啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ヤマルリソウ」

2011-04-30 10:08:39 | 山野草

自生している“忘れな草”を見るのは初めて!と思いシャッターを切ったが、これは間違い。調べてみたら「ヤマルリソウ」だった。丹沢・塔ノ岳に向かう。大倉の登山口をスタートして間もなく、林道脇の斜面に凛とした紫色が鮮やかな小さな花。先日、カミさんが買い求めてきた鉢植えの忘れな草に花が良く似ていた。

「ヤマルリソウ」はムラサキ科ルリソウ属の多年草。葉や茎にはうすい毛が生えている。青紫色の花は7、8ミリと小さく可愛い。斜面が緑に覆われる頃には、存在そのものが忘れ去られてしまいそうな可憐さもある。ロゼット状で冬越しをするのだそうだ。

ワスレナグサとして紹介しそうだったが、寸前で恥をかかなくて済んだ。どちらも“ムラサキ科”で、花の部分だけ比較すると「どっちでも良い」ぐらいに?似ている。忘れないようにしよう。ヤマが付かない“ただのルリソウ”もあり、花の付き方が異なるが、これも花そのものの形ははそっくりだ。





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「コケリンドウ」

2011-04-29 12:23:28 | 山野草

大倉尾根経由で塔ノ岳に向かう。駒止茶屋を過ぎ、堀山の家に向かう辺りだったと思う。急登が続く登山道脇に小さな見慣れない植物を見つけた。その時には“リンドウの仲間に見えるがハルリンドウでもフデリンドウでもない”という程度しか判らなかった。草丈は3-4センチと小型で、花径は7-8ミリ。距離にして2百メートル程の区間に、ポツポツ咲いていたが、注意していないと見逃してしまいそうな存在。

“丹沢で4月に咲く花”で調べてみると「コケリンドウ」であることが判った。所有する図鑑でも、25日に掲載したフデリンドウの隣に載っていた。リンドウ科の2年草。小型なので“コケ”を冠している。春先の山道にはセンボンヤリ、ヤマハコベなど小さく似たような花が多いが、よく見るとリンドウの仲間であることがすぐ判る。

春に咲くリンドウが3,4種類あるようだがフデ、コケには既に出会った。残るは「ハルリンドウ」。3タイプの揃い踏みを実現したい。タテヤマリンドウは6月に尾瀬に出かけても、アヤメ平辺りで出会えそうだ。
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「トウゴクサバノオ」

2011-04-28 10:06:55 | 山野草

草丈で10センチ余り、1センチにも満たない小さなクリーム色の花が可憐。写真に写したのは今回が初めてだと思う。図鑑で調べると「トウゴクサバノオ」という種に似ていることが判り、ネットで検索して間違いの無いことを確信した。

桐生市の北にある鳴神山の登山道。沢沿いの山道に静かに咲いている。花を探して歩いているような人でないと見逃してしまいそうな地味な花。どこかで見たような気もするが、初めて出会ったのに等しい新鮮な感覚でレンズを向けた。

「トウゴクサバノオ」はキンポウゲ科のシロガネソウの仲間で多年草。早春に沢沿いなど湿った場所に咲く。クリーム色の葉弁に見える部分はガク片で、中央の黄色い部分が花弁だという。変わった名前がついているが、太平洋側に自生し、夏に実がなるとその姿が魚の“鯖(さば)の尾ひれ”に形が似ていることからだという。
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失敗の記ー丹沢「塔ノ岳」

2011-04-27 17:17:34 | 低山歩き

26日、高校時代からの友人3人で丹沢の「塔ノ岳」(1491メートル)を目指した。何だか寂しそうな写真だが、その通りにこの場所“花立”で登頂?を断念し、下山した。カメラのバッテリー不足。行程で撮った数枚の植物、山頂まで800メートル・標高約1400メートルの花立で試しにシャッターを押したこの一枚だけが残った。

明るくなったばかりの早朝5時に自宅を出発。群馬新町駅5時34分の湘南新宿ラインに乗ったつもりだったが、目を覚ますと何と高崎線の尾久駅。小田急線の渋沢駅9時集合が妖しくなる。あせった。大倉登山口行きバスが出る9時12分に滑り込みセーフで、友人たちの顰蹙をかいながらもほっと一息。

戸川公園から大倉尾根経由で塔ノ岳を目指す。丹沢には冬季を含め「何回も登っている」というものの、登山は30年ぶりという人もおり、ゆっくりと歩く。見晴らし茶屋、駒止茶屋などで小休止をとりながら・・・ペースは遅い。まあいいや・・そんな山行きだ。

山頂まで時間で約40分、距離で800メートルの花立(写真)に着いた時は既に午後1時30分。計画では塔ノ岳から午後2時に下山予定だったから大幅な遅れ。“未だ飯を食べていない”の主張があり、ここで昼飯。食べ終わった時は既に下山予定時間を過ぎており、衆議?の結果登頂を断念!!

