啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「サンシュユ」

2017-02-26 10:45:00 | 庭の花木
 「サンシュウ」  ミズキ科
 “展覧会は一期一会。場所が変わると違ってみえます。」と、作家、原田マハは、新聞、文化の扉の欄で、語っていた。それぞれ個別で、同じ作品を、場所を変えて、みる事はあっても、同じ展覧会を、巡回地を変えて、観たことがないので、彼女の言葉に実感がわかない。美術を特に学んだことは毛頭なく、ただただ、美しいものは美しいと感じるだけで、どうたらこうたらといった、難しい知識もないのだが、ただ、作品を観ているだけで、意味もなく充実感がある。けれど、もっと深く、作品に込められた、作者の背景を知れば、楽しさもさらに増してくるのだろう。そうした意味も含め、原田マハの小説は、私に、美術館のドアをノックさせる。もちろん、小説なので、現実とは違うけれど、誰でも知っている有名な作品を、学芸員という視点でとらえ、私たちに展開してみせる。時間を忘れ、一気に読んだ後に“美術館に行こう”という気持ちにさせる。最近は連日、神経のささくれ立つようなニュースばっかり。こんな時は、楽しい本を読んだり、花をみたりして、心を落ち着かせたい。
 牧野富太郎は、個体を、春黄金花(はるこがねばな)と名付けたといわれるように、春のやわらかな日に、輝くような黄色の花を、葉が出る前に、枝全体に咲かせる。今、まさに、蕾が、力強く咲こうとしている気がして、花の一番好きな瞬間。それに対して、木の皮がだいぶ剥がれているので、肥料不足や悪環境での植生かと心配したが、どうやら樹皮が剥がれるのは、個体の特徴のようだ。秋には、赤い楕円形の小さな実をつけるので、花と共に、それも楽しみ。

ようやく咲いた クリスマスローズ

2017-02-23 15:23:21 | 庭の花木
 「クリスマスローズ」  キンポウゲ科
 赤城山、その東にみえるのは、日光白根山、男体山。赤城の西、奥にみえるのは、真っ白な武尊山、子持山、小野子山、奥は谷川連峰・・榛名山・・フムフムと、藤の咲く丘公園から、北方を眺め、山々の名が記された看板を、指でなぞっていると、「山の名は、なかなかわかりにくいですね~」と初老の男性が声をかけてきた。一瞬、ドキッ!。もちろん、見ず知らずの方で・・。しかし、山の話をして頂き、そのうち、歴史的な話題となり、太古に、榛名山が噴火で、鎧をつけた人骨が発見されたことや、当時の民族の生活ぶりにまで話が膨らんだ。ものの、わずか20分程度の、短い時間だったが、思いがけず楽しいひと時。  当日は、晴天だったが、風が非常に強く、黒い帽子を目深かにかぶり、花粉用マスク、サングラス、さらに真黒な上下防寒着・・という私のいでたち。なんか、・・最悪。
 露地植えしてあるクリスマスローズが、ようやく咲いた。個体は、クリスマスの頃に、バラに似た花をつけることからの命名との事。咲く時期は長く、12月から3月にかけて、白、ピンク、紫色の花を咲かせる多年草。花は、首をかしげ、うつむいて咲く。耐寒性に強いのをいいことに、露地に植えたが、北風を直に受け、霜も当たるので、葉が茶色になってしまった。本当は、クリスマスの頃に咲いて欲しいのだけれど。

「マンサク」

2017-02-20 11:08:36 | その他
 「マンサク」  マンサク科
 藤の丘公園から、庚申山の展望台へ続く遊歩道は、1.5km弱。人がすれ違う位の道幅で、両側には中低木の木立が連なり、その足元には、季節の花々が咲く。私たちお気に入りの散歩コースで、野鳥のさえずりにも心を癒され、また、少しアップダウンもあり、運動にも最適で、時々楽しんでいた。その遊歩道、数か月前から車が通行できるほど、道幅が広く、杭も打ってあり、不思議に思っていたが、先日、久方ぶりに訪れてびっくり。展望台への遊歩道片側に、小高い丘が出現!その斜面に、芝を植生中。なんだかなぁ~。またまた、自然が破壊されていく・・。何の効果を期待しているのか不明。それとも、何かの消費?心なしか、野鳥が少ない気がした。
 マンサクが咲いたと、知人からのメール。3月頃まで、葉に先駆けて花が咲く。個体の咲き方が、ユニーク。ひもを軽くよったような花びらが、1か所にまとまって咲く。まるで、春が来た、春が来たと踊りをおどって、楽しんでいるようだ。 山で春、最初に花をつける木という。東北方言の「まんず咲く」からの命名とのこと。2月25日の誕生花。花言葉「幸福の再来」
 

