啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ホタルカズラ」

2012-05-24 08:13:11 | 山野草

「これもワスレナグサかしらね?」というカミさんの声。今までに見たことも無い?濃い瑠璃色の花をつけた小さな花が咲いていた。ヘラ鮒釣りが盛んな藤岡市西南部にある三名湖の周回道の日当たりの良い場所。山や珍しい山の植物に押されていたが、まだまだ散歩道にも知らない植物がいっぱいある。

「ホタルカズラ」はムラサキ科ムラサキ属の多年草。草丈は15-20センチ。周辺の緑の中で鮮やかな瑠璃色の花を咲かせる様子をホタルに例えたのでこのが着いたという。葉は茎に互生し、狭い楕円形。青紫色(瑠璃色)が鮮やかな先が5裂した花をつける。花びらの形、花芯から白い隆起のある線が延びているのと、花径が7-8mmと大きいので、ワスレナグサとは違うことがすぐ判る。ワスレナグサと花の形外は似ており、同じムラサキ科である。

花の後に、根本から長い無花枝を出して、翌年の株を作るという。変わった生き方?だ。日当たりの良い草地に生える。

※明日からしばらくお休みします。
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「ハルトラノオ」と「コンロンソウ」

2012-05-23 08:01:57 | 山野草

昨日は一日人間ドック。日頃の運動のお陰で体脂肪率は良好。ただ、腹回りは“メタボ指針”を1センチ上回っている。胃の中に更に詳しく調べる必要のある部分があったが、まあ何ともないだろう。色々と春の花の写真を撮ったが、多すぎて掲載順に苦労している。嬉しい限り。

「ハルトラノオ」はタデ科イブキトラノオ属の多年草。日本固有種だそうで山地の湿った場所に生えている。別名はイロハソウ。鳴神山の裏の肩からカッコウソウの移植育成地を下った辺りの湿った場所にポツポツと咲いている。福島以西の本州から、九州・四国に咲く。初めて見る花だ。

草丈は10-15センチほど。太い地下茎があり、卵型で先が細い根出葉を2枚だし、ほかに3-15センチになる茎葉を1-2枚付ける。花期は3-5月。5-15センチほどの花茎の先端に白色の小さな花の塊をつけている。オカトラノオのイメージが強過ぎるだけに、この花がトラノオ?と思うが、良く見ると似ている部分もある。

「コンロンソウ」はアブラナ科タネツケバナ属の多年草。草丈は20-70センチ。山地の湿ったところや谷川沿いなどに多く見られる。白色4弁の小さな花が集まった総状花序をつける。

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「フタバアオイ」

2012-05-22 07:24:55 | 山野草

徳川家将軍の家紋の“三つ葉葵”はフタバアオイの葉を図案化したものだそうだ。最初は特別な紋ではなかったようだが、徳川家が征夷大将軍となり、幕府を開くと次第に三つ葉葵に限らず、葵の紋を使用することが憚られるようになったのだそうだ。

「フタバアオイ」はウマノスズクサ科の多年草。4ー5月に葉の間に長い花柄をのばし淡赤茶(ダーク紫?)色の花を1個下向きにつける。ちょっと奇妙な形。お椀状に見える部分は、花びらではなく3枚のガク片が変化したもの。この中に花びらもオシベも入っている。
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「ルイヨウボタン」と「ヤマブキソウ」

2012-05-21 09:34:58 | 山野草

金環日食に大騒ぎ。当家は今ひとつ退いた立場で“観察用具”も用意しなかったのでリングを見ることはできなかったが、何となく気にかかった。もうひとつ気にかかっていたのが、鳴神山で撮った可愛らしい植物の写真。帰省などで掲載のタイミングが遅れていた。

「ルイヨウボタン」はメギ科ルイヨウボタン属の多年草。鳴神山の裏の肩からコツナギ橋に下る沢沿いのやや日陰の樹林で見かけた。“ちょっと変わった野草”で写真を撮るのは初めてだっただけに嬉しかった。草丈は40-70センチで、緑の地味な花をつけており目立たない存在。葉の形状がボタンに似ているので(類葉)この名がついているようだ。

