緑低木、原産国は中国。
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「蕾も膨らんで」

2016-03-01 08:59:13 | 庭の花木
 「ハクモクレン」 モクレン科
 3月、弥生。もうすぐ桃の節句。雛人形を飾り、桃の花、白酒・・・昔、母が紅白のひし餅を作り、ひな壇にそなえた事を、昨日の事のようにおもいだす。♪ 「明かりをつけましょ ぼんぼりに・・・」懐かしい歌がきこえてきそうだ。ところで、3月3日という日どりは、月の数と、日の数を重ねて祝日とする、中国の重日思想の影響で、日本では古くから、3月の初めに物忌みをし、みそぎをしてけがれを祓う習慣があったようだ。その時に、人形を作り、それにけがれを移したのが、雛祭りの起こりであることが、書物に記されてあった。
 昨夜から、強風。晴天であるが、風は冷たく空気は乾燥。各地で真冬並みの寒さ、とのニュースが伝えられている。彩のない冬の季節に、自然に咲いている花をアップするのは、少々苦労するのだが、何とか乗り切れそうだ。やわらかい春の光をうけて、ハクモクレンの蕾が大きく膨らんできた。この頃の花姿が一番好き。持っているエネルギーを花びらの内側にたくさん溜め、咲くその瞬間までじっと耐える姿。何とけなげで神秘的な事か。蕾は、太陽の光を受け、南側から膨らむため、その花先は北側を指す。花びらは、少し厚みがあり、清楚な白色。当家には、花びらが紫色の紫木蓮もあるが、こちらはもう少し遅くなってから咲く。
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