啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「秋モード」

2021-09-28 17:14:40 | その他
「コスモス」 キク科
 夏の賑わいもいつしかうすらぎ、朝夕は気温も下がり、涼しさが肌に心地よい。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」(藤原敏行)。木の枝に力強くついていた葉も、そよぐ風にパラリ、はらはら・・根元では落ち葉が重なる。最近は、耳だけではなく、目でも肌でもはっきりと、秋の到来を感じるようになった。
 食物も一段と美味しく、少しばかり栽培している秋茄子は、夏のそれとは違い少し小さめだけれど、皮も柔らかく水分も多いので、今が旬ということか。お料理にもいろいろ重宝し、焼いたり煮たり、揚げびたしや漬物でたのしんでいる。
 秋を代表する花、コスモス。可憐で楚々として咲くコスモス。漢字で「秋桜」。秋に咲き、花びらが桜に似ていることからの命名とか。庭先とか道端とか、何気なく咲いていて、何故か「なつかしさ」さえおぼえる花。秋の日本の風景。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「運動会」

2021-09-25 14:40:33 | 庭の花木
「カクトラノオ」 シソ科
 近所の保育園から、鼓笛隊の音が秋風にのって運ばれてくる。運動会の練習? その音色に誘われて、散歩がてらその様子を見ていると、BGMの音楽とともに、先生の笛に合わせ、園児が揃って元気な声をかけたり、太鼓をたたきながら隊列をくみかえたり、・・なんとも穏やかで、思わず遠い昔の、我が子の保育園運動会を思い出した。
 プログラムが進むにつれて、競技種目はいよいよ親子一緒のかけっこ。先生の笛の合図で園児が一斉にスタート。息子は鉄砲玉のようにかけてくる。グランドの中ほどで待っている親は、子供をおぶってゴールを目指す。当方、一丁前に体操着を身に着け、意気込みだけは勇ましかったのだけれど、息子をおぶって走るなんて・・重い、重くて走れない。背中では「ママ!頑張ってぇ~」。結果は推して知るべし。「ごめんね」というと「うん!いいよっ」と元気な声。あの時の運動会は今でも忘れられない。小学校の運動会は、仕事と重なってしまい、一度もみることはできなかった。仕事優先の日々で、今から考えると、一度くらい見てあげればよかった、と悔やまれる。
 カクトラノオ(角虎の尾)はハナトラノオ(花虎の尾)とも。丈夫で手入れがいらない。茎が四角いので角虎の尾の名。虎の尾とは、花穂を虎のしっぽに見立てたもの。個体より、春に咲くオカトラノオがイメージとしてはわかりやすいかも。花は筒形で、下から咲くので長く楽しめる。

長岡の友人がはやばやと新米を送ってくれた。嬉しいです。日付けを見れば、昨日の精米。玄米が身体にいいとか五穀米がいいとかというけれど、私は何てったって白米が一番おいしい。今夜は早速いただきま~す。感謝です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「お月見」

2021-09-22 09:56:42 | 庭の花木
「シュウメイギク」 キンポウゲ科
 昨夜、楽しみにしていた中秋の名月は、残念ながら雲間に見え隠れして、冴えた美しいその姿を愛でることが出来なかった。秋の月が美しさを増すのは、澄んだ空気、加えてススキのような秋草、また闇夜の中での虫の音、涼やかな風、それら秋の趣の中で、鏡のように月が冴えるのではないだろうか。
 月見の風習は唐から伝えられ、平安時代は今とは少し違っていたようだ。月には力があるけれど恐れもあり、直視することはせず、いにしえの都人は池に映った月を愛でていたそうな。時代が移り、武士や町人にもその風習は広がり、供え物をして月の力をいただいたり、敬意をはらったりしたという。「月々に月みる月は多けれど 月みる月はこの月の月」と言って、中秋の満月は特にもてはやされていたという。コロナ禍で行動が制限され、気持ちも沈みがちになるが、名月を愛でる心のゆとりは持ち続けたいと思う。今朝4時ころのお月様、とても美しくしばらく見惚れてしまいました。

香港の知人から月餅が送られてきたというので、友人が「おすそ分けです」と届けてくれたそのお菓子は、「陳皮紅豆月餅」。美味しくいただきました。

 いったい誰が名を付けたのか、美しい名前のシュウメイギク(秋明菊)。人家の庭でピンク色や白花の姿の良い個体は良く目立つ。菊を思わせる姿からその名が付いたようだが、菊ではない。京都の貴船山に多いことから「貴船菊」の名も。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「葉見ず 花見ず」