食事では、私のミスでお湯が沸かせない。“コーヒーに入れて飲むつもりで持参したシーバースリーガル?が無駄になる”と強行に抗議する人も??下山路も戸沢に下るコースを選んだが、ヒノキ林で全く見通しのきかない急な尾根を黙々と下るだけ。時間も大幅にオーバーし皆の大顰蹙をかってしまった。登山口に戻ったのは夕方の6時半近く。

帰りに溝の口駅前で高校時代3年6組の委員長だったK氏が経営する和風居酒屋「はぐれ雲」に寄る。登山の失敗談や昔話、還暦を過ぎた面々の健康談義で遅くまで盛り上がった。
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「フデリンドウ」

2011-04-25 08:32:53 | 山野草

4年前に、春に咲くリンドウがあることを知った。日当たりの良い林の縁、5センチほどの高さ小さな茎が落ち葉の中から顔を出し、紫色の可憐な花をつけていた。翌年、昨年も同じ場所に何回も探しに行ったが見つからなかった。暖冬?盗掘?色々と考えたが、見に行く時期の問題だったようだ。初めて見た時に比べ個体数は減っていたが、今年は可愛く咲いていた。

「フデリンドウ」はリンドウ科の越年草。ほとんど似たタイプに“ハルリンドウ”があり、区別は難しい。ネットでも判別の仕方がいろいろ書き込まれているが、実際に画像で比較すると余計に判りにくくなる。例えば「葉が大きく丸みがあるのがフデリンドウ」で「葉が小さく細いのがハルリンドウ」というが、低い花茎を伸ばし花を開いたばかりの時では比較が難しい。花茎の長短という見分け方も個体差があり大変そうだ。

この中で「1つの花茎に数個の花をつける」のがフデリンドウ。
    「1本の花茎が数個立ち、一本に1個の花 をつける」のがハルリンドウ。
    というのが見分けやすい。

林の中で、日当たりの良い平らな場所に静かに咲いている。かなの色の濃いものを掲載したが、もっと薄い紫色のものもあった。
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「ミソサザイ」

2011-04-24 13:18:29 | 野鳥

鳴神山への沢沿いの登山道で「ミソザザイ」に何度か出会った。この可愛らしい小鳥は、ザックからカメラを取り出し姿を捉えるまで、見事なさえずりを続けていた。久々の野鳥シリーズ。

「ミソサザイ」は体長が11センチ程の、国内では最も小さい鳥の一つだという。昨年の春に戸隠の自然公園を訪ねた時、巨大なレンズを構えた人10人ほどが集まっており、何を撮っているのか?と尋ねるとこの鳥だった。黒っぽい小さな鳥で、動きが素早い。山歩きの時、渓流沿いなどで良く見かける。

今、繁殖期なのだろうか。可愛い声でよく囀る。ネットでこの鳥の鳴き声を「ツィリリリ、チャヒヒチりり」と表現しているのがあった。登山道脇でたまに聞く鳴き声だが、私は「ピチクリピン」とでも現しておこうか。とにかく明るくて可愛いおしゃべりである。

至近距離で撮ったはずだったが、写真のできは良くなかった。嘴を開いて一生懸命鳴いているのは、画像を目を凝らして見ていただくと判る。ただ、この鳥の可愛らしいしぐさである“尾っぽを上げてのさえずりポーズ”を目の前でしてくれたのに、チャンスを逃してしまった。
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「カッコウソウ」に未だ会えない!(鳴神山)

2011-04-23 10:24:16 | 山野草

1昨年の春、群馬県桐生市の北にある「鳴神山」に登った。その時に“カッコウソウ”という植物がこの山にあり、大切に保護されているということを知った。この花、サクラソウ科の多年草。この山の周辺にしかないとか言われるが、特別天然記念物にも指定されていないようで不思議な花。ようやく、芽吹いたばかりの葉の写真を撮ることができた。もう一度行こう!!

最初に行った時、厳重に保護されている自生地には葉も花の形も無かった。今年こそはと、タイミングをとって登ったつもりだったが、山頂へ5分ほどの肩の広場近くの杉林の中にある自生保護地区と移植保護地区のどちらにも影も形も無かった。友人を誘った山行だけに更にショック。

「鳴神山」(980メートル)の狭い山頂は、お年寄り軍団に占領されており、苦痛だったがアカヤシオツツジが咲きはじめており、何とか心が和んだ。花が白いコイワカガミも数輪だが咲いていた。この山にはイワキンバイ、ナルガミスミレ(見たことが無い)など珍しい花が多い山だという。


帰路は座間峠方面に急坂を下り“裏の肩”から木品の登山口に戻る。カッコウソウの移植保護地区があるからだ。急な下りで、杉林が混じった場所にロープが張られており、ここにはかなりの個体数が葉を広げていた。サクラソウの仲間だというから、この葉っぱで間違いないだろう。

開花時期を待って、もう一度行って見よう!その頃は、ヤシオツツジが終わって、コイワカガミも咲いているだろう。ナルガミスミレも調べてみよう。

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「アカヤシオツツジ」

2011-04-22 11:23:58 | 山野草

今年初めて見る「アカヤシオツツジ」。私の好きな花ベスト5の一つだ。西上州のどこかの山に、この花を見るために登ろうと思っていた。去年は天丸山ー大山を歩いた時に最初に出会った。今年は件東部の桐生市の北東、鳴神山(980メートル)の山頂で咲き始めていた。