花茎の先に着く6枚の花びらのように見える部分はガク片。ちょっと判りにくいが、ガク片の基部に小さな6枚の花弁が付き、オシベも6本。メシベは中央についている。

「ヤマブキソウ」ケシ科ヤマブキソウ属の多年草。多様な植生を楽しみながら登山道を下ってくると、踏まれやすい場所に3本の枝で囲われたヤマブキソウ。未だ蕾のままで優しい誰かが、踏まれないように気遣いしたのだろう。県東部の山で見るのは初めて。沢沿いの登山道脇を鮮やかな黄色い花が明るくしていた。

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蕾の「ヒメサユリ」と「オオイワカガミ」

2012-05-20 09:55:50 | 山野草

新潟県の三条市に下田町。長禅寺→高城山(373M,城址)→袴腰山(526M)のハイキングコースはヒメサユリの群生で知られる。往復で4時間程度。高城城址までの標高で200-400Mの間には群生しているところが何箇所かあるほか、登山道(遊歩道)脇に点々と見られる。その先の、袴腰山まではポツリポツリと見られる程度。19日に歩いた時、開花しているものは一輪もなく、写真の蕾状態のものが一番ピンクに艶めいていた。見頃は6月上旬ということ。

「ヒメサユリ」はユリ科ユリ属の多年草。オトメユリとも呼ばれるが、自生地ではヒメサユリの名が使われることが多いという。日本特産種で新潟県、山形県、福島県などとの県境となる飯豊連邦、宮城県南部、守門岳周辺など限られた場所に自生しているという。

茎はヤマユリと殆ど同じで草丈は30-50センチ。草丈が15センチほどでチゴユリ程度ながら、ツボミを持っているものも見かけられ、環境による差は大きいようだ。花径は5-6センチ。香りは甘く濃厚だという。良く似たタイプにササユリがあるが、区別のポイントは「オシベの先が黄色い」く「淡いピンクの花に斑点がない」のがヒメサユリだそうだ。

「オオイワカガミ」はイワウメ科イワカガミ属の多年草。コ、オオ、ヒメ、ヤマなどを冠する仲間は多い。光沢のある常緑の葉が大きく、花茎も高く伸ばす(15-20センチほど)ことからオオイワカガミと呼ばれる。だだし、普通のイワカガミとオオタイプの区別は不明。登山道脇にオオイワカガミのプレートがあったのでオオイワタイプとした。白花も清楚で印象深かった。

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「袴腰山」と「ギフチョウ」

2012-05-19 16:15:19 | 里山

佐渡の赤泊と越後の寺泊を結ぶ高速船アイビスで7-8頭のイルカの群れに遭遇した。海の中で自由に泳ぐイルカを見たのは初めて。良いことがあった勢いで、三条市下田町の長禅寺から登る「袴腰山」を歩き、守門岳の麓を回り小出に出る山道(R290など)で群馬に戻った。

「袴腰山」(526M)は新潟県三条市の南にある下田町にあるお寺を登山口に高城山に至るハイキングコース。「ヒメサユリ」が群生しているので有名。「未だ少し早い」とは思ったが狂い咲きが一輪ぐらいはあるのではないかと思い足を伸ばした。ヒメサユリは残念ながら未だ蕾。ただ、新緑の越後の里山をじっくりと楽しんだ。

長禅寺の門前に車を止め歩き出す。粘土質の土が滑り歩きにくい。登山道脇にはヤマユリと似た形のヒメサユリがあちこちに見える。残念ながら未だ早い。「高城山」(373M)の山頂を目指す。約2キロの道を40分で着いた。

城跡の広い広場。名前は判らないが、東南側に残雪を残した雄大な山があった。

「ギフチョウ」を初めて見た。図鑑で知っていたが、意識して見るのは初めて。「撮ってください」という具合に近くに止まった。カタクリなどの蜜を吸い、早春から飛ぶ。キアゲハを小さくした様な形だが、紋様が異なる。


