啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「名品との出会い」

2019-11-30 13:30:33 | その他
 表参道、みゆき通りをまっすぐに歩いてゆくと、突き当りに、青竹の垣根が目に飛び込んでくる。門をくぐると、左手には整然と並んだ竹の壁。一瞬、ここが都会の喧騒のなかにある建物か、と思うほどの静けさ。ここは、根津美術館。建築家、隈研吾氏。
 川上不白、生誕三百年を記念して、江戸の茶の湯、特別展が開催中。川上不白は、茶を江戸に広めた千家の祖。如心斎と不白、不白の茶の道、不白流の広がり、不白の創った道具・・これが、長次郎の紙屋黒、これが、塩見小兵衛の鶏頭蒔絵棗、これが不白の赤楽鶴茶碗・・どれもこれも名品の数々。その魅力にノックアウトされる。偶然、駅で出会った群馬支部長K先生、見学中私につきっきりで、丁寧に説明して下さった。茶の湯を学んでゆく上で、勉強になったのは言うまでもない。
 同時開催として、平家物語画帖の展示、11月、茶壷の口の封を切る”口切”が行われるが、その”口切の茶事”の茶道具も展示されていた。
 茶の湯を語るには、私には口はばったく、まさに”身の程知らず”と言わざるを得ないのだけれど、お道具はともかくとして、お茶は大好き。”好きこそものの上手なれ”のことわざのように、これからも楽しんで、美しいものに触れ、本物に触れ、いろいろな機会を逃さず、研鑽を積んでゆきたい。
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「季節の形見」

2019-11-27 18:02:26 | その他
 「イチョウ」 
 こんな所にあったのね、固定電話から自分のスマホに電話をかけ、音のなる方へ・・ついに発見!電話は音が鳴るので、まだ救われるけれど、これがメガネやカギに至っては最悪。普段、絶対置きそうにない場所でも、あちこち探し回る。置いた場所を忘れてしまう。ドングリを隠したありかを忘れたリスのように・・。そろそろ、はじまったかな?
 朝晩グッと冷え込み、紅葉も一段と美しい。神社や寺の境内に、あるいは街路樹、公園に植えられているイチョウもすっかり黄葉し、風に舞う葉は、まるで手品師がいるかのように、いろいろな形を変えながら黄色のジュウタンを敷く。常日頃、見慣れているはずの公園の木々にも、季節の彩りを見つけ、思わぬ再発見。紅葉狩りにわざわざ遠出をしなくても、その美しさに酔うこともあるものだ。
 嬉しいのは、ギンナン。知人からたくさん分けてもらいました。
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「正倉院の世界」 皇室が守り伝えた美

2019-11-24 11:47:25 | その他
 およそ1300年の長きのわたって、守り伝えた宝物・・聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物、染織美術、名香、琵琶、工芸・・約110点程の宝物が、東京国立博物館にやってきた(本日最終日)。1300年の時を経たとは思えない美しい品々。魅惑的な光を放ち、古の世界へといざなう。まさに、天平の至宝だ。
なかでも、平螺鈿背八角鏡は、世界の宝石がちりばめられている豪華な鏡、竜首水瓶、紫檀木画槽琵琶も素晴らしかったが、心をとらえて放さなかったのは、白瑠璃碗。美しいカットガラスの碗は、裏から光を当てると反射して、それは輝かしい光を放ち、あっという間に心を魅了してしまった。そして、初めてみた蘭奢待。全長156cm、重量11㎏。「足利義政って、ひでぇ~な、こんなに切りやがって。織田信長の方がすくねぇ~よ。いい香りっていうけど、嗅いだ事ね~から、わかんね~な」と私の隣で見学していた男子の声。ごもっとも! 切り口には、他に明治天皇の名も記されてあったが、秀吉? 家康?・・天下の権力者はどうしたものか。
 さらに驚いたのは、これらの宝物は、シルクロード、ペルシャ、中国などを経て日本に伝わったものかと思っていたが、さにあらん。なんと、9割以上が日本で作られたものという。確かに、歴史の窓を開ければ、当時の権力者が憧れていたのは、唐や新羅の優れた文化。宝物を創ることにより、国内の権力闘争から、政治の安定をはかったのかもしれない。
 毎年、秋には奈良国立博物館で、正倉院展が開催され、何度か訪れたが、宝物が見られる唯一の機会、今回、また新たな宝物に心が躍った。
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「冬のたより」

