啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「 スミレ 」

2015-02-26 13:41:39 | 山野草
「スミレ」 スミレ科
 野田に上品な美術館があるから行かない? と妹に誘われ、初めて訪れた私設美術館。茂木七左衛門のコレクションだ。野田といえば、醤油の町。その、茂木家といえば、野田醤油 今のキッコーマン株式会社設立の立役者だ。美術館は、空間を生かしたモダンな佇まいと、外壁は、一部瓦を施し、上品なセンスを感じる。横山大観 片岡球子 中島千波 梅原龍三郎・・・そして、私の好きな 小倉遊亀(平成12年 105歳で逝去)の作品、3点 (ともに80歳を過ぎてから描いたという)も展示されていた。また、彫刻家 船越保武の女性像2点もあり、気品のある美術館だった。
 夜は、妹宅で、ご主人 当家の息子も交え、夜の更けるのも忘れ大賑わい。息子殿の独擅場で・・。誰に似たの・・?
 "山路来て なにやらゆかし すみれ草" と松尾芭蕉が詠んだように、スミレは可愛らしく可憐な花である為、文学はもちろんのこと、音楽にもよく登場する植物だ。スミレの咲く時季は、もう少し遅いのかと思うが、道端の日当たりの良い場所に咲いていた。子供の頃から、生活の中に溶け込み、親しんできた。生命力が強く、時にはコンクリートのちょっとした隙間でも、逞しく花を咲かせる。名の由来は、花の形が、大工さんが使う「墨入れ」(墨壺)を思わせるところから、牧野富太郎が命名したともいわれる。よく見ると、花びらが全部同じでないので、横から見れば、なるほどね!と納得する。
 
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「 マンサク 」

2015-02-23 11:40:31 | その他
 「マンサク」 マンサク科
 2月、最終週。昨日は、北陸、中国、四国、九州北部で春一番が吹いた、と気象庁は発表していた。東北、M市在住の友人Mさんから、「ようやく春めいてきました。最高気温が8℃で~す」のメール。群馬も春うららかな日和です。
 先日、都内の某所に所用があり、妹、姪たちと東京で待ち合わせ。彼女たちと久方ぶりに再開。おしゃべりをしながら楽しいひと時を過ごした。用事を済ませ後、六本木、東京ミッドタウン、サントリー美術館で、陶工、仁阿弥道八(にんなみどうはち)の作品を鑑賞。茶道具、置物、食器などたくさんの作品が展示され、美に対する認識をあらたにした。
 マンサクは、落葉小低木。日本全土に分布。春、真っ先に咲く「まず咲く」「まんずさく」が、東北地方で訛ったものとか、花がたくさんつくので「豊年満作」から命名された、などと語源は明確ではないようだが、植物図鑑、ネットで調べても、だいたい同じようなことが記されていた。細いひも状の、よじれた糸のような花びらが華やかだ。個体のものは、紅色だが黄色の花びらもある。
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「 ヒメオドリコソウ 」

2015-02-19 14:56:26 | 山野草
 「ヒメオドリコソウ」 (姫踊子草) シソ科
 本日は雨水。今まで雪が降ったり、凍ったりしていた季節がゆるんで、水分が雨となって降るようになるという意味らしい。お雛様を出すのもこのころが良いとTVで言っていた。
 一般的に開花は、3月頃というから、今咲いていても不思議ではないが、こんなに早く個体を見たのは初めてのような気がする。道端、空き地、畑などに、いわゆる雑草としてまとまって生えている。花は明るい赤紫色で、シソ科の特徴である唇形。葉の脇から外へ向かって開き、上部の葉も赤紫に色づいている。全体的に、ピラミッド型といおうか、クリスマスツリーのような広がり方だ。高さ10~20cmの小型の2年草。オドリコソウという植物もあるが、個体のものは、高さ、葉、そして花の大きさも半分以下。ヒメ(姫)とは可愛いという意味で、命名されたらしい。野に咲く花として知られるが、花言葉は「愛嬌」。
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「 フクジュソウ 」

2015-02-16 13:23:32 | 山野草
 「フクジュソウ」 (福寿草) キンポウゲ科
 車の運転はあまり得意ではなく、特に駐車場にバックで入れるときは苦労する。従って、土、日の買物は極力避けている。今日は、駐車場も比較的空いていたので、車の頭から駐車したのだが、なんと出るときは、両側にビシッと大きな車。ハンドル操作に四苦八苦。見かねたロマンスグレーの男性が誘導してくださり、事なきを得た。冬だというのに、汗をびっしょりかいてしまった。もちろん、お礼は申し上げました。
 「福寿草が咲きはじめました。写真撮りに来てください」とAさんに声をかけられ、尋ねてみれば、あちこちに、光沢のある黄色の花が咲いていた。帰宅し、当家の庭を眺めれば、かたい土を突き破り、ニョキニョキと花芽が顔をだし、そのうちの1株が、真上を向いて、一心に太陽の光をうけている。乾燥した、砂漠のような庭でも咲いてくれるので嬉しい。花径は、3~4cmで20位の花弁が鮮やかだ。別名ガンジツソウ(元日草)とも呼ばれるらしく、初春のおめでたい花として愛されている。お正月には、寄せ植えした植木鉢が販売されていたのを見かけた。花が終わると、金平糖のような小さい果実をつける。葉は夏までには枯れてしまい、次の春まで地下で過ごす。自然の営みには感じ入るものがある。
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[ オオイヌノフグリ 」

