啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「アマドコロ」

2012-04-29 10:09:27 | 山野草

散歩コースの竹沼。堤防沿いは毎年野焼きが行われる。栄養状態が良くなるのだろうか?生育環境が改善されるのだろうか?よくは判らないが、多彩な野草が見られる貴重な場所。ワラビを採りに土手に下りたが、アマドコロがいっぱい生えていた。この野草も、若芽が山菜として食べられるが、ここらでは誰も採る人はいないようだ。

「アマドコロ」はユリ科アマドコロ属の多年草。日当たりの良い土手や草原、明るい林の中などに自生している。早春に赤紫の芽を土中から出し、濃い緑の葉を開く。4-5月に緑色がかった白で巾着型の花を下向きにつける。花は2個か対になり葉をはさんで重なって咲く。地味ながら清々しい花。

良く似た仲間にナルコユリがあるが、茎に触ってみると違いが判る。ナルコユリは茎が丸いのに対し、アマドコロには角がありゴツゴツしている。また、穴と花柄のつなぎ目がナルコユリでは突起状になるのに対し、アマドコロはそうならない。根茎がトコロに似ていて甘いのでアマドコロの名がついている。

根茎を乾燥させたものは生薬として使われ、滋養強壮剤などとして効果。また、若芽や根茎は甘みがあり、山菜として食べられる。根は晩秋が旬で天ぷらとして食するのだそうだ。



ぎりぎり捉えた「カワセミ」と「コシアブラ」

2012-04-28 14:32:49 | 野鳥

今日、スイカやメロン、ナスやキュウリなど夏の野菜を植えた。枝豆やコマツナの種も蒔いた。上手く育ってくれると良いが・・・。昨日の散歩の時。鮎川の堤防沿いでカワセミを見つけた。50Mほど先の枝に止っている。同行のカミさんに“いる”と知らせた声が大きかったのか、カメラを向ける前に飛んでしまい、距離がさらに30メートルほど離れた枝に止った。私のカメラ技術とレンズ(200ミリ)では厳しかったが、何とかカワセミらしい形が残っていた。鳥の宝石と呼ばれると言うその姿は、コバルトブルーの羽と胸の辺りの橙色がまぶしく輝いている。

「カワセミ」はカワセミ科カワセミ属。水辺に棲み小魚など捕らえる。体長はスズメほどで15-17センチ。小さい。水色と言うかコバルトブルーの羽、胸の辺りは明るい橙色で美しい鳥。嘴が長く、頭も大きい。胴や尻尾、足などは短く独特の形をしている。水辺にいることもあるが、居れば簡単に区別がつく鳥だ。

2月ごろ同じ鮎川のもっと下流。上越新幹線と交差する辺りで偶然カワセミと出合った。ピントが合う前に飛び去ってしまったが“いつか撮りたい”と思い、川筋を注意していた。ようやく写っている程度で、最大にトリミングしてこの程度だが、初めて撮ったカワセミとして甘めに見て頂きたい。

「コシアブラ」はウコギ科ウコギ属の落葉高木。新芽を山菜として天ぷらや和え物、お浸しなどにして食べることができ、最近人気が出ているのだと言う。里山から高山まで自生していると言うが、山の中で自生しているのを見たのはトキの島と玉原高原で一度だけ。誰かが採った形跡があり、コシアブラであることが判った。写真の個体は当家の庭に植えたもの。トキの島から持参し、もう4-5年になる。私の背より高くなった。食べるのは昨年に次いで2回目。天ぷらにしたが、美味であった。


「ジュウニヒトエ」

2012-04-27 08:42:16 | 山野草

3週間ほど前に種を蒔いたジャガイモがようやく芽を出してきた。昨年も芽が出るまで時間がかかり心配した記憶が残っているので“いつかは出る”と思っていたが、濃い緑色の芽を出してくると嬉しくなる。今日は、ナスやトマトなど夏野菜の苗を買いに行く予定。