2019-11-21 14:01:20 | 庭の花木
 「マユミの実」  ニシキギ科
 赤城山で20日、初冠雪が観測された。平年より1日早く、昨年より19日早いという。確かに、日中は小春日和のよい天気だったが、午後から冷たい北風。冬型の気圧配置になり、雪雲が入ってきたらしい。
 そうなると、心配なのが草花。10月上旬、種まきしたワスレナグサ、ナデシコ、スイトピーなどは、ポットの中でかなり成長してしまった。霜にあたらぬように、軒下に移動したが・・乾燥と寒さに耐えられるか・・。同じころ蒔いたヒメヒオウギは、全く芽を出す気配なく、クロホオズキも土をかぶったまま無言。
 目にも鮮やかなピンク色の実が、空に映えて美しい。初夏に、小さく目立たない花をたくさんつけたが、秋は見事な果実をつけ、目を楽しませてくれる。紅く色づく葉も見どころであるが、当家では病葉(それも風情があるといえばあるが)が多く、美しい照葉はあまり期待できない。
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「油断大敵」

2019-11-18 15:57:13 | 庭の花木
 「ヒヨドリジョウゴの実」 ナス科
 痛い、痛いっ、喉が痛い。鼻はグズグズ、身体は重だるっ、全身倦怠感・・。化粧しない顔を、大きめなマスクで隠し、耳鼻科へ。”はいっ、大きく口をあいてぇ~”と先生。その時、平べったいヘラのような器具を、喉の奥につっ込み、力いっぱい(そう感じた)押し始めた。ゲボ、ゲボ、ゲボ~、何か出た。次に、薬を塗り始め、私の目からは、ボロボロ涙。すっごく、すっごく辛かったけれど、あら、不思議。喉の痛みはどこへやら?嘘のように楽になった。あれから約1週間、多少のだるさは残るが、咳も下火になり、通常の体調に戻りつつある。油断しているわけではないけれど、約束したかのように、11月は風邪をひく。
 ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の花をアップしたのは夏。春に苗を頂き、鉢に植え、可愛い花を咲かせたその中の、ほんの数個が、赤い実をつけた。つる性のこの植物は、野や林の自然環境にあるのだが、当家のように、鉢で育てるのは、少し可愛そう。野鳥のヒヨドリが、好んで食べることからの命名。きれいで、美味しそうに見えるこの実は、有毒とのこと。ヒヨドリには、何か仕掛けが・・・?
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「暮れゆく秋の日」

2019-11-14 12:39:34 | 庭の花木
 「サガギク」  キク科
 秋は夕暮れがよい、と清少納言は枕草子に記しているが、”同感”と言ったら、厚かましいだろうか。秋の夕暮れが好き、と感じるのは、子供の頃にみた光景が、自然と身についた感性によると思う。まだ舗装されていない土の道を、学校からの帰り道、夕日が山の端に沈んでゆく情景は、”たとえようのないほどの美しさ”と強烈に心に焼き付いている。勿論、今でも西の空に、徐々に陽がかげゆく行く様に見惚れ、長い年月の中に、その悲しみや、せつなさをかきたてられる気がする。
 一方、澄んだ空にたなびく、いろいろな形をした雲に、あれは○○に似ているとか、と想像するのも愉しいものだ。女心と秋の空、というが、秋の空は変わりやすいのか。女心は、そう変わるとは思はないけれど。
 江戸の初め、嵯峨御所、大覚寺の大沢池の小島に生えていた菊にはじまるというサガギク。たくさんの花弁(数えたら68枚あった)がお茶筅のように細く立っている。黄色、赤など様々な色があり、華やかな花姿は、王朝の花。

食用菊 かきのもと。もったいないけれど・・頂いています。酢の物、美味しいです。
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「茶会」