「アカヤシオツツジ」はツツジ科の落葉低木。関東地方などに多く、千メートル前後の山の日当りの良い岩稜や尾根沿いなどに多い。周囲を含め枯れた風景の中に、淡いピンク色の五弁の花を柔らかく咲かせる。花の色は濃淡に差があるが、赤みが強い場合でも派手さを感じさせない。一枝に1個の花をつけることから“ヒトツバナ”と呼ぶ地域もあるそうだ。

アカヤシオツツジの多い尾根沿いは、この花が満開になるとふわりと雲が浮かび上がるように見え、周りが明るくなる。山頂から座間峠方面、裏の肩・コツナギ沢に向かい急坂を下りる尾根沿いはアカヤシオの高さ5-6メートルの古木が連なっており、満開になったらピンクのトンネル状態になるのではないか。

あいにくの薄曇りの天気、先に陣取っていた軍団パワーに山頂は快適とはいえなかったが、咲き始めたツツジの奥に連なる微かな山容が慰めてくれた。

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「小梨山」と「戸神山」

2011-04-21 18:01:12 | 里山

火曜日の朝、赤城山や袈裟丸山系、浅間など高い山々は雪に覆われた。妙な天気が続く。高い山では残雪が多く、低い山では春の進行が早い。今年はフジ植物を見に行くのもタイミングが難しい。

目標が決まらず、とりあえず近所の山にと登ったのが「小梨山」(709メートル)。藤岡市の西、日野谷にある無名の山。昨年、ハイキングで友人達と“小梨峠”まで歩いた。日野谷の上鹿島からこの峠を経由、私の散歩コース“子王山(2000階段)”までは、関東ふれあいの道に指定されている。このハイキングコースは、途中で行き会った人の話では「20キロほど」というからかなりの距離。私は峠でコースを離れ、小梨山に向かった。

上鹿島から小梨峠までは約40分。何の変哲も無い林道をただ登る。峠付近で御荷鉾山など南側の展望が開ける。数日前に問うブログで紹介した“エイザンスミレ”が咲いていた。峠を反対側に巻いて下るふれあいの道と別れ、ほとんど踏み後の無い寂しい森に踏み込む。明るいので恐怖感は無い。サンシュユが尾根沿いにあちこち見られた。ヤマザクラの木もあるが、未だ咲いていない。急な崖をロープで下り、再び登り返し、尾根沿いに歩いた先端が山頂だった。展望も効かず、持参したミカンを食べて下山した。

迦葉山に春の花が咲いているのでは?と出かけた。天狗を祭ってある寺の駐車場から見上げると、未だかなりの残雪が残っている。「これでは植物は期待できないし、雪を歩く装備も無い」と簡単に諦めた。榛名山のどこかに変更しようとしたが、時間も遅く無理がある。「戸神山」(765メートル)を思い出した。急登もあり、展望は最高。来る時に見えたが雪も無かった。

昨年一度登っており今回が2回目。準備も無かったので同じコースを歩く。昨年は頂上で保育園児の大群に襲われ?た。今回は山の大ベテランの方に「100名山の11座がここから見える」「一番近い谷川岳が見えない」など1時間ほど講義していただいた。上州武尊山(写真奥の雪を冠した山)がとりわけ美しかった。

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「ミツバツツジ」と「ヤマザクラ」

2011-04-20 09:09:22 | 山野草

1週間ほど前、県北部の沼田市にある迦葉山では残雪が多く、登山を諦めた。今年は寒く、季節が遅れているといわれるが、私の山歩き訓練コースの牛伏山では尾根沿いに「ミツバツツジ」が新芽の林を赤紫に染め「ヤマザクラ」が浮かびあがるように咲いていた。

「ミツバツツジ」はツツジ科の落葉低木。ヤシオツツジを庭に植えたいと思い、園芸センターを訪ねたが「育てるのが難しい」ということで、ミツバを勧められた。3年経って、鮮やかな赤紫の花を付けてくれている。園芸種として、人気のツツジでもある。

牛伏山の北登山口から歩き始める。中間道を経由して登ることにする。急な尾根道に差し掛かるとミツバツツジが咲いている。芽吹きが始まったばかりで未だ枯れた林に浮き上がっているよう。頂上に続く尾根に合流した辺りから先の南側斜面は更に多く、心が和む。

赤紫の華やかなツツジと対照的に、静かな白い花が浮きあがるように咲いているのが「ヤマザクラ」(バラ科の落葉高木))。対面の八束山の斜面にも雲のように点々と桜の花が浮いており、まさに春爛漫。ヤマザクラの写真も難しく、色々な場所や角度で試したがイメージ通りには撮れなかった。

実はこの牛伏山は桜(ソメイヨシノ)の名所。山頂には神社があり、ここを境に東側の尾根は平日でも桜見物客で賑わっている。人の多い場所は好きでないので、引き返した。(手前の赤紫のミツバと奥のヤマザクラの白の対比をイメージしたのですが・・)

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