「ジュウニヒトエ」はシソ科キランソウ属の多年草。花期は4-5月で今が盛りと割いている。名が印象に残るが、花が重なり合って咲く様子を、着物の十二単衣に見立てたもの。草丈は10-20センチほど。花は白っぽく見えるものから、紫色が強くなったものまで多彩。長さが1センチほどの唇形の花を穂状に咲かせる。

明るい林の縁、堤防沿いの草むらなどあちこちで見かける。この花は、竹沼の堤防で咲いていたもの。ここに、ワラビが芽吹いており、ワラビを採っているとあちこちで咲いていた。ここの堤防は毎年“野焼き”をするので、色々な植物が育つ嬉しい場所だ。

「浅松山」(1262メートル)

2012-04-26 08:30:07 | 低山歩き

まだ歩いたことの無い山がいっぱい残っている。もう雪は消えただろう、上手く行けばハルリンドウでも咲いているかもしれない・・・と思い、沼田市の西北にある川場村の浅松山に行ってみた。世田谷区民健康村として保養所や自然環境教室などやっている「なかのビレッジ」が登山口。施設内での駐車許可を得るのと、登山口を教えてもらうためフロントを訪ねると「浅松山へのルートは近年管理されておらず、施設から登れる雨乞山(1028m)がお勧め」と親切な対応。といって、予定を簡単に変えるわけにも行かず、ガイド本のコピーを頼りに歩き出す。管理をしていないためと思われるが、標識など一切無い。

ビレッジのフロントから車で数分先の「森のむら」「森の学校」に駐車させてもらい、ブルーベリーや栗などの畑の間の遊歩道を登る。浅松山へのガイドは一切無く、やや不安だが仕方が無い。20分ほど上りきると稜線に出て、ここに初めて浅松山方面の道標があった。ここから40分ほど、林道や尾根沿いの踏み跡を歩く。林道は手入れされておらず、水の流れで1m近く掘れ込んでいたり、石や倒木がごろごろしているところがある。植林されたヒノキはうっとうしく、広葉樹の林は枯れたまま。キブシの花房にわずか春の気配

傾斜が緩くなったと思うと細い林道にぶつかる。ここからは、カラマツや広葉樹林沿いに林道を歩く。尾根と平行している。30分ぐらいで“頂上への近道”のガイドがあると書いてあった。多分これだ!!と思う標識があったが、文字が消えている。踏み跡も見つからない。そのまま林道を最奥地点に向けて歩く。回り込んで(山頂の)北西側に出ると、雪が残っており寂しくなる。

最奥地点を回りこんで15分弱。心配になってきた。ガイド本に“山頂へはヤブ漕ぎ10分ほど”と書いてあった。右手のもっとも高く見える地点を山頂にしよう!!と決めてヤブ漕ぎ。“判らなくなったら雪が一番多く残っている場所(写真)に戻る”・・。雪に押されて笹は低く、意外と歩きやすい。斜めに直線で10分ほど歩いた場所に朽ち欠けた山頂の標識があった。カラマツの間に、微かに雪の武尊山。赤城や日光白根山は見えなかった。

結構歩いたような気がしたが、スタートから2時間弱。ちょっと早かったが、味噌汁&コーヒー付きの昼食とした。にぎりめしが旨い。


「タチツボスミレ」「スミレ」「エイザンスミレ」

2012-04-24 09:11:32 | 山野草

「スミレ」は日本に30種類ほど自生しているのだという。“スミレシリーズをやってみようかと張り切っていたのだが、ウヤムヤに終わりそう。というのも、種の特定が難しく、図鑑で調べても簡単には行かないところがある。今日のも何だか怪しいところがあるが、スミレの季節が終わる前に載せてみた。異議のある方は知ったかぶりは止めましょうとお寄せ下さい。

「タチスボスミレ」はスミレ科の多年草。種類が多いスミレの中でも最っともポピュラーで“スミレの仲間で日本を代表する”という説明もあった。茎が成長すると地表に伸びて立ち上がるのが見分けのポイント。写真は下手で見分けにくいが、茎に節が見えている。ただし、3月下旬に今年初めて写真を撮ったスミレは、形状から「アケボノスミレかタチツボスミレのどちらか」と思ったが、区別できなかった。