2015-02-13 11:44:48 | 山野草
 「オオイヌノフグリ」 (大犬の陰嚢) ゴマノハグサ科
 北陸 東北 猛吹雪に警戒のニュース。当地でも、かなり風が強く、空を飛ぶ鳥も強風にあおられ、思うように飛べないでいる。風速1mで、体感温度1℃下がるというから、今夜はだいぶ冷え込みそうだ。
 枯葉の中で、一段と目を引く植物、オオイヌノフグリ。コバルトブルーの、明るい花びらが鮮やかだ。花は、太陽の光により開き、日が陰ると閉じる1日花。陽だまりで、地面に這いつくばるように横に広がり、固まって咲いている。道端や空き地、そこらじゅうに生えているので、見かけた方もいらっしゃるでしょう。こんなに可愛い花なのに、名前がいまいち。その由来とは、花びらは、上を向いて咲いているのに、果実は下を向いている。それで、この果実・・・本当に似ているのですよっ!。何にって? チャンスがあったら、是非ご覧になってくださいな。納得なさると思います。たぶん・・。別名、瑠璃唐草(ルリカラクサ) 天人唐草(テンニンカラクサ) 星の瞳(ホシノヒトミ)ともいうらしい。どれも皆、素敵な呼び方と思うが、ず~っとおぼえていられそうもない。やはり、オオイヌノフグリがいいのかな?
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「ウメ」

2015-02-09 11:24:09 | その他
 「ウメ」 (梅) バラ科
 いつもの散歩道から少し離れた場所に、梅の木が植えられた畑がある。普段は、あまり気にしていないのだが、あちこちで、梅の開花の便りがきこえてくると不思議に、あの梅は咲いたか と気になってくる。花に誘われ、畑にちょっと足を踏み入れると、白い花が、青い空に美しく映える。風にのり、甘い香りが芳しい。梅は、奈良時代より前に、薬として中国から伝来したという。万葉集には、122首歌われているらしい。一方、桜は42首で、梅は桜の3倍もある。現代では、花見といえば一般的に、まずは桜だが、万葉人の花見の主役は梅をさしていたのだろう。
桜は、花の代名詞のようになっているが、私は梅の花が大好きだ。ほのかな香もさることながら、清楚で、あまり主張しないところに、奥ゆかしさを感じるのかもしれない。
 梅は、台湾の国花であり、茨城県の県花。学名は、prunus mume。江戸時代の梅の呼び名はムメといったらしい。開花期間も長く、4月上旬まで楽しめる。
 百人一首   
 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」  紀貫之


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「小さい春 み~つけた!」

2015-02-06 10:23:11 | 山野草
 「フキノトウ 」 (蕗のトウ) キク科
 もう、10cmくらい伸びているだろうか。あちこちの麦畑では、麦を踏み固める作業をしている。昔は家族総出で、北風の吹くなか、黙々と、しかも横歩きになり、麦踏をしたものだが、今は耕運機のようなものに、ローラーを取り付けて、エンジンの音も勇ましく、一気に踏み固めてゆく。この麦踏み、冬の間の霜などで土がゆるみ、根が浮いているのを抑え、根を強くするためだ。麦は踏まれて強くなるというが、人はどうだろう・・・。
 枯れた落ち葉を突き破って、顔を出してはじめたフキノトウ。日当たりの良い畑に、浅緑色が「春だよ~」と告げているようだ。窓越しに入ってくる日差しに、少しづつ春の明るさを感じるこの頃だ。フキノトウといえば、あの独特のほろ苦さと風味は絶品。子供の頃は見向きもしなかったが、今は大好物。小さな花が、蕾状態で集まっている頃に、根ぎわからとり調理する。若いものほど苦味が少なく、香りも強く美味しい。天ぷらやフキ味噌もいいが、伸びたフキノトウも葉を取り除き、茎の部分をあく抜きし、煮つけ、炒めものとしても美味しい。また、醤油と砂糖のきゃらぶきは保存食になり重宝する。因みに、フキ味噌は夫の得意料理で、私には同じ味が出せないでいる。
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「 サザンカ 」

2015-02-03 10:04:28 | 庭の花木
 「サザンカ」 (山茶花) ツバキ科
 本日は節分。季節の移り変わる時の意味で、冬と春の分岐点。豆をまいたり、ヒイラギの枝に、いわしの頭をさして戸口に置いたりと、悪を追い払う行事が行われる。そして明日は立春。暦の上ではようやく春なのだが、吹く風は厳しく、冷たい。立春の頃が、一年で一番寒いのではないかと思うくらいだ。しかし、最近ではだいぶ日が長くなり、ちょっとだけ春の訪れを感じるようになった。
 童謡、たき火 でおなじみのサザンカ。10月頃開花し今なお咲いている。真冬の寒空のもと、濃い葉の緑の中に紅い花が鮮やかだ。サザンカとツバキ、よく似ているので、見分け方がなかなか難しい。個人的には、花の散り方で区別している。ツバキは花ごと散るが、サザンカは花びらが一枚ずつ散ってゆく。紅い花びらが、地面一帯を覆っている様子は、そこだけ別世界。
 日本原産種で、江戸時代に長崎の出島にいたオランダ人の医師が持ち帰り、サザンカの名は、そのまま英名「sasanqua」となったという。冬景色を彩る姿、寒さにじっと耐える姿からか、花言葉は「ひたむき」「困難に打ち勝つ」。
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