2021-09-19 11:29:25 | その他
「ヒガンバナ」 ヒガンバナ科
 東北地方の北部から関東に嫁いだ彼女「こっちに来るまでヒガンバナは見たことなかったの。きれいな花だけど、こっちの人は気持ち悪いって言うんだよね。やっぱり、お墓にたくさん生えているから?」と。別の友は「ヒガンバナは引っこ抜くと、火事になるという言い伝えもあるよ」と。ヒガンバナにとっては、少々気の毒であるけれど、自身も積極的に好きになれない。花そのものは華やかで美しく、まるで髪にさす簪のようにきれい。けれど、見慣れている草花は、花があり葉があってワンセット。ところが個体は、彼岸の頃に急に茎を出し、枝もなければ葉っぱもなし。花だけが茎の先に放射状に咲く。花が終えれば茎もなくなり、冬には緑の濃い葉っぱが茂る。花の咲くころには葉が見えず、葉がのびる頃には花が咲かないので、葉見ず花見ず。
 別名、曼殊沙華の名でも知られているが、ホトケバナとかハカバナ、何とユウレイバナの名も。ヒガンバナにとっては、迷惑な話ですね。いずれにしても、田の畔や土手、道端などに群生している様子は、日本の秋の風景そのもの。
 今日は久方ぶりに日差しがたっぷり。気温は高いけれど、さわやかで気持ちが良い。明日は彼岸の入り。親戚家族揃っての墓参。きっとヒガンバナが出迎えてくれることでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アンコンシャスバイアス」

2021-09-16 11:48:00 | 庭の花木
「ホトトギス」 ユリ科
 9月15日といえば「敬老の日」と長い間定着していたが、ハッピーマンデーの実施により、「老人の日」と名付けられて久しい。厚労省が発表したところによると、国内の100歳以上高齢者は、8万6510人。そのうち女性は、7万6450人で全体の88%を占めているという。身近に100歳以上の高齢者は存在しなく、一般的に人生100年時代と言われても信じがたく、しかし数字で示されると現実のこととして意識せざるを得ない。自身にとっては夢のようであり、80歳はおろか5年先でもあやしいものだ。それにしても、老人とか高齢者という言い方は、何とかならないものだろうか。もっと素敵なネーミングはないのかしら?というのも、歳を重ねても若々しく元気で活動的、高齢者のイメージがない。何をするにしても「もう歳だから」と年齢を理由にするのはやめたい。自身が生きてきた長い間の経験からの先入観や思い込み、偏見などを少なくし、自由な思考で行動することを心掛けたい。
 そういえば、高齢者の言い方「シニア」っていう言葉があるけれど、まだネガティブかしら?
 花びらに紫色の斑点模様が、鳥のホトトギスの、胸の模様に似ていることからつけられた名というホトトギス。草丈40cm程度、花の径は3㎝ほど。秋晴れの空のもと、涼やかな風にそよそよと揺れて咲くかわいらしい花。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「見えない花」

2021-09-13 11:06:16 | 庭の花木
「イチジク」 クワ科
 秋といえば果実。梨、ぶどう、栗、桃、柿など果物が舌を唸らせる。当家に1本のイチジクの木。大きく成長することを嫌い、毎年かなり枝を落としてしまうが、それでも忘れず実をつけてくれる。しかし花は見たことがない。イチジクを「無花果」と書くが、花がないわけではない。熟した実を割り内側を見れば、白い果肉のさらに中にはプチプチした小さな粒。一般的に食べる部分は花嚢。この花嚢の中で小さな花を咲かせているという。従って、花は実の中に包まれ、外からは見えない。このような花のつき方を隠頭花序というらしい。ということは、やわらかく甘~いあの実は花ですよね。以前、トルコに旅した時、店先に❝所せまし❞と並んでいた乾燥イチジク。正直に言えば、美味しいという感覚は少なく、やっぱり「生に勝るものはない」と思ったものだ。
 悩みの種は害虫カミキリムシ。気がつけば、土のあちこちに木くず。枝をかじられたり、幹を切れば空洞が!イチジクの木は甘いのでしょうか。スプレーの殺虫剤を注入するが、敵は手ごわい!
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「我が意を得たり」