「スミレ」はスミレ科スミレ属の多年草。スミレの仲間の総称として使うのが一般的だが、個別の種も存在しているようだ。花の形が大工さんの使う「墨いれ」に似ていることからついていると図鑑に書いてあったが本当だろうか。葉の細いスミレの写真を撮りたいと思い探した。葉の細長いタイプのスミレもかなりの種があるが、葉先が丸みを帯びているのでこのタイプとした。


「エイザンスミレ」もスミレ科スミレ属の多年草。このスミレは昨年も掲載したが、葉の形が独特。葉は3裂し更に深く切れ込みができる。良く似たタイプでヒゴスミレがあるが、こちらは葉が5裂し手織り切れ込みが細かい。


「オニタビラコ」と名の判らない雑草

2012-04-23 08:31:16 | 山野草

北国の春・・を少しだけ実感しているような気がする。春の花と初夏の花が混在して咲いている。“3度目の正直で、今年こそはカッコウソウの花の写真を撮りたいと思っているが、出掛けるタイミングが難しそうだ。

「オニタビラコ」はキク科オニタビラコ属の越年草。道端、畑のクロなどどこにでもある雑草。タンポポに似たロゼット状の葉の中心からニョキニョキと細い毛の生えた茎を伸ばし、背の高いものでは40センチ近くになる。先の部分にに黄色い舌状花をいっぱいつける。花期は4-10月と何時でも咲いている状態。

写真の個体は、鮎川堤防沿いで撮ったもの。図鑑に載っているオニタビラコの写真とはイメージがやや異なる。繊毛をいっぱい生やした若い茎で、今グングン伸びている状態。草の間を良く見ると、タンポポに似た葉も微かに見える。

※下の写真の花の名をご存知の方がいたら教えていただけませんでしょうか。今、道端や草むらなどどこにでも生えています。草本だと思いますが、花や種をつけたのを見たことがありません。尾瀬ヶ原や平標山など高い山の湿原辺りで、赤く紅葉しているのを見た記憶があります。よろしくお願いします。


「ハシリドコロ」

2012-04-22 08:46:53 | 山野草

昨日、牛伏山(490m)の北登山口から散歩した。サクラとミツバツツジが咲いていると思ったほかに、1週間ほど前にちょっと早過ぎた“タラの芽”の状況を見るのが目的で、カミさんを誘った。結果的には3つの目的とも満額回答でOK.満開のツツジとサクラを愛で、夕食には“フッくらと肥えたタラの芽の天ぷらとゴマよごし”がたっぷりと並んだ。

「ハシリドコロ」はナス科ハシリドコロ属の多年草。4-5月の肥えた沢沿いの山中などに多い。天狗岩への登山道沿いで枯れ葉の中からニョキニョキと濃いグリーンの芽を伸ばし、日当たりの良い場所では花をつけていた。地味で下向きに濃い赤紫色の釣鐘形の花をつける。内側は緑が買った淡い黄色。長さは1・5センチほどで、花径は1センチ弱。周囲が枯れたままの状態だけに良く目立つ。

根茎がヤマノイモ科のオニドコロに似ていて、全草に猛毒のアルカロイドを含み、これを食べると幻覚症状を起こし、苦しがって走り回ることからこの名がついている。毒草である。別名もキチガイイモ、キチガイナスビ、オニヒルグサヤなど不気味なものが多い。

間違っても食べてはいけない植物だが、使い方によっては薬にもなるのだそうだ。根茎は「ロートコン」という薬品として日本薬局方に納められている。胃腸薬の「パンシロン」で知られるロート製薬。パンシロンにもロートコンの成分が配されているのだという。それだけでなく、社名にまで採用されているのだそうだ(ウィキペディア)。

「キジムシロ」

2012-04-21 08:51:45 | 山野草

昨日、デジカメが撮影中にダウン。日本一売り上げの多いY電機の購入した店舗に持ち込むと「2週間は必要になるかも」という。“ふざけるなよ!!”もうすぐGW.デジカメは必需品。しかも、購入して半年程度。20倍光学ズームを楽しみに選んだのだが、全体的にフォーカススピードが遅く甘い感じ。何となく、不祥事メーカーO社の製品という感じで、しっくりこない。