最初は高城山までで群馬に戻ろうと思っていたが物足りず「袴腰山」まで歩く。尾根伝いの快適なコース。白花のオオイワカガミが印象に残った。高城から40分弱で山頂に着いた。東南側に守門岳???雪を残した姿が雄大だった。
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「ナルカミスミレ」と「ヒトツバエゾスミレ」

2012-05-12 06:38:39 | 山野草

トキの島に早朝6時出発で出かける予定だったが、赤泊行きの高速船が欠航。明日に予定を変更した。朝からブログだ。昨晩は、珍しいものを食べた。“アカシアの花の天ぷら”である。鮎川の堤防沿いに歩くと強く香ってくる甘い独特の香りをイメージしながら食べた。天ぷらに揚げるとき、フワッと“あの香り”を感じたが、食べてみるとカラッとサラサラしており、特別な味は感じなかった。群馬では、カミさんが御幼少の頃、たまに食べていたそうである。・・・そういう訳で、今日は鳴神山の可愛い花=「ナルカミスミレ」を臨時に掲載。

「ナルカミスミレ」はスミレ科スミレ属の多年草で、春に里山の肥えた林の縁などに咲くと紹介することになるのだが、今日のは少し違う。図鑑などでは出てこない種だが、鳴神山には希少種が存続しており、ナルカミスミレもそのひとつ。ネットの書き込みなど総合するとこのスミレは1、エイザンスミレが単葉化した変種2、ヒトツバ化したものは通常ヒトツバエゾスミレと呼ばれている3、その中で白花のタイプが「ナルカミスミレ」--ということになる。

スミレの区別は難しい。この山にはタチツボスミレ、エイザンスミレ、ヒトツバエゾスミレ、フモトスミレなど調べただけでも一杯咲いている。ナルカミスミレがあると言うことだけ知っていたので、変わった形のスミレは全部写真を撮った。葉の形が変わったものと記憶になかったフモトスミレ(後で調べた)がその中心。エイザンスミレには3枚の深い切れ込みがあるが、これには浅い1つの切れ込みだけ。上部の葉には切れ込みがない。

ヒトツバエゾスミレのうち白花のタイプをナルカミスミレと呼んでいることも調べて判った。後の写真は、エゾタイプなのだが色がはっきり出ていないので判りにくいが、碓氷赤紫が入っている。はっきり色が付いているものは削除してしまった。

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3度目で撮れた「カッコウソウ」と「鳴神山」

2012-05-11 08:45:45 | 山野草

裏の肩(峠)を下って数分。赤紫色の花が咲いているのを見たとき“ヤッタ”と思った。この花の写真を撮りたくて鳴神山に来るのが3回目。最初の保護育成地で影も形も無かったので「今年も駄目か・・」と思っていただけに嬉しかった。この山の固有種“ナルカミスミレ”も撮ることができた。それにしても、標高は980Mに過ぎない山だが、山野草の豊富なところである。

「カッコウソウ」はサクラソウ科サクラソウ属の多年草。山地の林内に生える。葉や茎は白い薄毛に覆われ、草丈は10-20センチほど。円形の葉の縁は鋸歯状で表面には皺があるように見える。花は4ー5個から7-8個程着いたものも見える。花径は2-3センチ。2箇所あった保護育成地は両方とも、杉林と広葉樹林の境の辺り。やや薄暗い林の中で、濃い緑の葉と鮮やかな赤紫色の花が印象的。ここ4年間で3回この山に来て、ようやく会えたという思いもあり、なおさら感激する。

カッコウソウは愛らしい姿もあり、盗掘などにより個体数が激減。ネット上の書き込みに拠れば“足尾山系で800株ぐらいしか残っていない”のだという。このほど採集や売買を禁止する「国内希少野生動植物種」に指定された。5月1日より、採集や販売はできなくなっている。

鳴神山の登山道脇に2箇所ほど保護育成地があり、大切に守られている。可愛さゆえに盗掘され「数十株まで減少」。現在見られるのはクローン技術で栽培されたものを移植して育てているのだそうだ。足尾山系の山の中のどこかで自生している800株が復活し、所在地が公表されても心配ないように増えて欲しいものだ。