2019-11-11 14:12:17 | その他
 高崎市・高崎茶道会、合同茶会が、昨日 高崎シティギャラリーで開催された。今年で、26回を迎えたという。大日本茶道学会、遠州流、煎茶道東阿部流、裏千家、江戸千家、表千家そして市民特別席と、7つの茶席が設えられた。当方、今回席持ち。家元お好みの茶箱を用いて、諸道具は改元に因み、明治時代を振り返り、”日常用いられた雑器の取り揃え”、と師匠はおっしゃるけれど、そんなことはない。茶杓、茶筅筒は象牙、茶巾筒は南鐐 仕服は角倉金蘭など諸道具はどれも可愛らしく、お客様からは”素敵なお道具”とのお言葉。そして”お茶が美味しいわね”。一番嬉しい言葉だ。
 花入れの花・・照り葉は夏ツバキ、細い枝から下がってピンクの果実はフーリンツリバナ、小さなオレンジの果実はミニザクロ、白い小花はマツカゼソウ、紺色はオビトケノコンギクの5種。お客様からのお尋ねの多くは、フーリンツリバナ。実に可愛い果実です。これらのお花は、全部プレゼントされ、当方の玄関に飾られています。照り葉に果実、まさに秋。
 最後はお着物。日本の伝統とも言うべきお着物。やはり、日本人の体形によく似合っている。所作も一段と美しく、お茶の時間は、着物の時間であるかも。
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「食欲の秋」

2019-11-07 21:34:10 | 庭の花木
 「ノコンギク」  キク科
 スパゲッティ、パン、スープ、さつまいも入り かなりボリュームある野菜サラダ、シャーベット、コーヒー・・これランチ。”やせたい、やせなくっちゃ~、やせないとダメだよねっ、明日からやせよう”と言いながら、ぺろり全部平らげた友。どのお口が、そんなこと言っているのか、とあきれ気味だったが、これと同量、私も完食。食欲の秋。何を食べても美味しい。外は少し秋風が吹いているが、大きなガラス窓から差し込む日差しを受けて、気の合う友との語らいは、おたのしみの時間でもある。
 野菊の代表選手ともいえるノコンギク(野紺菊)。青紫色の、花びらをたくさんつけて咲く。草むらに生えて、可愛らしい花姿は、秋によく似合う。そういえば、最近あまりお目にかからないが、二千円札の表、守礼門の左上に印刷されている花は、ノコンギクという。この草花が、選択された理由は知らないけれど、原産地が日本、耐寒性、耐暑性に強く、広く、いたるところに分布しているからだろうか?
 花言葉「長寿と幸福、守護、忘れられない想い」など。ちなみに、11月9日の誕生花。
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「衝撃のなかで」

2019-11-04 18:50:37 | 庭の花木
 「ツワブキ」  キク科
 首里城焼失のニュースから、数日経過。今なお、その衝撃は大きい。プライベートでも、仕事でも何度か沖縄を旅したが、守礼門で記念撮影し、あの美しいお城を訪れた思い出は、深く心に残っている。「必ず復元する」と知事は明言。その為の再建支援金は、国内外からも。沖縄文化の象徴、一日も早い復元を望んでいる。
 10月~12月が花期というツワブキ。個人的なイメージとして、ツワブキは冬の花という感覚なのだが、当家ではすでに、花の盛りが過ぎようとしている。黄色の鮮やかな花色、テカテカ艶のある葉が、陽の当らない庭の片隅で目をひく。ツワブキは漢字で厚葉蕗。葉が厚く、山菜の蕗の葉に似ていることからの命名とか。花言葉「謙虚」 「困難に負けない」
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「霜月」

2019-11-01 09:53:35 | 庭の花木
 「ダイモンジソウ」  ユキノシタ科
 予報によれば前橋、最高気温25℃。夏日。ほんまかいな~。11月1日、秋と冬の境目の霜月というのに・・この暖かさ!グッと冷え込むのは、朝と晩。日中の温度差が大きく、油断大敵。
 きっと、つかないだろう・・たぶんダメ、と思いながらも、あまりに可愛い花が店先に並んでいたら、やっぱり買ってしまう。店員さんに、育て方のノウハウを伺い、”来年も、きっと咲かせるね”、と花に約束をしては求めてしまうけれど、山野草はかなり難しい。
 アップしたのは、ダイモンジソウ(大文字草)。名は、花を見れば、納得がいくと思うが、5枚の花びらのうち、下の2枚だけが長く、”大”の文字に見えるところからの命名。草丈20cm程。北海道から九州の山の湿地に生育。来年も咲いてほしい、と願いながら求めた愛らしい花、ダイモンジソウ。
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