接客は勉強しているようだが、技術的には殆ど知識ゼロの女性の修理カウンター担当者。“買ってすぐに故障し、フォーカスの甘いボケたカメラ。新品と交換してよ”と汗をかきながら毒づく。女は強い。気分の立場を守り、Y電機にマイナスが掛からないようにと必死。こっちが負けてしまった。

「キジムシロ」はバラ科キジムシロ属の多年草。雑木林や丘陵、草原などに普通に見られる雑草。地面を這うように茎から枝が広がるが、これをキジが座る筵に見立てこの名がついたという。草長は10センチほどから30センチ弱までか。4-5月に黄色で花径1センチ弱、5弁の花をつける。

昨年の今頃、白髪岩に登った時に登山道脇で見つけた良く似ている黄色の花。「キジムシロ」「ツルキンバイ」「ミツバツチグリ」「ヤブヘビイチゴ」など似た種が多く悩んだ記憶がある。今年も同じだが、葉の枚数や形花の様子などからキジムシロに決めた。大丈夫だとは思うのだが、間違っていたらご指摘を・・・。

「カキドオシ」

2012-04-20 08:48:06 | 山野草

昨日、トマトやナス、スイカなど夏の野菜を植えるための準備=畝作りをやった。1週間後には苗を植え、種を蒔きたいと思っている。連作障害がでて、昨年はスイカやトマトが大失敗だった。毎年同じことばかりやっていると、マンネリに陥るというのは作物の世界も同じ??何とか工夫して、解決策を見つけたい。野の花ひとつを見ても、まだまだ当ブログに登場していないものが一杯ある。マンネリに陥るのは早いと思っているのだが・・

「カキドオシ」はシソ科かきどおし属の多年草。日本全国の道端や畑などどこにでも咲いている野草。妙な名がついているが、春に花が終わると茎が杖羽状にぐんぐん伸び、垣根を貫いて侵入してくるというところからついているのだそうだ。

花びらは唇形で赤(青)紫色をしており、花径で7-8ミリ花長で1センチ弱の小さな花。群れて咲いているので賑やかに見える。花期は4-5月。

全草を乾燥させたものを「連銭草」と呼ぶ生薬としてつかい、子供の疳の虫に効果があるという。大人には効かないのだろうか??!!

「オランダミミナグサ」

2012-04-19 08:07:50 | 山野草

春の雑草が元気に育っている。2年近く続けているともう身の回りに未掲載の野草は少なくなってしまったような気がするがそんなことは無いようだ。昨年、余り取り上げなかった“スミレ”の写真を3種類ほど撮った。ところが、調べてもなかなか種類を特定できない。そのままになっている。何しろ、国内だけで30種類近くあるのだとか・・・。今日掲載したオランダミミナグサも日本固有種のミミナグサとの区別が難しく、写真を撮ってから10日ほど掛かってしまった。

「オランダミミナグサ」はナデシコ科ミミナグサ属の越年草。寒かった3月に、イチゴのハウス内で咲いているのを外から見つけたが、中に入って写真を撮るわけにはいかなかった。今は、藤岡市近辺では道端や耕していない田んぼや畑などどこでも咲いている。

ミミナグサという在来種があり、このオランダミミナグサはヨーロッパからの外来種だという。外来種のほうが威勢が良く、都市化されたところではオランダタイプが圧倒的に優勢だとか。

というものの、殆ど似ているから区別が難しい。ネットで調べて私なりに特定した。見分け方で理解しやすいものを挙げてみると1、ガク片が花柄より短く、枝の先に花が着いているように見える(在来種の方が花柄が長い)2、茎の方が赤紫がかっているのが外来種・・・など。花びらの先の切れ込みの度合いなどで区別する方法など、色々あるようだが素人には難しい。

和名を“耳菜草”と書く。淡い毛が全体に生えており、葉の形がネズミの耳に似て、しかも食べることができる(菜)ということなのだそうだ。在来種のことだが、「枕草子」にも登場するという。