強風が吹きまくっている。北日本や日本海側は台風並みに発達した低気圧と冬型の気圧配置で荒れた天気になると心配されている。今日、山行を予定していたが、朝起きると目指す方向の山の辺りが、強風に煽られた感じの雲で巻かれている。中止しようと思ったが、気温が上がるとの予報もあり、早く行けば大丈夫と思い直して歩いてきた。ヤブ歩きもあるマイナーな山の覚悟で行ったが、予想していた以上に歩きやすかった。
「白石山」(1102M)は西上州の雄峰「赤久縄山」の南側にひっそり佇む山。所有している山の地図でも「登山道ではない山道」を意味する“破線”しかない。私の山歩きの参考書「群馬300山」(横田昭二著)には、「地図に道は無いが歩きやすい」と書いてあった。この本では、麓の神流町から1週する歩行時間5時間20分のコースとして紹介している。私は、途中の栗木平から逆コースで山頂を目指すという、ややずるいコースで歩いてみた。
県道で会場集落から赤久縄方面に向かい、御荷鉾スーパー林道と合流する“塩沢峠”から神流町方面に下る。5分ほどで栗木平につく。赤久縄山への登山口であり、廃家となった旅館跡や付近の地図版などある。数台を停められる駐車場に車を置き、赤久縄林道を歩き出す。安取(あとり)峠(杖植峠)まで2・7キロ=40分と書かれていた。
昨夜、雨と雪が降ったようで道路は濡れており、日陰には少し雪が残っているところもある。舗装が切れるところで作業をしていた小父さんと挨拶し、会話が弾む。おかげで、少し心配していた山への入り口に確信が持てた。遠景で城峯山や先日歩いた塚山方面などはっきり望める。
安取峠の少し手前に「神流マウンテンラン&ウォーク」のコースを示すテープがあり、神流町方面、白石山方面への案内もあった。ここから“藪歩き”となると思っていたのだが、道は細くなったもののあり過ぎるくらいの案内テープで悠々。10分ほど登るとトレイルランのコースと別れる。踏み後が落ち葉で消されるが、送電線のメンテナンス道を兼ねているのか、道はしっかりしていた。5-7分ほどで送電線に付く。ここを10メートルほど登ると尾根に着く。両神、大ナゲシなどの山々が雄大。
ここから山頂まではほとんど踏み跡が無い。ただ、植林したヒノキを守るために設置されたネット沿いに高い方に向かっていけば山頂方向。林道と分かれて40分ほどで山頂に着いた。小さな石の祠が3つある。樹林越しだが北に赤久縄、南に両神山など雄大な景色が広がっていた。栗木平からは約1時間20分。風が強く、20分ほど景色を楽しんで降りた。
途中、送電線上の尾根を南に進んでみる。大ナゲシ方面の大展望が広がる。大量の動物の毛に驚いた。良く見ると鹿が白骨化して死んでいた。ヒノキの苗を保護するネットに角が絡み、動けなくなったようだ。鹿の食害は大問題だが、こうした姿を見ると可哀相になる。