2021-09-10 11:21:28 | 庭の花木
「フジバカマ」 キク科
 元某新聞編集委員の福島伸二氏、9日付け「生活」面に記載されていた記事に「我が意を得たり」と、何度も読み返した。彼は「天声人語」の元筆者という。愛読者の一人として、巧みな書き上手には、心から尊敬している。
 わずか500文字程度の当ブログでさえ❝書く❞という作業は、実に大変な労力であり、わかりやすく、自分の思いや考えを、すーっと読んでくださる人の心に「言葉」を届けられるのだろうか。自身の語彙力の少なさに悩み苦しみ、自己嫌悪に陥ることもしばし。このセンテンス長すぎるかな?助詞の使い方は正しいのだろうか?同じ言葉を繰り返し使っていないか・・。パソコン上に書いた文章を何度も読み返し、削除したり補足したり、誤字はないかと確認したり注意を払う。けれどアップしてから「あ~失敗!」と反省することしきり。極めつけは、花の名前を間違えたこと。指摘してくれたその人は「大したことないよ」と言っていたけれど、自身にとっては実に「大した事」であり、恥ずかしさで頭が真っ白。自分の思い込みに100%呆れた。福島氏は「書いているうちに思考が深まり、物事がしっかり見えてくる。それが書くことの喜びでもあり醍醐味。書くことは考えること」と。高尚な文章など書けないけれど「ブログ続けよう!」と勇気をもらった。
 草丈1m程のフジバカマ。淡いピンク色の花をつける。その頭花は粒のような蕾と違い、ばらばらと糸のような冠毛を出す。その姿が、袴を連想させるところからの名と図鑑に記載されていた。情緒ある秋の花。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「秋の七草」

2021-09-07 09:12:42 | 庭の花木
「ハギ」マメ科
 「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 あさがおの花」・・ 山上憶良
萩・・ハギ 尾花・・ススキ 葛花・・クズ なでしこの花・・ナデシコ 女郎花・・オミナエシ
藤袴・・フジバカマ あさがおの花・・キキョウ。
現在の呼び名では「オスキナフクワ(ハ)と覚えるといいよ」と夫から教えてもらった秋の七草。秋を代表する7種の草花だ。当家では、白花萩。長く垂れた枝からは、沢山の花がこぼれ咲く。秋に咲く花は、春や夏とは違い、独特な風情をもって、人の心をとらえて離さない。

ヌスビトハギ
 ヌスビト(盗人)とは穏やかな名ではないが、花は小さなピンク色で、とても可愛らしいが、果実となれば、メガネのような形で偏平。泥棒が歩く足裏のような形からの名。さらに、その表面はザラザラしていて、触れば衣服にくっつき離れない。まさに、ひっつき虫。

ヌスビトハギの可愛らしい花
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「秋へ」

2021-09-04 15:44:18 | 庭の花木
「シュウカイドウ」 シュウカイドウ科
 一昨日も、昨日も、そして今日も雨。あの暑さから解放され、日々過ごしやすいのはありがたいけれど、こうも毎日雨が降ると、少し疎ましい。温度計も22℃を表示しており、服装もすっかり秋の装い。
 秋の季節になれば、草花も「秋」の文字がつく植物が花開く。本日の個体は、シュウカイドウ(秋海棠)。淡紅色の可愛い4枚の花弁が、うつむいて咲いている。写真では、少し心もとないのですが、左右の小さな花がいわゆる花弁、上下の大きい2枚はガク。湿気の日陰を好む多年草。個体は中国原産。美しい花姿をみて、別名「楊貴妃の涙」とも言われている、と以前教えていただいた。楊貴妃といえば、世界三大美女の一人。唐の第6代皇帝、玄宗晩年の愛姫であり、歴史に翻弄され、30代後半で殺された悲運の女性。花の中央にある黄色い雄蕊が、彼女が流した大粒の涙に見えてしまう。春に咲く海棠に似た花を、秋に咲かせるところからの命名というが、個人的には「楊貴妃の涙」の名が好き。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「映画 キネマの神様」

2021-09-01 10:11:07 | 庭の花木
「カッコウアザミ」 キク科
 作家、原田マハの小説は自身のお気に入り。彼女はキュレーターでもあり、生涯、観ておかなければならない、と思われる有名な絵画をモチーフにした、多くの美術小説があり、自身、美術館に行くヒントをたくさんもらっている。
 彼女の小説「キネマの神様」が只今上映中。小説は以前読んでおり、映画を心待ちにしていた。
映画館に足を運んだのは、いつの頃だったろうか。静かに流れゆく2時間。原作をそのままというものではないが、おしなべて言うなら「人間って素敵!」ということだろうか。人と人との心からの信頼など丁寧に描かれ、その一つひとつのシーンは、自身の心のスクリーンにも映し出されている。人間のやさしさがギュっと詰め込まれ、胸にしみた。友人のYさんと、涙が・・。
 涼やかな淡いブルーの花色、カッコウアザミ。別名、アゲラタム。まるで線香花火が散っていくような可愛さで咲いている。長期間咲いてくれるので、切り花として重宝している。
 花言葉「信頼」
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする