啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

食虫植物「モウセンゴケ」と「シブツアサツキ」

2012-08-29 22:27:00 | 山野草

7月下旬、至仏山に登った時、固有種のシブツアサツキは蕾を伸ばしていたが未だ咲いていなかった。モウセンゴケは写真に撮ったつもりだったのが、恥しながらピンボケだった。南アルプスから戻り、笠ヶ岳の登った時に少し回り道をしてカメラに収めてきた。

「モウセンゴケ」は被子植物でモウセンゴケ科モウセンゴケ属の食虫植物。葉にある粘毛の先から粘液を分泌し虫を捕獲する。“コケの名が付く”が、実際には種子植物で、湿地に生息。草丈は3-7センチほどで地に這うように生息している。葉柄がありその先に円形の葉(写真)をつける。葉には一面に毛が生えており、先端から甘い香りのする粘液を出す。虫が付くと粘毛と葉で包み込み捉え、消化(吸収)する。

6-8月に茎の中心から花柄を伸ばし、葉弁が5枚の白い花をつける。この個体は、オヤマ沢からオヤマ沢田代に向かう場所で、少し雨が降ると細い川になるような湿地の脇に群生していた。

「シブツアサツキ」はユリ科ネギ属の多年草。尾瀬でも至仏山ー小至仏ー笠ヶ岳周辺に分布する蛇紋岩変形植物。似たような蛇紋岩環境がある谷川岳でも自生しているという。アサツキの花より豪華で気品がありそうな気がするが、他のアサツキの仲間と具体的にどこが異なっているのは判らない。もう少し調べてみたい。ユリ科であることに驚いている状態。

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「イワウメ」と「トリカブト」

2012-08-29 08:32:54 | 高山植物

南アルプスは奥が深い?!まだ、当ブログに登場したことが無い植物が未掲載で残っていた。昨日で南アの花を一段落させるつもりでいたが、急遽プラス1。初夏に田代山で“イワナシ”の花を初めて見た(教えていただいた)が、不思議なことに、初めて見たイワウメは最初から知っていたようにスンナリと頭に浮かんできた。

「イワウメ」はイワウメ科イワウメ属の常緑小低木。高山植物。北海道から本州中部の高山帯に分布している。砂礫地や岩場に張り付くように生えている。枝は横に這い、厚味のある濃い緑の小さな葉をびっしりと密生させる独特の姿。

花は7-8月。枝先から伸びた2センチほどの花柄に、乳黄白色の花を一個つける。花径は1・5センチほど。合弁花だが先端が5裂しており、5弁花に見える。花の形が梅に似ているので名が付いていると言う。

「トりカブト」はキンポウゲ科トリカブト属の多年草。ドクゼり、ドクウツギとともに3大有毒植物としてあまりにも有名。ヤマ、エゾ、キタダケなど冠した仲間(属)だけで30種、変種が22種もあるというから単純には特定できない。

この花も地理的に“北岳トリカブト”標高で2600メートルの森林限界に近い千枚小屋付近のお花畑にあったことから“ヤマトリカブト”などと特定したいところだが決定打が無く諦めた。

全草が毒性を持つ危ない植物だが、白いニンジンに似た球根(根)の部分は、毒としてだけでなく薬として漢方薬にも使われているのだそうだ。
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「タカネツメクサ」と「イワツメクサ」

2012-08-28 12:49:50 | 高山植物

荒川小屋から悪沢岳への登りに広がるお花畑は“南アルプス最大”と言う。鹿など動物の食害対策のため囲われていたのが残念だが、私が今まで見たお花畑の規模としても最大だったような気がする。まだ、掲載していない花も残っているのだが、秋の花も咲き始めており、先を急ぐことにした。当ブログに紹介していない至仏山の固有種など含め、後が詰まってきた。荒川三山~赤石岳での高山植物で残ったものは、時期を実ながら紹介していきたい。尾根沿いの岩場や礫地に小さく群れて、印象的だったのがタカネツメクサとイワツメクサ。

「タカネツメクサ」はナデシコ科タカネツメクサ属の多年草。高山植物。風が強そうな場所でも、岩と岩の間などに小さく群れて咲いている。枝はよく分岐し腺毛があり高さは3-7センチ。葉は対生し針形。花は7-8月に咲き、茎の先に花径で1センチ弱。色は白だが、やや緑がかっている。花弁は5枚で先がかすかに2裂。

「イワツメクサ」もナデシコ科。高山植物。里の道端や道路の傍らなどに咲くツメクサと同じハコベ属。タカネツメクサと似た場所に生えているが、イワツメクサのほうがやや低い場所から見えるような気がする。草丈は5-20センチ。花期は7-9月。シャープに切れ込んだ可憐な白い花をつけている。5弁花だが中央に深い切れ込みが入っており、10枚あるように見える。







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「女峰山」(2483M)から「帝釈山」(2455M)

2012-08-27 08:47:16 | 登山

高崎ハイキングサークルの山行に加わって日光の「女峰山」から「帝釈山」を歩いた。サークルでの企画が無ければ“一人でも今年行きたい”と計画していた山。11人の大勢のグループでの山歩きとなった。2回目となる“2本ステッキ”も使い方をアドバイスいただくなどして、目途が付いたような気がする。大汗をかいての素敵な山行だった。

「女峰山」(2483M)は日光市の北、男体山の北東約7キロにある。日光火山群の一角を占め、山頂は女性らしく山頂を尖らせた神経質そうに見える山?近隣の太郎山や日光白根山から見ると、男体山より興味をそそられる。南面の山頂直下や沢沿いは石や岩ががゴロゴロとした急峻な場が多い。山頂から西に向かう稜線上にある「帝釈山」(2455M)までは、やせた尾根(「剣ヶ峰」)が続く。


コースは「志津峠(林道車止めゲートまで)」→馬立分岐→唐沢小屋→女峰山→専女山→帝釈山→富士見峠→馬立分岐→志津峠(行動時間で約8時間ほど)

男体山、小真名子山、女峰山への分岐点となる志津峠。ここから林道を先に進めたが石がゴロゴロ、掘れ込んでおり大変な悪路。車止めゲートから先は更に悪く、人は何とか歩けるが、戦車でも通れないような林道を歩く。馬立分岐で林道と別れ登山道。急な坂道で沢に下る。沢の水は枯れているが、土砂で押しつぶされ道が寸断。反対側の黄色のペンキを目指す。ここからは急登となる。

ダケカンバ、シラカバなどの樹林で陽射しはカバーされるが、岩が多く流れで掘れ込んだ道は苦労する。沢から吹き上げる風は心地良いが、汗が吹きだしてくる。オオハンゴンソウやキオン、ゴマナなど咲き揃う唐沢小屋で大休止。頂上直下の規模の大きいガレバ。先行者3人が見え、落石が心配されるので緊張。先人の通過を待ち、リーダーの指示で約70Mほどの岩場を素早く横切る。トップの写真は、両手両足を使って登る30度以上の急な登りだが誰かのお尻しか目立たない?緊張感の無いものとなってしまった??

沢からの風が冷たくなり“もう休みたい”と思う頃に小さな祠があり、西側に山頂の道標が立っていた。ガスに包まれ会津や那須、日光連山の展望は効かなかった。時折切れる雲の間から、西に連なる大真名子山や帝釈山、東の赤薙山など顔を覗かせてくれた。


山頂で食事を取り、小一時間休んでスタート。急な登山道を下り、痩せ尾根を通って帝釈山。富士見峠まで降り、ここから更に岩だらけ、大きく掘れ込んだ歩きにくい下山道を黙々と下った。岩だらけの林道を馬立、ゲートまで戻った。



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「オヤマノエンドウ」と「ミヤマシオガマ」

2012-08-25 10:41:32 | 高山植物

“テレビがつまんない!!”と思っているのは私だけだろうか。私の場合「録画してでも見たい」と思う番組は、1週間に1-2本程度。オリンピックのサッカーなどは夜中でも見たのだが・・・。自作自演で正義の味方?!を演出している古館キャスター(Nステーション)など、滑稽にしか見えないが・・・・他に見る番組が無いから見てしまう。まぁ、何でも良いが南アルプスの高山植物がまだ残っている。

「オヤマノエンドウ」はマメ科オヤマノエンドウ属の多年草。高山植物。茎は木質化して半低木となる。高さは5-10センチ。写真は花の部分しか写っていないが、葉はマメ科らしい」?形をしており、両面に軟らかい毛が生えている。千枚岳から丸山辺りの稜線沿いにあったようだ。

花期は6-8月。長さが1-5センチほどの花柄の先に1-2個の青紫色のマメ科らしい?花をつける。花の長さは1・5-2センチほど。図鑑では知っていたが、現物を見たのは初めてだった。

「ミヤマシオガマ」はゴマノハグサ科シオガマギク属の多年草。高山植物。中部以北の高山帯の砂礫地や乾燥した草地に自生する。「タカネシオガマ」に良く似ているが、葉の切れ込みが深いことなどが見分けのポイントだとか。草丈は5-15センチほど。

花期は7-8月。茎の先端に唇形で赤紫色の花を10個ほどつける。ずっと、ヨツバシオガマで風の強い場所に咲いており、茎や葉が伸びきれないタイプだと思っていた。

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「タカネビランジ」と「イワベンケイ」

2012-08-24 11:19:16 | 高山植物

尾瀬ヶ原の竜宮から見晴らしに向かう途中、岩魚が泳ぐ川を覗いていると、福島県の南相馬市から来たという女3人、男1人のグループと出会った。会話が弾み震災の話になったが「もう、大変ですねとか頑張ってくださいとか言われたくない」と・・。新聞やテレビが報道しない、原発からの避難地域の悲惨な現状を生々しく語っていた。

70歳近い男性の話
1、避難地域は荒れ放題。空き家には泥棒が入り、野生化した犬や豚  がすんでいる。
2、泥棒はボランティアの格好をしたり、復旧工事の作業員の姿    をして入り込んでくる
3、泥棒が撮るものは最初はお金だったが、今は家具など何でも持ち  出している
4、地元側でも、お金持ちは素早く遠くに逃げた(避難?)まま。戻ってくるのは“帰らざるを  得ない人”
5、仮設住宅に住み、補償金など得ながらも自宅を他人に貸し出すなどうまくやっている  人もいる。
6、お医者さんや教員など情報を得やすい人は原発事故への対応が早く出来た。    私達は何も知らされず、何も持たず訳の判らない状態で避難した

矛先を向けやすい“国や自治体への責任追及”と“空々しい同情”がテレビのキャスターの語り草や新聞の論調に多すぎると思いませんか???

「タカネビランジ」はナデシコ科マンテマ属の多年草>高山植物。南アルプスの高山帯で主に花崗岩帯に多い植物。草丈は5-15センチほど。7-8月に5片で先がハート型にくびれた白い可愛らしい花をつける。花色はピンク系まである。花径は2-3センチほど。ナデシコ科といわれると納得できる花の形をしている。南アルプス特産種。関東北部の山の岩場にビランジと呼ばれる種があり、その高山型変種だという。

「イワベンケイ」はベンケイソウ科イワベンケイ属の多年草。高山植物。高山の稜線沿いの岩場など厳しい環境でも育つ。多肉質の葉を持ち、6-8月に黄緑色の花を付ける。根が太く長い。乾燥するとバラ系の芳香があり、ハーブとして使われる。気分向上、鬱状態の改善などハーブ効果があると書かれていた。

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「尾瀬ヶ原」と「歩荷(ホッカ)さん」

2012-08-23 10:52:30 | 低山歩き

尾瀬には今年5回目だが、尾瀬ヶ原は昨年秋口以来。同行したカミさんは至仏登山についで今年2回目だが、尾瀬ヶ原を歩くのは「子供が小学生の頃以来」だというからン?十年振りになる。陽射しは強かったが、湿原を渡る風は爽快で自宅周辺のうだるような不快さは無かった。湿原にはアキノキリンソウが咲き始め、オゼミズギクとサワギキョウ、ヒツジグサが満開。振り返ると・・至仏山を背景にした木道には誰一人居ないこともある静けさ。「こんなに静かな尾瀬・・来て良かった」(カミさん)

「歩荷(ボッカ)」は山岳のような難所で、人間が背中に荷物を背負って徒歩で運搬すること。または、運ぶ人のこと・・・と言うのが解説。背負子(しょいこ)をつけ、箱詰めにした荷物を何段も重ね(写真)運ぶ姿を思い出す。似たような仕事に「強力(ごうりき)」があるが、こちらは「歩荷」+「登山案内」を生業とする日本古来の運送業務ということで、少しニュアンスに違いがあるようだ。

歩荷さんには赤田代から東電小屋に向かっている時にすれ違った。尾瀬ヶ原周辺ではたまに見ることがある。以前会った人は「足腰を鍛えるため」と話してくれた。専門に職業とする人は少なくなっており「尾瀬ヶ原と白馬岳の夏季だけしかみられない」という。この歩荷さんの頭上を、見晴らし十字路にコンクリート(生コン)を運ぶヘリが何回も往復していた。

「尾瀬ヶ原」のハイキングコースは多彩。22日には鳩待峠→(3・3K)山ノ鼻→(2・2K)牛首→(2・2K)竜宮→(1・6K)見晴十字路(下田代)→(0・8K)赤田代→(0・9K)東電小屋→(1・0K)ヨッピ吊り橋→(2・3K)牛首→以下は鳩待峠まで5・5キロ。歩行距離で約21キロ。カミさんの万歩計は約3万8600歩を数えた。行動時間は午前7時半スタートで鳩待峠帰着が午後3時。昼食や休憩を含め7時間30分だった。

尾瀬の植物の豊かさには感心させられる。今月上旬の笠ヶ岳とは場所が違うと言えばそれまでだが、行く時期や場所で新しい発見がある。微かに草紅葉を感じさせる草原にはサワギキョウやオゼミズギクが咲き誇っていた。

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「ウサギギク」と「ミヤマダイコンソウ」

2012-08-21 22:16:30 | 高山植物

今日は今年5回目の尾瀬.カミさんと鳩待峠から尾瀬ヶ原を歩く。意外だが、尾瀬ヶ原の観光コースを一緒に歩くのは久し振りで「子供が小学生だった頃以来かもしれない」とか???そう言えば、尾瀬ヶ原への人の多さ嫌ってアヤメ平や至仏山に予定を変えたことが何回かあった。ーーーーーまだ、南アルプスの花がいっぱい残っている。

「ウサギギク」はキク科ウサギギク属の多年草。高山植物。本州中部以北から北海道の亜高山~高山帯の草原やガレ場、岩の隙間などに多い。強い風が吹く場所でも見る。対生するヘラ形の葉をウサギの耳に見立てて名が付いている。荒川三山の尾根沿いからお花畑まで、岩の隙間や登山道脇などに咲いている。

茎は20-30センチで、先端に花径5センチ弱の明るい黄色の花を一個つける。鮮やかで良く目立つ。花期は7-8月。

「ミヤマダイコンソウ」はバラ科ダイコンソウ属の多年草。高山植物。千枚岳~赤石岳の尾根道の岩の隙間やガレ場、風の強い尾根道など所々咲いている。高さは10-30センチ。花期は7-8月。花は黄色で花径は1・5-2センチで5弁花。

シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、ダイコンソウなど似た花が多いが、花の大きさや葉の形、自生している場所などで区別できる。花の様子が一番似ているミヤマキンバイとの区別が難しいが、葉が大きいのがミヤマダイコンで、葉が三裂しているのがミヤマキンバイと思っている。

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「タカネマツムシソウ」

2012-08-21 10:02:10 | 高山植物

※21日付けに添付し忘れていました。
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「イワオウギ」と「タカネマツムシソウ」

2012-08-21 09:00:38 | 登山

前橋市の今日(21日)の予想最高気温が36度C。百葉箱の外では40度Cを越えるのではないか。内陸性で1日の温度差の大きい乾燥した地域だけに、群馬県の平野部に住む人は、日本一高い気温になる可能性を誰もが感じており、慣れてはいるのだが・・・それでも暑い。

「イワオウギ」はマメ科イワオウギ属の多年草。高山植物。中部以北から北海道までの亜高山、高山帯の砂礫地に自生している。南アルプスの千枚岳から荒川三山ー赤石岳への尾根沿いの岩場や草が付いたガレ場に咲いていた。花期は6-8月。

草丈は20センチまで。葉や花の形が平地に咲くクサフジに姿が良く似ているが、花の色が淡い黄色というか透き通ったベージュで丈も低い。茎の先に房状に10-30個の小さな花をつける。見栄えのする花ではないが、記憶に残る花だ。

「タカネマツムシソウ」はマツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。高山植物。マツムシソウの高山型変種で、ミヤママツムシソウの別名もある。草丈は30-50センチ。長い柄の付いた根出葉と茎には対生する葉があり、ニンジン葉状に深い切れ込みが入っている。

茎の先端に付く頭花は径5センチほどあり、原種のマツムシソウより大きい。色は青紫色が多いが白咲きなど変化もある。縁側の小花は大きく、先が五裂し外側に伸びる。中側の小花は小さく筒状になり、先が5裂する。
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