「鳴神山」(980メートル)は桐生市の中心街から北東部。群馬県の「鳴神自然保全地域」似指定されていると言うが、カッコウソウをはじめナルカミスミレなど固有種に近いもの。千メートル未満の高さだが、亜高山帯の植物(ヒメイワカガミやイワキンバイなど)も多い。山頂からは足尾、赤城山系の山並みからスカイツリーまでの大展望。春にはアカヤシオツツジからホツツジまで多様なツツジ。2日前はトウゴクミツバツツジが満開だった。花の山である。

※明日から帰省のためしばらく休みます。
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「キンラン」

2012-05-10 08:58:03 | 山野草

ナラやクヌギの新芽が輝いている。若々しい緑色を吹き飛ばすほどに明るく新鮮な黄色の花・・・キンラン(金襴)が咲いていた。私とカミさんの“秘密の場所”。盗掘や里山の環境変化でめっきりと数を減らしたと言うこの植物が、静かに育っていく環境を守ってやりたい。1週間前に鮮やかに咲いていたが、同じ場所を通ると“掘り起こされた跡しかない”という状況を、この花に興味を持ったここ2年間で3回も見た。だから、秘密の場所にしておきたい。30年近く前に絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている。

「キンラン」はラン科キンラン属の多年草。里山や丘陵の林の中に生える地上性のラン。草丈は20-50センチほど。みずみずしい緑色でランらしい?葉を伸ばし、先端に花径で1センチほどの鮮やかな黄色の唇形花を3-10個ほどつける。周囲が枯れ葉状態だったらもちろん、緑に包まれていても、その中で一際輝いている。

1昨日掲載した仲間で白花の“ギンラン”も同じ環境に生える。秘密の場所では、3年前はキンランの方が多かったが、今年はほとんどがギンランに変わっていた(昨年も)。写真の個体は少し離れた場所で撮ったもの。この場所は道から外れたところで、めったには見つからないが、数株あったうち3株がキンランだった。

ネットに狭山丘陵のキンランのことを書いている人がいた。激減しており「大切に保護しており、茎は大きくなり花の数も増えたが、本数は増えない。今では狭山緑地には数本残るだけ(2006年の書き込みか)」。

ギンランのときも書いたが、この花は「栽培が殆ど不可能」で、プロでも難しいという。「盗掘は止めましょう」「販売するのを止めましょう」。
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「ギンラン」

2012-05-08 08:49:10 | 山野草

3日の大雨で心配した野菜の種だが、コマツナやトウモロコシが順調に芽を出してきた。昨日は、ジャガイモの畝に土もりをした。今日はネギの畝の草取りと土もり。何だか生活のパターンが決まって退屈しそう。「フデリンドウ」が咲いているかな?と思って歩いた散歩コースで、思いもよらない“ギンラン”を見つけた。こんなことに喜んでいるのは恐くないか・・・?まっ!!そんな程度だ。

「ギンラン」はラン科キンラン属の多年草。里山、丘陵の林の中に自生するラン科の花で、清楚で気高いと感じるのは私だけ?人気のある野草のようで、ネットの書き込みを検索すると“再び訪ねると無くなっている(盗掘)”と言う書き込みが多くある。「育つためには特殊なラン菌が必要。プロが育成しても数年が限度」という。ラン科ゆえの盗掘が進み、近年個体数が激減していると聞く。今日の散歩コースはカミさんと「キンランが咲く秘密の場所」を予定している。残っていれば良いが・・。

昨年、庚申山総合公園の遊歩道でギンランの仲間で黄色の花を咲かせる「キンラン」を見つけた。1週間後に、写真を撮ろうとその場所を訪ねると影も形も無かった。花が散ってしまったのではない。在ったその場所には“掘り起こした跡”が残っていた。

昨年も同じことを書いた。「止めましょう盗掘は」「野にあってこそ山野草は輝きます」「農協や園芸店の皆さん、絶滅危惧種の販売を止めてください」!!!


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