「ウグイスカグラ」

2017-02-17 10:39:25 | 庭の花木
 「ウグイスカグラ」  スイカズラ科
 季節外れの暖かい日差しを受け、春を歌っているかのように、ウグイスカグラが咲き始めた。ウグイスカグラをウグイスカズラという人がいるが、つる性ではないので、カズラとは言わない。個体は、花の色、咲き方、名前と、とにかく可愛らしいの一言に尽きる。淡い、ピンク色の花径は、1cm程、ラッパ状に、下向きに開いた花びらは控え目で、咲いていることを主張しない。意識しないと、見過ごしてしまいそうである。シイ、カシ、林の縁・・いわゆる、里山といわれる、日本全国に分布する日本固有種。ある記事によれば、最近では、低山であまりみる事が少なく、平地で、しかも、人家で見かけることが多い。しかも、この人家には、共通している事柄があり、お茶やお花のお師匠さんと呼ばれる人が、必ず住んでいると、書かれていた。確かに、そう言われてみれば、ツバキ、サザンカ、モミジなど庭木として見かけるが、ウグイスカグラは、見かけない。茶花は、店で販売していず、自分で育てるしかないので、花の少ない時だからこそ、そして、その姿が実に愛らしいので、重宝するし、自身、好きな花である。
 命名は、諸説あるらしい。ウグイスが鳴きはじめる頃に、花が咲くことから、つけられたとか、ウグイスが、この花や実をついばむ姿が、神楽を、踊っているように、見えることから、つけられたとか。果実は、初夏に赤く熟し、食べることもできるが、見ていても、心がウキウキする程、可愛らしい。 

「フクジュソウ」

2017-02-14 13:18:58 | 庭の花木
 「フクジュソウ」  キンポウゲ科
 2月に入り、Liveは2度目。浅草、雷門の近くのHUBで、ブルーグラスを友人と共に楽しんだのは、つい先日の事。今回は、原れいこ、バレンタインコンサート。主に、シャンソンだが、ラテンも数曲あり、リズミカルな曲調と豊かな声の表情に魅了された。しかし、シャンソンは、優等生の如く、椅子にきちんと座って聴くスタイルより、リラックスして、雰囲気の良い場で、歌を味わうのが、素敵かなと思うのだけれど・・。因みに、本日はバレンタインデー。昨年末から、クリスマス、お正月、バレンタイン、もうすぐ、雛祭りと日本人は忙しいです。
 フクジュソウの花言葉は、祝福、幸福。それもそのはず、漢字で表せば福寿草は、福と寿と、おめでたい文字。花言葉も、納得できるというものだ。別名、ガンジツソウとも。硬い土を突きぬけ、ようやく芽を出し、ちょこんと蕾をつけ、やがて、パラボナアンテナのように、全開に黄色い花が咲く。ある番組の中での一コマ…数年前なので、誤っていたら申し訳ないのだが・・。質問者:「蜜を持たないフクジュソウの花に、昆虫が集まる理由は何か?」 「太陽の光を受け、大きく開いた花は、太陽にあわせて動いてゆく。常に花の中心に、太陽が当たることで、1℃以上暖かいから」という回答に、合点がいった事を記憶している。本日も晴天。朝、萎んでいた花びらは、どれもこれも全開。

「オウバイ」

2017-02-11 16:32:10 | その他
 「オウバイ」 モクセイ科
 記憶力、抜群の方に出会った。「○○さんですよね?」 「旧姓はそうですが、どこかで、ご一緒しましたか?」聞けば、中学校で、1つ上の学年という。顔に見覚えがあったり、声も聞き覚えがあったので、声をかけたというが、一度も話をした記憶がないのに・・。あれから、40年なんていうもんじゃない。プールでドキッとした。
 オウバイは、漢字で黄梅。2月になると、近所の生垣で、黄色い花をたくさんをつけ、それをみるのが、楽しみ。中国原産で、江戸時代初期に渡来という。中国語名は、迎春花、英名、winter jasmine。他の花に先駆けて、その姿が、あたかも、春を迎えているかのように、思わせることからついたという。一方、英名のjasmineなら、香りがありそうなものだが、残念ながら、香りはない。6枚の花びらが、たれさがるツル状の枝に咲く。この枝、ほおっておくと、四方に伸び、あばれ、雑多な雰囲気になる。生垣に、ごそっと植えてあるオウバイだが、例年より、やや花が少ない感じで、おそらく、手入れの時期が遅く、花芽を、切り落としてしまったのではないかと、想像した。花言葉「恩恵、優美 気高い・・」など。


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「ナノハナ」

2017-02-08 10:42:04 | その他
 「ナノハナ」  アブラナ科
 ♪ 春は名のみの 風の寒さや・・・立春が過ぎ、暦のうえでは、もう春なのだが、依然として風は冷たく、気温も乱高下。とは言っても、春の足音は、どこからともなく聞こえてくる。日は長くなり、日差しも、心なしか明るい。よく見れば、庭のイヨミズキやコシアブラがすでに芽吹いている。
 春を告げる花は、数々あれど、ナノハナは格別。道端に咲いている花、庭に咲いている花をみれば、きれいだなぁ~と感じても、名前を覚えるでもなく、ただ漫然と見ていただけの幼い頃であっても、黄色いナノハナが、畑一面に咲き乱れていた情景は、強烈な印象。一般的に、開花は、もう少し遅いのではないかと思うが、最近は、早咲きの品種なのか、1月頃から咲いている。茎や葉の食用、あるいは観賞用?畑に、農家の方がいらしたら、伺おうと思っているのだが、お見かけしない。原産地は、ヨーロッパや西アジア地方で、それが中国を経由して、日本に伝わったという説もあるようだ。
 昨夜は、知人のレストランで女子会。どうしてこんなに話が尽きないのかと思うが、気がつけば、夜もふけ、就寝の時間。大笑いして、またまた、元気になりました。

「サザンカ」  「点検」

2017-02-05 15:11:32 | 庭の花木
 「サザンカ」 ツバキ科
 花もそろそろ終盤か、10月頃から、長く咲いているサザンカの花。庭木や生垣として、良く目にする。恐らく、枝がかなり分かれるので、生垣には向いているのかも知れない。“あの花、あまり好きじゃないの”と友人。理由を尋ねれば、“花が首からポトッと落ちるでしょう?”と。確かに、パッと見ただけでは、サザンカなのかツバキなのか、共に良く似て、区別がつき難いかもしれない。素人判断なので、恐縮ですが・・花の咲く時期、咲き方、葉に特徴があるように思う。
 サザンカは、10月頃から咲きはじめ、2月頃まで。しかも、全開し散る時は、パラパラと1枚ずつ。葉は細かいギザギザ。
 ツバキは、咲く時期が遅く、花は全開せず、散る時は、花ごとポトリと落ちる。葉は、ギザギザがほとんどない。
非常に大雑把な捉え方であるし、ツバキの品種も多く、さらに改良され、早咲きもあるし・・カンツバキなど、サザンカとそっくりで、判断が難しい。花言葉「困難に打ちかつ  ひたむき」など。寒さが厳しい季節に負けず、花を咲かせる姿に由来するという。

偶然、目にした光景。送電線の点検をしているのだろうか?あまりの高さに、見ていてドキドキ。こわっ!

「春の妖精」

2017-02-02 15:56:16 | 庭の花木
 「セツブンソウ」  キンポウゲ科
 寒さや乾燥から、少しでも防げるようにと、落ち葉を敷いた鉢を、何気なくのぞいてみると、あら~、まぁ~。セツブンソウが咲いていたのです! 思わず、顔がほころんだ。可憐という言葉は、この花のためにあるのか、と思うほど愛らしい。個体は、昨年、3月上旬、埼玉県、秩父で出会った方から頂戴したもので、大切な花。山地の木陰、石灰岩地を好むとされるので、当家では、土が合わないのではないか、と心配していた。通常は草丈、10cm程になるが、当家では、5cm程度、花径、2cm。あまりに小さいので、枯れ葉に埋もれてしまうが、それでも、花びらをいっぱいに広げて、明るい陽をうけている。また、葉も興味深い。花のすぐもとに、茎をぐるりと取り囲むように、5つに分かれたそれぞれの葉が、さらに細かく裂けている。葉が花を、花が葉を、共に引き立て、調和した美しさだ。早春の節分の頃、芽を出し、花をつけることからの命名。日本原産、関東より西の地に分布。環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧に登録されているという。
 明日は、節分。季節の分かれ目。柊の枝にイワシをつけ、玄関にくくり、煎った大豆をまき、厄払い。自分の年齢だけ大豆を食べるように、親に言われた記憶があるが、今ではとても多すぎて食べられそうにない。